tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

雲見 安全停止(1)

2008-11-20 22:35:50 | プチ放浪 海沿い編

 

伊豆でダイビングする場合、ほとんどのダイバーがエアー(空気)タンクを利用する。空気は、約78%の窒素と21%の酸素、ほか、微量のガスからなり、これらのガスが潜水中にその水圧に応じて身体組織に溶け込む。これはヘンリーの法則にしたがうもので、同じ温度で同じ水深にいるダイバーの身体には、その条件で飽和する各種ガス分圧のガスが溶解していることになる。
この状態で、急な浮上を行えば、体内に溶け込んだガス(その78%は窒素)が身体内で泡となって出てきて、脳の血管をガスで閉塞したりという危険な減圧症を引き起こす。この減圧症の発症は、水温の急激な上昇や、前の晩の節制などの体のコンディションのみならず、年齢にも関係するようで、40歳を過ぎたダイバーは特に気をつける必要があるようだ。
減圧症を予防するためには、なによりも、1分間に6m以下の浮上速度、すなわち減圧速度を守ること。速度が低ければ低いほど、減圧症のリスクを下げることができる。(前岡さん。情報をありがとうございます。)
(なお、1分間に6m以下の浮上速度は、最新の情報では1分間に1mとのことらしい。安全係数が変わったのか、泡となって析出するマイクロバブルも問題となってきているのか、現在、その詳細を確認中)

それから、体積変化の大きな深度よりも深いところ、すなわち、水深3~5mでしばらく安全停止すること。安全率を高めるためには安全停止時間を十分とることが重要だ。この安全停止の時間は、それぞれのダイバーが潜った深度に応じて、ダイバーが腕につけているダイブコンピュータに表示されるのでそれに従えば良い。

実はこの安全停止(セーフティストップ、予備減圧)。20年前にはこの概念がなかった。浮上スピードの制限と、浮上の際の肺の空気の排出だけ。ダイビングコンピュータがまだなかった時代だった。でも、ダイビングコンピューターの無かった時代よりも、今の時代のほうが圧倒的に減圧症が多かったりする。
減圧症に対する理解が進んだため、これまで問題視されてなかった症状が減圧症として診断されるようになったのか、あるいは、昔は1日に2ダイブ(ナイトを入れて最大3ダイブ)が限度だったものが、コンピューターによる計算値で無減圧潜水ギリギリになるまで、マルチレベルダイビングを繰り返してしてしまうことが原因なのだろうか。
最深位置からの戻り、特に浅場へ戻ってきてからの水深管理は厳格に行わないと危険だ。ダイビングコンピューターを過信してはならない。


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