山小屋だより

山歩きや街歩き、そこで出会った花や風景を紹介しています。
ぜひ、一緒に歩きましょう

北ア・薬師岳(その9)

2008-08-31 | 北アルプス
キヌガサソウ

キヌガサソウが1輪だけありました。
花が終わって実ができていました。
葉っぱが輪生し、笠のように見えます。
沢筋などで群生している花です。
ここでは群生は見られませんでした。



エゾシオガマ

以前にもご紹介しました花です。
草地に群生していました。
隣はヤマハハコです。
どちらもたくさんありました。



ミネズオウ

小さい花が咲いていました。
マット状に広がっています。
ズオウとはイチイのことで、葉っぱがイチイの葉に似ています。
星型のかわいい花です。



歩いてきた方向を振り返って見ました。
正面の平らになっているところが五色ヶ原です。
奥に山が連なっています。
右奥の雲がかかっている高い山が立山の雄山です。
その稜線の左に剱岳が見えます。




やがて越中沢岳に着きました。
標高2591mです。
五色ヶ原山荘を出発してから、丁度3時間でした。
頂上には誰もいません。
このコースはたまに反対側からくる人に会う程度で
静かな歩きができるコースでした。



タカネヤハズハハコ

タカネヤハズハハコです。
高山に咲くヤマハハコの仲間です。
あまり背丈が大きくなりません。
茎や葉に綿毛が密生しているので白っぽく見えます。
別名:タカネウスユキソウとも呼んでいます。
周りにあるのはネバリノギランです。




正面に薬師岳がよく見えました。
どっしりと構えた山です。
これから歩くルートがよく見えます。
これだけ晴れていれば尾根歩きも楽しいものです。
素晴らしい展望を楽しみながら歩きました。



ミヤマママコナ

平地で咲いているママコナの高山型です。
下唇の中に米粒のようなものがあるので「飯米菜(ママコナ)」と
呼ばれています。
ママコナとの違いは下唇の奥に黄色い部分があることです。
全体の色も濃い色をしています。
登山道の脇にたくさん咲いていました。
白い花はゴゼンタチバナです。




タカネシュロソウ

岩場の下りに突然首を伸ばしていました。
花は紫色の5弁花です。
地味な花であまり目立ちません。
葉っぱが枯れるとシュロのように細かい繊維がでてきます。
シュロソウの高山型です。



歩いている左手に赤牛岳が見えていました。
独特の夏雲がかかっています。
遠くの稜線は裏銀座と呼ばれている尾根です。
見えている山は野口五郎岳あたりです。
石がゴロゴロしているので「ゴロウ」といいます。
同じ名前の歌手がいました。
彼も山が好きだったのでしょうか。
すぐ近くに小屋がありますが、以前ここを歩いた時には
閉まっていました。
裏銀座も人が少なく静かな歩きができるコースです。
今晩の宿のスゴ乗越小屋まではまだ5時間くらいかかります。

夕べもかなり雨が降りました。
朝になってやっと止みました。
地区の防災訓練も無事に終りました。

北ア・薬師岳(その8)

2008-08-30 | 北アルプス

小屋の夕食は午後5時、朝食は午前5時です。
4時には起きて顔を洗います。
空の色が少しずつ変化するようすがきれいでした。
食事中に太陽が顔を出してきました。
これは食堂の窓越しに撮ったものです。
時間は午前5時8分でした。
右の高い山が針ノ木岳です。


針ノ木岳

太陽が顔を出す直前の針ノ木岳です。
山の後ろが赤く染まっています。
最初は濃いムラサキ色でした。
針ノ木岳(2821m)もよい山です。
扇沢から入って種池から岩小屋沢岳、鳴沢岳、赤沢岳、針ノ木岳、
扇沢と一周したことがあります。
2泊3日の行程でした。
針ノ木雪渓に雪がなく、ざらついた下りで苦労した思い出があります。
針ノ木の左隣がスバリ岳(2752m)のようです。



槍ヶ岳

南の方向に槍ヶ岳の頭が見えました。
裏銀座と呼ばれる尾根に隠れて全部は見えません。
槍は北アルプスの象徴になっているようです。
標高3180mで日本で5番目に高い山です。
頂上は狭く、混んでいる時にはゆっくりできません。
頂上直下に長い梯子があり、上りと下りが別ルートになっていました。
登山者の憧れの山のようです。


笠ヶ岳

更に右をみると笠ヶ岳が見えました。
標高2897mです。
新穂高温泉から笠新道を登れば7時間くらいで行けます。
頂上直下に小屋があり、小屋からは20分くらいで頂上に
立てます。
遠くから見るときれいな形をしていますが、岩がゴロゴロした
歩きにくい山でした。



槍ヶ岳と笠ヶ岳の位置関係はこんな感じです。
正面にみえる大きな山は赤牛岳(2864m)です。
名前のとおり、朝日に照らされて赤く染まっています。
湯俣温泉から竹村新道を登り、水晶経由で行けば14時間くらいで
登れます。
水晶小屋は小さな小屋ですが、ここに泊まれば翌日が
楽ですね。黒部湖に降りてからも長い行程になります。


剱岳

北の方向に剱岳(つるぎだけ)が顔を出していました。
標高2998mの岩山です。
剱沢小屋からピストンすれば6時間くらいですが、危険な岩場があり
クサリ場などでは注意が必要です。
最近は馬場島(ばんばじま)から入って早月尾根を登る人が多いようです。
時間はかかりますが、安全に登れるからでしょうか?
頂上直下にはいずれも大きなクサリ場がありますから、要注意です。




今まで登ったことのある山々の展望を楽しみ、小屋を出発しました。
天気は上々です。
針ノ木岳を左手に見ながらルンルン気分で歩きました。
池塘が太陽に光っています。
一番手前は雪渓です。
下界の暑さが嘘のようでした。



右手をみると弥陀ヶ原がみえます。
立山から室堂まで行くスカイラインがあるところです。
奥の山は大日岳です。
その向こうには日本海が広がっています。
富山湾は左の方向です。
夏は霞んでいて何も見えません。



これから歩くルートがよく見えました。
右の大きな山が薬師岳です。
見るからにドッシリした山です。
2つのピークがあり、手前が北薬師岳、その奥が薬師岳です。
今日は手前の小屋に泊まり、明日挑戦します。
本当に素晴らしい天気でした。


