山小屋だより

山歩きや街歩き、そこで出会った花や風景を紹介しています。
ぜひ、一緒に歩きましょう

御坂峠から三つ峠(最終回)

2010-06-27 | 山梨の山
カチカチ山

カチカチ山に到着です。
カチカチ山という昔話はここが舞台です。
河口湖からロープウエイで簡単に登れます。
さすがにここまできたら人がたくさんいました。


タヌキとウサギのモニュメント

こんなモニュメントがありました。
タヌキが背負っている薪にウサギが火をつけている
ところです。
物語のハイライトを現しているようです。


カチカチ山の物語

「カチカチ山」のあらすじが書いてありました。
昔からタヌキやキツネは人を騙すといわれています。
本当かどうかはわかりませんが、人里に出て悪さをする
ことは確かなようです。
動物達も生きるためには必死のようです。


太宰治のカチカチ山

太宰治も「カチカチ山」を書いています。
これはその小説のあらましです。
ウサギを美少女、タヌキが中年の男だそうです。
読んだことはありませんが、これだけで大体の想像はつきます。
タヌキは太宰治本人ではないでしょうか?



太宰治と河口湖町

太宰治は河口湖町とも深い縁があったようです。
天下茶屋の近くには「富士には月見草がよく似合ふ」という
文学碑もありました。
また、青森県の金木町に斜陽館という建物があります。
1階は喫茶店になっていますが、2階には太宰治が執筆したという
部屋がそのまま残っていました。
何故か喫茶店に「吉幾三邸」までの地図がありました。
行ってみたら「ただいま東京に出張中」という張り紙が玄関にありました。

河口湖

河口湖がきれいにみえます。
橋は「河口湖大橋」です。
有料道路でしたが、最近無料になったそうです。
丁度ロープウエイのゴンドラが下りていくところでした。
我々は駅まで歩きます。


石碑

少し下ると広場があります。
ここに太宰治の石碑がありました。
惚れたが悪いか・・・
なかなかよい文句です。
表面がピカピカに磨かれた石に書かれているので、
自分が映らないよう苦労しました。

広場全体

広場全体はこんな感じです。
右にみえるのが先ほどの石碑です。
シラカバが美少女にみえました。

アヤメ

アヤメが1輪だけ咲いていました。
たくさん咲いているよりも1輪のほうが
よく目を惹きます。
つい惚れてしまいそうになりました。

遊歩道

ここは遊歩道になっているようです。
でもロープウエイのほうが人気があるようで、
歩いている人は少なかったです。
歩いたほうが健康にはよいのですが・・・
上りは少しきついかも知れません。


アジサイ道

道は幾つもカーブを切っています。
両側にはアジサイがたくさん植えられていました。
まだ花には早いようです。
ここは他より少し寒いようです。
カラマツの芽吹きがきれいでした。

河口湖駅

河口湖駅に着きました。
天上山から約1時間です。
三つ峠山荘からは約4時間30分の歩きでした。
駅前のレストランに入ってビールで乾杯しました。
たくさんの花にも会えた楽しい山行でした。



明日(28日)から中国の山に行ってきます。
四川省にある四姑嫁山(スークーニャンサン)という山の麓です。
明日の朝が早いので今晩成田に泊まります。
7月3日の夜、帰国予定です。
標高4000mに咲く花を楽しんできます。
しばらくみなさんともお別れですが、お元気でお過ごしください。
      



御坂峠から三つ峠(その8)

2010-06-26 | 山梨の山
ホウノキ

大きな葉っぱが登山道まで顔を出しています。
ホウの葉っぱです。
花を探しましたが、もう終わっていました。
飛騨の高山ではこの葉っぱを使って「ホウ葉味噌」を
作ります。
炭火で焼くと香ばしくてこれだけでご飯が食べられました。

新緑の中の登山道

このあたりまでくると植生が豊かです。
まだまだ新緑が楽しめます。
ウグイスとハルゼミが合唱していました。



フタリシズカ

フタリシズカが咲いています。
花はあまり開きません。
静御前とその亡霊が舞いを舞っている姿だそうです。
花は2本とは限らず5本くらい出る場合もあります。
4枚の葉っぱが特長です。

アマドコロ

アマドコロがありました。
花の先端が少し開いています。
先端の緑がチャームポイントになっているようです。


クサボケ

足元に1輪だけ咲いていました。
春1番に咲く花です。
箱根の湯坂道では足の踏み場がないくらい群生して
います。
もうとっくに終わっていると思います。

標識

こんな標識がありました。
天上山という山は全国に幾つかあるようです。
神津島にある天上山に行ったことがあります。
天気が悪くて頂上近くで土砂降りに会い、早々に
引き上げました。
オオシマツツジがきれいでした。


