〔雑感〕
やっとゴジラの故郷日本で公開された『GODZILLA』。公開3日目、7月27日(日)に見た。
特報等で公になっていることだが、『日本(のどこか、静岡県?)でおこる原発メルトダウン』『ハワイの津波シーン』は、東日本大震災を思わせる。あの地震の記憶を呼び起こす映像は、正直きつい部分である。
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映画評論家等の間では、本作は60年前の第1作と違い、(非・反)核に対するメッセージ性が弱いか、もしくはないという意見もあるようだ。
ここ2ヶ月で両作品を見た。その意見は正しいようにも思えるし、違うようにも思える。正直よくわからない。60年前の作品と比較することにも、そもそも意味があるのか、あるとすればどのようなものか。
朝日新聞(7/29朝刊)文化面にも論評が出ていた。
『第1作の精神 正しく継承』(開田裕治・イラストレーター)
『やられた! どうする日本』(中島かずき・脚本家)
『散漫な物語 筋書きに問題』(想田和弘・映画監督)
『自由な視点 戦慄リアルに』(樋口尚文・映画評論家)
全部読ませてもらったが、三番目が批判的なコメントかなと思う。
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映画ファンの掟なので、ストーリーの詳細は書かないことにする。役者さんのことをちょっと書きたい。(ストーリーはWikipedia日本語版がかなり細かく、ばらしてくれているので、そちらをご覧頂きたい。)
印象に残ったのは、主人公フォード・ブロディーの妻エルを演じたエリザベス・オルセンである。
怪獣が引き起こす災害、絶望的な破壊。その中で子どもを思い、軍人である夫の無事生還を願う。自らは看護師として、精一杯できることをしようと努力する。登場時間は少ないけど、何だかほっとする役回りである。
僕はこの女優さん、全く知らない人だ。いいキャスティングだと思う。角度によるけど、何となくだが、『キック・アス/ジャスティス・フォーエバー』のクロエ・グレース・モレッツに似ている。
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さて、真の主人公・ゴジラである。
日本版というかオリジナルのゴジラと、今作のゴジラのビジュアルイメージは違う。ただし、1998年のローランド・エメリッヒ作、『TOKAGE』と悪口を言われる『GOZILLA』等とは比べものにならない。うまい日本語ではないが、日本の映画ファンが納得する「正しい」「求められる」ゴジラ。This is the Gozilla.である。
本作のゴジラ、日本のゴジラよりも、やや首が短いかなと感じる。肩の筋肉が盛り上がっている。日本のゴジラがカンガルー、今作のゴジラはグリズリーのような感じ。ただ、でかくて、重くて、まさに破壊神・怪獣王の雰囲気はある。
雄叫びがオリジナルに近くて、ほっとした。
この夏MUSTものの1本である。(文中敬称略)