全英連参加者のブログ

全英連参加者の、言葉やその他諸々についての雑感... 不定期更新です。

入試問題をふりかえる。最終回のつもり

2005-03-30 21:16:33 | 教師の仕事 2005

 H16一般入試大問4は、総合(?)問題です。H17後期入試大問4もこの傾向は同じです。

 Q1はそれぞれ2問、いずれも会話の中の1文の語群を正しくを並べ替える問題です。
 H16Q1(1)会話は4文、その中の1文が対象です。5語を並べ替えるもので、疑問文を作らせるもの。(2)も会話は4文、その中の1文が対象です。6語を並べ替えるものでした。こちらも疑問文。配点1×2
 H17Q1(1)会話は4文、その中の1文が対象です。5語を並べ替えるもので、疑問文を作らせるもの。(2)は会話は5文、その中の1文が対象です。6語を並べ替えるものでした。こちらは平叙文で、主語がすでにあるので、動詞の認定ができるか否かを確認する問題です。配点1×2

 Q2は作文です。
 H16
  次の[     ]のような場面のとき、あなたは道で会った人にどのように言いますか。適切な1文を考えて、英文で書きなさい。
  場面 [  あなたが図書館への道を尋ねるとき  ]配点2

 H17
  休み時間に、職員室の前で、次の絵のような状況にあるALTのWhite先生に出会いました。この場面に合うように、あなたとWhite先生の会話を完成させなさい。
  ただし、( A )には3語以上、( B )には2語以上の英文で書きなさい。配点2
 会話の完成なので、(A)(B)には関連性が求められる。絵はホワイト先生がハンドアウト、教科書を抱え職員室ドア前で、焦っている(こまっている)様子を描いています。

 Q3は作文です。
 H16
 英語の授業で「私の好きなもの(人)」を紹介することになりました。あなたが好きなもの(人)を一つ(一人)選び、その理由を含め、まとまった内容の文章を5文以上書きなさい。
 最初の文は、I likeの後に続けて書き始めなさい。なお、この最初の文も5文に含めることにします。満点4

 H17
 問3 英語の授業で、「これまでの生活の中で思い出に残ったこと」について、短いスピーチを行うことになりました。あなたのこれまでの生活の中から思い出に残ったことを1つ選び、まとまった内容の文章を5文以上英文で書きなさい。
 最初の文は、I’m going to talk aboutの後に続けて書き始めなさい。なお、この最初の文は5文に含めますが、最後のThank you.は含めないものとします。満点4

 いずれも書き始めが指定されている点は同じ。H16年は特に明示していないが、文書による紹介とも、スピーチ原稿ともとれる。スピーチと見なすと、最後にThank you( for listening.)とかで1文かせがれて(?)しまったから、H17はこんなスタイルにになったのかなと、疑ってみたくなる。

 Q2Q3を見るとわかることは、指示が長いこと。日本語を読むだけで疲れて大変だということ。

*****

 曲がりなりにも分析をしてみて感じること。
 WPMが増えたこと。会話のやりとりの回数が増えたこと。長文問題の語数が増えたこと。未知語が増えたこと。作文の条件が増えたこと。。。 易しくなったところがあるなら、どこか教えていただきたい。


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続新・入試問題をふりかえる。

2005-03-28 19:44:15 | 教師の仕事 2005

 入試問題をふりかえる... まだまだ続きます。

 H17後期募集(元の一般入試)大問3は、いわゆる長文読解問題です。
 パラグラフ数と語数は、H16が5/353、H17が5/448(26%増) 脚注:未習語句数はH16は7語、H17は10語
 H16の未習語にはbe able toが入っていたけど、今年はそれほどのびっくりはありませんでした。

 H16 問題数8 満点10点
 Q1.小問2 配点1点×2
 それぞれ書き出しに続けて、文を完成させる場合、最も適切なものを選ぶ問題。(4択)
 Q2.本文の内容に関する英文に英語で答える問題。配点2点
 Q3.本文の内容に関する日本語による設問を読み、具体的に日本語で記述する問題。配点2点
 Q4.内容の要約(英文)の空所補充。4カ所のカッコを5語から選ぶ。配点1点×4