ギンラン

ギンランが咲いていました。
似た花にササバギンランがあります。
ササバギンランは葉っぱが笹に似ていて
花が葉っぱより上に顔を出しません。
ギンランは葉っぱよりかなり上に顔をだします。
少し横から見ると違いがよくわかります。


タカネグンナイフウロ

グンナイフウロは淡いピンク色をしています。
標高が高いところに咲くので「高嶺(タカネ)」と
つきました。
濃いムラサキ色をしています。
グンナイとは山梨県の東部流域(今の大月あたり)の
旧地名です。
このあたりに多い花なので、この名がついたようです。

分岐

分岐にでました。
最後の急登です。
右の巻き道を行っても同じところに出られるようです。


天上山

天上山頂上に着きました。
三つ峠山荘を出てから約3時間20分の歩きでした。
ここには小御嶽神社があります。
こんな案内板がありました。
確かに富士山5合目にもこの神社がありました。
ここにも富士山信仰が残っているようです。
この山には嘯山(うそぶきやま)という別名があるようでした。



頂上全体

頂上全体はこんな感じです。
神社といっても小さな祠があるだけです。
右奥にあるのが先ほどの案内板です。
ステンレスに文字が刻んでありました。
周囲が木に囲まれていてまったく展望は
ありませんでした。

御坂峠から三つ峠(その7)

2010-06-25 | 山梨の山
コバイケイソウ

コバイケイソウもだいぶ大きくなりました。
オオバギボウシは若い時山菜として食べられますが、
コバイケイソウは毒草です。
葉っぱは似ていますが、オオバギボウシには
長い葉柄があります。
もうすぐすると真っ白い花が咲きます。

シロバナヘビイチゴ

足元にたくさん咲いていました。
花は白くて葉っぱが3枚です。
ヘビイチゴは食べられませんが、これには
美味しい実がなります。
栽培されているイチゴの原種とされています。

木無山

三つ峠の3つ目の山です。
特にピークはなく、この看板があるだけでした。
三角点は開運山にあります。
時間がないとこの三山を廻ることができません。
今回はしっかり廻りました。

天上山への道

これから天上山に向かいます。
河口湖からロープウエイがありますが、歩いて降りる予定です。
まだカラマツの芽吹きがきれいでした。


登山道

なだらかな登山道が続きます。
植生保護のロープが張られています。
この中には絶対入らないようにしましょう。
天気はまずまずでした。


ユキザサ

ユキザサが顔をだしていました。
小さな花がたくさんついています。
葉っぱが笹の葉に似ていて花を雪に例えました。
秋になると真っ赤な実がなります。


エンレイソウ

花が終わって実がなっています。
もうすぐすると黒くなります。
大きな3枚の葉っぱが印象的は花です。


トリカブト

これも全草有毒です。
ムラサキ色の烏帽子に似た花が咲きます。
夏の山の代表的な花です。

フジアザミ

大きな花のアザミです。
富士山に多いのでこの名があります。
葉脈がハッキリしています。
たくさんありました。


ヤマツツジ

天上山に向かってなだらかな下りです。
それほど大きなアップダウンはありません。
ヤマツツジが歓迎しています。
それほど群生しないツツジです。

ヤグルマソウの群生

ヤグルマソウが群生しています。
このルートにもたくさんありました。
もうすぐすると真っ白な花が咲きます。
葉っぱが矢車のように整っています。


◎付録
19日に鎌倉を歩いてきました。
東慶寺のイワタバコがきれいでした。
お時間のある時にご覧ください。








御坂峠から三つ峠(その6)

2010-06-24 | 山梨の山
三つ峠山頂

三つ峠山頂に着きました。
ここにくる度に撮っている石標です。
標高1786m、正式な山の名前は開運山です。
何となくよいことがありそうですが、周りはガスで真っ白です。
こんな現象を「ホワイトアウト」と呼んでいます。


シロバナサラサドウダン

シロバナサラサドウダンが咲いていました。
サラサドウダンは淡いピンクをしています。
そのシロバナバージョンです。
かなり大きな木でした。

頂上全体

頂上全体はこんな感じです。
左奥にあるのは方向盤です。
晴れていればこの正面に富士山が見えます。
ここは山梨百名山にもなっているようです。


キバナウツギ

全体がクリーム色で花もかなり大きいです。
枝の先に必ず2個花をつけます。
花の中の下唇に斑点があるのも特長です。

ルイヨウボタン

葉っぱがボタンの葉に似ているので、類葉(ルイヨウ)という
名前がついています。
花は全体がグリーンです。
なかなか出会えない花です。
登山道の脇にひっそりと咲いていました。