リンネソウ

ハイマツの下にひっそりと咲いています。
高さが10cmくらいの小さな花です。
リンネとはこの花を発見した植物学者の名前だそうです。
茎に2つの花が咲くので「メオトバナ」とも呼ばれています。
気づかないで通り過ぎる人が多いようです。




このあたりは黒部川の上流になります。
深い渓谷が続きます。
ここの水は一度黒部湖に集められ、黒四ダムで調整されて
黒部川となり、日本海に注いでいます。
黒部峡谷は宇名月温泉からトロッコで欅平まで入ることができます。
シーズン中は観光客で一杯のようです。
特にこれからの紅葉はきれいです。

1週間近く雨が降っています。
各地で豪雨による被害もでているようです。
被害に遭われた方々にお見舞い申しあげます。

北ア・薬師岳(その7)

2008-08-29 | 北アルプス
トウヤクリンドウ

トウヤクリンドウです。
カムチャッカでも見かけました。
この花はなかなか開いたところを見せてくれません。
開かないで枯れてしまう花もあるようです。
緑色をした筋がきれいでした。


ヤマハハコ

かなり低いところから高山まで咲いています。
この花はまだ蕾が多いようでした。
一つ一つの花は小さく、花びらが造花のように見えます。
歩いていてもよく目立つ花です。



キオン

平地の湿原などでよくみることができます。
舌状花が5枚で葉っぱに不揃いな鋸歯があります。
高山ではあまり会うことがありません。
ここでもこの1輪だけでした。



タテヤマアザミ

タテヤマアザミの蕾です。
この花は立山の特有種です。
葉っぱに鋭いトゲがあります。
これからきれいな姿を見せてくれることでしょう。


イブキジャコウソウ

ピンク色のかわいい花です。
マット状に群生することが多い花です。
ここではガンコウランの間から少しだけ顔を出していました。
近づいてみると甘い香りが漂っていました。




ザラ峠あたりからの展望です。
前方の山にジグザグした登山道がみえます。
ここから大きく下り、その後は上りになるようです。
山の頂上にはガスがかかり全容を見せてくれません。
夏山ではよくあることです。




ヤマハハコの群生です。
この花はこんな姿でたくさんの仲間と咲いていることが多いです。
ガスでしっとりと濡れていました。
もっと葉っぱが細いとホソバヤマハハコになります。




チングルマの穂です。
花が終わるとこんな姿になります。
子供が持って遊ぶ風車に似ています。
花が終わって穂が開く前の姿もおもしろい形をしています。
この中にも幾つかその姿がみえます。



クルマユリ

クルマユリです。
葉っぱがクルマタイヤのように丸く輪生しています。
カムチャッカでは平地で咲いていました。
お花畑でも一段と存在感がある花です。




ハクサンコザクラ

五色ヶ原の小屋が近くなると木道がでてきます。
その途中に咲いていました。
昨年は白馬の鑓温泉の下りで群生している姿に出会いました。
ピンクの絨毯を敷き詰めたようでした。
今年は白馬で大きな事故が2件もありました。
来年から何らかの通行規制があるようです。




五色ヶ原山荘に到着しました。
入口で他のメンバーが出迎えてくれました。
時間は午後3時です。
室堂を出発してから丁度7時間の歩程でした。
受付を済ませ、早速ビールです。
昔ここから黒部湖に降りたことがあります。
その時はここを素通りしました。
この日は我々だけで個室を与えられました。
布団1枚のスペースがあり、ゆっくり休むことができました。
夜行バスの疲れもあったのでしょう。
夕食が終るとすることもないので早々に就寝しました。



北ア・薬師岳(その6)

2008-08-28 | 北アルプス

雪渓を過ぎてからの遠望です。
これから歩く登山道が白い糸のようにみえます。
山には少しガスがかかっているようです。
夏山ではよくあることです。
このような天気の時は雨は大丈夫です。



コウメバチソウ

平地で咲くウメバチソウの高山型です。
花びらが重なっているのが特長です。
名前は天満宮の梅鉢紋に似ているからだそうです。
草むらの中にひっそりと咲いていました。
直径1cmくらいの小さな花です。


ミヤマリンドウ

岩の隙間から一生懸命顔を出していました。
広い場所があるのに・・・と思いましたが、これもこの花の運命のようです。
「狭いながらも楽しい我が家」とでもいっているようでした。
花の棲家は「風任せ」のようです。
どこに住んでも税金はいらないようです。
こんな姿をみるとついカメラを向けたくなります。


ミヤマゼンゴ

セリ科の植物で、亜高山帯から高山帯の草地に咲いています。
花は小さい花の集合体です。
葉っぱが羽状複葉の姿をしています。
左はこれから開く蕾の姿です。
この仲間はいろいろあるので、見分けが難しいですが、
花や葉っぱ、全体の姿で見分けています。
背丈があまり高くならない花です。




やっと獅子岳の頂上に着きました。
標高2714mです。
室堂を出発してから4時間20分でした。
ここでお昼です。
ガスのせいであまり展望は利きませんでしたが、山で食べる食事は
美味しいものです。
今回は長い行程です。昼食は3食用意しました。
パンやビスケットが主食です。
他にアルファ米を3食持っています。
これは非常用です。



獅子岳の頂上からこれから歩く先を眺めてみました。
登山道がよくみえます。
右側(海側)からガスが上がってきますが、尾根に遮られて
左側まで降りてきません。
上空に舞い上がってまた戻っていました。
夏山ではよく見られる現象です。




雪渓の雪解けが終ると新しい芽がでてきます。
これはコバイケイソウの芽です。
これをうるい(ぎぼうしの芽)と間違えて食べ、食中毒を起こす事故が
春先に聞こえることがあります。
毒性が強いので、死に至ることもあるようです。
芽の姿をよくみて覚えておきましょう。


チングルマの花

チングルマは場所によって花であったり穂が出ていたりしています。
小さいですがこれでも立派な木です。
直径5mmくらいの茎を顕微鏡でみると20年くらいの年輪が
みられるそうです。
素晴らしい生命力ですね。
この花をみると元気がもらえます。



ミヤマクロユリ

一般にクロユリと呼んでいますが、高山に咲いているので
ミヤマクロユリでしょうね。
小さな花が数個咲いていました。
気がつかないで通り過ぎている人も多かったようです。
色が目立たないからでしょうか?
昔から「恋の花」とされています。



