山小屋だより

山歩きや街歩き、そこで出会った花や風景を紹介しています。
ぜひ、一緒に歩きましょう

唐松岳・不帰嶮(1-3)

2009-09-30 | 北アルプス
歩 道

歩道は木でキチンと整備されていました。
乾いている時は歩きやすいですが、雨が降ると滑りやすいので
要注意です。
ガスが濃く、幽玄の世界でした。

ミヤマコゴメグサ

背丈が10cmくらいの小さな花です。
コゴメグサとは小米草と書き、米粒のように小さい花という
意味です。
花びらの中の黄色い斑点がアクセントになっています。

イワショウブ

イワショウブは全体が赤く見える時があります。
よくみると花の中のメシベが赤いからのようです。
花が開いてしまうと白っぽくみえます。
小さい花の集合体ですが、かわいい花です。

ミヤマウツボグサ

平地に咲くウツボグサより花の色が濃いようです。
やはり夏の花ですが、残っていてくれました。
シソ科特有の姿をしています。

花 後

花が落ちるとこんな姿になります。
これが弓矢を入れる「ウツボ」に似ているので、
ウツボグサとついたようです。
本州中部以北、北海道までの亜高山~高山帯に分布しています。


ハクサンシャジン

花と葉っぱが輪生しているのが特長です。
花はだいぶ終わりかけていました。
ツリガネニンジンの高山型です。

タカネマツムシソウ

平地に咲くマツムシソウはかなり背が高くなりますが、
ここでは大きくなれないようです。
まだ咲いたばかりのようできれいな姿でした。
マツムシが鳴く頃咲くので、マツムシソウと呼ばれています。

ヤマハハコ

お馴染みのヤマハハコです。
真っ白な花びらは貝殻細工のようです。
小さな花をたくさん咲かせます。
群生しているとなかなかきれいです。

木 道

登山道が木道に変わりました。
しばらく平らなところが続くようです。
少し明るくなってきたので、雨は降らないようです。

オヤマリンドウ

夏の終わりから秋にかけて咲く花です。
太陽にあたってもあまり花は開きません。
この花を見ると、秋を感じます。


ワレモコウ

吾亦紅と書きます。
「われもまたくれない」といって「私も紅いのよ!」と主張して
いるようです。
小さい花からたくさんのオシベが飛び出しています。
誰かの歌で一躍有名になりました。


ハッポウアザミ

ここのアザミはみんな下を向いています。
見られるのが恥ずかしいのでしょうか?
鋭いトゲで武装していますが、きれいな花です。
1本の茎から幾つかの花を咲かせるようです。


ウメバチソウの群生

ウメバチソウはこのように群生する場合が多いです。
この中には蕾や花の終わった姿が見られます。
花びらが散ったあとの姿もおもしろいです。
少しずつ高度を上げてきました。
まだまだ登ります。

唐松岳・不帰嶮(1-2)

2009-09-29 | 北アルプス
オリンピックスタートハウス

アルペンクワッドリフトを降りて次のリフトに向かう
途中にありました。
オリンピックの時、アルペンスキーがここからスタートしたようです。

ノコンギク

きれいな姿のノコンギクがありました。
標高が高いのであまり背が高くならないようです。
淡いブルーが目を惹きました。


グラートクワッドリフト

3つ目のリフトです。
大きな車輪が回転し、次々にベンチがきます。
ベンチがくる位置に立って少し腰を落とし、慌てずに
乗るのがコツですね。
空いている時は1人でも2人でも大丈夫です。



上に行くに従ってガスがでてきました。
足元の草も背が高くなり、足に時々当たります。
ここで物を落としても拾うことができません。


リフトの最終乗り場

約5分でリフトの最終乗り場に着きました。
ここから八方池あたりまでは観光気分で歩けます。
リフトの最終時間が書いてあります。
これに乗り遅れたら歩いて降りなければなりません。
この3つのリフトを総称して「八方アルペンライン」と
呼んでいます。
ここから登山道が始まります。

ウメバチソウ

リフトに乗っている時、たくさん見えました。
直径1cmくらいの小さな花です。
「梅鉢紋」に似ているので、この名があるようです。
足元にたくさん咲いていました。

タムラソウ

アザミに似ていますが、葉っぱや茎にトゲがありません。
上からみると丸いボールのように見えます。
葉っぱは奇数羽状複葉です。

カライトソウ

花びらはなくオシベが大きく飛び出しています。
この姿から唐糸を連想したようです。
蕾の時はまっすぐ上を向いていますが、花が咲くと重くなって
垂れ下がります。
花は先端から咲き始めます。

ハクサンシャジン

平地に咲いているツリガネニンジンの高山型です。
別名:タカネツリガネニンジンと呼んでいます。
花も葉っぱも輪生しているので、すぐにわかります。
八方尾根に多い花です。

タムラソウ

タムラソウもたくさん咲いていました。
花だけみると本当にアザミによく似ています。
葉っぱに特徴がありますから、葉っぱで見分けてください。
咲き始めたばかりの花はきれいな色をしています。


ウメバチソウ

この花をよくみるとおもしろい姿をしています。
外側に扇のように広がっているのは仮オシベと呼ばれるものです。
オシベは5本ありますが、花粉が取れて1個だけ残っています。
真ん中にメシベがあり、しばらくすると先端が割れて中から
花柱がでてきます。
仮オシベの根元からは蜜をだしていて、昆虫を引き寄せるそうです。


ハッポウアザミ

八方独特のアザミです。
ガクの周辺に細かい毛が巻きついています。
寒さ対策をしているようです。
茎や葉っぱには鋭いトゲがあります。
夏から秋にかけて咲いています。


イワショウブ

湿ったところを好む花です。
葉っぱが細長くショウブの葉に似ています。
小さな花の集合体です。
風に揺れてなかなか撮らせてくれません。
カメラ泣かせの花です。
まだまだ登ります。








