tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

雲見 コクる

2008-11-14 23:02:10 | プチ放浪 海沿い編

 

朝の通勤途中の電車でのこと。途中の乗換駅でその女の子は乗ってきた。
肩が触れ合うぐらいに込んでいた電車は、大勢の乗客が乗り換えのために降りたことで、結構、隙間ができていた。
ぼくの隣のつり革につかまったその子。ブレザーの制服を着ているから、私立の女子高生で1年生ぐらいなのだろう。
つり革につかまって、なんだか落ち着かない。あたりをきょろきょろ見回している。
電車は次の駅に着き、また大勢の客が乗ってきた。その女の子は、移動しようとすばやい動きを見せたのだが、ふいに立ち止まり、移動を思いとどまった。ふと見ると、彼女の横には、ジャニーズ系のタレントを思わせるようなかっこいい高校生の男の子がいた。女の子は、すっかりおとなしくなり、つり革につかまってうつむき、男の子のほうを見ようともしない。
<なんだろう?知り合い同士なのかな?>と最初は思ったのだが、どうも2人にはそんな様子はない。
まったく目を合わせない2人。男の子は、つり革につかまって夢中で参考書などを読んでいる。

おそらく、女の子は男の子にアタックをかけたくて、毎朝、ヤキモキしているのだろう。でも、できないんだ。
その想いのうちが、手に取るようにわかる。いつか、コクれるのかい?
この先、彼女の恋は成就するのだろうか。電車の窓から冬の朝日にキラキラ反射する遠くの建物を見つつ、ぼくは、心がくすぐったいようなあったかい気持ちになるのを覚えた。

雲見のチョウチョウウオたち。下田ダイバーズのログを見ていると、冬には死に絶えてしまう死滅回遊魚のチョウチョウウオが、まだ海の中を舞っているようだ。雲見にいる彼らは、この夏に南の海で生まれた幼い個体たちなのだが、そのいくつかはペアになってラブラブ中のようだ。これが南の海なら、来春になれば彼らは子作りのプロセスに移行する。しかし、この海ではそれはかなわない。
ラブラブのチョウチョウウオたち。彼らの心をつないでいるものは、いったい何なのだろう。やっぱり、異性に対するあこがれなのだろうか。子孫を残すという本能以外にも、カップルを形成する要因があるような気がしてならない。サカナたちにはサカナたちの夢があるのかもしれない。
ygたちの群れから、ペアへ。そこにはどんなドラマがあったのだろう。
この先、雲見はどんどん水温が下がっていくのだが、この海にチョウチョウウオのいる限り、彼らを見守るため潜ってみようと思う。


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