tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

ネジリンボウ(1)

2008-11-26 20:34:03 | プチ放浪 海沿い編

 

海底にキレイに砂紋が生じている砂地の上を、しばらく泳いで行ったときのことだ。
水の中で、木の枝らしきものが砂地に立っているのが見えた。明らかに不自然で、人為的に砂に木の枝を突き刺したものとしか考えられない。
なんだろうと思って、近寄ろうとしていたら、すぐ横にいたインストラクターに即座に後ろに引き戻されて、頭を引っ込められさせた。
イントラの示すスレートを見ると、
「ネジリンボウがいた!」の文字。
しかし、前方の砂地を確認するも、それらしきものは見えない。視界が5m程度だったのだが、それよりも遠い先にいるのだろうか?
イントラの右側で頭を押さえられていたぼくは、イントラの後ろを通って左側に回りこみ、彼の防御網をかいくぐった。ほふく前進の体勢を取って、砂地の一点を取り囲もうとする他のゲストたちの輪に入る。ジリジリと輪を縮めていくゲストたち。
それでもなお、どこにネジリンボウがいるかわからずに、ダメもとで、輪の中心に向かって何枚かカメラのシャッターを切りながらほふく前進を進める。
ようやく、砂地のくぼみにネジリンボウが視認できた時、距離にして1m程度だったのだが、かのネジリンボウは喰われると思ったのか、巣穴に引っ込んでしまった。砂に木の枝を突き刺していたのは、ネジリンボウがいる場所を示す目印だったのだ。

ハゼ科ネジリンボウ属は日本に4種分布している。ネジリンボウ、ヒレナガネジリンボウ、ヤシャハゼ、キツネメネジリンボウだ。
色がキレイ、仕草がカワイイ、名前がオカシイと、3拍子揃っていてダイバーに大人気。ネジリンボウのボディの黒いラインは、名前のようにねじれているわけではなく、いくつかの黒い斜めの輪になっている。そして、飛び出した目玉と黄色い頭が特徴だ。
まわりに敵がなければ、活発に巣穴から体を出して捕食しながらホバリングする。この巣穴にはテッポウエビ系のエビが共生している。
ネジリンボウの大家となるテッポウエビは、コトブキテッポウエビという種類。このエビも、ネットや雑誌での露出度が高い人気者だが、いつも穴にこもっているので、生の姿を見るのはなかなか難しい。
テッポウエビは、ひたすら巣穴の改修と拡張を行い、ハゼは外敵が接近した時に視力の悪いテッポウエビ類に代わって外敵をいち早く発見し、テッポウエビに知らせて共に巣穴にもぐりこむ。こうして、家を供給してもらうかわりに、ネジリンボウは外敵を知らせる仕事を請け負っている。


人気ブログランキングへ参加しています。
気に入った写真や記事がありましたら応援のクリックよろしくお願いします。