ハクサンチドリ

ハクサンチドリがありました。
草むらの中からポツンと顔をだしていました。
花の中に赤い斑点があり、先端が鋭く尖っています。
チドリに似ているそうですが、どうでしょうか?
加賀の白山で最初に発見されました。
きれいな花です。



チングルマの群生です。
低いアングルで狙ってみました。
遠くで飛んでいる虫がヘリコプターのように見えました。
小さい花も低い位置で撮ってあげると大きく見えます。
ザックを担いだまましゃがむので息が切れました。



ミヤマコゴメグサ

この仲間にもたくさんあります。
葉っぱで見分けるようですが、咲いている場所が高山なら
間違いなくミヤマコゴメグサです。
平地で咲いているコゴメグサより背丈も高いようです。
花が小さいので「小米草」と書きます。
五色ヶ原まではあと2時間くらいです。


北ア・薬師岳(その5)

2008-08-27 | 北アルプス
チシマギキョウ

これがチシマギキョウです。
花にたくさんのヒゲがあります。
イワギキョウと違ってガクもあまり反り返っていません。
花は横向きに咲きます。
カムチャッカではありませんでした。




雪渓に向かってどんどん降りて行きます。
雪渓上にこれから行くルートがみえます。
どうやらアイゼンは必要なさそうです。




一度雪渓の下に降りました。
上部は解けていてステップがありませんでした。
少し下がったところから奥を見ました。
向こうから数名こちらに歩いてくるようです。




一番低いところです。
2m以上の雪の壁ができていました。
立山の室堂近くに大谷というところがあります。
5月連休前に室堂までの道路が掘り起こされます。
一番奥は「雪の大谷」と呼ばれ、20m以上の壁ができます。
室堂からは雪を被った立山三山や大日岳が眺められます。
この壁をみてその時の情景を思い出しました。




雪渓上の雪はザクザクしていましたが、意外と歩きやすかったです。
このくらいならアイゼンは必要ありません。
カムチャッカでも数ヶ所雪渓を歩きましたが、やはりアイゼンは
つけませんでした。
気温が下がって凍りだすと必要になると思います。



ミヤマキンバイ

雪渓を過ぎるとミヤマキンバイが出迎えてくれました。
まだ咲き始めのようできれいな姿でした。
ミヤマは深山で奥深い山という意味です。
キンバイは金梅で花が梅に似ているからです。
黄色い花を金(キン)と呼ぶことが多いようです。
花びらの奥の濃い色がアクセントになっています。


シナノキンバイ

こちらはシナノキンバイです。
花びらに見えるものはガクです。
花びらは退化していますが、オシベの外側にヘラ状の姿をして
残っています。
よく見ないと分かりません。
ミヤマキンバイはバラ科ですが、これはキンポウゲの仲間です。
花全体もかなり大きくなります。



エゾシオガマ

エゾシオガマです。
横から眺めてみました。
クチバシが横を向いています。
上から見るとトモエ状に見えるので、「トモエシオガマ」と
間違える人がいますが、「トモエシオガマ」は赤い色をしています。
咲く場所ももっと低い場所です。
この花はたくさんありました。


ハクサンボウフウ

シラネニンジンに似ていますが、葉っぱが大きいです。
この種の花はたくさんあり、なかなか見分けがたいへんです。
花は小さな5弁花です。
セリ科の花です。


ヒメクワガタ

草むらの中に小さな花がありました。
直径5mmくらいでしょうか?
ヒメクワガタというそうです。
ミヤマクワガタと同じく4弁花ですが、花の大きさは半分くらいでした。
高山の乾いた草地を好むようです。



オタカラコウ

この仲間にメタカラコウがありますが、メタカラコウは花びらが
1~4枚、オタカラコウは5~9枚だそうです。
葉っぱはフキの葉によく似ています。
カイタカラコウというのもありますが、こちらは花びらが5枚です。
咲いている場所も違います。
タカラコウとは清涼剤や防虫剤に使われる龍脳香の別名で根の臭いが
これに似ているそうです。
歩きながらでもいろんな花が目に飛び込んできました。




北ア・薬師岳(その4)

2008-08-26 | 北アルプス

これから岩場の下りです。
前を行くのは仲間です。
山は上りよりも下りでの事故が多いそうです。
浮石に乗ってバランスを崩したり、つまずきによる転倒が
多いようです。
慎重に降りて行きました。


ハクサンフウロ

ハクサンフウロが群生していました。
なかなかきれいな花です。
本州中部以北から北海道に分布しています。
葉っぱは秋になると真っ赤に紅葉します。



ミソガワソウ

シソ科の仲間です。
木曽川の支流、味噌川にたくさん生えているので
この名があります。
下唇の斑点がきれいです。
平地ではかなり大きくなります。



ミヤマトリカブト

トリカブトの仲間にもいろいろあります。
花の形が雅楽奏者が被るカブトに似ているのでこの名が
あります。
本州中部の日本海側の高山に生えています。
一つの茎にたくさんの花を咲かせるのが特長です。
奥にみえる蕾の姿もおもしろいですね。



ミヤマホツツジ

岩場の縁に咲いていました。
花は少し赤味を帯び、花弁が3つに裂けます。
裂けた花弁は大きく反り返ります。
また花柱が大きく外側に曲がるのも特長です。
低山に咲くホツツジは花柱が曲がりません。
小さい花ですが、一度見ると忘れられません。




大きな雪渓です。
下から冷気が吹き上げてきました。
天然クーラーです。
遠くの山に横一線に白い筋がみえます。
一ノ越から東一ノ越に降りる登山道です。
そのまま先に進めば黒部湖に降りられます。
何回か歩いていますが、黒四ダムまで5時間くらいで降りられます。
東一ノ越から先はかなり荒れていますが、静かな歩きができるところです。



コバイケイソウ

この時期にはほとんど枯れていますが、まだきれいな姿で
残っていました。
小さい花は梅に似ています。
場所によってはまだまだ元気な姿が見られます。
有毒植物ですから注意しましょう。




コイワカガミ

低山に咲くイワカガミの高山種です。
花は釣鐘状で先が細かく裂けています。
葉っぱの縁にあるギザギザはあまり目立ちません。
岩場に咲いていて葉っぱに光沢があるので、
この名前がつきました。
群生しているときれいです。


