1月21日、22日両日は大学入試センター試験である。
平成18年度入試(今回の試験)から、外国語試験(英語のみ)にリスニングテストがやっと加わることになった。
大学の先生や事務職の方のブログを読むと、やはり実施についての不安が随分書かれているように思う。わからなくはない。
僕たち高等学校の英語教師の立場で言わせてもらえば、とっくに実施されていて当然のリスニングテスト。心配事、不安はあるのが当然だが、実施しなければならない。そうでなければ、いつまでたっても大学入試が高校の英語授業改善の障害物として立ちふさがることになる。
実施されるのに、わかったようなわからないような理屈(へりくつ)を並べ、受験させておいて一次試験の得点計算から除外するという一部(不届き・不愉快)国公立大学もあるようだが、考えをあらためてもらいたいものだ。これは、どんないいわけをしても、センター試験での英語力の判定を軽視することになる。間違いである。当該大学の受験者の英語力(点数)は、高校まで6年間の英語学習の総和である。学校での学習、学校外での学習全部ひとまとめにして受験生は受験するのである。一部分の受験方式(リスニング)を欠いた形で1次試験のポイントとするのは合点がいかない。
リスニングテストが実施になったので、おそらくは筆記試験の内容も変更になっている。そこには、会話表現などの以前は出題されていた出題形式の設問が、削除・削減されていることが充分予見できる。筆記部分だけでバランスのとれた学力を測ることができるのか、考えなくてもわかるはずだ。
2次試験でリスニングを実施するとしても、どれほど立派な問題ができるのだ。僕には大きな?が浮かぶ。センター試験のリスニングテストに代わるものを2次試験で行う。なかなか難しいのではないか。センター試験以上の”品質”の問題を作れるのか。本当に学習指導要領に合致したものができるのか。
本当にこんなことをするには、高校までのOCI教科書のシェアのトップ5程度の教科書はすべて網羅的に内容を見て、それらがどのように高等学校で使われているか(実際の授業におけるリスニング、スピーキング活動)調査して作ってもらわなければならないと思う。これらが問題を出すならば基本的な要求水準だろう。基本的な要求水準を逸脱してしまう問題(水準以下、以上・以外)ならば、悪問であると思う。(以下だったら、センター試験のリスニングテストの点数を使う方がいいのだし、はずれるのならば問題外だ。)いずれにしても、そんな手間ひまをかけることができるのか。無理だろう。
センター試験の問題をすべて是認するつもりなんかはないけど、何が公平公正なのか考えるべきである。リスニングテストの点数を英語の点数に算入する方が、公平安心(&安全)ではないのか。まさかとは思うが、2次試験で実際に音声を聴き取る方式の問題が英語になかったら、それこそ大問題である。
何をどのように言い繕っても、結局は読む、内容を考える、書くの力を重視していることを白状していることになる。それならそれで、しっかり表明すべきだ。それならば、高校もそのような考え方の大学の問題調査もしよう、それにあわせた、「学力」というものを考えよう。しかし、それを表明してないので、わかったようなわからないような理屈なのである。
国立大学法人になろうと国立大学のままだろうと、学習指導要領に基づいて学習してきた者に対する適切な態度(真摯な態度、問題作成)はどうなのか、考えればわかることだ。それがわからないのであれば、高校生の学力・英語教育の改善とか言う資格はないと思う。
ガンバレ受験生。
午後には英語の試験があるぞ!