唐松岳・不帰嶮(1-1)

2009-09-28 | 北アルプス
大日三山から無事帰ってきました。
紅葉は最盛期に入っていました。

今日から9月5日~7日に登った
「唐松岳・不帰嶮(かえらずのけん)」
をご紹介します。

インフォメーションセンター

4日の夜行バスで八方まで入りました。
5日の朝6:00に到着です。
立派なインフォメーションセンターがあります。
ここで軽く朝食をとりました。



ロープウェイ乗り場までは少し歩きます。
気温は10℃くらいでしたが、寒くはありませんでした。


ゴンドラリフト乗り場

リフトの営業開始は8:00です。
既に切符売り場にはたくさんの人が並んでいました。
ここから3つのリフトを乗り継いで第1ケルンまで行きます。
片道¥1400でした。


オリンピックマーク

最初の乗り物はゴンドラリフトと呼ばれています。
ここは長野オリンピックでアルペンスキーが開かれた
場所でもあります。
長野オリンピックは1998年の冬に開けれました。
日本のジャンプ陣が素晴らしい感動を与えてくれました。
建物にマークが残っています。


ゴンドラ

ゴンドラには前と後ろに分かれて4人乗れます。
常に動いていますが、係りの人がキチンと安全を
確認して乗せてくれます。



リフトが動き出すとあんなにたくさん並んでいた人が
あっという間にいなくなりました。
今、切符売り場には誰もいません。
なお、荷物は10Kgを越えると荷物料金が必要です。




建物が少しずつ小さくなって行きます。
天気はガスっていました。
上のほうの天気が気になります。




ガスがかなり濃くなってきました。
予報では「晴れ」だったので、このガスも朝だけのようです。
約8分間の空中散歩でした。



2番目のリフトは「アルペンクワッドリフト」です。
ドンドラを降りてから少し歩きます。
斜面に牛がいました。
転がり落ちないか、心配でした。
冬はスキーのゲレンデになるようです。



このリフトは3人が腰掛けて乗ります。
乗る時と降りる時のタイミングが少し難しいです。
風がひんやりして気持よかったです。




足元にはたくさんのヨツバヒヨドリが咲いていました。
小さなウメバチソウなども見えました。
上に小屋が見えます。
約7分間の空中散歩でした。
このあと、もう1つ乗ります。




◎速 報

紅 葉

立山の室堂付近は紅葉が見頃でした。
これは26日の朝、室堂に向かうバスの中から撮ったショットです。
急に寒くなったので、紅葉も進んだようです。

みくりが池と立山

みくりが池と立山です
右奥の鞍部が一ノ越でそこから約1時間で登れます。
右が雄山(3003m)で頂上に神社があります。
その左が大汝山(3015m、)1番左が富士ノ折立(2999m)、
この3つを総称して「立山」と呼んでいます。

室堂付近は草紅葉もきれいでした。
大日三山も晴天に恵まれ、素晴らしい登山ができました。
登山のようすはこのシリーズのあと、ご紹介します。



奥穂高岳・前穂高岳(最終回)

2009-09-25 | 北アルプス
天狗沢

ここは天狗沢と呼ばれているところです。
遠くに奥穂から西穂までの稜線がよくみえます。
先日、NHKで放映したのは奥穂からジャンダルムまで
のようでした。
その先はもっと厳しい岩稜帯が続きます。

岳沢ヒュッテ跡

岳沢ヒュッテ(跡)につきました。
途中トラブルがあり、紀美子平から約3時間半かかりました。
ここには小屋があったのですが、数年前に雪崩で押し潰されました。
上高地から登ってくるにも奥穂から降りてくるにもよい場所です。
建物はきれいに片付けられていました。
簡易トイレもありましたが、ロープで縛ってあって使えません。

案内板

こんな案内板がありました。
いろんな問題があり、当分再建できないようです。
何とか復旧して欲しいと思います。


展 望

小屋前からの眺めです。
上高地やその奥の乗鞍岳がよくみえます。
ここにベンチで生ビールを片手にこの展望を楽しんだ
ことでしょう。
上高地からここまで来るだけでも価値があると思いました。


コウシンヤマハッカ

20分くらい展望を楽しんで、小屋跡をでました。
途中にたくさんのシソ科の植物がでてきました。
ヤマハッカの仲間でコウシンヤマハッカです。
ハッカという名前がついていますが、匂いはありませんでした。


ヨツバヒヨドリ

ヨツバヒヨドリも咲いていました。
花だけみると秋の七草の一つのフジバカマによく似ています。
葉っぱが4枚輪生しています。
輪生していなければヒヨドリバナです。
アサギマダラが好きな花です。

登山道

登山道が一変しました。
樹林帯に入ってきました。
いよいよ上高地が近くなったようです。
自然に足も速くなりました。

登山口

登山口に到着です。
途中ロスタイムがありましたが、穂高岳山荘を朝早くでてから
10時間30分かかりました。
ロスがなくても8時間以上かかるコースです。
ここにも岳沢ヒュッテ閉鎖の案内板がありました。


六百山と霞沢岳

これから上高地のかっぱ橋に向かいます。
途中で大きな山が見えました。
正面が六百山でその右奥が霞沢岳です。
六百山には登るルートがありませんが、霞沢岳には
登れます。
徳本(とくごう)峠小屋に2泊する必要があります。
この小屋は「ランプの小屋」として知られています。
大滝山経由で蝶ヶ岳まで歩いた時泊まりました。
小さな小屋ですが、なかなか素晴らしい小屋でした。

木道

木道が現れました。
ここはかっぱ橋から明神に行く遊歩道になっています。
春はニリンソウが群生しています。
賑やかな声が聞こえてきました。
もうすぐかっぱ橋のようです。


かっぱ橋

かっぱ橋に到着しました。
さすが、ここまでくると家族連れも多くなります。
観光バスで来てこのあたりを散策して帰る人も多いようです。
いろんなツアー会社のバッジを胸につけて歩いていました。