オオバギボウシの群生

三つ峠の頂上から御巣鷹山に向かっています。
途中にオオバギボウシの群生地があります。
7月になれば茎が伸びて筒状の花を咲かせます。
これだけの花が咲けば圧巻だと思います。

アマドコロ

普通横になっている姿が多いのですが、ここでは元気に
立っていました。
茎を触ると角ばった稜があります。
ナルコユリにはありません。
またアマドコロのほうが花が大きい感じです。

ニガイチゴ

ニガイチゴの花が1輪ありました。
もっと大きくなる木ですが、これは小さいです。
赤い実がなりますが、種を噛むと苦いのであまり美味しくありません。
モミジイチゴなどと違って花びらの間に大きな隙間があります。
これも特長の1つです。


ヤグルマソウ

ここにもヤグルマソウがありました。
花はまだ小さな蕾です。
もうしばらくすると小さな花をたくさん咲かせます。

ミネザクラ

別名:タカネザクラと呼んでいます。
標高が高いところに咲くヤマザクラの仲間です。
この時期、サクラの花が見られるのは嬉しいものです。
蕾に淡いピンクがかわいいです。



ガスのかかった風景

御巣鷹山にはアンテナが立っているだけでした。
いつも三つ峠は開運山だけをピストンしていました。
グルッと廻ったのは初めてです。
小屋に泊まったので、時間的余裕がありました。
ガスは相変わらずかかったままでした。
これから小屋に戻ります。


御坂峠から三つ峠(その5)

2010-06-23 | 山梨の山
ガスに包まれた風景

一夜明けました。
山荘の外に出てみました。
一面ガスに包まれています。
なかなか幻想的でした。


ズミの木

大きなズミの木です。
まだ蕾が多かったです。
やはりここは寒いのでしょうか?
この花が満開になると真っ白になってきれいです。
別名:コナシとかコリンゴと呼ばれています。


富士山

前日富士山がみえた場所です。
すっかり雲に覆われて何もみえません。
心眼でみてください。
トウゴクミツバツツジがきれいでした。


ワレモコウの葉

ワレモコウの葉っぱが造る芸術品です。
水滴がおもしろい姿でついていました。
まるで宝石のようでした。


トウゴクミツバツツジ

出発前に三つ峠の頂上に行って見ました。
登山道にはトウゴクミツバツツジがたくさん咲いていました。
丁度よい時だったようです。

ガスの中の花

それぞれの枝の先端に花をつけています。
色がとても鮮やかです。
ガスの中で微笑んでいる少女のようでした。


電波反射板

ここには大きな反射板があります。
この横を通って行きます。
時々ウグイスの声が聞こえるだけでした。



オオバギボウシ

ここにはたくさん自生しているようです。
花が咲くときれいだと思います。
里で咲くギボウシより葉っぱも花も大きいです。
まだ蕾もでていませんでした。


ライブカメラ

アンテナがガスに霞んでいます。
カメラが見えますが、ここの様子をネットに流している
ライブカメラです。
冬は富士山がきれいに見えます。
頂上まではもうすぐです。










御坂峠から三つ峠(その4)

2010-06-22 | 山梨の山
三つ峠山荘への登山道

御坂山から1時間くらいで天下茶屋に着きました。
富士山がみえるのですが、生憎と雲の中でした。
お茶屋さんには寄らずにそのまま三つ峠山荘を目指します。
だいぶ登ったところに案内板がありました。
この日宿泊する小屋です。


白いハンショウヅル

足元の藪の中から真っ白な花が顔を出していました。
ハンショウヅルです。
普通、ハンショウヅルは表面が赤い色をしています。
白いハンショウヅルは珍しいと思いました。

ルイヨウショウマ

花がサラシナショウマに似ていますが、サラシナショウマが
咲くのは8月~9月です。
花もサラシナショウマほど長くはありません。
葉っぱがサラシナショウマに似ているので類葉(ルイヨウ)です。
なかなか出会えない花です。

クルマバツクバネソウ

御坂山でツクバネソウに会いました。
葉っぱが4枚でした。
こちらは葉っぱが車の車輪のように輪生しています。
それでクルマバという名前がつきました。
花も変わった姿をしています。
やはり真っ黒な実がなります。

