山小屋だより

山歩きや街歩き、そこで出会った花や風景を紹介しています。
ぜひ、一緒に歩きましょう

大日三山(その4)

2009-10-29 | 北アルプス

天狗平

このあたり一帯を天狗平と呼んでいます。
正面の建物が立山高原ホテルです。
その右奥が天狗平山荘のようです。
立山スカイラインがヘビのように曲がりくねっています。


大きな雲

右からいきなり大きな雲が押し寄せてきました。
地震で押し寄せてくる津波のようです。
瞬く間にホテルや山を飲み込んでしまいました。
自然はいろんな場面を演出してくれます。

タテヤマアザミ

タテヤマアザミが咲いていました。
里に咲くアザミほどトゲが鋭くありません。
ホウが反り返っているのが特長です。
アザミもいろいろ住み分けているようです。

カエデ

見事なカエデの紅葉がありました。
ガスがかかって空がはっきりしません。
黒から赤、そして黄色に変化するところです。
光が強くなく返って柔らかい感じがしました。


登山道

やや緩やかな登山道が続きます。
こちらにもガスが押し寄せてきました。
一瞬にして周りが見えなくなります。
視界が5m以下になると見えるのは足元だけです。
まさにホワイトアウトの世界です。

剱御前

振り返って剱御前のほうを見ました。
ガスは上ってきていますが、まだ青空がみえます。
このあと、山は見えなくなりました。

弥陀ヶ原

天狗平の下は弥陀ヶ原といいます。
ここにも大きな雲が湧いています。
谷の下を称名川が流れています。
これを辿って行けば称名の滝に出られます。

立山

立山にも雲がかかっていますが、山が額縁の絵のように
みえました。
上には雲の輪もみえます。
雲がいろいろ変化して楽しませてくれました。

タテヤマリンドウ

足元に小さな花が咲いていました。
タテヤマリンドウです。
ミヤマリンドウは1本の茎にたくさん花を咲かせますが、
これは一つの花しか咲かせません。
淡いブルーがきれいでした。


チングルマ

チングルマが岩にびっしり生えていました。
葉っぱが真っ赤に紅葉しています。
ここにはまだ穂が残っていました。
風に揺れて秋を惜しんでいるようでした。

ガス

後ろを振り返ってみました。
誰もきません。
ガスが広がって先ほどまで見えていた山も
消えてしまいました。


奥大日岳

前方に人が立っています。
あそこが奥大日岳の頂上のようです。
ガスが広がって何も見えません。
もうすぐ頂上です。


明日(30日)から二日間、中山道を歩きます。
9月に中津川まで歩いているので、今回はそこから先を歩きます。
経費節減のため、名古屋まで夜行バスで往復します。
またしばらくみなさんのところにご訪問できませんが、ご容赦ください。

大日三山(その3)

2009-10-28 | 北アルプス
雷鳥平

登っている途中で振り返ってみました。
ロッジが見えます。
右がロッジ立山連峰、左が雷鳥沢ヒュッテです。
いずれも季節限定で宿泊できます。
その奥で噴煙をあげているのが地獄谷です。
あの中を歩いてきました。

立山

立山がこれほどきれいにみえることは少ないようです。
何度も振り返ってみました。
上空を飛行機が飛んでいます。
飛行機雲がまっすぐに描かれていました。




しばらくするとガスが上ってきました。
立山があっという間に見えなくなりました。
このガスは現れてもすぐに消えます。
これからしばらくはお付き合いしなければ
ならないようです。

チングルマの紅葉

足元にチングルマが紅葉しています。
花と穂と紅葉と3回楽しめます。
あのカザグルマのような穂はもうどこかに飛んで
行ってしまったようです。
これから寒い冬に耐えなければなりません。
また来年の夏山で会いたいものです。

3種混合

ここには3種類の植物がありました。
手前からチングルマ、真ん中がアオノツガザクラ、
一番上がクロマメノキです。
クロマメノキは低いところではかなり大きな木になりますが、
ここではあまり大きくなれません。
これでも立派に実をつけています。
鑓温泉から猿倉に下りる途中でたくさん食べました。

カエデ

きれいな姿のカエデがありました。
思わずカメラを向けました。
小さくても立派に紅葉しています。
なかなか印象的でした。



歩いている左側です。
地獄谷からの続きのようです。
ガスがどんどん湧いてきます。
山では動く霧のことを「ガス」と呼んでいます。
地獄谷の有毒ガスとは違います。
まるで雲の上を歩いているようでした。


イワハゼ

イワハゼの実です。
別名:アカモノといいます。
アカモモが訛ってアカモノになったようです。
この実は食べられます。
甘酸っぱい味がします。

シラタマノキ

こちらはシラタマノキの実です。
別名:シロモノといいます。
潰すとサロメチールの匂いがします。
香りが強過ぎて食べても美味しくありません。

室堂

室堂があんなに小さくなりました。
地獄谷に降りる遊歩道が白い線のように見えます。
室堂からみくりが池を通ってあの遊歩道を
下りてきました。

天狗平

正面に少し平らなところが見えます。
ここは天狗平と呼ばれています。
天狗平山荘と立山高原ホテルがあり、宿泊できます。
このあたりを散策するのもよいと思います。
その奥に帯のように蛇行しているのが立山スカイラインです。
ここをバスで走ってきました。


登山道

奥大日に向かって緩やかに登っています。
登山道がよく見えます。
あのピークが奥大日ではありません。
奥大日はあの山の更に奥になります。
ここからは見えません。




下からどんどんガスが湧いてきます。
空気中の水蒸気が急激に冷されてできます。
一瞬にして視界がゼロになることもあります。
雨になることはありませんが、山では要注意です。

