山小屋だより

山歩きや街歩き、そこで出会った花や風景を紹介しています。
ぜひ、一緒に歩きましょう

箱根・芦ノ湖西岸(最終回)

2008-06-30 | 箱根
箱根の関所は昭和58年に発見された資料を元に発掘調査を行い、昨年春に完成して公開されたそうです。

コアジサイ

朝、湖尻を出発してから4時間40分歩いています。
恩賜公園で少しゆっくりすることにしました。
途中にコアジサイが群生していました。
普通のアジサイと違って装飾花がありません。
甘い香りが漂っていました。



アセビのトンネル

大きなアセビのトンネルです。
花はとっくに終わっていましたが、よく手入れされていました。
花が咲く頃、この下を歩けば甘い香りがしたと思います。
アセビは「馬酔木」と書き、この木を食べた馬が酔ったようになるそうです。
春先に山でたくさん会えます。
伊豆の天城山にも立派なアセビのトンネルがありました。
馬だけでなく人間も酔ってしまうようです。



恩賜公園

箱根恩賜公園は明治時代に皇族の避暑と外国からの賓客のために造営されたそうです。
建物も幾つかあったそうですが震災で崩壊し、その後神奈川県が引き受けて整備しました。
奥に見えるのが資料館で、2階のバルコニーからは芦ノ湖がきれいに見えます。
天気がよければ富士山もよくみえるところです。
園内のツツジもきれいに刈り込まれていました。
花が咲く頃は見事だったと思います。


サンショウバラ

この公園内には白いサンショウバラがあると聞きました。
探したら、建物の近くにありました。
ほとんど咲き終わっていましたが、何とかきれいな姿のものが数輪ありました。
湖畔で見たサンショウバラとはまた違った風格があります。
花びらの周辺はほんのりピンク色でした。
会えてよかったです。



ウワバミソウ

公園を出てから元箱根のバス停に向かいました。
途中の薄暗いところに何やら小さい花が咲いていました。
ウワバミソウといいます。
「ウワバミ」とは「ヘビ」のことで、ヘビが出そうなところに咲くというので
この名前になったようです。
雌雄異株で雄花には花柄があり、雌花にはないそうです。
従ってこれは雄花のようです。


ブルーベリー

ブルーベリーの実です。
まだ青いですが、熟れると青黒くなります。
たくさんあればジャムにしたり、そのまま食べても美味しい実です。
健康にもよいとされています。



タイサンボク

大きな木なのでなかなか花が撮れません。
望遠にしてやっとこのくらいです。
公園などでもよく見られます。
咲いている期間も長く、まだまだあちこちで見ることができます。


元箱根からバスで小田原にでました。
小田原駅の近くにある寿司屋に入って「反省会」です。
この日は5時間くらい歩きましたが、それなりの収穫もありました。
芦ノ湖西岸は誰でも歩けます。
四季それぞれの楽しみができると思います。




箱根・芦ノ湖西岸(その6)

2008-06-29 | 箱根
コナスビ

足元に小さな花が咲いていました。
ほとんどの人が気がつかず、通り過ぎています。
「コナスビ」という花です。
ナスに似た小さな実がなります。
箱根周辺に多い花のようでした。




クロアゲハ

かなり高いところにアゲハが止まっていました。
羽根を大きく広げてじっとしていました。
クロアゲハのようです。
羽化したばかりだったのかも知れません。



いよいよ関所を通ります。
しばらく来なかったうちに立派になっていました。
すっかり観光化されているようです。
ここまでくるとザック姿が珍しくなります。




京側の入口です。
まるで映画のロケ現場のようでした。
昔、本当にこんな立派な門があったのか知りません。
大きな関所だったことだけは確かなようです。




門の中に入ると細長い建物がありました。
ここで1人ずつ調べたようです。
仲間はどんどん先に行っています。
取調べなど眼中にないようでした。
ザックの中に「怪しい」物が入っていたのかも知れません。