焼 岳

かっぱ橋の真ん中から焼岳を見ました。
前穂からはかなり下に見えたのですが、ここからは大きく
見えます。
春先に釜トンネルを歩いてスノーシューでここまできたことを
思い出しました。
誰もいなくて静かな上高地でした。

岳 沢

最後に岳沢を眺めました。
白い雲がかかっているのが奥穂高岳です。
あの山を越えて前穂高岳に登り、岳沢を降りてきました。
晴天に恵まれ、素晴らしい山行でした。


今晩の夜行バスで室堂に入ります。
明日(26日)から大日三山を縦走します。
27日の夜、帰ってくる予定です。
どんな出会いが待っているのか、楽しみです。



奥穂高岳・前穂高岳(2-10)

2009-09-24 | 北アルプス
急な下り

ここも急な下りです。
下りで注意すべきことは前の人との間隔をとることです。
ピッタリくっつくと前の人が焦ります。
滑った場合も共倒れになってしまいます。
時々「少し間隔をおいて!・・・」
後ろから声をかけながら下りました。

カモシカの立場

やや平らなところにでました。
ここは「カモシカの立場」と呼ばれているところです。
緊張がとれてホッとします。
奥穂から西穂に降りる稜線がきれいに見えていました。

クロトウヒレン

また、クロトウヒレンが咲いていました。
花はアザミに似ていますが、茎や葉っぱにトゲがありません。
蕾が黒いのでこの名がついたようです。

大きなカール

大きなカールです。
これも氷河が削った跡でしょうか?
上高地がかなり近くなりました。
乗鞍が大きくなり、その奥の御嶽が隠れそうです。

長いハシゴ

長いハシゴがありました。
最後に降りて振り返ると一人降りてきました。
このルートは単独で歩いている人も多いようです。
足場のよいところで前に声をかけ、道を譲りました。

ミヤマシャジン

ツリガネニンジンの仲間です。
亜高山から高山帯の岩場に咲いています。
ガクに切れ込みがないのが特長といわれています。
背丈はあまり高くありません。

ハンゴンソウ

葉っぱが掌状で大きく裂けています。
反魂草と書き、この葉っぱが風に揺れていると
死者が招いているように見えるそうです。
黄色い花はとてもきれいでした。

ミヤマトリカブト

これもお馴染みの花です。
この下りには大きなお花畑があります。
そこでたくさん咲いていました。
よくみると不思議な顔をしています。

焼岳

かなり降りてきました。
焼岳が高く見えます。
天気がよくて汗ばむくらいでした。

ヤマハハコ

ヤマハハコも太陽に輝いています。
外の花びらが貝殻細工のようです。
まだ咲き始めたばかりの花でした。

ミヤマシシウド

大きなシシウドです。
お花畑でも一段と存在感があります。
花が終わると黒っぽい種ができます。
ここではまだ全盛でした。

登山道

登山道にだいぶ緑が濃くなってきました。
静かな歩きができる場所です。
ここまで降りればもう危険なところはないようです。
気持よく歩けました。




大きな沢にでました。
水はなさそうです。
ここを渡れば岳沢ヒュッテはもうすぐのようです。
足元の浮石に要注意です。


ミヤマキオン

里に咲く「キオン」の高山型です。
花だけみるとハンゴンソウによく似ています。
葉っぱが違います。
またハンゴンソウのように背丈も高くなりません。

オニシモツケ

シモツケソウに似ていますが、花の色が白くて
背丈も1m以上になります。
小さな花からオシベがたくさん飛び出していて線香花火の
ようでした。
なかなかきれいな花でした。


◎付 録

先日登った「早月尾根から剱岳」をデジブックにまとめました。
BGM入りです。
今後登る人の参考になれば幸いです。





標高2800mから上はなかなか手ごわい岩稜帯でした。
なお、このデジブックはXPとビスタ以外は対応していないようです。



奥穂高岳・前穂高岳(2-9)

2009-09-23 | 北アルプス
前穂高岳の頂上

前穂高岳の頂上に着きました。
紀美子平から35分の登りでした。
槍がよくみえています。
頂上からの展望が何よりのご馳走です。
これで前穂高岳、北穂高岳、西穂高岳、奥穂高岳と
4つの穂高岳を登ったことになります。

富士山

ここからも富士山が見えました。
ズーミングしたので、かなりぼんやりです。
先ほどまでの笠雲はだいぶ取れていました。

ケルン

ケルンがありました。
ガスっている時などには心強い味方です。
紀美子平へのルートを示しています。
帰りはここから降ります。

頂上

かなり広い頂上です。
ここは電波が通じるようです。
携帯で誰かに連絡している人もいました。
左から2番目の人物の頭の上に見えるのが富士山です。
普通に見るとこんなに小さく見えます。


槍ヶ岳

槍ヶ岳が大きくそびえています。
小屋が3つ見えます。
右から「ヒュッテ大倉」、「殺生ヒュッテ」、
一番左が「槍ヶ岳山荘」です。
槍ヶ岳にはここにザックをおいて軽くしてから登ります。
往復1時間もあれば登って降りられます。

奥穂高岳と涸沢岳

少し左に目をやりました。
右が涸沢岳、左が奥穂高岳です。
間の鞍部に小屋がみえます。
昨夜泊まった「穂高岳山荘」です。


標識

頂上で充分展望を楽しみ、30分で降りてきました。
紀美子平に建っていた標識です。
これから岳沢を下って上高地に降ります。


下り

紀美子平からいきなりの急な下りです。
前の人との間をおいて慎重に降ります。
焦りやおしゃべりは禁物です。



両手両足をフルに使って下ります。
落石にも注意が必要です。
時々前のほうから「浮石注意!」の声があります。
リーダーが注意を喚起しているようでした。

イワギキョウ

イワギキョウが咲いていました。
緊張している時に花に会うとホッとします。
暖かい日差しを浴びて嬉しそうでした。

バイケイソウ

バイケイソウの花も元気です。
全草緑色をした花です。
葉っぱだけだとバイケイソウと見分けがつきにくいですが、
花が咲くとよく区別できます。
今年初めての出会いでした。