室堂付近

ガスがとれて室堂付近が見えてきました。
左の地獄谷の噴煙だけがよく目立ちます。
手前の木はナナカマドですが、真っ赤ではありません。
遠くの雲が夏の雲のようでした。


◎付 録

浅草からお台場


先日、「だんだんさん」と山で会った時、新しいソフトを
紹介して貰いました。
早速、試してみました。

今月18日に大学の時の有志が集まり、浅草から水上バス(ヒミコ)に
乗ってお台場まで下りました。
その時の写真です。
お台場も新橋の汐留もすっかり変貌していました。

大日三山(その2)

2009-10-27 | 北アルプス
標識

途中にこんな標識が建っていました。
その向こうに噴出物が堆積してケルンのような物が
できています。
黄色く見えるのは硫黄の塊です。
長い年月を経てできたようです。



露天風呂のようなものがあります。
たぶん熱過ぎて入れないでしょう。
何かを調査するために掘ったようです。
板で蓋をしたものもありました。

噴煙

右側には激しく噴煙を上げているところがあります。
太陽の逆光を浴びてきれいでした。
長くいると息が苦しくなります。
足早に歩きながらの撮影です。

奥大日岳

前方に大きな山が見えてきました。
一番奥の山が奥大日岳のようです。
不気味だった地獄谷も無事に通過しました。
これからあの山に向かって登ります。

立山

立山がよく見えます。
右から雄山、大汝山、富士ノ折立です。
朝は少し雲っていましたが、少しずつ晴れてきました。
天気は問題ないようです。

剱御前

正面が剱御前です。
鞍部に剱御前小舎が見えます。
ここから約2時間で登れます。
2回ほど泊まっていますが、なかなかよい小屋です。


ナナカマド

真っ赤なナナカマドがありました。
ここ数日急に冷え込んだので、紅葉もかなり進んだようです。
ナナカマドは一番早く紅葉します。


一ノ越

立山に向かって歩いています。
右の鞍部が一ノ越です。
室堂から一ノ越まで約1時間30分、そこから雄山までは
約1時間で登れます。
室堂に入ったら、雄山までは登って欲しいです。



紅葉

右手奥には素晴らしい紅葉が見えました。
緑のハイマツを赤いナナカマドが囲んでいます。
奥に見える山は浄土山(2831m)です。
雄山、大汝山、浄土山を立山三山と呼んでいます。
浄土山は少し離れているので、室堂からこの山に
登って一ノ越に行かないと三山は難しいです。
室堂から約1時間で登れますが、かなりの急登です。


カール

正面の真砂岳を挟んで右が立山、左が別山です。
ここは大きなカールになっています。
こうやってみると立山もなかなか雄大です。
ホテルに泊まって温泉に入り、のんびり散策するのも
よさそうです。




小さな川に木を渡した橋があります。
いよいよここから登山が始まります。
水は少ないようです。
雨が続くとかなり水かさが増します。

ナナカマド

またも真っ赤に燃えたナナカマドがありました。
黄色いのはカエデです。
ナナカマドは一番よく目立ちます。
ここだけで充分満足できそうです。

分岐

剱御前に行くルートと大日に行くルートの分岐です。
剱御前までのルートも石がゴロゴロした登山道が続きます。
でもゆっくり登っても2時間で小屋に着きます。
この日もここから登る登山者がかなりいました。


ナナカマドと立山

ナナカマドを手前にして立山を撮ってみました。
赤い実もたくさんついています。
日差しが暖かくシャツ1枚で充分でした。


ナナカマド

ここにも大きなナナカマドの木がありました。
オレンジ色をしています。
同じナナカマドでも色が少しずつ違うようです。
ここから新室堂乗越までは急登が続きます。
約1時間かかります。

大日三山(その1)

2009-10-26 | 北アルプス
9月25日、東京から夜行バスで室堂まで入りました。
26日の朝7時に立山町到着です。
美女平から立山高原ルートを走ります。
室堂が近くなるとバスの両側に紅葉が見えてきました。

立山高原ルート

バスは左右に大きくカーブしながら走ります。
時間が早いので、車は走っていません。
鮮やかな紅葉が始まっていました。



赤いのはナナカマドのようです。
カーブを曲がるたびに景色が変わります。
窓を開けると空気がひんやりしていました。



バスの車窓からの風景です。
クサモミジも始まっていました。
空が少しずつ明るくなってきます。
天気は期待できそうです。

剱岳

突然左側に剱岳が姿を現しました。
バスの座席は右側です。
左の人の頭越しにシャッターを切りました。
タイミングよく写っていました。
この日の10日前に登った山です。
早月尾根は手ごわいルートでした。
登った山が見えると感慨深いものがあります。


室堂

室堂(標高2450m)に到着です。
今回は女性1人を含めて6名のパーティです。
時間は午前8時です。
立山もやっと目覚めたばかりのようでした。

立山

右が雄山(2992m)です。
頂上に建物が見えます。
ここには雄山神社があり、お祓いを受けることができます。
その左が大汝山(3015m)、一番左が富士ノ折立(2999m)です。
この3つを総称して立山と呼んでいます。

湧き水

ここには美味しい湧き水があります。
立山トンネルを掘った時、湧き出した水をここまで
引いています。
ここで水を補給して歩き出しました。

クサモミジ

一面のクサモミジです。
正面の山がこれから登る大日岳です。
左奥に剱岳が少し頭を覗かせていました。
雲がとれて少しずつ青空が見えてきました。

大日岳とみくりが池

この池が「みくりが池」です。
大日岳とツーショットで写してみました。
水はきれいに透き通っています。


立山とみくりが池

今度は角度を変えて立山をバックにしてみました。
水の色はその都度変化します。
室堂にはたくさんのホテルがあります。
ホテルに泊まってこのあたりを散策する観光客も
多いようです。