こちらは江戸側の門です。
いつ頃復元されたのか知りませんが、それほど古くはないようでした。
ここから旧東海道の石畳を下れば箱根湯本に降りられます。
何回か歩いていますが、なかなかよいコースです。
少し時間があったので、恩賜公園まで行ってみました。

箱根・芦ノ湖西岸(その5)

2008-06-28 | 箱根
駒ヶ岳

正面右手の駒ヶ岳がみえます。
頂上は雲の中でした。
白く光っているあたりから、ロープウエイで登れます。
頂上は広く、天気がよければ360度の展望が楽しめます。



二子山

更に右に、二子山がみえました。
ここには無線中継所が建っています。
登山禁止になっています。
1年に一度「植生見学会」があるそうです。
きっとたくさんの箱根特有の植物があるのでしょうね。




サンショウバラ

食事を済ませ、湖に沿って少し歩きました。
先頭が騒いでいます。
行ってみると、「サンショウバラ」が咲いていました。
何ともいえないきれいな花です。
葉っぱがサンショウの葉に似ていて、花がバラに似ています。
この時期しか見れません。
この花を見るだけで箱根にくる人も多いようです。
こんなところで会えるとは思っていませんでした。



サルナシ(実)

すぐ近くにサルナシがありました。
もう花が終わって実がなっています。
だんだんと大きくなって、少し黒ずんできます。
そのままでも食べられますが、焼酎に漬けると
きれいな色がでます。
ナシに似た実で、サルも食べたのでしょう。
葉っぱの茎が赤いのが特長です。


シシガシラ

再び、遊歩道に出て歩きます。
道の山側にきれいな姿をしたシダが現れました。
シシガシラというシダです。
この姿からライオンのたてがみを想像したのでしょう。
山の斜面を好むようです。
たくさんありました。


倒木

しばらく行くと倒木がありました。
大きな杉でした。
台風の強風で倒されたようです。
杉は意外と地中深く根を張っていません。
横に張って体を支えているようです。
山でも時々倒木を見かけますが、かわいそうになります。
倒れても生きている木がありますが、生命力を感じます。
自然界は厳しいです。



箱根・芦ノ湖西岸(その4)

2008-06-27 | 箱根
アワフキムシ

またまたアワフキムシに出会いました。
気にしてみると、この時期にはたくさんあります。
下のほうに何やらクロっぽい物が動いています。
これが幼虫かどうかはわかりません。
時間があればアワの中を観察したかったのですが、仲間はどんどん
先を歩いています。
何となく気になるムシです。
成虫は二イニイゼミに似ているということでした。



ウワミズザクラ

湖面に近いところに白い花が咲いていました。
あまり身を乗り出すと湖に落ちてしまいます。
片手を伸ばして何とか撮ることができました。
ウワミズザクラです。
サクラと名前がついていますが、バラ科の落葉高木です。
木の表面に溝を彫ってカメの甲羅と共に焼き、占いに使ったそうです。
それで漢字では「上溝桜」と書きます。
花弁は5枚でたくさんのオシベが飛び出ています。
春先の花ですが、ここではまだ残っていました。




いつもの通り、一番後ろを歩いています。
歩いている道を振り返ってみました。
このあたりはかなり湖面に近いところです。
ほとんど人に会いません。
芦ノ湖は船で遊覧する観光客が多いようです。




今度は前のほうです。
左側が湖面です。
あまりアップダウンもなく静かな歩きができるところです。
もうすこし早ければ他の花も咲いていたかも知れません。
しかし、モミジイチゴは花だけで食べられなかったと思いす。
花と実が同時に楽しめればいいですね。


ナルコユリ

丁度1年くらい前にこの葉っぱだけを写真に撮って、
「これは何だろう?」と聞いてきた仲間がいました。
葉っぱが細くて真ん中に白い筋が入っています。
その時は分かりませんでしたが、今回その植物に出会うことが
できました。葉っぱの下を覗いてみると小さな花がぶら下がっています。
茎を触ってみました。稜がなく丸いです。
「ナルコユリ」としましたが、葉っぱが見慣れているものとかなり違っていました。
箱根の特有種かも知れません。
かなりたくさんありました。