 H17 問題数9 満点10点
 Q1.小問4 配点1点×4
 それぞれ書き出しに続けて、文を完成させる場合、最も適切なものを選ぶ問題。(4択)
 Q2.本文の内容に関する日本語による設問を読み、具体的に日本語で記述する問題。配点2点
 Q3.内容の要約(英文)の空所補充。4カ所のカッコに適語を入れる。配点1点×4

 問題文の分量は増えた。H16Q1とH17Q1を比べると、問題数が倍になっている。
 それぞれの最後の問題(要約作成)が昨年は5語から4カ所に入る語を選ぶ形式だったのに、今年は記述になっている。答えるべき問題数も1問増加。

 中学生のどのレベルをターゲットレンジにして問題を作成したかわからないが、H16と比較すると明らかによりアカデミックレベルの高い集団を想定していると考えられられます。


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「4技能のバランスのとれた」英語教育

2005-03-26 17:14:50 | 教師の研修 2005

BigSight 「英語の使える日本人」育成のためのフォーラム2005に出かけました。2日続けて東京ビッグサイトです。

 昨年に続いて参加したフォーラム。去年自分は英語教員集中研修のあり方に関しては賛否あるけど、予算措置があることはよいことだと感じた覚えがあります。平成17年度からこの集中研修予算の国庫補助が、例の三位一体改革により、一般財源化されるらしい。集中研修にかけられるお金が、最初の2年間と同じく確保できなくなる可能性があります。まずいのでは?

*****

 基調講演は明石康氏
 『英語でも考えられる日本人』がテーマ。英語が使えるだけではだめ。英語力と発信内容が両輪。これがそろわないと、きちんとした情報発信にはならない。(=ごもっとも)

 教養としての英語vs.実用英語
 今は後者に振り子の針が振れすぎとの意見。

 ここ数年の、英語教育は「発信力向上」といわれ「話すこと」が全面にでていたような気がしていました。もちろん、「話すこと」をしっかり指導するのは当たり前ですが、そのことがあまりに重視されていたのかもしれません。他がおろそかとは言わないまでも、他も同じように大事にしなければならないのは理解できます。
 4技能のバランスを崩すぐらいに、行政が力を入れないと、教師のマインドは変わらなかったのかもしれません。その意味で、「英語の使える日本人」育成のための行動計画は、成功しつつあるのかもしれません。

*****

 いろいろ資料を集め、話を聞き、勉強をする。有意義な2日間でした。

 寒かった。。。
 新橋駅ではそれほど感じなかったのに、お台場近辺はやっぱりベイサイドなのだということがわかりました。あと、地域全体が遊園地みたいだと思いました。


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SELHi:セルハイ(セ、にアクセント) forumに参加しました。

2005-03-25 21:11:37 | 教師の研修 2005

SELHi セルハイ:スーパー・イングリッシュ・ランゲージ・ハイスクール(Super English Language High School)は平成14年度に始まった英語教育改善研究指定校制度です。各研究指定校は英語教育の教材開発、授業展開その他諸々の研究を行い、その研究成果が日本の高等学校英語教育の改善・向上に役立つように期待されています。
 平成16年度で第1期(平成14年度研究指定3年間)が終わり、研究成果が発表されることになりました。

*****

 平成14年度SELHi指定を受けた公私2高等学校の実践報告を見て感じたことです。

 公立学校発表:大阪府立千里高等学校の実践報告。
 同校は1967年創立の8クラス×3学年規模の普通科と国際教養科併設の高等学校。「国際人に求められる、”High Level”なコミュニケーション能力を有する生徒の育成」を研究課題に据えました。この課題の具体化をめざした教材開発・授業計画・実践の報告がありました。
 外国事情の授業の一環としてディベート(模擬国連onAIDS)の様子が紹介されましたが、学校としてSELHi指定以前からの英語教育の様々な実践の”貯金”があり、”経験値”が高いとはいえ、3年間でここまで英語を用いた活動ができる-できるように指導できる-のはすごいことだと感じました。
 現在の自分の授業で何ができるか探しましたが、シャドウイングをさせ方が参考になりました。

 私立学校発表:東京都の目白学園高等学校の実践報告。
 私立学校で中高一貫教育の学校であること。外国人スタッフが8,9人いることなど、公立学校での実践・状況と比較検討することができるレベルの学校ではありません。授業展開も少人数+TT( or 外国人教諭単独授業)により、生徒を英語を使い何かをする環境においています。私立高校だとここまでやれるものなのかと思いました。

