先月の末(2008年10月30日)に「雲見 クマノミ」として書いた記事に間違いがあった。
”冬にクマノミが死滅した後もイソギンチャクには特に変化はない。したがって、イソギンチャクにとって、クマノミはいなくてもあまり関係ないようだ。”という記述の部分だ。
チョウチョウウオの食性を調べていたら、どうやら、チョウチョウウオの仲間のトゲチョウチョウウオは、小型のイソギンチャクや海綿、小動物を食べているらしい。それをイソギンチャクから追い払っているのが、クマノミのようだ。したがって、クマノミとイソギンチャクは、互いにそれぞれを守りあっている美しい共生関係にあると言える。互いに、防御に苦手な部分を補い合って生活しているのだ。
そもそも、<クマノミがいなくてもイソギンチャクには関係がない>とする根拠は、千葉県館山市にある財団法人 海洋生物研究所(http://www.kaiseiken.or.jp/)を見学する機会があり、そこで飼育されていた数種のクマノミについて議論した結果による。
つまり、日本では季節回遊魚、または、死滅回遊魚と言われるクマノミやトゲチョウチョウウオなどの魚は、温帯海域の水深 15 ~ 20 メートルの浅場に住んでいる。チョウチョウウオの場合は、春から夏にかけて一度に数千個のも卵を産卵し、その卵は海水表層を浮遊し、やがてふ化して稚魚となる。長い浮遊期間を経て、なんとか流れ着いた浅場で越冬にチャレンジするのだ。しかし、本州では越冬できずに死滅してしまうので、イソギンチャクは冬にそうした魚たちに食べられることはない。だから、クマノミが死滅しても、トゲチョウチョウウオも同時に死滅するから、本州のイソギンチャクは冬の間は安泰なのだ。
あやふやな情報で、不確かなことを書いてしまったことと、クマノミの戦士としての名誉を傷つけてしまったことを深くお詫びして訂正します。
また、伊豆で見ることができるクマノミは一種類のみと記載したのだが、先日、田子の海で一緒に潜ったバディの女性が、カクレクマノミを目撃したらしい。カズさんも、また、地元のダイブサービスのお兄ちゃんも、カクレクマノミの存在を否定していない。
伊豆では見ることができないと定説になっていたカクレクマノミだが、ひょっとしたら温暖化の影響などで、晩夏の本州で生息が可能になっているのかもしれない。
いずれ、水中でクマノミを見つけると、思わず頬が緩む。クマノミの体は決まって赤っぽい地に、白いバンドが入っている。これはイソギンチャクの中に入ったときに、よいカモフラージュになると言われている。しかし、かえって目立っているような気がするのだがどうだろう。目立つことで魚をおびき寄せて、イソギンチャクの毒で麻痺させおこぼれをもらうとすれば、やっぱり、クマノミはただものではない。それでも、ダイバーにかわいいと言わせるそのすごさ・・・・・・。
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