トウゴクミツバツツジ

トウゴクミツバツツジがきれいです。
ここでは比較的遅く咲くようです。
日光の中禅寺湖の湖畔歩きでもたくさん見ました。
下に見えるのは河口湖の街です。
河口湖は霞んでいてよく見えませんでした。


三つ峠山荘

三つ峠山荘に到着しました。
バス停を歩き出してから5時間30分でした。
ここには何度か立ち寄ったことがありますが、泊まるのは初めてです。
まだ中に入るのは早いので、表のテーブルでビールとワインで
乾杯しました。

案内板

登山道の脇にこんな案内板がありました。
三つ峠とは開運山、御巣鷹山、木無山の三山の総称です。
普通頂上とされているのは開運山のことです。
ここには三角点があります。


富士山(1)

小屋に着いた時の富士山です。
雲から少しだけ顔を出しています。
太陽が沈むまでに何とか姿をみせて欲しいものです。


ロッククライミングのゲレンデ

小屋を少し下ったところにロッククライミングのゲレンデが
あります。
小屋の横からよく見えます。
岩の途中に何人かいるのが見えますか?
クライマーとして有名な「長谷川恒男」もここで練習して
いたようです。
世界の山を登ったクライマーでしたが、パキスタンの山で雪崩に会い
遭難しました。
1991年のことですから、もう19年になります。
小屋の中に彼の遺影が飾ってありました。


富士山(2)

しばらくしたら、富士山が姿を現してくれました。
ここからの富士山は日本一だそうです。
やはり富士山をみると心が和みます。

富士山(3)

富士山だけでは絵にならないので、手前にツツジを入れてみました。
夕方かなり遅い時間です。
もう少し光が欲しかったのですが、これ以上は無理でした。
小屋に泊まらなければ見られない風景です。
寒さも忘れて眺めていました。






御坂峠から三つ峠(その3)

2010-06-21 | 山梨の山
ヤグルマソウの群落

ヤグルマソウの大群落です。
花はまだでしたが、咲けば白い花が風に揺れてきれいです。
このルートにはたくさんありました。


ツルキンバイ

ツルキンバイの花です。
葉っぱは3枚でミツバツチグリによく似ています。
花の中心の色が濃い黄色をしています。
茎をツルのようにして延びて増えます。
今年初めての出会いでした。


ナナカマド

ナナカマドの花です。
ナナカマドの仲間も多く、かなり高山帯にも生えています。
秋になると赤い実をつけます。
葉っぱが真っ赤に紅葉することでも知られています。


御坂山頂上

御坂山頂上に到着しました。
バス停を歩き出してから約2時間30分です。
かなり広い頂上ですが、展望はありません。
天下茶屋に向かって歩きます。


オトコヨウゾメ

ガマズミの仲間です。
ある地方ではガマズミのことをヨウゾメというそうです。
ガマズミの実は食べられますが、これは苦くて食べられないので
オトコがついたようです。
決して男が用済みということではありません。
小さい花なので1度見たら忘れられません。


河口湖

木の間から河口湖が見えます。
空の雲がポパイの彼女、オリーブに似ていました。
そういえばポパイはどこに行ったのでしょう。

ツクバネソウ

ツクバネソウが咲いていました。
きれいな4枚の葉が特長です。
花も変わった姿をしています。
秋になると実が熟して黒くなります。
その姿が追羽根の羽根に似ているので、ツクバネとつきました。


分岐

分岐にでました。
ここから天下茶屋に下ります。
新緑の中の気持よい登山道ですが、誰にも会いません。
ここを歩く人は少ないようです。

登山道

しっかり踏まれています。
こんな道だけなら誰でも歩けそうです。
ウグイスが上手に鳴いていました。

ヤマツツジ

時々ヤマツツジが目に飛び込んできます。
緑の中のオレンジは特に目立ちます。
この時期の花です。

ヤマツツジの花

ヤマツツジをアップでみるとこんな感じです。
花はロート状ですが、先端が5裂しています。
上唇にだけ細かい斑点があります。
なかなかかわいい顔をしていました。


登山道

登山道が急に広くなりました。
ここを下れば天下茶屋のようです。
気温もそれほど低くなくTシャツ1枚で充分でした。




御坂峠から三つ峠(その2)