地獄谷

これから地獄谷に向かいます。
下に見える白いところが地獄谷です。
ガスが噴出しています。
ここまで硫黄の匂いがしていました。



噴出するガスで近くの山には木や草が生えていません。
風によってガスの向きも変わるようです。
空はきれいに晴れてきました。




かなり近くまで降りてきました。
「ガスに注意してください」とアナウンスが流れています。
しかし、通行止めにはなっていませんでした。
口にタオルを当てて歩きました。
向こうに見える杭のようなものは遊歩道です。



歩いている足元にはお湯が音をたてて噴出しています。
熱気がすぐ近くまで漂っていました。
火山ガスには硫黄や亜硫酸ガスが含まれています。
非常に危険なガスです。
鼻と口をタオルで覆って足早に歩きました。



中山道(第14回)

2009-10-24 | 中山道
唐松岳の翌週、早月尾根から剱岳に登りました。
1度東京に帰り、翌日から中山道を歩きました。
忙しい週でした。


今回は上松から中津川まで歩きました。
その時のようすをデジブックに収録しました。
ぜひご覧ください。




この日、初めてブログ仲間の「どらさん」にお会いしました。
初日、我々を見つけて途中から一緒に歩きました。
2日目は馬籠の展望台で待っていてくれました。
ここから中津川の駅まで一緒に歩きました。
遠いところから車で駆けつけて頂き、本当に嬉しかったです。
次回は今月30日~31日と中津川から先を歩く予定です。


今日はこれから北八ヶ岳の天狗岳に行きます。
本沢温泉に泊まって天狗に登り、明日の夜帰る予定です。
みなさんのところにもご訪問できないと思いますが、ご容赦ください。


唐松岳・不帰嶮(最終回)

2009-10-23 | 北アルプス
クロマメノキ

クロマメノキはこんな感じの木です。
膝くらいのものから2mくらいになる木もあります。
花は白い壷型であまり目立ちません。
春先に咲きます。
葉っぱは赤く紅葉します。
これはかなり大きな木でした。
枝を手繰り寄せて実を取りました。

ゴマナ

夏の終わりから秋にかけて咲くキク科の植物です。
背丈が1.5m以上にもなります。
葉っぱに触るとザラザラしているので、すぐにわかります。
名前の由来は葉っぱがゴマの葉に似ていて若い時食用に
なるからだそうです。
湿ったところが好きなようです。

ヤマアジサイ

山で咲くアジサイです。
やはり夏の終わりから秋にかけて咲きます。
園芸店で「ヤマアジサイ」として売っていますが、
これとはまったく別なものです。
自然の中で咲いている花にはどこか違うところがあります。




化粧花が白いものもありました。
ヤマアジサイの化粧花は青いものが多いです。
これは珍しいのかも知れません。
花が終わるとそのままドライフラワーになります。

ツルニンジン

だいぶ降りてきました。
ツルニンジンが顔を出していました。
別名:ジイソブと呼んでいます。
ソブとは信州の方言でソバカスのことだそうです。
花の中の斑点を「ジイさんのソバカス」に例えたようです。
花が小さく、斑点がもっと多い「バアソブ」もあるそうです。
数としては少ないようなので、なかなか見ることができません。


テンニンソウ

これが現れると猿倉が近くなります。
比較的低いところに咲く花です。
4本のオシベと1本のメシベが飛び出しています。
全体としてブラシのように見えます。
北海道から九州まで幅広く分布しているようです。


登山道

かなり長い間、このような登山道が続きます。
このあたりはまだ青々していて夏山のようでした。
ここまで降りると花も少なくなります。
テンニンソウだけが時々顔を出していました。




いよいよ林道にでます。
おきなブナに標識板や注意書きが貼ってありました。
「小日向のコルより鑓温泉間悪路のため通行注意」とあります。
あの沢が増水すると渡れない時があります。
登山者はいいですが、一般の人は途中で引き返したほうが
無難だと思います。

登山口

登山口に着きました。
朝、鑓温泉小屋を出てから3時間40分でした。
地図上のコースタイムとほぼ同じでした。
地図には休憩時間が入っていないので、それを考えれば
早いほうだと思います。
ここから少し林道を歩きます。

猿倉荘

登山口から10分ほどで小屋に着きました。
ここは200人くらい泊まれる大きな小屋です。
シーズン中はマイカーでは入れませんが、シーズンが終れば
ここまで車が入れます。
ここは白馬岳に登る登山基地にもなっています。
唐松小屋で調子が悪いといって降りた仲間が車できていました。
冷たいビールの差し入れがあり、嬉しかったです。
車組み3名はそのまま帰り、残り4名は待っていたタクシーで
白馬駅にでて近くのホテルで汗を流して帰りました。
なお、猿倉荘は今月12日で営業終了になっています。

思えば八方尾根からガスの中を唐松に登り、不帰嶮(かえらずのけん)を通過して
白馬鑓温泉で露天風呂に入ってご来光を拝み、かなり荒れていた沢を猿倉まで降りてきました。

天気にも恵まれ、たくさんの花にも出会えた楽しい山行でした。
次回から大日三山をご紹介したいと思います。

唐松岳・不帰嶮(2-12)

2009-10-22 | 北アルプス
白馬鑓と杓子岳

歩いている左手に山が見えてきました。
左の大きな山が白馬鑓のようです。
沢は杓子沢でしょうか。
どこまでも青空が続いていて、稜線がきれいでした。


シモツケソウ

前回歩いているので、ここにあることは知っていました。
でも夏の花なのでもう消えていると思っていましたが、
幾つか残っていました。
葉っぱが深く切れ込んでいます。
シモツケは木ですが、これは草なので別名:クサシモツケと
呼んでいます。