ヨツバシオガマ

ヨツバシオガマがポツンと咲いていました。
葉っぱが4枚輪生しているのが分かると思います。
この花も花期が長く、かなり遅くまで咲いています。
クチバシの長さでいろんな名前があるようです。



アオノツガザクラ

ツガザクラは白い花ですが、これは花が黄緑色をしています。
1つの茎にたくさんのつぼ型の花をつけるのも特長です。
花の長さと直径は同じくらいで先端は5裂しています。
雪田周辺ではカーペット状に群生する花です。




芽吹いたばかりのハクサンイチゲがありました。
こんな姿をみる機会もなかなかありません。
ここには雪が遅くまで残っていたのでしょう。
どの花も咲き始めは柔らかい感じがしてかわいいです、




ガスが少し晴れてきました。
下に黒部湖がみえます。
黒四ダムは左のほうにあります。
ダムから黒部湖の左岸をこの奥まで歩いたことがあります。
アップダウンが多く5時間くらいかかりました。
なかなかたいへんなコースです。




大きな雪渓が現れました。
数名歩いているのがみえます。
我々もこれからあそこを歩きます。
右にみえる大きな山は鬼岳(2750m)です。
ガスは少しずつ晴れてきそうです。
獅子岳まではまだまだです。











北ア・薬師岳(その3)

2008-08-25 | 北アルプス
ミヤマアキノキリンソウ

低山帯で咲くアキノキリンソウの高山種です。
花が丸く集まって咲いています。
背丈もあまり伸びません。
風が強く厳しい環境の中で必死に咲いていました。
本では「麒麟草」と書いていますが、どこも麒麟に似ていません。
黄色い花が丸くなっているので「黄輪草」のほうが合っているように
思います。


タテヤマリンドウ

ハルリンドウの高山種です。
タテヤマに多いのでタテヤマリンドウという名前がつきました。
花弁の喉の部分に小さな斑点があります。
小さな花ですが、咲いているとよく目立ちました。




イワギキョウ

チシマギキョウによく似ていますが、花弁にヒゲがありません。
花も上を向いて咲きます。
カムチャッカでもよく見かけました。
岩場を好む花です。



ミヤマリンドウ

タテヤマリンドウに似ていますが、花弁の奥に斑点がありません。
大きな株を作って咲いていました。
タテヤマリンドウより花の色も濃いようです。
一つの茎にたくさんの花をつけるのも特長です。



ネバリノギラン

この花はあまり開かない花です。
花の下を触ると粘りがあります。
ユリ科の植物です。
秋になると花が枯れて葉っぱが黄色く紅葉します。
そろそろですね。



ウサギギク

きれいな姿をしたウサギギクがありました。
小さなヒマワリのようです。
別名:キングルマとも呼ばれるようです。
葉っぱがウサギの耳に似ているのでこの名がつきました。


イワツメクサ

夏の岩場を飾る花です。
小さな花がマット状に咲いて風に揺れています。
花弁は5枚ですが、深く裂けているので10枚にみえます。
亜高山帯や高山帯の砂礫を好みます。




歩き出して1時間と少しで建物のある平らなところにつきました。
この建物は富山大学立山研究室だそうです。
何回かここにきていますが、人がいるのをみたことがありません。
この日も誰もいませんでした。



ハクサンイチゲ

ハクサンイチゲもこのように咲いているときれいな花です。
白いのはガクで花びらはありません。
黄色いオシベと緑色のメシベとの組み合わせが鮮やかです。
この先もっときれいな姿に出会いました。


エゾシオガマ

白いシオガマです。
上唇が細く下唇が広いのが特長です。
花は葉っぱの間に1個ずつ咲きます。
葉はギザギザしています。
草地に咲いている花です。




大きな雪渓が見えました。
手前の植物はカヤツリグサの仲間のようです。
この先にも雪渓がでてきます。
雲が流れていますが、雨にはならないでしょう。
これから獅子岳に向かって歩きます。


北ア・薬師岳(その2)

2008-08-24 | 北アルプス

先ずは浄土山に向かって登ります。
立山三山は雄山、大汝山、浄土山を指すようですが、
浄土山は雄山のルートから離れているので、この山に登る機会は
少ないようです。
かなりの急登です。
途中で振り返ってみました。
手前の大きな山が奥大日岳、その左が大日岳です。
昔、称名の滝からこの稜線を歩いたことがありますが、
かなり長いコースでした。
下に見える建物は先ほどまでいたバスセンターです。




少し右に目をやると池が見えます。
「みくりが池」といって立山を映しています。
このあたりを散策するだけでも3時間くらい充分にかかります。
今朝も早くから観光客がたくさんいました。
遠くに雲がかかっている尾根は早月尾根です。
この尾根で途中の小屋に1泊すれば剱岳に登れます。


コシジオウレン

登山道の脇に小さな花が咲いていました。
ミツバオウレンに似ていますが、茎が紫褐色をしています。
(ミツバオウレンは緑色です。)
雪解けと共に咲く花なので、最近までここには雪が残っていたのでしょう。
本州中部以北の日本海側に分布している花です。
別名:ミツバノバイカオウレンとも呼ぶようです。


ツガザクラ

これも小さな花です。
ツガザクラといって葉っぱがツガの葉に似ています。
壷状の小さな花が輝いていました。
この仲間もたくさんあります。



途中で雪渓を渡ります。
ここから浄土山まではゴロゴロした石の登山道です。
夜行バスではみんなあまり眠れなかったようです。
ゆっくり登りました。

五色ヶ原

右奥に五色ヶ原が見えてきました。
正面より少し左に小屋が見えますが、五色ヶ原山荘です。
今晩はあそこで泊る予定です。
ここから7時間くらいの歩きになります。
まだまだ遠いです。



ハクサンイチゲ

ハクサンイチゲが咲いていました。
きれいな花です。
加賀の白山に多く一つの花が咲くので「一華(イチゲ)」といいます。
実際には一つの茎からたくさんの花が出ていました。
これからまだまだ出てくると思います。


ベニバナイチゴ

この花はいつも下を向いて咲いています。
なかなか素顔を見せてくれません。
今回は思い切って覗いてみました。
濃いムラサキイロが目立つ花です。
大きな実は食べられます。
以前、この下の一の越から黒部湖まで歩いて降りたことがあります。
途中にこのイチゴがたくさんあり、お腹が一杯になるほど食べたことが
あります。甘くて美味しいイチゴでした。


シラネニンジン

セリ科の花はなかなか固定が難しいのですが、葉っぱがニンジンの葉に
似ているのでシラネニンジンだと思います。
花は小さな5弁花の集合体です。
この花もたくさんありました。


クロトウヒレン

この花はなかなか花の姿を見せてくれません。
大体このような蕾の姿が多いです。
「ヒレン」とはアザミのことだそうです。
咲くと確かにアザミの花に似ています。
この後どこかで咲いた姿に会えるでしょうか?