海賊船

湖面の近くに降りて昼食にしました。
遠くに海賊船(遊覧船)が2隻すれ違うところでした。
ズームで撮っています。
右側にロープが上に伸びているのが見えます。
駒ヶ岳に登るロープウエイです。
地図をみるとまだ目的地までは2時間近くかかりそうです。
30分ほど芦ノ湖の景観を楽しみました。




箱根・芦ノ湖西岸(その3)

2008-06-26 | 箱根
朝からgooのメンテということで、更新が遅れました。

芦ノ湖

芦ノ湖がみえる場所に出ました。
手前のほうではボートの上で釣りをしています。
クジラでも釣れるのでしょうか?
左奥に海賊船が見えます。
あのあたりが、元箱根のようです。
湖岸に沿ってあそこまで歩きます。
まだ、3時間くらいかかりそうです。


ヤブウツギ

湖畔を左にみながら歩きます。
右にはヤブがあります。
赤いウツギが咲いていました。
「ヤブウツギ」です。
名前のとおり、ヤブの中に咲いています。
メシベが大きく飛び出しています。
ケンカでもしたのでしょうか?
普通、タニウツギなどは咲き始めはシロで徐々に赤く変化します。
この花は最初から真っ赤です。
もうそろそろ終わりのようでした。


サルトリイバラ

すぐ近くにサルトリイバラがありました。
長いツルを延ばして絡まる相手を探しています。
絡まれて上げたいのですが、先を急ぎます。
トゲが鋭いので、これでサルを捕えられると思ったのでしょう。
おもしろいネーミングですね。



ハンショウヅル

サルトリイバラを追いかけて少しヤブの中に入りました。
前日、明神ヶ岳でみた「ハンショウヅル」がありました。
今度はツボミと仲良く並んでいます。
どうも母娘(おやこ)のようでした。
そろそろ田舎でも「ハンショウ」の出番がなくなったようです。
すっかり見かけなくなりました。



モミジイチゴ

前を歩いていた仲間が立ち止まっています。
どうもモミジイチゴの群生に出会ったようです。
手当たり次第、口に入れている仲間もいました。
季節物ですから、2~3日違ったら食べられないかも知れません。
大きなものほど甘いのがこのイチゴの特長です。
あまり深追いすると鋭いトゲの餌食になります。
ほどほどで切り上げました。


モミジイチゴの収穫

仲間の女性の収穫です。
この方は東北の山育ちだそうです。
山菜など採るのも上手です。
お土産に持って帰りました。
本気になって採ればまだまだありました。
数日後、わざわざこれだけを採りに行った仲間もいたようです。


キツネノボタン


しばらく歩いていたら、足元に黄色い花が出てきました。
「キツネノボタン」です。
葉っぱがボタンの葉に似ています。
キツネやイヌ、タヌキなど動物の名前がついた植物が多いですが、
これにはあまり深い意味はないようです。
花や葉っぱに毛が多い「ケキツネノボタン」というのもあります。
湿ったところが好きな花です。
まだまだ歩きます。

箱根・芦ノ湖西岸

2008-06-25 | 箱根
ヤマボウシ

湖に沿って歩きます。
しばらく行くと、真っ白い花をたくさんつけた木がありました。
ヤマボウシです。
今年は花付きがいいのでしょうか?
遠くから見るとまるで雪が積もったように見えました。
見事な木でした。




イワガラミ

イワガラミといいます。
ヤマアジサイに似ていますが、装飾花が1枚です。
まだ咲き始めのようです。
ツル性の植物で文字通り岩に絡んで咲いています。
似た花にツルアジサイというのがあります。
こちらは木に絡んで咲きます。
装飾花は4~5枚です。
どちらもたくさん咲いていると遠くからでもよく目立ちます。
この時期の花です。



スイカズラ

どこにでもある花です。
これもツル性でどんどん延びます。
咲き始めは色が白く、時間が経つと黄色くなります。
別名:キンギンボクとも呼ばれています。
花を取って根元を吸うと甘い蜜が出てきます。
蜜を吸うので「スイカズラ」です。
オドリコソウなどもよくやりました。
ツバキはストローで吸います。
子供の頃の「おやつ」でした。