オオバギボウシ

きれいな姿のオオバギボウシです。
水滴が太陽に光ってきれいでした。
こんな姿をみると足が止まってしまいます。
自然の中で見る花は特に優しい感じがしました。

ミヤマトリカブト

標高が高いところに咲くトリカブトです。
全草有毒とされています。
突然目の前に姿を現すとビックリします。
大きな口をあけて笑っているようでした。


トモエシオガマ

茂みの中に1輪だけ咲いていました。
花がピンクでそれぞれが横を向き、上からみると巴(ともえ)の
形にみえます。
葉っぱの縁に細かい鋸歯があります。
シオガマの仲間です。


ダケカンバ

おもしろい姿の木がありました。
かなり高い木です。
ダケカンバのようですが、下には枝が1本もありません。
黒いフシが目玉のようにみえます。
勝手に「カンムリワシ」と名付けました。

ミヤマセンキュウ

亜高山帯~高山に咲くセリ科の植物です。
花はもっと少ないことが多いのですが、これはたくさん
咲かせていました。
少し低いところに咲いているシラネセンキュウの仲間です。
センキュウとは川弓と書いて漢方薬の1種です。
根を漢方薬として使っていたようです。
本州中部以北~北海道に分布しているそうです。


小日向のコル

小日向のコルに着きました。
鑓温泉小屋を出発してから、2時間10分でした。
猿倉までまだ1時間40分くらいかかりそうです。
でもここからは緩やかな下りです。
一息入れてから出発しました。


ミズバショウ

このすぐ奥に小さな池があります。
ここは春先にミズバショウが咲くことで知られています。
ミズバショウも花が終わると葉っぱが大きく伸びて
オバケバショウになっていました。

クロマメノキ

クロマメノキがたくさんありました。
ザックを放り出して取りたかったのですが、先頭はどんどん
歩いています。
歩きながら少し収穫しました。
ブルーベリーの原種といわれています。
口に入れましたが、甘くて美味しかったです。
自然の恵みです。


イワショウブ

湿原のようなところに出ました。
白い花が風に揺れています。
イワショウブの花です。
葉っぱが細長くてショウブの葉に似ています。
小さい花がかわいいです。
これも夏の湿原を飾る花です。

登山道

湿原を過ぎるとガスが出てきました。
青空が見る間に消えてしまいました。
ここからは長い下りになります。
しばらくは展望も楽しめないようです。

ワレモコウ

ワレモコウがたくさん咲いていました。
細長い茎なので風に揺れてジッとしていません。
何とかなだめて撮らせて貰いました。
「吾亦紅」と書きます。
「われもまたくれない」・・・いい色です。

キンコウカ

金光花と書きます。
尾瀬ではニッコウキスゲが終わる7月末頃からこの花が
主役になります。
湿ったところを好む花です。
8月で終わっているハズですが、まだ残っていました。
1輪だけでしたが、嬉しかったです。
もうすぐ猿倉です。




唐松岳・不帰嶮(2-11)

2009-10-21 | 北アルプス


近くでみるとこんな簡単な橋です。
下をゴーゴーと音をたてて水が流れています。
ここは雪解けの頃には水量が多いところです。
シーズン(9月末頃)が終わると鑓温泉小屋は解体されます。
その時、この橋も片付けてしまうようです。
登山者にとっては有り難い橋です。

雪渓

雪渓がありました。
大きく割れた下を水が流れています。
この雪渓ももう解けることはないようです。
今頃はこの上に新しい雪が積もっていると思います。

雪渓上の登山道

歩いてきたところを振り返って見ました。
真ん中あたりに細く筋のようにみえるのが登山道です。
よくみると雪渓の上に土砂が溜まり、その上に登山道が
あります。
よく滑り落ちなかったと我ながら感心しました。


イワオウギ

イワオウギが群生していました。
よく似た花にシロウマオウギ、タイツリオウギ、リシリオウギが
あります。
それぞれ花の違いで区別しています。
イワオウギは穂状にたくさん花を咲かせます。


イワオウギの種

花が終わるとこのような種をつけます。
種がくびれているのが特長です。
花に混ざって種もたくさんありました。
白馬大雪渓の上のほうではシロウマオウギ、タイツリオウギが
混在して咲いています。
白馬周辺は花の宝庫といわれています。


稜線

歩いている左手の奥に山が見えました。
白馬鑓から杓子岳に向かう稜線のようです。
2年前にもここを通りましたが、その時はガスの中でした。
こんなによく見えたのは初めてでした。

鑓温泉小屋

そろそろ鑓温泉小屋ともお別れです。
正面やや左の尖った山が烏帽子岩です。
その右下に雪渓があります。
その雪渓の下に小屋が小さくみえます。
すごいところに建っている小屋です。


ノコンギク

きれいな姿のノコンギクがありました。
細い花びらを大きく開いています。
蕾の時はきれいな赤紫色をしています。
足元からひょっこりと顔をだしていました。

エゾシオガマ

白い色のシオガマです。
これも夏の花です。
蕾の時は下を向いていますが、咲くと横を向きます。
なかなか特長のある花です。


ムラサキシロウマリンドウ

白馬には白い花のシロウマリンドウという花があります。
これは紫色をしているので、このような長い名前を持っています。
別名:タカネリンドウとも呼んでいます。
シロウマリンドウと共に白馬岳周辺の固有種です。

オオイタドリ

大型のイタドリです。
背丈が2m以上になります。
しばらくはイタドリのジャングルが続きます。
白い小さな花をたくさん咲かせていました。


サラシナショウマ

サラシナショウマが顔を出していました。
これも夏の花です。
蝶の仲間のアサギマダラが好きな花です。
まるでブラシのような姿でした。

オオバギボウシ

ここにはこの花もたくさんあることで知られています。
季節的にはもう終わっていると思っていたのですが、
幾つかきれいな姿で残っていてくれました。
私を待っていてくれたのかも知れません。
里で咲くギボウシより大きいのでこの名があります。
たくさんの花に出会えて嬉しかったです。