降りてきた方向

降りてきた方向を振り返って見ました。
右を1人降りてくる人がいます。
なかなか厳しい下りでした。

展望台

ここは展望台になっているようです。
焼岳が大きく存在感を示しています。
上高地のかっぱ橋とその上の森の中ににある帝国ホテルの
赤い屋根もよく見えます。
これからかっぱ橋まで降りて行きます。

奥穂高岳・前穂高岳(2-8)

2009-09-22 | 北アルプス
急な下り

しばらく進むと大きく下るところがあります。
ここはストックが使えません。
両手両足をフルに使って降ります。
足場さえしっかり確保すれば問題なく降りられます。

降りてきた方向

降りてきた方向を振り返ってみました。
奥穂は正面の山の陰になっています。
右のとんがった山の左を降りてくる人が見えます。
素晴らしい岩稜帯でした。


前穂高岳と北尾根

前穂高岳が大きく迫ってきました。
北尾根の稜線がきれいに見えます。
この日の2日ほど前にこの稜線で滑落事故がありました。
落石にあったようです。
ここの岩はかなり風化が進んでいます。
崩れているところは速やかに通り抜けることが肝心です。

上高地

右下に上高地が見えています。
一番手前がかっぱ橋です。
右奥の赤茶けた山が焼岳です。
天気がよかったので、かっぱ橋からもたくさんの人が
こちらを見ていることと思います。




奥穂の方向です。
こんな岩場を歩けることに感謝です。
人間の足は素晴らしいと思いました。

常念岳と蝶ヶ岳

左の大きな山が常念岳、一つおいて右の山が蝶ヶ岳です。
蝶ヶ岳は比較的平らな山です。
雪が積もると蝶が羽根を広げた姿に見えるそうです。
蝶ヶ岳ヒュッテはなかなかきれいな小屋でした。

紀美子平

やっと紀美子平に到着しました。
奥穂高岳から1時間40分、穂高岳山荘から3時間でした。
穂高岳山荘を開設した今田重太郎の姪で山荘のアイドルだった
紀美子の名前がついています。
若くして他界し、兄の英雄が山荘を経営しています。
ここにザックをおいて前穂高岳をピストンします。


奥穂高岳

紀美子平からみた奥穂高岳です。
左のこぶがジャンダルムのようです。
歩いてきたルートが1本の線のように見えます。
右奥の尖った山は涸沢岳です。
素晴らしい展望でした。



10分ほど休憩してから前穂高岳に登りました。
紀美子平はこんな感じのところです。
ここには韓国からの若者のグループもたくさんいました。
韓国にも山はありますが、穂高のような山はなく憧れてくるようです。
盛んに韓国語が飛び交っていました。



いきなり急登が続きます。
みんな四つんばいになって登っています。
登りの場合は前の人と少し間隔をおく必要があります。
落石防止にもなります。

槍から奥穂までの稜線

登る途中から槍ヶ岳が見えてきました。
一番右の尖った山が槍ヶ岳です。
そこから左に南岳、北穂高岳、涸沢岳と続き、一番左が奥穂高岳です。
ここから眺める稜線もなかなか素晴らしかったです。


ウサギギク

岩陰にきれいなウサギギクが顔を出していました。
草原に咲く花と違ってあまり背が伸びていません。
厳しい環境でも一生懸命生きています。
健気な姿に思わず微笑んでしまいました。

上高地

時々振り向くと上高地の姿が変化してきます。
ここはかなり急な登りの連続でした。
足元の石も崩れやすく、うっかりすると足を取られてしまいます。
展望を楽しみながら、慎重に登りました。



奥穂高岳・前穂高岳(2-7)

2009-09-21 | 北アルプス
中山道、上松(あげまつ)から中津川まで歩いてきました。
晴天に恵まれた3日間でした。
奥穂シリーズ、再開します。

前穂と北尾根

前穂高岳がかなり大きくなってきました。
左にそびえるのが、前穂高岳です。
そこから右に続く稜線が北尾根です。
前穂の右下に白く見える場所があります。
「紀美子平」と呼ばれています。
とりあえず、あそこまで歩きます。


イワギキョウ

岩の隙間から顔を出していました。
風が強い場所なので、あまり大きくなれません。
こんな厳しい環境でも一生懸命咲いています。
素晴らしい生命力ですね。


登山道

しばらくは歩きやすい登山道が続きます。
風があるとたいへんですが、この日は穏やかでした。
右が大きく切れ込んでいます。
油断はできません。

西穂へのルート

西穂高岳へのルートがよく見えます。
左に尖った山がジャンダルムです。
西穂まではかなりハードなルートが続きます。


南稜の頭

ここは「南稜の頭」と呼ばれている場所です。
下を見ると上高地がよく見えました。
遠くの山は手前が乗鞍岳、その奥が御嶽山です。



前穂へのルート

これから歩く「前穂へのルート」です。
山が少しずつ大きくなってきます。
紀美子平まではまだかなりかかりそうです。

槍ヶ岳と北穂高岳

槍ヶ岳も大きく見えます。
手前が北穂高岳で右が北峰、左が南峰です。
小屋は北峰にあります。

登山道

この先から下に降りるようです。
何ヶ所かクサリ場もあるようです。
岩場歩きは慌てないことが肝心です。

タカネヤハズハハコ

タカネヤハズハハコが咲いていました。
咲き始めはピンク色をしています。
やはり夏の花ですが、今年の夏は雨が多く気温が低かったので
花も遅くまで咲いているようでした。