早川水門

湖尻から歩いて30分ほどすると、水門に出ました。
早川水門です。
この水門を渡って対岸にでます。
雨が降りそうな天気でしたが、何とか夕方まで大丈夫でした。
いよいよ西岸歩きが始まります。


ヨツバのクローバー

道の脇にクローバーの葉っぱがありました。
歩きながら「ヨツバのクローバー」をゲットしました。
幾ら探しても見つからない時がありますが、この時は2枚並んでありました。
まさにラッキーでした。
何かよいことがあるといいですが・・・
そういえば、今年の山行は随分天気に恵まれました。
夏山も天気がよさそうな予感がします。
早速、手帳に挟みました。


ミズヒキ

今度は黒い筋が入った葉っぱがありました。
ミズヒキの葉っぱです。
花が咲く頃にはこの斑が消えるのもありますが、大抵は残っています。
ミズヒキの花は小さな花ですが、上からみると赤く下からみると白く
見えます。
茎も細長いので、その姿から「ミズヒキ」という名前がつきました。
花が咲くのは秋になってからです。

歩きながらでも道端の植物がいろいろ観察できます。
ここはまだまだ春の装いでした。

箱根・芦ノ湖西岸

2008-06-24 | 箱根
明神ヶ岳(1169m)

静かな朝を迎えました。
保養所の部屋からの展望です。
前日歩いた山が見えます。
真ん中より左側の一番高いところが「明神ヶ岳」です。
その頂上から右に尾根伝いを歩き、低くなっているところから
手前に降りてきました。



明星ヶ岳(924m)

更に右に尾根が続いています。
「大」の文字がみえますが、その上が「明星ヶ岳」の頂上です。
旧暦のお盆の送り火として「大」の字が夜空に浮かび上がります。
京都が有名ですが、箱根でもみることができます。
今は静にその時を待っているようでした。


金時山(1213m)

明神ヶ岳からもっと左に目をやると、独特の姿をした「金時山」
が見えました。
箱根といえば「金時伝説」が有名です。
金時山には大きな「マサカリ」があり、それを担いで写真を撮ることが
できます。
クマはいませんので、近くの人に頼んで背中に乗せて貰いましょう。
その場合には体重制限があると思います。



大涌谷

保養所の近くから、バスに乗りました。
湖尻まで行って芦ノ湖の西岸を歩きます。
バスは途中、大涌谷(おおわくだに)に寄りました。
ここは観光地になっていて朝早くから車が来ていました。
大きくそびえている山が神山(1438m)です。
箱根で一番高い山です。
見えている山は冠ヶ岳で、神山のピークはこの奥にあります。
大涌谷から登れば1時間半くらいでピークに立つことができます。


芦ノ湖

やがてバスは湖尻に着きました。
正面に見える山は外輪山の一つです。
ここから右の歩いて、この湖の対岸を歩きます。
約4時間くらいかかります。
アップダウンはないので、心配は雨だけです。




ここからも遊覧船がでています。
ここから出て湖を1周し、またここに戻るコースのようです。
まだ早いせいか、お客さんは少ないようでした。
箱根には幾つかの遊覧船があります。
元箱根から出ている「海賊船」は人気があるようです。

身支度を整えてから出発しました。


箱根・明神岳(その4)

2008-06-23 | 箱根

明神ヶ岳頂上

明神ヶ岳に頂上です。
かなり大きな広場があります。
遠くに見える山が金時山です。
その奥に富士山が見えるハズですが、残念ながら雲の中でした。
晴れていれば南アルプスも見えます。
ここから宮城野まで下ります。


ニガナ

ニガナです。
あちこちに咲いていました。
茎を噛むと苦いので「苦菜(ニガナ)」です。
花弁が5~7枚ですが、それ以上あると「ハナニガナ」になります。
どちらも道端などによく咲いています。