ミヤマダイモンジソウ

ミヤマダイモンジソウといいます。
花の形が「大(ダイ)」の字に似ています。
岩場の湿ったところを好む花です。
ユキノシタにも似ていますね。


ミヤマダイコンソウ

ミヤマダイコンソウです。
葉っぱがダイコンの葉に似ています。
やはり岩場を好む花です。
秋になるとこの葉が真っ赤に紅葉します。
そろそろ紅葉する頃でしょう。



ミヤマダイコンソウのアップです。
花は黄色の5弁花で中心が少し濃い色をしています。
オシベがたくさん弾けていました。

登りながらでもたくさんの花に出会いました。
まだまだ出てきそうです。
浄土山までは室堂から約1時間の登りでした。
ピークに人工物があるだけの山でした。















北ア・薬師岳(その1)

2008-08-23 | 北アルプス
室堂

8月5日の夜行バスで東京を発ち、翌朝直接立山の室堂に入ることができました。
6日の朝、7時頃の立山のようすです。
右が雄山(おやま)で、頂上に神社があります。
今回は男性3名、女性3名の合計6名のパーティです。
室堂~五色ヶ原~スゴ乗越~薬師岳~太郎兵衛平~折立と歩く予定です。
山小屋3泊4日の長いコースです。
天気はまずまずでした。


剱岳

立山から左に目をやると、剱岳(つるぎだけ)が見えました。
日本を代表する素晴らしい岩山です。
数年前に登りましたが、クサリ場が何ヶ所もあります。
カニの横ばい、カニの縦ばいなどという名前がついていました。
頂上からは360度の展望が楽しめます。



ヨツバシオガマ

出発前に附近を散策しました。
早速目に飛び込んできたのがこの花です。
カムチャッカでもみましたが、明らかにクチバシの長さが違います。
うんと長いのは「クチバシシオガマ」というそうですが、区別がなかなか
難しいです。
葉っぱが4枚輪生しています。



チングルマ(穂)

チングルマが穂になっていました。
カムチャッカで見たチョウノスケソウの穂にそっくりです。
葉っぱがなければ見分けが難しいでしょう。
この姿が稚児車に似ているので、「チゴグルマ」→「チングルマ」と
呼ばれるようになりました。
この後たくさん出会いました。


ミネウスユキソウ

ウスユキソウの仲間です。
葉っぱに綿毛があり、白く輝いています。
花は真ん中にありますが、なかなか開いている姿をみることが
できません。
ヨーロッパでは「エーデルワイス」と呼ばれているようです。


テガタチドリ

テガタチドリが1本だけありました。
根っこが手の形をしているそうです。
この仲間もたくさんあります。
小さい花の集合体ですが、一つ一つがかわいい花です。



ウサギギク

小さなヒマワリのような花です。
葉っぱがウサギの耳に似ているので、この名前があります。
夏山を代表する花ですね。
場所によっては群生する場合もあります。
ここでは1本だけポツンと咲いていました。


シナノキンバイ

信濃金梅と書きます。
かなり高いところにも咲いています。
ミヤマキンポウゲに似ていますが、花びらに光沢がありません。
花もかなり大きいです。
この花もたくさん出てきました。



イワイチョウ

葉っぱがイチョウの葉によく似ています。
湿地を好む花です。
春先の花ですが、ここでは遅くまで咲いているようでした。
湿原では群生していることがあります。




チングルマ(花)

チングルマの花です。
この花が終わると中から穂が出てきます。
穂は風で飛ばされ、少しでも遠くに子孫を増やすようです。
植物の智恵は素晴らしいですね。



タカネニガナ

平地で咲いているニガナの高山種です。
春先から秋まで咲いているようです。
草原などでも目立つ花です。
風に揺れてなかなかジッとしていませんでした。


ミヤマキンバイ

花びらが小さく中がオレンジ色に光っています。
葉っぱは3枚でイチゴの葉っぱに似ています。
この花もお花畑を飾る花です。
群生しているときれいです。

出発前の10分くらいの間にこれだけの花に会いました。
もっと探せばまだまだあったと思います。
室堂は標高が2350m、ここまではアルペンルートで簡単に
くることができます。
ホテルも幾つかあるようです。
このあたりを散策するだけでも楽しいのではないでしょうか?
いよいよ出発します。



カムチャッカの旅(最終回)

2008-08-22 | 海外の旅

今日は空港まで行って日本に帰るだけです。
朝食の時間までロッジの近くを散歩しました。
シシウドに似た花が咲いていました。
集合体の周りの花が大きかったのでハナウドのようです。
日本でも夏山のお花畑で見ることができますが、葉っぱが
ビックリするほど大きかったです。
この花の仲間もたくさんあります。




昨日入った温泉の裏側に廻って見ました。
この温泉は宿泊したロッジから歩いて2~3分のところにあります。
内部はプールのようになっていて日本の温泉とは感じが違います。
水着着用なので、まるでプールで泳いでいるようでした。
それでも山を降りて温泉に入れるのは嬉しいものでした。




しばらく道沿いに歩いていたら、川がありました。
朝もやで霞んでいます。
白いのは鳥のようでした。
静かなところで、散歩する人などいないようです。
1時間ほど散歩してロッジに戻りました。



日本へのフライト時間は午前11時です。
手続きがあるので、午前9時に迎えにきたバスで空港に向かいました。
街は通勤時間だというのにそれほど車が走っていません。
かなりのんびりしているように見えました。



ガソリンスタンドがありました。
どれがレギュラーかわかりませんが、32ルーブルだとすると¥176です。
日本とあまり変わらないようでした。
食品なども安くはないようです。
スーパーで買ったビールのロング缶が¥200ぐらいでした。
コーヒーや紅茶をみても日本と同じくらいでした。
魚の燻製は安かったようです。