*****

研究会に参加するときに、僕が唱える呪文
 「研究指定校実践報告なので、すごくて当たり前。自分の勤務校ではできっこない」なんて絶対言わない。

 何かヒントを得るための参加です。A needle in a haystackは「無駄骨、骨折り損のくたびれもうけ」の意味だけど、そうならないように、見聞を広めたいと思います。僕は1本はクギを見つけよう。今回も見つけました。

*****

 気になった言い方
 「SELHi」での成果を、その学校全体の取り組みにする。。。してほしい。
 SELHi研究指定が学校全体の英語教育としてではなく、その学校の一部(英語を中心とした専門学科:外国語科等)での教育実践を対象としている場合があります。だから、「その学校全体の」と、いうことが言われるわけです。同一校内の教育活動改善につなげることが難しいならば、他校への情報伝達はもっと難しい。でも、SELHi指定は研究成果が高校英語教育全体の向上改善に資することが、目的だったはず。そのための今日のforumでもこういうことが言われる。やっぱり難しいんだ。
 「普通科」にも広げる... 自分の勤務校は普通科商業科併設校です。
 「英語が使える日本人」育成構想がいう「日本人」とは誰なんだろう。SELHiとほぼ時を同じくしてSSH(スーパー・サイエンス・ハイスクール)という制度も始まりました。これは理数科教育の改善研究をする学校を指定するものです。当初SSHについては、いわゆる伝統校・進学校と誰もがわかるような学校を指定し、SELHiはそうではなく、外国語教育に特色のある学校を選ぶとのことでした。今日の研究発表では、「普通の中堅校」という言い方が耳につきました。「普通の中堅校」や「かなりの学校」での実践は、何がどこまで自分の勤務校で応用可能なのか、よく考えなければなりません。

 「研究指定校実践報告なので、すごくて当たり前。自分の勤務校ではできっこない」

 できない理由を作るのは簡単。ダンプカー1台分すぐ見つかります。言い訳はどんどんふくらみます... JABEEにつながる工業系学科の英語教育や、商業系学科の英語教育の困難さが頭をよぎります。4月以降の授業をどうするかも考えなければなりません。でも、日々のことのみを考えていては近視眼になります。
 「日本人」が「普通の中堅校に通う、普通科高校生only」になってはいけないと思います。専門学科(商業科・工業科)が忘れられているとはいいませんが、何か腑に落ちませんでした。商業科の英語授業担当の僕は何をすべきなのか... 僕ががんばればそうはならないなんてえらそうなことはいいません。でも、どうすればいいのか。

 幸い、ダンプカーのタイヤをパンクさせ、いいわけ風船(?)を破裂させる新しいクギも手に入りました。また、がんばろうと思いました。


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続・入試問題をふりかえる。

2005-03-22 19:55:38 | 教師の仕事 2005

 H17後期募集(元の一般入試)大問2は、会話文を読み、設問に答える形式です。

 共通点は日本人生徒とALTの会話文であること。文の数と語数は、H16が44/293、H17が45/359(20%増)
 20%増とは。。。リスニングも同じくらいの増量でした。

 設問数はいずれも5

設問内容
H16
 Q1 空所補充 空所に入る文を選ぶ(4択)
 Q2 空所補充 I hope so.を空所に入れる(4択)
 Q3 主人公の説明を読み、正しいものを絵で選ぶ(4択)
 Q4 指示代名詞の説明を日本語で行う。
 Q5 内容確認(英文4択)
  Q4以外は択一問題

H17
 Q1 空所補充 空所に入る文を選ぶ(4択)
 Q2 グラフを見て本文の内容に合うものを選ぶ(4択)
 Q3 空所適語補充
 Q4 読書クラブ勧誘英文ポスターの空所に入る英文を選ぶ(4択)
 Q5 内容確認(英文4択)
 今年の問題文は前半後半に分かれ、Q1Q2が前半、Q3以降が後半に関する質問。Q3以外は択一問題 前年のQ4よりは易しい(?)かな。