唐松岳・不帰嶮(2-10)

2009-10-20 | 北アルプス
ヤマガラシ

黄色い花が咲いていました。
花弁が4枚でアブラナ科の植物です。
別名:ミヤマガラシといいます。
春から夏にかけて咲く花です。
菜の花と同じく食べることができます。
亜高山帯~高山の礫地に自生しています。

青空

歩いている左は大きな沢になっています。
上のほうには雪があります。
見上げる空は真っ青でした。

ミヤマクワガタ

足元に小さな花を見つけました。
ミヤマクワガタという花です。
同姓同名で昆虫のクワガタムシがいますが、これは植物です。
平地で見かけるクワガタソウの高山種です。
ここ北アルプスでは花がムラサキ色をしていますが、南アルプス
ではピンク色をしています。
種が兜の鍬型に似ているので、この名がついています。



歩いてきた方向を振り返ってみました。
鑓温泉小屋が小さく見えます。
画面の左の尖った山の右下に見えるのが小屋です。
もうかなり下りてきました。

登山道

登山道は石がゴロゴロした沢道です。
毎年雪で石が動き、登山道が消えてしまうようです。
ところどころに赤いテープを巻いた石が置いて
ありました。

クロクモソウ

茶褐色の花をたくさんつけます。
ユキノシタの仲間です。
葉っぱが雲に似ているので、この名があります。
上高地のかっぱ橋から明神や徳沢あたりにたくさん咲いています。
やはり湿った岩場を好むようです。


テンニンソウ

テンニンソウが出てきました。
4本のオシベと1本のメシベが飛び出しています。
この花は北海道から九州までの広い範囲に分布して
いるようです。

ヤマルリトラノオ

クガイソウに似ていますが、葉っぱが違います。
花は下から咲き出します。
2年前にここを歩いた時、たくさんの群落を見ました。
その時よりもかなり遅かったのですが、咲いていてくれました。
会えて嬉しかったです。


ノコンギク

紺色をした野菊です。
夏から秋にかけて咲き出します。
平地にもありますが、高山に咲く花は色もきれいでした。
蕾の時は濃い色をしています。
なかなかかわいい花でした。


ミヤマコゴメグサ

ミヤマコゴメグサの群生です。
岩場の陰からたくさん顔を出していました。
平地に咲いているコゴメグサの高山種です。
小さい花なので、小米(コゴメ)とついたようです。

シロバナヤマホタルブクロ

ヤマホタルブクロはムラサキ色が多いですが、これは白い色なので
シロバナをつけて呼んでいます。
里に咲くホタルブクロとはガクの違いで見分けます。
ヤマホタルブクロはガクがこんもりと盛り上がっています。
こんな石だらけのところでも元気に咲いていました。

登山道

登山道が大きく崩れています。
一度下に降りてから、登り返しています。
ここで足を取られたら、まっすぐ落ちてしまいます。
間をおいて慎重に渡りました。



遠くに橋が見えています。
あの橋を渡って右に行くようです。
この橋も大雨で増水すると流されてしまいます。
このルートは雨が続くと通行止めになります。
なかなか簡単には通らせてくれないようです。


オオバミゾホウズキ

沢に下る途中に咲いていました。
名前の通り、湿った溝などに多く咲いています。
やはり8月頃までの夏の花です。
本州中部以北に分布していてそれより西には
ないそうです。
花が終わるとホウズキに似た実がなるそうです。
やっと半分ほど降りてきました。
猿倉まではまだまだ歩きます。





唐松岳・不帰嶮(2-9)

2009-10-19 | 北アルプス
コケ

登山道の脇にコケがびっしり生えています。
温泉から流れ出るお湯が住みやすいようです。
青々と朝日に輝いていました。

温泉小屋

温泉小屋が小さくなっていきます。
山の稜線がきれいでした。
素晴らしい青空です。
ルンルン気分で歩けそうです。


雪渓

雪渓が大きく割れています
奥の雪渓は今にも落ちそうでした。
春先にはこの雪渓を歩いてかなり上まで
登れそうです。
下を大きな音を立てて水が流れていました。


小日向山

遠くに小日向山が輝いています。
あの山の左の鞍部を歩きます。
時々さわやかな風が吹いてきました。


クルマユリ

しばらくするとお花畑が現れました。
クルマユリがまだ咲いています。
この花も夏の花です。
9月になってこれだけ群生しているのは珍しい
と思いました。



花びらがきれいにカールしています。
葉っぱが輪生しているので、クルマの輪に例えたようです。
大出原ではもう種になっていましたが、ここで
これだけきれいな姿に会えるとは思っていませんでした。


お花畑

お花畑全体はこんな感じです。
ここも夏の天候不順で花が咲くのが遅かったようです。
夏山の雰囲気でした。


クルマユリ

クルマユリ全体の姿です。
葉っぱのようすがわかると思います。
茎は太くてしっかりしています。
先端に2~3個花をつけていました。

ウルップソウ

ウルップソウが1輪だけ花を残していました。
先端にブルーに見えるのが花です。
小さな花の集合体でできています。
下から咲いて順番に枯れていくようです。
白馬岳周辺や八ヶ岳、北海道の1部にしか分布していません。
千島のウルップ島で最初に発見されたそうです。


ヨツバシオガマ

ヨツバシオガマが輝いていました。
花びらの先端が長いのは「クチバシシオガマ」と呼ぶそうです。
これもかなり長いように見えましたが、細かく分類するよりも
葉っぱが4枚輪生していればヨツバシオガマでよいと
思います。
鳥が羽を広げて集団で飛んでいるようでした。


お花畑

どんどん下っています。
しばらくすると今度は黄色い花が目立つように
なりました。
シロウマタンポポやミヤマキンポウゲの群生です。
とても夏が終わったとは思えませんでした。