2010-06-20 | 山梨の山
お地蔵様

登山道の脇に鎮座していました。
かなり年月が経っているようです。
顔はまったくみえません。
それでも一生懸命何かをお祈りしているようでした。


御坂峠

バス停から1時間30分で御坂(みさか)峠に到着です。
ここは分岐になっているようです。
我々はここから御坂山を経て天下茶屋を目指します。


ヤマツツジ

みごとなツツジです。
1本の木にたくさんの花が咲いていました。
今年は当たり年のようです。
山の中でなかなか見ることができないような
大きな木でした。


クリンユキフデ

足元に変わった姿の花がありました。
タデ科の植物です。
1本の茎に葉っぱが輪生し、白い穂状の花を咲かせます。
名前はこの姿からつきました。
この時期、山でたくさん出会えます。



ユキザサ

葉っぱが笹の葉に似ていて白い小さな花を雪に例えました。
深い山の少し薄暗いところを好んで咲いています。
小さな花がかわいいです。


ヤグルマソウ

ここで一番多く出会った花です。
根生葉は5枚ですが、花のすぐ下の葉は3枚です。
白い小さな花をたくさん咲かせますが、まだツボミでした。


登山道

ミズナラやコナラに囲まれた登山道です。
新鮮な空気が美味しいです。
ハルゼミの声がうるさいくらいでした。

新緑

見上げると緑一色です。
出たばかりの葉っぱが空を埋め尽くしています。
森の妖精が飛び交っているようでした。


ツクバキンモンソウ

足元に静かに咲いていました。
葉っぱの真ん中に濃い筋があります。
花はジュウニヒトエによく似ていますが、ジュウニヒトエほど
派手さがありません。
この花は太平洋側に多く、日本海側に多いのはニシキゴロモと
呼ばれて住み分けているようです。

ベニバナツクバネウツギ

花の付け根のガク片が丸く輪生しています。
この姿を羽根突きの羽根に例えました。
ツクバネウツギは白い花ですが、これは真っ赤です。
今年、初めての出会いでした。
ウツギの仲間にもたくさんあります。
山で出会う花はどれも清楚な感じがしました。


御坂峠から三つ峠(その1)

2010-06-19 | 山梨の山
今月12日~13日と登ってきました。
登山のようすを9回に渡ってお届けします。

富士急行バス

河口湖駅からバスに乗りました。
「三つ峠入口」というバス停で下車です。
このバスは天下茶屋まで行きます。
ナンバーの「富士山」が嬉しいです。

御坂みち

バスから降りて進行方向に少し歩くとトンネルがあります。
ここを右折します。
「御坂みち」という標識がありました。


登山道入口

しばらくして左に入ります。
ここから登山道です。
いきなりの上りが続きます。

マルバウツギ

ここでもマルバウツギが出迎えてくれました。
オシベが元気よく飛び出しています。
この時期一番よく出会うウツギの仲間です。



標識

30分くらい登ってから呼吸を整えます。
こんな標識がありました。
「文化人」も歩いた道のようです。

ヤマツツジ

ここは山梨県の山奥です。
大きなミズナラの向こうにヤマツツジが咲いています。
まだまだ新緑が濃いところです。


ギンリョウソウ

ギンリョウソウが顔をだしていました。
葉緑素を持たない腐生植物です。
これほどきれいな姿に会ったのは今年初めてです。
かなりの大家族でした。

登山道

長い上りが続きます。
今回は女性3名、男性4名の合計7名のメンバーです。
久し振りの顔もありました。

新緑

まだまだ新緑がきれいです。
こんな緑を眺めると心が癒されます。
ウグイスもかなり鳴き方が上手になっていました。
セミも鳴き出しています。
ハルゼミのようでした。


クサタチバナ

足元に花がでてきました。
クサタチバナといいます。
花がタチバナの花に似ています。
まだツボミでした。

ヤグルマソウ

ヤグルマソウもまだツボミです。
葉っぱが鯉のぼりの竿の先端につける「矢車」に似て
いるのでこのような名前がついています。
園芸種のヤグルマギクをヤグルマソウと呼んでいる人が
いるようですが、まったく違う花です。


ウマノアシガタ

一番下の葉っぱが「馬のヒズメ」に似ているので
ついた名前です。
キンポウゲの仲間です。
花びらが光っているのは内部にあるデンプン質の影響です。
久し振りにきれいな姿に出会いました。



御岳山から大岳山(最終回)

2010-06-18 | 奥多摩

フタリシズカ

薄暗い林床が好きな花です。
葉っぱが4枚で真ん中からあまり目立たない花が咲きます。
ヒトリシズカほど華やかさはありません。
どちらも静御前に例えられている花です。