アワフキムシ

再びアワフキムシです。
幼虫が自分の身を守るために排泄物と空気を混ぜて作るそうです。
中で眠っているようでした。
どこに出入り口があるのか、分かりません。
買い物に行く時はどうするのでしょう?
いろんなことを考えました。



ハンショウヅル

下山道の岩陰にひっそりと咲いていました。
ハンショウヅルです。
長さが3cmくらいの小さな花です。
花の形が「半鐘(ハンショウ)」に似ています。
ツル性の植物でどんどん延びます。
葉っぱは3枚です。
「半鐘」は田舎でよく見かけましたが、今ではもう少なくなりました。
1時、盗難騒ぎもありましたが、困ったものです。


ハンショウヅル(蕾)

すぐ近くに蕾がありました。
かわいい形をしています。
もう少し標高が高いところには「ミヤマハンショウヅル」があります。
こちらはムラサキがもっと濃い色をしています。
葉っぱも鋸歯が荒いです。
夏山を歩いていて時々見かけます。




クサイチゴ

だいぶ降りてきた草むらの中に赤いイチゴがありました。
クサイチゴのようです。
クサイチゴは美味しくないといわれていますが、完熟すると
モミジイチゴより甘いです。
実際にこれも食べてみました。
美味しかったです。
藪の中にたくさんあり、大きなものだけを選んで食べました。
モミジイチゴ、クサイチゴ等を総称して「木苺(キイチゴ)」と
呼ぶ場合があります。
いずれも鋭いトゲがあるのが特長です。


マメヅタ

麓の石垣にびっしり生えていました。
マメヅタです。
木に張り付く場合もあります。
ツタの仲間は繁殖力が強くてどんどん延びます。
箱根にはハコネヅタという特有種もあります。
イチョウの葉っぱのような形をしています。
今回は会えませんでした。


パセリの花

頂上から2時間くらいで宮城野に降りました。
畑に小さな花が咲いていました。
パセリの花です。
野菜もそのままにしておくと花を咲かせます。
小さな花の集合体でした。

携帯でタクシーを呼んで宿泊予定の保養所に向かいました。
直行組みも含めて総勢11名。
温泉に入って貸し切りの夜を楽しみました。


箱根・明神岳(その3)

2008-06-22 | 箱根

尾根にでたとたん、視界が開けました。
正面に箱根の最高峰、神山は見えます。
右のシロっぽいところが大涌谷、その左が地獄谷です。
大涌谷はいつも噴煙をあげています。
噴出している湯で茹でた「クロ卵」は硫黄臭くて普通の
ゆで卵とは違った味がしました。
今晩泊まる宿は大涌谷の左下あたりにあります。



更に右に目を移します。
下に広がっているあたりが仙石原のようです。
秋はススキの穂で真っ白になります。
遠くにうっすらと山がみえます。
愛鷹(あしたか)連峰のようです。
愛鷹山、位牌岳・・・どちらもよい山です。


金時山

もっと右に目をやると、こんもりした金時山が見えます。
ここから歩いて約2時間で登れます。
少し、ズーミングしています。
左奥に富士山のなだらかな裾がかすかに見えます。
この日は富士山は雲の中でした。
冬は素晴らしい姿を見せてくれます。
天気がよければ南アルプスもクッキリ見えます。
古希を迎えられた「金時娘」さんはお元気で、毎日小屋に登って
美味しい味噌汁を作っています。
100回、200回、500回と登っている常連さんも多いようです。



マムシグサ

きれいな姿のマムシグサがありました。
この仲間にはいろいろありますが、マムシグサは葉っぱより上に
顔を出しているのですぐに分かります。
茎の模様がマムシの肌に似ているので、このような名前がついたようです。
本物のマムシにはあまり会いたくありませんね。
伊豆ヶ岳で大きなアオダイショウに会いました。
こちらはスルスルと道を譲ってくれますが、マムシは逃げません。
昔、登山道の草むらで出会って、にらめっこしたことがあります。
根気負けして、そっと除けて通りました。



ツクバネソウ(1)