ミヤマキンポウゲ

花弁は5枚で光沢があります。
花期は6月~8月とされています。
この時期にこれだけ群生しているのは初めてでした。
みんなはどんどん降りていますが、なかなか足が
前に進みませんでした。




小さな橋が出てきました。
ここは沢を幾つか渡ります。
かなりガレているところもあるようです。
石に足を取られないよう気をつけて
急ぎました。


オニシモツケ

シモツケは赤い花ですが、これは白い花です。
シモツケよりの背が高くなるので、「オニ」がついたようです。
大きなものは2m以上になります。
本州中部以北の高山に咲く花です。

雪渓

ここにも大きな雪渓がありました。
大きく割れています。
この脇を通ります。
小日向のコルまではまだまだ時間がかかるようです。
気温は15℃くらいで気持よく歩けました。




唐松岳・不帰嶮(2-8)

2009-10-17 | 北アルプス
夜明け

一夜明けました。
夜中は星がきれいでした。
まだ、日の出前です。
外に出て少しずつ色が変わる空のようすを
眺めました。
雲海がきれいです。

露天風呂

朝はかなり気温が低いです。
露天風呂に入ってご来光を待つことにしました。
温泉は湯船の出口からどんどん流れ出ています。
源泉かけ流しです。



先客が1人いました。
息子さんと白馬三山を歩いてきたそうです。
そのシルエットがよかったので、モデルになって
貰いました。

高妻山と乙妻山

右奥が戸隠山です。
正面の台形の山は右から高妻山、乙妻山です。
いすれも海に浮かんでいる島のように見えました。



高妻、乙妻から一つおいて左が妙高山です。
更に左に焼山、火打と新潟県の山が連なっています。
先日、妙高に登る予定でしたが、台風の直撃で中止しました。
シーズンには紅葉がきれいな山です。


ご来光

戸隠の向こうから太陽が昇ってきました。
この瞬間が何ともいえません。
しかも温泉に入って見るご来光です。
これ以上の贅沢はありませんでした。



見ていると意外と早く昇ってきます。
大きな卵の黄身のようでした。
空の色がオレンジ色に輝いています。



わずか10分くらいの天体ショーでした。
このあと、ゆっくり体を暖め外に出ました。
そろそろ朝食の時間です。

泉源

温泉が湧いているところは小屋の裏にあります。
出発時間でしたが、急いで駆け上がって見ました。
岩の隙間から音をたてて噴出していました。
熱くてこの湯は触れませでした。



ここから猿倉まではほとんど下りです。
露天風呂は登山道から丸見えです。
手前の石垣を組んだところが露天風呂です。
お湯が音をたてて流れ出ていました。
この小屋はシーズンが終わると解体されます。
そして春にまた組み立てます。
なお、小屋はなくても温泉にはいつでも入れます。

足湯

小屋の下にありました。
靴を脱いでここに足を入れるだけでもよさそうです。
最近できた設備のようでした。



かなり太陽が昇ってきました。
この日も最高の天気に恵まれました。
正面に見える大きな山は小日向山です。
あの山の左の鞍部を降りて行きます。
猿倉までは地図上のコースタイムで約4時間です。
ゆっくり降りることにしました。


ウメバチソウ

ウメバチソウが笑顔で挨拶しています。
オシベも両手を一杯広げています。
花が梅鉢紋に似ているので、この名があります。
2つ並んで見送ってくれました。


今日は大学の時の有志が7名ほど東京に集合します。
遠くは福岡、高知、新潟からも駆けつけます。
40数年の空白がうまく埋められるでしょうか?
今晩、都内に泊まって親交を深めます。
従って明日はお休みです。
19日からまた再開します。
みなさんのコメントにもお応えできないかも
知れませんが、ご容赦ください。

唐松岳・不帰嶮(2-7)

2009-10-16 | 北アルプス
下りていくルート

しばらくすると下りていくルートがみえました。
右の沢に沿って降ります。
下には雪渓が残っています。
ここからは小屋は見えませんでした。


チョウジギク

チョウジギクが咲いていました。
小さなかわいい花です。
茎に白い毛がびっしり生えています。
香料や漢方薬の原料となるチョウジの花に似ているので
この名がついたようです。
2年前にも同じ場所で出会いました。

クサリ場

クサリ場がでてきました。
岩が濡れていると滑りやすい場所です。
この先から真っ直ぐ下に降ります。
染み出した水でツルツルでした。



かなり長いクサリ場です。
下りてから途中で振り返ってみました。
濡れていなければクサリに頼らなくても大丈夫です。
ガスはかなり濃くなっていました。

ミソガワソウ

シソ科の植物です。
木曽川の支流、味噌川に多いのでこの名になったそうです。
花期は7月~8月とされていますが、ここでは残っていて
くれました。
お盆過ぎに行った涸沢ヒュッテのテント場周辺にもたくさん
咲いていました。
かなり大きな花なのでよく目立ちます。

鑓温泉小屋

鑓温泉小屋が見えてきました。
もうすぐです。
白く見えるのは雪渓です。
大きく割れているところもあります。
春はこの雪渓の上を歩いて登れるようです。

カライトソウ

蕾の時はまっすぐ立っていますが、先端から花が咲くので
その重みでだんだんと垂れ下がってきます。
花びらはなくオシベが大きく飛び出しています。
この姿を「唐糸(からいと)」に例えたようです。
もう終わりかけていました。

シラタマノキ

シラタマノキの実がありました。
アカモノに対してシロモノと呼ばれています。
潰すとサロメチールの香りがします。
食べても毒ではありませんが、あまり美味しくありません。
夏につぼ型の小さい花を咲かせます。