ルート

かなり大きく下っています。
右奥に白く紀美子平が見えています。
このあたりも滑落事故が多い場所のようです。
慎重に歩きました。


富士山

はるか遠くに富士山が見えてきました。
頂上には「笠雲」がかかっています。
望遠にしたので、かなり画面が荒くなりました。
やはり富士山が見えると嬉しくなります。
足を止めてしばらく眺めていました。

乗鞍岳と御嶽山

ついでに乗鞍岳と御嶽山もズーミングして見ました。
乗鞍はかなり上まで車で行けますので、簡単に登れます。
御嶽山はアプローチが長かったです。
どちらも花の季節にはたくさんの高山植物が楽しめます。
今年もたくさんの人が訪れたことと思います。


奥穂高岳・前穂高岳(2-6)

2009-09-17 | 北アルプス
剱岳から無事に帰りました。
奥穂高岳シリーズ、再開します。

ブロッケン現象

まだブロッケン現象が現れています。
遠くの雲にこちらの山が映っています。
まるで影絵のようでした。

登山道

石がゴロゴロした登山道が続きます。
丸いペンキ印はガスが濃い時の道標です。
これを見逃すとたいへんなことになります。
時々石が動いていることがあります。
注意して歩きましょう。

朝日

太陽がだいぶ高くなってきました。
ケルンの間にみえる山は蝶ヶ岳です。
気温もかなり上がってきました。


登山道

小屋を出発してから30分くらいのところです。
左奥にみえるピークが奥穂高岳です。
石に足を取られないよう、慎重に歩きました。

槍ヶ岳

槍ヶ岳が一段とその存在感を増してきました。
こんな晴天の日に登れば向こうからもこちらがよく
見えるハズです。
きっとたくさんの人が登っていることだと思います。

ジャンダルム

ジャンダルムが見えてきました。
大きな壁のようです。
ジャンダルムとはフランス語で「護衛兵」という意味だそうです。
穂高の主峰、奥穂高岳をしっかりと護っているようです。

奥穂高岳

奥穂高岳の頂上がみえてきました。
左の祠がピークで、右が方向盤です。
あと10分くらいで到着します。

西穂高岳へのルート

「西ホへ」とペンキで書いてあります。
ここを歩けば西穂高岳を経由して西穂高山荘まで行けます。
非常に危険なルートで滑落事故も多いところです。
穂高岳山荘から約8から10時間かかります。
二人ほど歩いているのが見えますか?
先日のヘリの事故はこのジャンダルムを過ぎたあたりで
おきました。
下から吹き上げる風も強いところです。
左に見えるのは焼岳です。

奥穂高岳の頂上

奥穂高岳に到着しました。
穂高山荘を出発して約50分です。
奥穂高岳のピークはこの祠の上にあります。
日本で3番目に高い山です。
1番は富士山(3776m)、2番目は北岳(3193m)です。
ちなみに槍ヶ岳(3180m)は5番目になります。


方向盤

反対側には方向盤があります。
上から見るとここから見える山が刻まれています。
数年前には涸沢ヒュッテに泊まってここまできて引き返しました。


穂高神社嶺宮

祠に下には「穂高神社嶺宮」が祭られています。
ここまでお参りにくるのはたいへんです。
前回はこの神社には気がつきませんでした。

上高地

下に上高地が見えます。
右下がかっぱ橋、その上のほうの赤い屋根が帝国ホテルです。
更に上のほうに大正池が見えます。
右上の赤い肌が焼岳、遠くの山は手前が乗鞍岳、その奥が
御嶽山です。

ジャンダルム

ジャンダルムを正面から眺めて見ました。
普通、ジャンダルムは巻いて通過します。
しかし、よくみると頂上に数人の人が立っています。
西穂側から登れるようです。
まさに護衛兵という言葉がピッタリの山です。


明日(18日)から20日まで旅にでます。
21日から再開します。








奥穂高岳・前穂高岳(2-5)

2009-09-14 | 北アルプス
一夜明けました。

岩場

まだ少し薄暗い中を出発しました。
小屋からいきなりの岩場です。
風がかなり強く吹いていました。



必死に登っています。
ここは両手両足をフルに使います。
少しずつ明るくなってきました。



まだまだ登ります。
途中の風は強くて吹き飛ばされそうでした。
朝は早いので一気に目が覚めました。


涸沢岳と槍ヶ岳

槍が見えてきました。
左が涸沢岳、右が北穂高岳です。
真ん中にそびえるのが槍ヶ岳です。
天気はよさそうです。



太陽が顔を出してきました。
時間は5時半くらいです。
この瞬間が何ともいえません。

ご来光

だんだんと輝きを増してきます。
神々しい気持ちになります。
素晴らしいご来光でした。

常念と蝶

左が常念岳、右が蝶ヶ岳です。
シルエットもなかなか良いものです。

笠ヶ岳

笠ヶ岳にも朝日が当たってきました。
これから少しずつ赤くなります。

ブロッケン現象

我々のいる山が遠くに映っています。
ブロッケン現象です。
山でこれに出会うと嬉しくなります。
姿が刻々と変化していきました。



だいぶ昇ってきました。
雲がなかなかきれいでした。
出発の時は寒かったのですが、だいぶ暖かくなって
きました。
太陽の光は本当にありがたいです。



槍にも日が当たってきました。
涸沢岳の頂上に何人か人が見えます。
ご来光を拝みに早くから登っていたようです。

登山道

登山道も明るくなってきました。
奥穂高岳の頂上も見えてきました。
朝の清々しい空気にすっかり気分もよくなりました。
奥穂高岳まではそれほど大きな登りはありません。
足元だけ気をつけて歩きました。


時間があったので、少しアップしました。
これから富山に向かって出発します。
天気もよさそうです。元気で行ってきます。


奥穂高岳・前穂高岳(2-4)

2009-09-13 | 北アルプス
ヨツバシオガマ

ヨツバシオガマが逆光を浴びて輝いていました。
こうやってみると本当に鳥のクチバシのように見えます。
シオガマとは浜で海水を煮詰めて塩を造るカマのことだそうです。
この花が「葉まで美しい」→「浜で美しい」となってシオガマという
名前がついたそうです。