空港で1時間以上待たされました。
この左が滑走路になっています。
空港設備は撮影するとカメラを没収されると聞きましたが、
それとなく撮りました。
遠くに山が霞んで見えます。
左がコリャーク山、右がアバチャ山です。
空港からこんな位置に見えるのです。
着いた時は夜でしたから、周りを見ることはできませんでした。




来た時と同じ形の飛行機です。
歩いても行けそうな距離をバスで移動しました。
マイクロバスが2台でピストン輸送です。
帰りもほとんどが日本人でした。
山に登ったグループは少なかったようです。




飛行機の座席はチケットに書いてあります。
前方の窓側でしたので、その席に行ってみたら別の客が既に坐っていました。
聞いたら、「自由席だそうです」とのことです。
まったくいい加減です。
仕方ないので一番後ろのほうに行って窓際を確保しました。
翼が邪魔でしたが、成田まで4時間くらいです。
空と雲の境がきれいでした。



日本に近くなったら大きな入道雲が現れました。
よくみるとクマのぬいぐるみに似ています。
カムチャッカではクマに出会いませんでしたが、こんなところで
会うとはビックリです。
お土産にと思いましたが、大き過ぎて無理でした。



今度は入道雲の上に笠雲がかかっています。
山ではみたことがありますが、雲の上にかかっているのは始めてみました。
この雲が現れると天気が崩れてきます。
やはりこの夜千葉県は豪雨でした。

午前11時にカムチャッカを発って時差の関係で午前11時に成田に
到着しました。
何だか得したような気分でした。
たくさんの収穫があったカムチャッカの旅でした。




今回行ったカムチャッカの地図です。
日本から意外に近いところです。
街も静かで自然が豊富です。
このあたりはすべて世界遺産になっているそうです。
現状では日本の富士山は世界遺産に登録されるのは
なかなか難しいのではないでしょうか?
カムチャッカはできるだけ自然のままで残っていて欲しいと
思いました。


明日から「北ア・薬師岳」シリーズを始めます。




カムチャッカの旅(その16)

2008-08-21 | 海外の旅
イワギキョウ

イワギキョウがまた顔を出していました。
ブルーがスッキリしています。
最初にここに来た時は曇り空で花もうつむき加減でした。
天気がよいと花も元気になります。
ここにはこの花はたくさんありましたが、チシマギキョウは
探しても見つかりませんでした。


ヨツバシオガマ

このような姿でところどころに株を作っていました。
花の姿は日本のものより多少違いますが、全体像はよく似ています。
最後にアバチャ山をバックにしてモデルになってもらいました。
なかなかよく目立つ花です。


コリャーク山

コリャーク山も朝からきれいな姿を見せてくれていました。
おもしろい形の雲がかかっています。
噴火したように見えました。
アバチャ山は噴火する前はこの山より高かったそうです。
どこから見ても利尻富士にそっくりでした。




ムカゴトラノオ

ムカゴトラノオです。
花が下から咲いて、咲き終わると「ムカゴ」を作ります。
全体の姿が虎の尻尾に似ているので「トラノオ」という名前が
つきました。
これも小さい花の集合体です。


ミヤマクワガタ

帰りは川に沿って歩いています。
最後にミヤマクワガタが見送りに出てくれました。
ミヤマクワガタというと立派なハサミを持った昆虫を思い浮かべますが、
名前は同じでもこちらは高山に咲く花です。
別名:エゾヒメクワガタとも呼んでいるようです。




途中でキャンプ場のようなところを通りました。
手前の車に「新井市」と日本語で書いてありました。
ロシアには日本車がたくさん走っていました。
トラックやバスなどは日本で使っていた文字がそのまま残っているものが
たくさんありました。
「自動扉」とか「出口」とかの文字が書かれたバスが空港の送迎にも
使われていました。
後ろの建物は「プライベートロッジ」のようです。



このベースキャンプにくる車はほとんどこのような改造車だそうです。
道のない川の中でも平気で走ります。
ここには特に道を造る必要はないようです。
ロシアの夏は短くて7月~8月までの2ヶ月だそうです。
若者にとっては「オートキャンプ」が楽しみのようでした。


アバチャ山

アバチャ山もきれいな姿を見せています。
手前の尾根筋を登り、右にポツンとみえるのが分岐にあった大岩です。
更に左の雪渓に沿って登りました。
今日登れば天気が良すぎて「ブロッケン現象」は見られません。
ガスの中から姿を現したコリャーク山の感動もありません。
たくさんの思い出を残してくれた素晴らしい山でした。




ロッジで昼食後、午後2時に出発です。
来た時と同じ車が迎えに来ています。
右にいるのは2日間お世話になった現地ガイド(ニコライ)です。
最後に全員と握手して別れました。
スパシーボ(ありがとう)が唯一覚えたロシア語でした。
言葉は通じなくても心は充分通じた2日間でした。
ロシアの国旗の後ろにアバチャ山も煙を上げて見送ってくれました。


青空市場

行きに立ち寄った青空市場に再び寄りました。
月曜日は休みだそうですが、魚屋?だけは営業しているそうです。
成田でドルに換え、こちらでドルからルーブルに換えましたが、山の中では
使う場所がありませんでした。
ここでお土産として魚の燻製を買うことにしました。
「どれがいいか分からない」といったらこのオバサンが選んでくれました。
秤に乗せての「量り売り」でした。




イクラは1人1キロという日本への持ち込み制限があるそうですが、燻製は特に
制限がないそうです。
左のカラフトマスの燻製を5~6本買いました。
日本円にしたら¥3000くらいのようでした。
これで何とか空っぽのバッグが埋まりそうです。
山に持って行けばよい「おつまみ」になりそうです。


スーパーマーケット

次にスーパーに寄りました。
ここもベースキャンプに行く前に立ち寄ってビールを買ったところです。
特に珍しいものはありませんでしたが、ウオッカを2本買いました。
2階に人形などのみやげ物屋があり、女性はその中で品定めをしていました。
そこの店員さんは多少の英語もできるようで、支払いはドルでもOKでした。
交渉ができないというので、電卓を叩きながら価格交渉をしてあげました。
名前は知りませんが、中から幾つもでてくるこけしのような人形が人気が
あったようです。
これから最初に泊ったパラトゥンカ温泉のロッジに入り、温泉に入って
汗を流します。
来た時と違って明るいうちに入れそうです。



