僕たちは公務員である。支出の細かいところまで、納税者に説明責任がある。
僕は高校の進路指導部に所属している。おそらく、高校教師の仕事としては、最も民間の方に仕事でお会いすることが多いポジションだろう。日本の社会では、相手先を訪問するとき、ふつう名刺交換という”儀式”がある。大学、短大、専門学校、各企業...来校してくれるどこの方とも、僕は名刺を交換することになる。
よく言われることだが、学校の先生は名刺を持たないことが多い。恐らく持たない方がマジョリティーである。でも、僕たち進路指導部はそうはいかない。当然名刺を持つことになる。名刺を持ち外部の方と合うことが仕事の基本になる。
さて、この名刺、民間企業の事情はよくわからないけど、どこの(だれの)予算で印刷するのだろう。民間企業では、自分の名刺は誰が印刷してくれるのかな。それとも自腹なのかな?なぜこんなことを考えるかというと、現在学校においては、公費で名刺を作成してもらえないからだ。
僕はこの件に関しては、おかしいと思うことがある。作成できない理由付けが納得できない。
学校の支出の基本原則として生徒に直接利益が還元されない(個人名…僕だったら、全英連参加者…名で名刺を作る)ことへの支出は許されない。どんな校務分掌(教科指導以外の校内の仕事分担)に所属していても、名刺は私物扱いになる。なぜなら個人名だから。名刺は個人の物、私物あつかいなのだ。私物なので、公費で印刷はしてもらえない。使うのも私用になるらしい。でも、これおかしくないかな。
僕たちがなんのために企業の方と話しをしたり、大学関係者と会い、情報収集をしているのか。これは生徒の就職希望・進学希望が叶うように思うからだ。これこそまさに、THE公務である。この仕事は、それでも、生徒に直接利益が還元されないのか。わからない。
…直接とは何だ。
僕たちは私用で、上級学校や企業関係者と会っているわけではない。
僕たちは大学や企業情報を得、それを生徒に伝えることは、一にも二にも生徒のためである。これが利益還元といわないで、何なのだ。僕はこの考え方がわからない人間の判断が理解できない。納得もできない。どう考えても受け入れがたい。
僕の仕事は生徒に還元されない仕事なのか。ここまで言われる筋合いはないと思っている。