ミヤマナルコユリ

アマドコロかと思って茎に触ってみたら、丸い感じでした。
アマドコロは稜があって角ばって感じます。
葉っぱも丸い感じです。
山の中に咲くナルコユリという意味です。
花はあまり開かず、葉っぱに隠れるようにして咲きます。
これは何故か葉っぱの上に顔を出していました。

登山道

杉林の中の淡々とした道が続きます。
雨が降ると滑りやすそうな道です。
慎重に下りました。

マルバウツギ

マルバウツギです。
コゴメウツギよりかなり花が大きいです。
葉っぱも全体が丸い感じです。
この時期、最も多くみられるウツギの仲間です。

最後の石段

この石段を下りると舗装された林道になります。
ここから奥多摩駅までは約30分の歩きです。
ここまでほとんど人に会いませんでした。


スイカズラ

スイカズラが顔をだしていました。
ツル性の植物で、どんどん延びます。
花をとって下から吸うと甘い蜜がでます。
そこからこの名前がつきました。
最初は白い色ですが、しばらくすると黄色く変化します。


奥多摩の街

奥多摩の街にでました。
きれいに整備された街並みです。
休日だというのにあまり人がいません。
車も少ないようでした。


吊り橋

最後の橋を渡ります。
右手をみると深い渓谷がありました。
吊り橋がかかっています。
ここには遊歩道があるようです。
駅の手前で解散し、そば屋に入って「反省会」を
しました。
大岳山の山頂から奥多摩駅までは約3時間30分、御岳の
ケーブルカーを降りてからは約6時間20分の歩きでした。
夏は暑くてダメですが、秋から冬にかけて歩くのも
よいコースかも知れません。

御岳山から大岳山(その4)

2010-06-17 | 奥多摩
新緑

歩いている上を見上げてみました。
緑の濃淡がきれいです。
緑をみると目によいそうです。


分岐の標識

分岐があります。
ここを左に行けば御前山です。
春はカタクリが群生します。
今回は鋸山を経て奥多摩駅を目指します。


鋸山頂上

鋸山頂上です。
標高1109m、大岳山をでてから約1時間の
歩きでした。
ここで小休止です。


ギンリョウソウ

足元に銀竜草(ギンリョウソウ)が顔を出していました。
葉緑素を持たない腐生植物です。
別名:ユウレイタケとも呼んでいます。
突然土の中から顔を出すユニークな植物です。


登山道(1)

再び、なだらかな登山道が続きます。
ミズナラやコナラがたくさんあります。
まだまだ自然豊かなところです。

ヤマツツジ

赤い花が咲いていました。
ヤマツツジです。
緑の中でよく目立っていました。
ミツバツツジより少し遅れて咲き出します。



登山道(2)
ここは植生がハッキリと分かれています。
左はヒノキ林、右は雑木林です。
ヒノキ林ももう少し間引きしたほうがよいのですが、
作業する人がいないようです。


ベニドウダン

足元に赤いものが落ちていました。
見上げると花が咲いています。
秩父地方に多いので「チチブドウダン」とも呼ばれて
います。
サラサドウダンに似ていますが、花に筋がありません。
鮮やかな色をしていました。


岩場

かなり大きな岩場です。
右下が切れ込んでいます。
この先にクサリ場があるようです。
なかなか変化に富んだ登山道でした。

天狗の石像

天狗の石像が2体並んでいます。
左奥に祠があります。
昔から信仰の山のようでした。


杉林

杉林の中を下って行きます。
ここから愛宕神社まではなだらかな下りです。
枝打ちされた杉はまっすぐ伸びます。
なかなかきれいでした。


コゴメウツギ

道の途中に時々顔をだしていました。
花が小さいので「小米(こごめ)」とついています。
ウツギの仲間で最も小さい花です。
オシベが元気に飛び出しています。
この時期、一番多く見られる花です。









御岳山から大岳山(その3)

2010-06-16 | 奥多摩
芥場峠

峠に到着しました。
ケーブルの頂上駅をでてから約1時間30分でした。
ここから大岳山を目指します。


ササバギンラン

ギンランより葉っぱが大きく、笹の葉に似ています。
先日の紅葉台ではキンランに出会いました。
これでキンさん、ギンさんの両方に出会いました。
花はあまり開きません。
薄暗い登山道の脇にポツンと立っていました。


岩場

大岳山に登る途中には幾つかの岩場があります。
2月に歩いた時にはここにかなり雪がありました。
岩場に雪があると凍り付いていたりして危険です。
今回は問題なく通過しました。