カムチャッカの旅(その15)

2008-08-20 | 海外の旅
イワベンケイ

イワベンケイのようです。
カムチャッカまでベンケイが行ったかどうかは知りませんが、日本の山では高山でしか会うことができません。
風が強い環境の中で吹き飛ばされないよう岩場に根を張って生きています。
「ベンケイのように強い」というのでこの名があるようです。

ベニバナミネズオウ

ミネズオウより花の色が濃いようです。
ズオウとは「イチイ」のことで葉っぱが似ているからだそうです。
小さな花が風に揺れていました。


イワヒゲ

砂礫の縁を好む花です。
太陽を正面から受けて白く輝いていました。
名前から想像できないような可憐な花です。
寒い国なので一段と色白に見えました。



ヨツバシオガマ

ヨツバシオガマが群生していました。
この花は「葉まで美しい」→「浜で美しい」→「塩竃(シオガマ」となったそうです。
塩竃とは海水を煮詰めて塩を作った釜のことだそうです。
おもしろい名前を付けたものですね。
北アルプスなどでもまだまだ見られます。


ツマトリソウ

カムチャッカで初めて出会いました。
木陰でひっそりと咲いていました。
咲き始めは花びらの縁がほんのりピンク色をしています。
かなり色っぽい花です。




マルバシモツケ

シモツケの仲間で葉っぱが丸い形をしています。
小さな花が集合体を作っています。
日本にもありますが、季節は春先に咲きます。
ここでは春と夏の花が同時に見られるようです。



ワレモコウ

日本では夏の終り頃咲き出します。
草原でたくさん風にゆれていると秋を感じます。
これも小さな花の集合体です。
虫がたくさん寄って遊んでいるようでした。


タカネヨモギ

ヨモギの高山種です。
花は黄色い小さな花が集合しています。
全体に下を向いて咲く花です。
先日の北アルプスでもたくさん見ました。
やはりここが故郷なんでしょうか?




白いシオガマが1輪だけありました。
シロバナシオガマとでも呼ぶのでしょうか?
初めての出会いです。
日本でも会ったことがありません。
遺伝子が色を忘れたのかもしれません。


チシマツガザクラ

チシマツガザクラです。
高さが5cmくらいの小さな花です。
日本でも北海道あたりで見ることができるようです。
アルプスでは出会ったことがありません。
僅か2時間あまりのフラワートレッキングでしたが、たくさんの
花に出会いました。
これからベースキャンプに引き返します。




カムチャッカの旅(その14)

2008-08-19 | 海外の旅
北穂高から無事帰ってきました。天気が悪かったですが、何とか歩くことができました。
北穂高岳と涸沢岳の間はさすが日本を代表する岩稜帯でした。
カムチャッカシリーズを続けます。


チシマフウロの群落です。
日本の北アルプスなどで咲いているハクサンフウロは濃いピンクですが、これは
淡いムラサキイロをしていました。
花の様子はグンナイフウロそっくりでした。



ヨツバシオガマ

葉っぱの姿は日本のものと同じですが、花の下の「クチバシ」が短い感じです。
やはりかなりの高山でしかみることができません。
北アルプスではそろそろ終わりを告げていました。




ウルップソウの群落です。
これほど群生しているウルップソウをみるのは初めてでした。
千島列島のウルップ島が故郷だそうです。
白馬岳などでも見ることができますが、なかなかきれいな姿に
会うにはタイミングが難しいようです。





前日登ったアバチャ山がきれいな姿をみせています。
見る角度によってはだいぶ姿を変えてくれます。
噴煙が朝日に輝いていました。



歩くに従ってウルップソウも多くなってきました。
すべての花がよい被写体になります。
背丈が低い花なので、少しでも大きく見えるよう低いアングルで
撮ってみました。



エゾツツジ

ここではエゾツツジも元気です。
色も鮮やかでした。
蕾がラグビーのボールのような形をしていてかわいかったです。
次々に花を咲かせるようでした。


エゾノツガザクラ

エゾノツガザクラも負けてはいません。
花は太陽の光を浴びると活き活きします。
白い花のツガザクラを探したのですが、見当たりませんでした。
ここにはないのかも知れません。




イワヒゲ

白い釣鐘状の花がでてきました。
イワヒゲです。
葉っぱが組み紐のような形をしています。
これは日本の山でも見ることができますが、雪解けの早い時期に
なります。
夏山ではなかなか会うことができません。


キバナノコマノツメ

黄色いスミレの仲間です。
葉っぱが丸くウマのヒズメに似ているので、「コマノツメ」という
名前になりました。
高山帯の少し湿った岩場を好む花です。



キバナノコマノツメのすぐ近くに咲いていました。
日本で春先に見られるマルバスミレによく似ています。
平地でみられるスミレですが、ここでは高山種と同居しているようでした。


ウルップソウ

ウルップソウをアップにしてみました。
小さな花が下から順序良く咲いているのがよく分かります。
一つ一つの花に個性があるようでした。
今朝は太陽が眩しいようです。


タカネビランジの仲間

これもカムチャッカに来て初めて会う花でした。
タカネビランジによく似ています。
やはり砂礫を好む花です。
日本では南アルプスの鳳凰(ほうおう)三山あたりの砂礫でよくみられます。
マット状に群落を作る花です。
もう少し歩きます。

カムチャッカの旅(その13)

2008-08-15 | 海外の旅
フラワートレッキング


エゾタカネツメクサ

前日、アバチャ山に登れたのでこの日はベースキャンプの近くを軽く
トレッキングしました。
午前10時に出発し、昼までには帰る予定です。
歩くルートは特に決まっていなく、足元の花を踏まないようにするのが
たいへんでした。
エゾタカネツメクサです。
日本の高山にもありますが、花の色が違っていました。
こちらのほうが柔らかい感じでした。


ジリス

ジリスが見送ってくれました。
ここにきてすっかり馴染みになりました。
仕草がとてもかわいかったです。
シッポが小さいので、日本で見慣れているリスとはだいぶ違うようでした。


