山小屋だより

山歩きや街歩き、そこで出会った花や風景を紹介しています。
ぜひ、一緒に歩きましょう

カムチャッカの旅(その9)

2008-08-11 | 海外の旅
ヤナギラン

カムチャッカにきて2日目の朝です。
やはり山には雲がかかっていてアバチャ山は見えません。
ヤナギランが朝露に濡れていました。



不思議とヤナギランがトイレの周りに群生していました。
トイレの近くからみたロッジです。
天気はガスがかかっていてホワイトアウトの状態でした。

今日はアバチャ山登山の日です。
6:00朝食、7:00出発の予定です。


食堂で現地ガイドから説明がありました。
このような天気の時は頂上付近は荒れていることが多いそうです。
幸い、我々は予備日を持っています。
明日にしたらどうか?との提案でしたが、明日晴れるという保証はありません。
協議の結果、2000mくらい登って様子を見ることにしました。
1時間遅くして8:00にロッジを出発しました。
途中まではラクダ山と同じルートを歩きます。



エゾタカネヤナギもかなり上まで群生していました。
平地では10m以上の大きな木になります。
ここれはこれ以上大きくなれないようです。
小さくても立派に穂をつけていました。


イワギキョウ

ところどころにイワギキョウが顔を出していました。
上を向いて咲く花ですが、ガスの滴が嫌いなのか少し横を向いていました。
幾ら探してもチシマギキョウはありませんでした。



雪渓を渡ると砂礫帯を登ります。
このあたりはまだ歩きやすい道でした。
後ろから2番目はロシア人の日本語ガイドです。
9月になったら北海道に留学するといっていました。
国費だそうですから、それなりのインテリのようです。
アバチャ山に登るのは初めてだそうです。
片言の日本語ができるだけで立派なアルバイトになるようです。



1200mのところで小休止しました。
天気は何となくよくなりそうです。
朝から雨なら歩きたくありませんが、ガスなら晴れる確立が大です。
少しずつ明るくなってきました。



チョウノスケソウ

チョウノスケソウの群生がありました。
残念ながら花は終わってしまい、穂になっていました。
日本にあるチングルマによく似ています。
先日の北アルプスではチングルマの花も穂もたくさんありました。



コリャーク山

歩いている左側にガスが晴れて突然大きな山が現れました。
コリャーク山です。
標高3456mだそうですが、姿がきれいな山だそうです。


ブロッケン現象

今度は右側にブロッケンが現れました。
ブロッケン現象とは太陽が自分の影をガスをスクリーンにして
映し出す現象のことです。
日本の山でも条件が合わないとなかなかみることができません。



コリャーク山もだいぶ姿を現しました。
何となく利尻富士に似ていると思いました。
天気はよさそうです。
登ってきてよかったと思いました。




ブロッケンは濃くなったり薄くなったりします。
自分の足が随分長く映っています。
頭を中心にして丸い輪ができます。
歩いている人全部に同じような現象が見えるハズですが、
気がつかない人も多かったようです。




左手を上げてポーズをとってみました。
そのままの姿が映ります。
一番最後を歩いていたロシア人ガイドに教えてあげたのですが、
あまり興味がなさそうでした。
ガスが晴れてしまうと見えなくなります。
僅か2~3分のショーでした。



コリャーク山もほぼ全貌を現しました。
この山には登山ルートがないそうですが、テントと食料を持って
行けば登れないことはなさそうです。
ロッジを出てから約1時間半くらいのところです。
気温は12℃くらいでしたが、太陽がでると暑いくらいでした。
この分なら今日の天気は問題ないようです。