ミヤマウツボグサ

平地で見かけるウツボグサより花も大きく色も濃い
感じです。
花が終わった姿が矢を入れるウツボに似ているので
この名前がついたようです。
背丈が低い花ですが、よく目立ちました。

ミヤマトリカブト

歩いている顔の位置に咲いていました。
みて欲しかったのでしょうか?
花の中が不気味な感じです。
秋はムラサキ色の花が多いようです。


鑓温泉小屋

花を見ている間に仲間は着いたようです。
大きな声が聞こえてきました。
この小屋に泊まるのは2回目です。
2年前に大雪渓から白馬に登り、三山を縦走して
この小屋に泊まりました。


ミヤマシシウド

ミヤマシシウドが背を伸ばしていました。
2mくらい高くなります。
雪渓をバックにモデルになって貰いました。
花が終わると茶色い種がたくさんできます。

鑓温泉小屋

鑓温泉小屋に到着です。
朝、唐松山荘をでて不帰を縦走し、ここまで9時間30分の
歩きでした。
しかし、よく歩いたものです。
人間の足は素晴らしいです。
入り口を入ると受付と食堂になっています。
部屋はカイコ棚(2段ベッド)になっています。
この日の宿泊者は少ないようで、ゆっくりできそうです。

露天風呂

小屋のすぐ下に温泉があります。
源泉かけ流しで24時間いつでも入れます。
女性用は小さいので、夜の7:30~8:30までは女性専用です。
夜中に星を見ながら入ることもできます。
少し熱いですが、温泉からの景色は最高です。




◎号 外

13日に棒の嶺に登ってきました。
ここで思いがけないハプニングがありました。
先ずはゆっくりご覧ください。


唐松岳・不帰嶮(2-6)

2009-10-15 | 北アルプス
大出原

大出原に着きました。
少し平らになっています。
2年前にここを通過したのは8月末でした。
ハクサンコザクラが群生していました。
赤い絨毯を敷き詰めたようできれいでした。
今回は約2週間遅い時期です。
もう姿はありませんでした。

チングルマ

その代わり、チングルマの穂が群生していました。
こちらは真っ白な絨毯を敷いたようです。
ふわふわした綿毛が風に吹かれています。
低い位置からモデルになって貰いました。
葉っぱは真っ赤に紅葉します。

ベニバナイチゴ

この周辺にはたくさんのベニバナイチゴが自生しています。
夏にムラサキ色の花を咲かせます。
真っ赤になった実は食べられます。
種が少し大きいですが、甘くて美味しいイチゴです。
みんな夢中になって食べていました。


尖った山

遠くに尖った山が見えます。
まるで槍ヶ岳のようです。
全体が茶色い岩でできているようでした。
ガスの状態で見え隠れしていました。
特に名前はないようです。

ナナカマド

ナナカマドが赤い実をつけています。
葉っぱは真っ赤に紅葉することで知られています。
涸沢カールの紅葉は見事です。
シーズンにはたくさんの人が押し寄せるそうです。
もうそのシーズンも終わったと思います。


稜線

ガスがさっと晴れました。
白馬鑓に向かう稜線がよくみえます。
もう彼女達は鑓ヶ岳を過ぎて杓子岳に向かっている
頃でしょうか。
カールがとてもきれいでした。

クロトウヒレン

アザミに似ていますが、茎や葉っぱにトゲがありません。
キク科の植物です。
花は茎の頂点に数個が集まって咲きます。
蕾の時は真っ黒です。
やはり夏山の花です。



クルマユリの実

クルマユリが実をつけていました。
葉っぱが輪生しているので、クルマの輪のように
みえます。
花が終わった姿をみるのも楽しいものです。
もしかしたら、下のほうで花に会えるかも知れません。


ヤマハハコ

きれいな姿のヤマハハコです。
まだ咲いたばかりのようです。
真っ白い花びらに見えるのは総ホウ片で、花は真ん中の
黄色い部分です。
枯れるとドライフラワーのようになります。


ハッポウアザミ

名前の通り、八方に多いアザミです。
かなり背が高くなります。
葉っぱのトゲはあまり鋭くありません。
花びらの下のホウが反り返っているのが特長です。
たくさん咲いていました。

クロマメノキ

日本のブルーベリーの原種といわれています。
食べてみるとブルーベリーの味がしました。
たくさん取れればジャムなどにもできます。
歩きながら幾つか食べてみました。


オヤマリンドウ

山に咲くリンドウです。
花は頂点にまとまって咲きます。
これもあまり開かないようです。
淡いムラサキ色がきれいでした。

ミヤマトリカブト

トリカブトの仲間もたくさんあります。
これは高いところに咲くトリカブトです。
花は真っ直ぐ立ち上がっています。
咲いたばかりの花はどれも優しい感じがします。
全草有毒だそうです。


イワハゼの実

別名:アカモノといいます。
この姿からついたようです。
この実も食べられます。
シラタマノキという白い実をつける植物があります。
このアカモノに対してシロモノと呼ばれています。
どこかで会えるといいですが・・・
まだまだ下ります。

唐松岳・不帰嶮(2-5)

2009-10-14 | 北アルプス
タカネヤハズハハコ
ヤマハハコの仲間で、別名:タカネウスユキソウといいます。
蕾の時は赤い色をしています。
高山に咲く花は風が強いので、あまり背が高くありません。
これもせいぜい10cmくらいでした。


鑓ヶ岳

鑓ヶ岳にガスがかかっています。
このあたりの山は砂岩でできていて遠くからみると雪のように
みえます。
風化も激しくザラザラしています。
この山を越えれば白馬岳に行けます。

登山道

歩いてきた方向を振り返ってみました。
天狗山荘で秋田からきたグループと一緒になったのですが、
まだ姿がみえません。
白馬岳山荘まで行くといっていました。




右下をみると大きく落ち込んでいます。
大きなカールを描いていました。
ここに雪が降り積もり、豊かな植物を育ててくれるようです。
もうたくさん積もっている頃だと思います。

