tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

雲見 幻のサカナ

2008-11-09 19:13:06 | プチ放浪 海沿い編



幻のサカナというと、何を思い浮かべるだろうか?
矢口高雄の漫画、”釣りキチ三平”の愛読者なら、山形県朝日村大鳥池の「タキタロウ」、釧路湿原のイトウ、四万十川のアカメ。しかし、秋鮭の鮭児も含めて、残念ながらダイバーがこれらの(淡水)魚を目撃するチャンスは少ない。
一方、海水魚としての幻のサカナ。雁屋哲原作、花咲アキラ作画による『美味しんぼ』(おいしんぼ)では、幻のサカナとして「アラ」が出てくる。

魚偏に荒と書いて「アラ」。漫画でも描かれているが、スズキ目ハタ科に属するクエ(九絵、学名:Epinephelus bruneus)の九州での地方名で、ややこしいことに、同じハタ亜科に属するアラ属のアラ Niphon spinosusとは別種だ。
このクエの地方名として、モロコ(西日本各地)、マス(愛知)、クエマス(三重)、アオナ(四国)などもある。
クエは先に書いたようにスズキ目ハタ科マハタ属で。茶褐色で、所々に6
本の黒褐色の斜走黄帯。
似たような体型の魚であるマハタ(Epinephelus septemfasciatus) は、スズキ目スズキ亜目ハタ科。体側に縦に7本の黒褐色のしま模様。ああ、ややこしいー。

マハタはあちこちの海で、50cmサイズのものを見かけるから、幻のサカナというほどではないのかもしれない。
さて、『美味しんぼ』で絶賛の「あら」。九州では大型のハタ類を総称するときも、アラと呼ぶ。漫画に出てきて以来、人気の「あら鍋」だが、九州で「あら鍋」というと実はクエ鍋を指すことが多い。ところが、グルメ雑誌などには単に「あら鍋」と書かれているのだが、この場合、ハタ科クエをさす「あら鍋」か、スズキ亜目ハタ科ハタの「あら鍋」か、ハタ科アラの「あら鍋」か、はてまた、魚の身を取ったあとに残る頭や骨や鰓などを鍋にした「あら鍋」か、まったく分からない。その上に輸入の怪しげな「クエ」や「あら」と呼ばれる白身魚の身の鍋も出回るので・・・・・・ああ、ややこしいー。

そして、最近、ベテランダイバーのオバサマから聞いた究極の幻のサカナ。
イントラのカズさんと他のゲストたちが、砂地の海底を取り囲んで覗き込んでいたらしい。カズさんが指差す先を、一緒に潜ったゲストたちが一生懸命、見ていたとのことだ。
オバサマがその輪に頭を突っ込んで、目を皿のようにして見ても、何もない砂地しか見えない。
そのうちに、ゲストたちがレギュをくわえたまま笑い出し、何のことかわからずにきょとんとしていると、実は、そのオバサマを罠にはめるトラップだった。当然のことながら、オバサマは水の中で怒り狂ったらしいのだが・・・・・・。チョイ悪のカズさんはお茶目で、年配のダイバーに対して、ときどきこんないたずらをする。
・・・・・・気をつけなくては。


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