大岳山荘

大岳山荘です。
現在は営業していません。
ここで泊まる人が少ないからでしょうか?
建物もかなり老朽化していました。


鳥居

この奥に大岳神社があります。
木でできた鳥居をトタンでカバーしているようです。
左の上部が朽ちてなくなっていました。
ガスがでてきて気温も下がってきました。

墨絵

ここには大きな杉の木があります。
上を眺めてみました。
ガスがかかりまるで墨絵のようです。
カラス天狗が飛んできそうな雰囲気でした。

最後の岩場

頂上直下の最後の岩場です。
ここを登れば大岳山の頂上にでます。



大岳山頂上

頂上に到着しました。
ケーブルカーを降りてから2時間50分でした。
たくさんの人が食事中でした。
我々は神社のところで食事を済ませました。
曇っていて富士山も見えません。
写真だけ撮ってすぐに出発しました。
ここから引き返す人が多いですが、今回はこの先を
歩きます。


分岐の標識

大岳山を過ぎると分岐がでてきました。
鋸山・御前山と書かれた方向に進みます。


下り

しばらくは緩やかな下りが続きます。
このコースを歩く人は少ないようです。
静かな歩きができました。


クヌギ林

クヌギ林の中を通過します。
新緑がきれいでした。
こんな道だけなら誰でも歩けそうです。
ウグイスが気持よさそうに鳴いていました。

ヒノキ林

今度はヒノキ林です。
小さなヒノキも伸び放題です。
手入れする人がいないようです。
林業も高齢化が進み、後継者がいないそうです。
現金収入が得られるまでには長い年月がかかります。
時々、気持よい風が吹き抜けていました。




◎付録

花菖蒲が咲き出しました。
近くにある小さな花菖蒲園です。


まだ咲き始めたばかりのようです。
蕾がたくさんありました。



絞り模様のようです。



白い花です。




これも絞り模様のようです。



八重咲きのようです。
花菖蒲にはたくさんの種類があるようです。
これからまだまだ楽しめます。
梅雨の合間に出かけてみるのもよいと思います。


御岳山から大岳山(その2)

2010-06-15 | 奥多摩
天狗岩

天狗岩です。
右側にそそり立った岩があり、この位置からみると
天狗が上を向いている顔にみえます。
冬はきれいにみえるのですが、この時期は葉っぱが邪魔して
よくみえませんでした。


沢沿い

沢に入って行きます。
緑がすっかり濃くなっています。
このあたりがロックガーデンに入り口になります。
暑い夏でも涼しいところです。

ガクウツギ

ガクウツギです。
大きな装飾花が3~4枚あります。
これで虫を引き寄せるそうです。
真ん中に小さな花があります。
まだ蕾でした。

ガクウツギの全容

ガクウツギの全体はこんな感じです。
山の斜面を覆いかぶさるように咲いています。
この時期、一番目立つ花です。
虫だけでなく人間も引き寄せられてしまいます。


ロックガーデン

苔むした石がたくさんあります。
今年2月に歩いた時には雪がたくさんありました。
ロックガーデンとはよいネーミングです。
遊歩道はこの右側についています。



水の流れ

水が心地よい音を立てて流れています。
沢筋を歩くのは気持よいものです。
時々、ウグイスの声が聞こえていました。


ネコノメソウ

ネコノメソウがありました。
種をすっかり落としています。
春先によくみますが、種を落とした姿はなかなかみられません。
こんな姿をみるのもよいものです。



登山道

登山道は沢に沿ってついています。
時々冷たい風が吹いてきます。
ここを歩くだけでも楽しいと思います。


ヤマタツナミソウ

大きな紫色の花がありました。
最初、ラショウモンカズラかと思いましたが、
ラショウモンカズラの下唇には細かいヒゲがあります。
これにはありません。
花はほとんど散ってしまって、上部にわずかに残っている
だけでした。


ヒメレンゲ(1)

別名:コマンネングサと呼ばれています。
ここにはたくさんあります。
沢沿いの岩場が好きな花のようです。


ヒメレンゲ(2)

横からみるとこんな姿です。
マンネングサに似ていますが、こちらはキリンソウの
仲間です。
このような沢の岩場を好んで咲いています。
小さな花ですが、群生しているときれいです。

綾広の滝

滝につきました。
ここで小休止です。
ひんやりとした風が肌に気持よかったです。
ここから急な坂を登ります。
まだまだ先は長いです。



昨日、関東地方も梅雨に入りました。
植物にとってはよい季節のようです。

御岳山から大岳山(その1)