イワギキョウ

イワギキョウが岩のわずかな隙間から顔を出して咲いています。
厳しい環境にも耐えられるようです。
こんな姿をみるとカメラを向けられずにはいられません。
小さな花から元気を貰いました。

タカネヨモギ

ヨモギの仲間で一番高いところに咲く花です。
花はいつも下を向いています。
葉っぱが細かく裂けているのですぐにわかります。
太陽の光を浴びて嬉しそうでした。

雪 渓

小屋が見えてきました。
小屋の下にはまだ大きな雪渓が残っています。
人が何人かいるのが見えます。
もうすぐのようです。

穂高岳山荘

小屋に到着しました。
涸沢ヒュッテから3時間20分、横尾山荘から7時間30分でした。
石のテラスでは既にたくさんの登山者が休んでいました。
こんな日はすぐに小屋に入るのは勿体無いですね。


奥穂へのルート

小屋の左手に奥穂へのルートが見えます。
最初からいきなりの急登でクサリやハシゴの連続です。
上のほうに2つのハシゴが見えますか?
翌日は早いので、ここを登るのはまだ暗いかも知れません。

涸沢岳

右手に涸沢岳が見えます。
少し休んでからこの山に登ることにしました。
何人か歩いている人が見えます。

涸沢への登り

小屋の横からテント場を通って登ります。
しばらく登って振り返って見ました。
小屋とヘリポートが見えます。
奥穂へのルートは小屋の奥、画面の上のほうです。

イワギキョウの群生

イワギキョウが群生していました。
夏の花ですが、今年の夏が寒かったので待っていてくれたようです。
蕾もたくさんあり、まだまだ楽しめるようでした。

笠ヶ岳

登っている左手に笠ヶ岳が見えていました。
右の笠を伏せたような姿をした山が笠ヶ岳です。
標高2898m、すぐ下に小屋があり15分くらいで登れます。
もう10年以上前になると思いますが、裏銀座を歩いて
ついでにこの山まで足を伸ばして登りました。
下の谷は新穂高温泉です。
ここまで降りる笠新道もなかなかの下りでした。

トウヤクリンドウ

トウヤクリンドウです。
淡いクリーム色に緑の斑点があります。
なかなか開いた姿を見せてくれません。
この花は遅くまで咲いています。
北アルプスを代表する花の1つです。

涸沢岳頂上

涸沢岳頂上に到着しました。
小屋から約25分の登りでした。
昨年も北穂高岳からここを通過したのですが、ガスで何も
見えませんでした。
ルートはこの下にあるので、あやうくこの標識を見落とすところでした。


槍ヶ岳

槍ヶ岳から北穂高岳までのルート、北穂高岳から涸沢岳までの
ルートがよく見えます。
この間の歩きもなかなか厳しいです。
昨年北穂から歩いた時はガスの中でまったく周りが見えませんでした。
この日、歩いた人は素晴らしいスリルが味わえたことだと思います。
奥のとんがった山が槍ヶ岳、右の山が北穂高岳です。


槍ヶ岳

槍をズームして見ました。
ルートがハッキリ見えます。
この日、槍に登った人もこちらを見て感激していることだと
思います。
素晴らしい景観でした。

北穂高岳

北穂高岳のズームです。
右が北峰、左が南峰です。
小屋は北峰にあります。
南峰からの下りは両側が切れ落ちていてスリル満点です。
昨年、風が強くて吹き飛ばされそうになったところです。


奥穂高岳

反対側に奥穂高岳が見えます。
画面右から二つ目のピークがそれです。
手前から歩いて行くルートもよく見えます。
この景観を見るのも初めてでした。

ジャンダルム

奥穂から右に目をやるとジャンダルムが見えました。
左の丸いこぶがそうです。
11日に救難ヘリが墜落しました。
その場所はこのジャンダルムを少し過ぎたあたりのようです。
パイロット以下3名の尊い命が奪われました。
ご冥福をお祈りしたいと思います。
一番右奥が西穂高岳のようです。

奥穂からジャンダルム

小屋を入れた全体像はこんな感じです。
正面が奥穂、一番右がジャンダルムです。
奥穂高岳までは小屋からやく4~50分の登りです。
奥穂までは数年前に歩いているので、特に難しいところは
ありません。
後は天気次第です。
充分展望を楽しんで降りました。


穂高岳山荘

山荘の入り口です。
この小屋は標高2996mの位置に建っています。
穂高でもっとも早く小屋を開いた今田重太郎さんの甥である
今田英雄さんがオーナーをしています。
玄関を入ると広場になっていて休めるようになっています。

夕食

小屋の夕食は早く、午後5時からです。
最近はヘリで荷揚げをするので、食事の内容もよくなりました。
山の中で魚が食べられるのは嬉しかったです。
ご飯と味噌汁はお代わりできます。
ビールとワインで乾杯しました。

夕日

15分くらい経ったところで小屋の人が「夕日がきれいですよ」と
教えてくれました。
慌てて外に出てみました。
笠ヶ岳の上に丁度沈むところでした。
山で見る夕日は特別にきれいです。



少しズーミングして見ました。
黄金色に輝くようすが何ともいえません。
刻々と変化する雲の色も最高でした。
翌日の天気は大丈夫のようです。
Tシャツ1枚で飛び出したので、寒くなり5分くらいで
小屋に入りました。
これで安心して眠れそうです。


明日からしばらくお休みします。
富山に入り、早月尾根から剱岳(つるぎだけ)に登ります。
17日に一度帰りますが、18日から中山道(上松から先)を歩きます。
20日に帰る予定なので、そのあと再開します。
みなさんのところにもご訪問できませんが、よろしくお願いします。

奥穂高岳・前穂高岳(2-3)