エゾハクサンイチゲ

最初に出会ったハクサンイチゲです。
ここでは頭に「エゾ」がつくようです。
花も葉っぱも日本のものと同じでした。
北アルプスなどで群生しているときれいな花です。


エゾノツガザクラ

ツガザクラは色が白ですが、これは赤い色をしています。
エゾノツガザクラと呼んでいました。
葉っぱがツガの葉に似ています。
釣鐘状のかわいい花でした。



クモマナズナ

砂礫に無造作に咲いていました。
4弁花なのでアブラナ科の仲間です。
日本でも高山の岩場などで見ることができます。
花はこんなに大きくはありません。


ミヤマクワガタ

ミヤマクワガタです。
やはり高山に咲く花です。
日本の山にもありますが、南アルプスでは花の色が赤っぽく
北アルプスではムラサキ色をしています。
ここでも濃いムラサキ色をしていました。


エゾハクサンイチゲ

エゾハクサンイチゲがたくさん出てきました。
ベースキャンプから30分くらい歩いたところです。
ガイドにはできるだけ川沿いを歩くよう依頼しました。
川沿いのほうが花が多いからです。
高山でなくても花が楽しめるのは緯度のせいでしょうね。




ウルップソウ

ウルップソウです。
ここにきて初めての出会いでした。
日本では北海道の1部と北アルプスの白馬岳、八ヶ岳の1部でしか見ることが
できません。
花の時期も短く雪解けの頃が一番きれいな花です。
昨年は白馬三山を歩き、白馬鑓を下ったところでこの花に出会いました。
花の大きさでは日本のほうが負けるようです。


エゾツツジ

ここにきてラクダ山の周辺でも会いました。
背丈が低いですが、これでも立派な木です。
咲き始めは色が濃いようです。
歩くに従っていろんな花が出てきました。





群生しているエゾノツガザクラです。
このあと、もっと群生している姿に会いました。
ロシア人ガイドは花になど興味がないのか、急ぐよう指示がでます。
こちらは後ろにいたガイドに説明してゆっくり撮影させて貰いました。
多少遅れてもすぐに追い付くので了解してくれたようです。
番犬のようにピッタリくっついていたのには少し閉口しましたが・・・




エゾタカネツメクサです。
普通この花はこのようにマット状になって咲いています。
やはり岩場を好む花です。
日本では高山でしか会えません。



チシマフウロ

チシマフウロと呼んでいましたが、日本のグンナイフウロによく似ていました。
フウロの仲間にもたくさんあります。
北アルプスではハクサンフウロが群生しています。
夏山にふさわしい花です。


カムチャッカでは高山に行かなくてもこのような高山植物に
出会えました。
特別な保護もなくまったく自然のままに咲いていました。

このシリーズはまだ3回ほど続きますが、今晩から上高地に入り北穂高岳に登る予定です。
18日に帰る予定なので、19日から再開します。


カムチャッカの旅(その12)

2008-08-14 | 海外の旅
リシリヒナゲシ

だいぶ降りてきたところで、リシリヒナゲシが出迎えてくれました。
笑顔がステキな花です。
厳しい風雪に耐えて生きている姿に感動しました。
根を相当深く張っているようです。
砂礫の中で黄色い花はよく目立ちました。


雪渓すべり

途中で大きな雪渓が現れました。
ツアーリーダーが突然現地ガイドに何か交渉しています。
この雪渓を滑って降りようということです。
現地ガイドはなかなか同意してくれませんでしたが、みんなの意見を聞き
最終的には同意してくれました。
雨具のズボンをつけてお尻で滑り出す人もいました。
私はズボンのまま滑りました。
うまくコントロールしないとかなりのスピードがでます。
女性も「キャー!キャー!」いいながら童心に返って滑っていました。

手前に見える建物群は使われていない施設で、我々のベースキャンプは
その奥に小さく見える建物群です。
あそこまで歩きます。



前日登ったラクダ山がかなり近くなりました。
雪渓すべりをしたお陰で時間もだいぶ短縮したようです。
ラクダ山の手前を大きく巻いて下ります。



イワブクロ

咲いたばかりのイワブクロがありました。
咲き始めの花はどれも新鮮できれいです。
次々に花を咲かせるので、花期も長いようです。
ヤマオトコはどうも「若い女性」には弱いようです。


エゾオヤマノエンドウ

エゾオヤマノエンドウも負けじと笑顔を見せていました。
小さな花ですが、太陽に光ってきれいでした。
咲き終わるとエンドウ豆のような種を作ります。
葉っぱはレブンソウによく似ていました。




何度も眺めたラクダ山です。
出発の時にはガスの中で見えませんでした。
英語では「キャメルマウンテン」と呼ぶそうです。
ここまで降りればベースキャンプはもうすぐです。



アバチャ山を振り返ってみました。
頂上の噴煙がよくみえます。
左の雪渓の脇を登りました。
降りてきてからこの山の魅力が分かったような気がします。
生きている山なので、暖かさが感じられました。

ベースキャンプに午後7時40分に到着しました。
朝、ガスの中を出発したのが嘘のような晴天に恵まれた山行でした。
合計11時間40分の歩きでした。
解散の後ロッジに入ってスーパーで買ってきたビールで乾杯しました。
常温でしたが、結構冷えていました。



一夜明けたコリャーク山です。
晴れていればこのようにすぐ近くにみえます。
着いた時にはガスで周りがまったく見えませんでした。
頂上付近が朝日に輝いています。

夜中に外に出て星を眺めました。
北斗七星やカシオペア、北極星もすぐ近くに輝いていました。
ここにきて満天の星を始めてみました。
周囲にまったく明かりがなく、暗闇の中での星空は1人でみるには
勿体無いくらいでした。

ペイントブラシ

天気がよいとペイントブラシも嬉しそうです。
ジリスも忙しそうに走り回っていました。
この花は日本では見られないようですが、すっかり仲良しになりました。
連れて帰りたいくらいでしたが、日本では育たないのでしょうね。


イワギキョウ

イワギキョウが朝露に濡れていました。
この仲間は北アルプスの岩場でよく会えます。
晴れてくるとだんだんと上を向きます。
短いカムチャッカの夏を楽しんでいるようでした。



ヤナギランとアバチャ山

トイレ脇に咲いていたヤナギランです。
到着した最初の日にも同じアングルで撮影しましたが、アバチャ山は
雲の中でまったく見えませんでした。
この日は頂上までよくみえました。

今日は予備日です。
前日アバチャ山に登れたので、午前中フラワートレッキングをして
午後にはパラトゥンカ温泉郷に戻ります。
山を降りてからの温泉は最高の楽しみです。