2010-06-14 | 奥多摩
御嶽駅

南八ヶ岳のプランが岩場がまだ氷の世界だというので
中止になりました。
その代わりとして奥多摩を歩いてきました。
今月5日(土)のことです。
スタートは奥多摩の御嶽駅です。
神社の屋根をした駅舎が特長になっています。

ケーブルカー

駅からバスでケーブルカー乗り場まで入ります。
これがこれから乗るケーブルカーです。
ケーブルカーは2台あり、交互に運転されています。

ケーブルの線路

前のほうに行ってみました。
ここは標高407mだそうです。
ここから上に向かって登って行きます。


御嶽山駅

5分くらいで山頂駅に着きました。
ここから歩き出します。
天気は曇っていましたが、雨は大丈夫のようです。



萱葺き屋根

萱葺き屋根がありました。
2月にきていますが、その時は雪がありました。
今回は緑に覆われていました。

みやげ物屋

みやげ物屋の前を通ります。
まだ朝が早いので、お客さんはいないようです。
このあたりまでは若者も多くきているようでした。



神社の鳥居

御嶽神社の鳥居を潜ります。
この先に神社があります。
正面にみえるのが山門です。

大菩薩峠の記念碑

山門のすぐ横にありました。
小説「大菩薩峠」の完成を記念して建てられたようです。


分岐の標識

ここをまっすぐ行っても大岳山に行けます。
今回はここを左に折れてロックガーデンに向かいました。


ウワバミソウ

足元にたくさんありました。
ヘビがでそうなところにあるので、この名前があります。
花茎が長いので、雄花です。
花茎が短い雌花はありませんでした。



滝への分岐

天狗岩の手前に分岐があります。
ここを左に下りれば「七代の滝」という小さな滝があります。
今回はパスしました。


新緑

奥多摩の春は遅いようです。
同じ東京都ですが、気温は5℃くらい違うようです。
ウグイスもやっと鳴きだしたようです。
新緑がきれいでした。


◎付録

スグリ

スグリの実は赤くなると食べられます。
ジャムなどにするようです。
カメムシの仲間が交尾中でした。

ナツロウバイ

ナツロウバイの花がまだ残っていました。
柔らかい感じがする花です。
私がくるのを待っていてくれたようです。
大きく撮ってあげました。


バラ(1)

バラがまだまだ楽しめます。
バラにもたくさんの種類があるようです。
これは八重咲きの花のようです。

バラ(2)

淡いピンクの縁取りがかわいいです。
こんな姿のバラも人気が高いようです。
高貴な感じがしました。


バラ(3)

真っ赤なバラです。
最近は白や黄色のバラもあります。
でも昔からこの真っ赤なバラが親しまれているようです。
激しい情熱を感じました。

今朝は冷たい雨が降っています。
そろそろ梅雨入りのようです。










近所の花

2010-06-12 | 日常の出来事
ホザキシモツケ

近くの公園で咲いていました。
花序が直立し、穂状に咲きます。
北海道と本州の奥日光、長野の霧が峰にしか自生して
いません。
園芸種としてたくさん出回っているようです。


コモンマロウ

別名:ウスベニアオイといいます。
花を乾燥させてハーブティにすると美しいブルーに
なります。
似た花にゼニアオイというのがありますが、このウスベニアオイの
変種です。
これから夏にかけてよく見かけます。

キバナノコギリソウ

別名:イエローヤローと呼んでいます。
ヨーロッパ原産の植物です。
最近、公園などでよく見かけるようになりました。

セイヨウノコギリソウ

一般にヤローと呼んでいます。
やはりハーブティに用いています。
葉っぱが深く切れ込んでいるのが特長です。
日本の山野に自生しているノコギリソウも白い花ですが、
葉っぱがこれほど深く切れ込んでいません。

カワラナデシコ

よく見かけるナデシコの仲間です。
高い山で咲くタカネナデシコは花びらがもっと深く切れ込んでいます。
河原に多く咲くのでこの名前がついたようです。

シモツケ

小さな花がたくさん集まっています。
下野(シモツケ)とは現在の栃木県のことで、ここで最初に発見
されました。
これによく似たシモツケソウというのがあります。
葉っぱが大きく切れ込んでいるので違いがわかります。
これは木ですが、シモツケソウは草になります。



6月2日、越辺(おっぺ)川源流を歩いてきました。
なかなか奥深いところでした。
お時間のある時にご覧ください。





今日はこれから「三つ峠山」に行きます。
小屋に1泊して明日の夜帰る予定です。
アツモリソウを楽しんできます。