2009-09-12 | 北アルプス
登山道

大きな岩がゴロゴロしている登山道です。
時々、平らな場所もあります。
雨の日は滑りやすい場所です。
みなさん、快調に登っています。
下からみると、雲に向かって登っているようでした。



両手両足をフルに使って登ります。
岩は安定していましたが、足元には浮石があります。
乗ってグラッときたら要注意です。
手で掴んで動く石もあります。
気がついたら、前の人から声がかかってきます。


屏風岩

登りながら何度も振り返りました。
ますます屏風岩が低くなってきます。
せっかくの好天気です。
しっかり目にも焼き付けておきました。


登山道

かなり急な登りが続きます。
焦らずゆっくり登れば息も切れません。
空には秋の雲が流れていました。


クサリ場

最初のクサリ場が現れました。
しっかりしていますが、このくらいならあまりクサリに
頼らないことです。
歩く方向をみてルートを決めたら、バランスで歩くと楽です。
怖がらないことが大切ですね。

登山道

ここは大きく左に曲がるようです。
降りてくる人が待ってくれています。
基本的には登り優先ですが、長い場合は声をかけて交互に
登り降りします。
今回は我々の後ろに誰もいませんでした。
太陽が真上から照らしています。
Tシャツ1枚で丁度よい温度でした。

ウサギギク

ウサギギクが声をかけてきました。
花びらがだいぶ取れています。
ハナアブの1種であるヒラタアブが止まっています。
小さなヒマワリのような花です。

常念と東天井岳

右奥にポツンと見えるのが蝶ヶ岳です。
正面に大きく羽根を広げているのが常念岳・・・
その左が横通岳、一番左が東天井岳です。
更に左に大天井岳がありますが、ここからは見えません。
常念から蝶までのコースも岩が連続しており、なかなか
気が抜けないコースです。

ミヤマトリカブト

トリカブトがスッと立っていました。
昨年もこのあたりでモデルにしたようです。
高いところで咲くトリカブトには何となく気品があります。
ある事件であまりにも有名になった花です。
もう忘れてしまいたい事件でした。

ミヤマダイモンジソウ

足元の岩陰にひっそりと咲いていました。
注意していないと気がつかない花です。
花の姿が「大」の字に似ています。
比較的湿ったところが好きな花です。

コメススキ

風に揺れていました。
葉っぱがススキに似ていて実をおコメに例えたようです。
ライチョウのヒナが好きなようです。
イワヒバリなどが啄ばんでいるのをみたことがあります。
たくさんありました。

タカネヤハズハハコ

ヤマハハコの仲間です。
葉っぱや茎に白い毛がたくさんあります。
ヤマハハコの仲間としては一番高いところに生えています。
環境が厳しいところに咲いているので、背はあまり高くなれません。
ここでもしっかりと咲いていました。
歩きながらでもこうやって見たことのある花に出会うと
嬉しくなります。
お盆までは雨が多く、夏山にくることができませんでした。
花達も待っていてくれたようです。


奥穂高岳・前穂高岳(2-2)

2009-09-11 | 北アルプス
吊り尾根

正面のギザギザした山が前穂高岳です。
奥穂高岳は画面の右端にあります。
この間を吊り尾根と呼んでいます。
ここから見てもきれいなカーブを描いています。


ヨツバシオガマ

シオガマの仲間もたくさんあります。
これは葉っぱが4枚輪生しているので、すぐにわかります。
クチバシが長いのをクチバシシオガマといって区別する場合が
あるそうですが、5mmと9mmの差だそうです。
歩きながらではそこまでわかりません。
すべて4枚ならヨツバシオガマでよいと思います。

常念と蝶

登りながら何度も振り返りました。
涸沢ヒュッテがあんなに小さくなっています。
高くそびえていた屏風岩も低くなって常念と蝶の稜線が
よく見えるようになりました。

ザイテングラートの取り付き

いよいよザイテングラートに入ります。
近くでみると大きな岩の塊です。
ここからは油断できません。
気持ちを引き締めて登りましょう。
今回は12名という大パーティです。
先頭を行くリーダーが振り返って全員を確認していました。


前穂の北尾根

一番右が前穂高岳です。
その左が2峰、次が3峰、4峰・・・と続きます。
いわゆる北尾根と呼ばれている岩稜帯です。
岩登りの技術がないと歩けないところです。
滑落事故が多いところで、ザイルとヘルメットは必携です。
この日の前日も滑落事故があったようです。
画面の左下の雪渓から登るルートがわずかに確認できました。

ミヤマキンポウゲ

岩の陰に黄色い花が咲いていました。
ミヤマキンポウゲです。
太陽に反射して花びらが白く見えるのは花に含まれている
でんぷん質のためだそうです。
花が終わるとコンペイトウのような種ができます。

ザイテン

大きな岩に「ザイテン」と書いてありました。
ここから急な登りが始まります。
落ち着いて登れば問題ないと思います。


クロトウヒレン

クロトウヒレンが咲いていました。
アザミに似ていますが、葉っぱにトゲがありません。
蕾の時には真っ黒な塊です。
花びらの先端がカールしていておもしろいですね。
一度みたら忘れられない花です。

岩 場

岩場ではストックは邪魔になります。
常に両手を開けておくと楽です。
基本的には3点確保が重要です。
これから厳しい登りになります。

イワギキョウ

岩の間から顔を出していました。
ガクが大きく反り返っているのが特徴です。
よく似た花にチシマギキョウがあります。
こちらは花びらに細かいヒゲがたくさんあるのと
ガクが反り返っていないことで見分けられます。
ここではほとんどがイワギキョウでした。


岩 場

この先にハシゴかクサリがあるようです。
ハシゴやクサリは少し間をおかないと危険です。
夏の最盛期には渋滞が起きる場所です。
慌てると事故の元になります。
遠くの涸沢槍がきれいです。
空の雲はすっかり秋を感じさせていました。