ツクバネソウが咲いていました。
ツクバネソウは基本的に4の倍数になっています。
葉っぱが4枚、オシベが8本、メシベが4本に分裂しています。
花の後にクロっぽい実がなります。
その姿が追羽根の羽根に似ています。
それでこのような名前がつきました。


エンレイソウ

こちらはエンレイソウです。
もう既に花は終って実ができていました。
3が基本形になっていて葉っぱが3枚、外花披片が3枚、オシベが6本、
メシベが3つに分裂しています。
外花披片はきれいなムラサキイロをしています。




ツクバネソウ(2)

最初は葉っぱがたくさんあったので、「クルマバツクバネソウ」かと思いました。
しかし、よくみると花の姿が違います。
ツクバネソウの変種のようです。
オシベとメシベはツクバネソウと同じですが、葉っぱの数がちがいます。
写真では7枚しか見えませんが、もう1枚どこかに隠れていたのかも知れません。
同じ花でもたまにこんな「変わり者」に会うことがあります。



ニシキウツギ

ニシキウツギも健在でした。
まだまだたくさん咲いています。
花が最初は白くてしばらくすると赤くなります。
「ハコネウツギ」というウツギあります。
やはり白と赤の2色が咲きますが、箱根にはなくて海岸に咲くそうです。
箱根にないのになぜ「ハコネ」とついたのでしょう。
植物の名前には時々こんな紛らわしいのがあります。
明神岳の頂上はこの先です。



箱根・明神岳(その2)

2008-06-20 | 箱根
サルナシ

だいぶ登ったところに「サルナシ」の花が咲いていました。
葉っぱの柄が赤いのですぐにわかります。
箱根にはたくさんあります。
実は食べられます。
もう終っていたと思っていたので、会えて嬉しかったです。
ナシに似た実でサルが食べるだろうというので、このような
名前がついたようです。



アワフキムシ

この時期に至るところでこのような「泡」を見ると思います。
これは「アワフキムシ」という虫の幼虫の巣です。
自分の排泄物と空気を混ぜ合わせて泡を作ります。
外敵から身を守るためのようです。
成虫は灰色をしてしてあまり目立ちません。
形は「ニイニイゼミ」に似ています。



ナルコユリ

ナルコユリがありました。
昔、田んぼに綱を張って、板で作った「鳴子(ナルコ)」をぶら下げて、
スズメなどを追い払いました。
それに花のようすが似ているのでついた名前のようです。
今では田んぼでこのような「鳴子」を見なくなりました。
似た花に「アマドコロ」というのがありますが、茎を触れば判別できます。
ナルコユリは茎が丸く、アマドコロには角張った稜があります。
咲く時期もナルコユリのほうが遅いです。



ギンリョウソウ

ギンリョウソウです。
顔が竜の顔に似ています。
先日の伊豆ヶ岳では1本だけでしたが、ここでは団体でいました。
葉緑素を持たない腐生植物です。
この姿から別名:ユウレイタケとも呼んでいます。
もうすぐすると、周りが取れて丸い頭が出てきます。
やはり梅雨時の植物です。



オトシブミ

登山道におもしろいものが落ちていました。
「オトシブミ」といいます。
オトシブミという昆虫の卵が入っています。
幼虫はこの中で葉っぱを食べて成長します。
成虫は木の上で柔らかい葉っぱを足と口を使って器用に巻いてその中に卵を産み、
最後に切り離してポトリと落とすそうです。
昔、口でいえないことを紙に書いて、その人の前に落としたそうです。
それを「落し文(おとしぶみ)」と呼んでいました。
現在はそんなことをする人はいないでしょうね。
ハンカチを落としても踏みつけて通るそうです。



ヤマツツジ

このあたりの春は遅いようです。
ヤマツツジがまだ咲いていました。
新緑の中で一段と目立ちます。
緑の中を花を楽しみながら登りました。



ヤマオダマキ

正規ルートに出たところに「ヤマオダマキ」が咲いていました。
里で咲く「オダマキ」は距(きょ)といって後ろに出ている角みたいなものが、
内側に曲がっています。
ヤマオダマキはほぼまっすぐです。
八ヶ岳の美濃戸口から赤岳鉱泉に向かう登山道には、キバナヤマオダマキが
群生していました。
7月の中旬頃行くと見ることができます。
もうすぐ頂上です。

