tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

プルーフ・オブ・マイ・ライフ(2)

2007-09-24 18:42:00 | cinema

このゼータ関数は、オイラーが提唱し、その後、リーマンが複素化した関数である。解析接続という方法で、このゼータ関数ζ(s)の定義域を虚数の範囲まで広げて考えれば、その零点つまりζ(s)=0となる点が、自明な零点を除けば、すべて  s=1/2+iv という直線上にあるだろうというのがリーマン予想だ。実軸に近い方から数えて、何百億個までは確かにすべてこの直線上に乗っていることが、コンピュータを使った計算で確認されている。これを図に描けば、素数の分布密度を表すグラフとなるのだ。これが世紀の大難問の実体だ。提唱されて以来150年近く経過しているのに,誰一人として証明に成功していない。ジョン・ナッシュを狂わせた難攻不落の要塞だ。

実際にグラフを書くと簡単な図になる。横軸に実数をとる。横軸上に素数(Pn)を並べていく。素数とは、昨日、説明した(2,3,5,7,11,13,17,19,23・・・・・・)と言った数だ。横軸のマイナス側は、自明な零点(-2n)。単純に(-2,-4,-6,-8,-10・・・・・・)だ。
縦軸jは虚数。問題の非自明の零点(1/2+iv)である14.134i、21.022i、25.010i、30.424i、32.935i・・・・・・の点は、横軸の0.5のラインにずらーっと並ぶことになる。まことに美しい。パソコンにエクセルがインスト(ロ)ールされている人たちは、是非とも、グラフにしてみてほしい(数学に強い人たちは、もうすでに頭の中でグラフを描けていることだろう)。
このグラフをじーっと見ていると、宇宙のビッグバンが思い起こされる。横軸は時間だ。何もない(時間もない?)単調な状態[-∞~0]から、突然[0~1]宇宙が誕生し、大爆発が始まる[1~]。しばらくして[2~]素粒子(素数に対応)が生成され、時間と共に密度が低下していく(膨張宇宙)。

さて、素数はnが大きくなるにつれて密度が減少するのに対して、その反対に零点はnが大きくなるにつれて密度が増大する。素数と零点は極めて対称的な関係にある。密度のように正反対の性質を示すことの原因となっている。言葉で表現すると素数の分布は「対数積分」、零点の分布は「対数の積分」となるのである。

映画の話から今回は大幅に脱線したが、この映画で予想したかったもの。それは言わずもがな、「愛情」であろう。これを数学的に証明するためには・・・・・・もっと知識が必要だ。
おわり