 配点はH16H17とも各2点で10点満点。日本語がなくなった。英文が増えた。総合的に見ると、やはりH17の方が難しいのではと思う。


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入試問題をふりかえる。

2005-03-21 15:46:53 | 教師の仕事 2005

 埼玉県の公立高校入学試験問題。リスニング問題が、平成16年度一般入試と比較すると、非常に難しくなっている印象を受けたので少し比較してみました。

設問数・配点
 H16 10 ①×8  ②×2  12点
 H17 12 ①×12 12点

配点は同じ。設問数増加。

時間 解答の仕方の説明、各設問の説明(両方とも日本語)、会話等の放送
 H16 12分
 H17 13分30秒

内容 受験生が聞き取らなければならない英文(s)の数
 H16 77s
 H17 101s

受験生が聞き取らなければならない単語(w)の数
 H16 513w
 H17 634w
 平成16年度一般入試でも、平成17年度後期入試でもすべてのリスニング問題が2回ずつ放送されました。(各設問は「問題文・質問」を単位として繰り返す。そのあとで次の設問に進む。)

WPM
 H16 513w×2=1026語を12分で  85w/分
 H17 634w×2=1268語を13分30秒で  95w/分
 1分で聞く単語数が10語増。

 実際は、リスニングテストには、日本語による説明や設問間ポーズ(ほんの数秒)があるので、12分、13分30秒全部が英語リスニングではありません。実際はもっとWPMの数値は上がります。

【全県の平均点、出題者(県教委)予測より絶対下がるぞ。。。。】


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授業実践をウェブサイトにのせました。

2005-03-20 17:26:44 | 教師の研修 2005

 今学期実践した和訳先渡し方式授業について、以前から相互リンクをしていただいている、岡山県高等学校教育研究会英語部会のウェブサイトに情報更新の報告をしました。このほど、僕のウェブサイトの増設ページを取り上げてくださいました。都道府県レベル研究会が県外のそれも個人サイトを取り上げていただけるなんて、すっごく恐縮です。。。

 岡山県高等学校教育研究会英語部会のホームページ
 http://okayamaenglish.web.infoseek.co.jp/index.html

 和訳先渡し方式授業報告のページ
 http://www3.ocn.ne.jp/~thx1138/sakiwatashi/index.html


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花粉症がひどい。。。

2005-03-18 18:50:16 | 教師の研修 2005

 18日(金)、今日は成績会議。1年間の評定を公式に認定する日です。
 ここ数日花粉症の影響で、まともに話すことができません。自分はだいたい2月終わりから、4月中頃までが花粉症のシーズンです。幸いこの時期は授業もほとんどなく、授業中にくしゃみ大爆発にはなりませんが、入試の監督は冷や冷やものですし、採点には大きな影響が出てしまいます。本当に辛い。

 さて、春休みの研修承認願いが提出できました。結局3月25日~4月6日の9日間で、自宅で教材研究に専念できるのは2日間。その他、文部科学省主催のフォーラムに2日間行けるのが研修といえば研修です。
 きっちり勉強して、研修報告をまとめ、教科に情報を流したいと思います。


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春休みの研修計画

2005-03-16 05:52:06 | 教師の研修 2005

 3月も半分終わりです。
 3月と4月の研修計画を立てる時期になりました。じっくり本も読みたいし、新年度の授業計画も考えたい。やりたいことはいっぱいあるのに、時間があまりありません。でも、次のイベントには参加できそうです。
 25日(金) SELHiの研究発表
 26日(土) 「英語が使える日本人」育成のためのフォーラム

 年度末なので指導要録を書く作業もあるし、新転任の先生との打ち合わせもあるし出勤日が増えそうです。在籍している放送大学学習センターでの勉強もあまりできなそう。ちょっと残念。

 今日から放送大学大学院科目の文化人類学研究(’02)の放送が始まります。集中放送は23日までですが、録画しておもしろそうだったら、平成17年度後期に履修しようと思っています。

 年度末、本当に忙しいです。本当の師走はこの時期です。


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全英連参加者のページ・別館増築

2005-03-13 21:14:59 | 全英連参加者 2005

WebMaster 全英連参加者のページの別館として、全英連参加者のブログを増築しました。
 あまりぱっとした名前ではありませんが、本館(全英連参加者のページ)同様よろしくお願いします。


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