奥穂高岳・前穂高岳(2-1)

2009-09-10 | 北アルプス
第2章に入ります。

登山道

ここは大きな石がゴロゴロした登山道です。
油断すると足首を捻挫します。
急がずゆっくり歩くのがコツです。

お花畑

歩いている左手にお花畑が見えてきました。
ピンクのハクサンフウロが風に揺れています。
遅い夏を楽しんでいるようでした。

ハクサンイチゲ

ハクサンイチゲも太陽に輝いています。
今年の夏は雨が多かったので、花も我慢していたようです。
このアングルが好きで、ここを通る度に撮っています。
何度見ても飽きない景色です。

涸沢槍と涸沢岳

お花畑を過ぎるとまた石の道が続きます。
右の涸沢槍から左の涸沢岳までの稜線がきれいでした。
こんな晴れた日にあの稜線を歩いてみたいです。
涸沢岳までなら登れそうです。

常念岳

右手に常念岳が大きく見えてきました。
この山も素晴らしい山です。
数年前に1人で燕岳に登りました。
燕山荘から次は常念小屋に泊まる予定でした。
常念小屋までは約5時間、お昼に着いてしまいました。
そのまま蝶ヶ岳まで約6時間歩きました。
さすがに11時間は長かったです。
この山を見る度に当時を思い出します。

雪 渓

2つ目の雪渓が現れました。
最初の雪渓より少し長いようです。
ここを渡って涸沢小屋からくる道と合流します。



涸沢ヒュッテがだんだんと小さくなります。
雪渓の上に大きな石が転がっています。
上から落ちてきた石です。
雪渓の上を落ちてくる石は音がしません。
白馬の大雪渓などの事故もこの落石によるものが
多いそうです。
昔、大雪渓の途中で石に腰掛けて休んでいる女性がいて
驚きました。
注意したら、慌てて移動しました。
屏風岩もここからみると大きく見えます。

ザイテングラート

左手にザイテングラートが大きく見えてきました。
これからここをトラバースしてあの背中を登ります。
涸沢槍と涸沢岳が「早くおいで!」と呼んでいました。


常念岳と蝶ヶ岳

屏風岩を真ん中にして左が常念岳、右にポツンと見えるのが
蝶ヶ岳です。
更に左に小さく大滝山荘が見えます。
徳本峠から蝶ヶ岳まで続く中村新道は約7時間くらいの
長いコースですが、静かな歩きができるコースです。
数年前に歩きましたが、誰にも会いませんでした。
コガネイチゴの白い花がきれいでした。

ザイテングラートへのルート

ここから左にトラバースしてザイテングラートに
取り付きます。
ここまでくるとたくさんの登山者が歩いています。
涸沢ヒュッテから約1時間10分歩きました。
小休止です。
青い空が目に痛いくらいでした。


タカネヨモギ

ヨモギの仲間で高いところに咲いています。
花はあまり開きません。
葉っぱは細かく裂けています。
なかなかユニークな姿の花です。

オンタデ

タデ科の植物はたくさんあります。
これは岩山が好きな花のようです。
雌雄異株で赤いのが雌株、黄色いのが雄株です。
別名:ミヤマイタドリと呼んでいます。
夏の終わりから秋にかけてたくさん咲いています。
地味な花ですが、それなりに存在感がありました。










奥穂高岳・前穂高岳(1-13)

2009-09-09 | 北アルプス
雪 渓

涸沢ヒュッテに別れを告げて出発しました。
小屋の裏手に雪渓があります。
ここを渡ってから登山道に入ります。
雪はそれほど固くなく、歩きやすかったです。


奥穂高岳

奥穂高岳が大きく見えています。
これ以上望めない晴天です。
気温も20℃近くあり、気持よく歩けました。

登山道

雪渓を渡り終えると石がゴロゴロした登山道です。
ここは雪があったほうが歩きやすいです。
奥穂へのルートがきれいなカーブを描いていました。



しばらくしてから振り返ってみました。
屏風岩が大きく見えます。
涸沢ヒュッテとテント場もだいぶ小さくなりました。
少しずつ高度を稼ぎます。


正面にザイテングラートが迫っています。
左の鞍部にポツンと穂高岳山荘がみえます。
これからあの小屋まで登ります。


前穂高岳

左を見ると前穂高岳がそびえています。
今回はあの山にも登る予定です。
奥穂から前穂までの尾根を吊り尾根と呼んでいます。
ここもきれいなカーブを描いています。


チングルマ

チングルマが穂になっていました。
涸沢の下ではまだ花が見られました。
この姿が子供が持って遊ぶ風車に似ているそうです。
稚児車(チゴグルマ)が転化して「チングルマ」になったそうです。
これに朝露がついているとキラキラ光ってきれいです。
昨年、薬師岳を縦走した時、たくさん見ました。

イワツメクサ

イワツメクサはこのようにマット状に咲きます。
小さな花が風に揺れていてなかなか撮らせてくれません。
かなり深くまで根を張っているようです。
多少の風ではビクともしません。

ナナカマド

ナナカマドの実です。
まだ青いですが、もう少しすると真っ赤になります。
その後この葉っぱも真っ赤に紅葉し、ここのカールを
彩ります。
その時期もまもなくだと思います。

常念岳

だいぶ登ってから振り返りました。
やっと常念岳が姿を現しました。
屏風岩の左手に見えるピラミッド型の山がそうです。
どっしりとした山で安曇野あたりからもよく見えます。


見晴岩

見晴岩に到着しました。
涸沢ヒュッテをでてから約40分くらいのところです。
数年前に奥穂高岳を涸沢ヒュッテからピストンしたことがあります。
その時、この岩に座っている女性がいました。
涸沢ヒュッテでアルバイトをしている女性でした。
休憩時間にここに登ってぼんやり景色を眺めるのが好きだと
いっていました。
一緒に座っていろんな話をしたことを思い出しました。
まもなく分岐に到着します。