鑓ヶ岳

少しガスがとれて鑓ヶ岳が姿を現しました。
数年前に白馬の大雪渓を登り、白馬岳山荘に泊まって
白馬三山を縦走しました。
風が強くて杓子岳の頂上では立っていられないくらいでした。
鑓ヶ岳も無事に通過して降りてきました。
8月末でしたが、高山植物がたくさん咲いていました。
こちらからだと右の尾根を登って行きます。



前方に人が見えます。
この先が分岐になっています。
ここを右に降りれば白馬鑓温泉小屋です。
我々はこちらに向かいます。
一緒に歩いてきた2人の女性は白馬岳山荘に向かいます。

分岐

分岐にはこんな標識が建っています。
ここまで天狗山荘から40分でした。
ここで2人の女性と手を振って別れました。
笑顔がステキなお嬢さん?達でした。

大下り

分岐から先は大きな下りが続きます。
足場が悪く、バランスをとるのがたいへんです。
小さな石がたくさんあり、うっかりすると滑ります。
ガスが下から上ってきていました。


カンチコウゾリナ

別名:タカネコウゾリナともいいます。
高山の砂地や岩場を好むようです。
「寒地髪剃菜」と書きます。
黒っぽい総ホウ茎に剛毛が生えています。
この毛で寒さをしのいでいるようです。




右に大きな斜面が広がっています。
スキーがあれば一気に滑り降りることができそうです。
ガスがますます濃くなって白馬鑓は見えなくなりました。
彼女達も「霧の中の少女」になったようです。

登山ルート

我々が降りて行くルートが見えます。
下の広くなているところが「大出原(おおでっぱら)」と
呼ばれているところです。
とりあえずあそこまで歩きます。

お花畑

降りてくるに従ってたくさんの花がでてきました。
これはハクサンボウフウの群落です。
もう花の時期はとっくに終わっているのですが、
ここでは我々を待っていてくれたようです。
あたり一面真っ白でした。


稜線

振り返るとガスが取れて稜線がよく見えます。
彼女達が歩いている姿が見えました。
手を振ったのですが、向こうからは見えなかったのかも
知れません。


チングルマの穂

さすがにチングルマは花が終わって穂になっていました。
この姿から稚児車(チングルマ)と名付けられました。
これでもバラ科の植物です。
風に吹かれて本当に回っているようでした。



唐松岳・不帰嶮(2-4)

2009-10-13 | 北アルプス

天狗の頭

天狗の頭に到着しました。
小屋をでてから、5時間30分でした。
ここは少し広くなっています。
甘いものでカロリーと水分補給をしました。
真夏と違って体があまり水分を要求しませんが、
少しずつ補給するほうが疲れないようです。


ガス

これから向かう方向です。
ガスが右のほうから勢いよく流れてきています。
あっという間に山が隠れてしまいます。
夏山ではよく見られる現象です。

タカネシオガマ

石の間から小さな花が顔をだしていました。
背丈は5cmくらいですが、その割りに花が大きくみえます。
よくみたら、タカネシオガマでした。
シオガマの中で一番高いところに咲く花です。
普通はもう少し低いところで自生しています。
風が種を運んできたのでしょうか?
周囲を見渡してもこれだけしかありませんでした。


剱岳

右手奥に剱岳の姿がみえます。
稜線には雲がたくさん湧いています。
9月だというのに夏を思わせる雲でした。



更に右に目をやりました。
同じ高さの雲が山にかかっています。
夏山ではよく見る雲です。
まだ夏と秋が混在しているようでした。




正面に大きな山が見えます。
この右奥に「白馬鑓ヶ岳」が見えるハズですが、
生憎雲に隠れていて見えません。
そのうち、機嫌がよくなればベールを脱いでくれると
思います。



やがて小屋が見えてきました。
天狗山荘です。
丁度12時だったので、ここでお昼です。
唐松山荘を出発してから、6時間歩きました。

花の競演

小屋の手前に花が群生していました。
黄色いのはミヤマアキノキリンソウ、紫色の花はイワギキョウ、
右の赤茶色の花はヨツバシオガマですが、花は終わっていました。


天狗山荘

この小屋にはまだ泊まったことがありません。
営業は6月下旬から9月下旬までのようです。
左が食堂になっています。
私はパンを持っていたので、それを食べました。
中でソーメンも食べられるようです。
仲間の何人かは食べていました。


雪渓

30分ほど休憩して出発です。
登山道の脇には雪渓が残っていました。
もうこの雪は解けません。
この上にまた新しい雪がに積もります。
北アルプスにも雪が降ったという情報があります。
このあたりも真っ白になっていることでしょう。

ハクサンボウフウ

ハクサンボウフウが咲いていました。
シシウドに似ていますが、葉っぱが違います。
この花は雪解けと共に咲き出す花です。
一生懸命咲いているようでした。


ヨツバシオガマ

ヨツバシオガマが群生していました。
葉っぱが4枚輪生しています。
花は独特の姿をしています。
ここでは寒いのかたくさん固まって咲いていました。
これも夏の花です。
大サービスしてくれたようです。


シロウマタンポポ

ミヤマタンポポの変種です。
一番高いところに自生しているタンポポです。
白馬岳周辺に多いので、この名前がついたようです。
近くには綿毛になった姿もたくさんありました。
平地でみるタンポポよりかわいく見えました。


ウサギギク

この夏、何度も出会いました。
カナダでも出会って驚きました。
葉っぱがウサギの耳に似ているので、このように呼ばれます。
1本だけ独立して咲いている場合が多いのですが、
ここでは群生していました。
今頃は雪の下になって静かに眠っていることだと思います。