箱根・明神岳(その1)

2008-06-19 | 箱根
14日~15日と箱根に行ってきました。
初日は明神岳登山です。



小田急線の新松田駅が集合場所です。
我が家からは電車で2時間以上かかります。
メンバーは女性3名、男性5名の合計8名です。
タクシー2台に分乗して導了尊に向かいました。
大きなお寺です。
カラス天狗に見送られて出発しました。



広場にたくさんの鉄の下駄が奉納されていました。
いろんな大きさがあります。
足腰の祈願だけでなく会社繁栄も祈願しているようでした。
左の大きな下駄などはどうやって運んだのでしょう。
「和合の下駄」と書いてありました。



最後の山門を入ります。
ここの石段は200段以上ありました。
登り切ったところに「奥の院」があります。
今回のコースは通常歩くコースと尾根一つ外れています。
地図では点線になっています。
何回か明神岳には登っていますが、このコースは初めてのようでした。




奥の院の左側に登山道がありました。
ここから先はまた誰にも会わないようです。
出発してから約30分です。
両側にはアジサイがありますが、まだ咲いていません。
麓では「アジサイ祭り」をやっていました。
やはり標高が高いせいでしょうか。




天気はまずまずでした。
しばらくはこのような「ヤブ漕ぎ」が続きます。
梅雨になると草も元気になるようです。
緑が鮮やかでした。



モミジイチゴ(実)

前のほうで歓声が上がっています。
行ってみるとイチゴがたくさんありました。
黄色いので「キイチゴ」と呼んでいますが、正式には「モミジイチゴ」です。
葉っぱがモミジの葉っぱに似ています。
春先に白い花を下向きにつけます。
食べると甘いので、登山道脇のものはすべて採られていました。
トゲが鋭いので気をつけないと腕が傷だらけになります。
かなりたくさんありました。




やっと登山道らしきところにでました。
しばらくはなだらかな登りが続きます。
このあたりの杉もよく手入れされているようでした。
新鮮な空気を吸ってのんびり歩きです。
目立った花はありませんでした。



◎付 録
サンザシ(花)

別のところのデータです。
サンザシの花が残っていました。
季節的には春先に咲く花です。
多少、面影を残していました。


サンザシ(実)

すぐ横には実がなっていました。
もう少しすると赤くなります。
サンザシの実は薬用としても使われています。
乾燥させて直接食べることもできます。
それほど大きな実ではありません。



ホザキシモツケ

シモツケの仲間で「ホザキシモツケ」といいます。
シモツケは小さい花を平面的に咲かせますが、これは穂状に
咲かせます。
あまり見かけませんが、たまに公園などにあります。
これもそろそろ終わりのようでした。

伊豆ヶ岳(最終回)

2008-06-18 | 奥武蔵

沢沿いの道を下ります。
いつもは乾いているのですが、この日は川のように
水が流れていました。
雨が降ると川になる道のようです。
両側にはガクウツギがたくさん咲いていました。
足元に注意して慎重に歩きました。





コアジサイもたくさん咲いていました。
小さい花が手を一杯広げています。
ほのかに甘い香りがしています。
まだまだ楽しめそうでした。




おもしろい形の葉っぱがありました。
ミヤマタニソバといいます。
きれいな三角形をしています。
黒い模様がきれいです。
葉っぱがソバの葉に似ています。
もう少しすると白い小さな花が咲きます。



こちらはシダの仲間でオオバイノモトソウといいます。
今回杉林の中にたくさん生えていました。
昔は井戸の近くに生えていたそうです。
それで「井の許(イノモト)」という名前がつきました。
人里にも多いシダです。





しばらく下ると林道にでました。
途中に分岐があります。
通常はここから左に入って伊豆ヶ岳の頂上を目指します。
少し入ったところにかなりの急登りがあり、「なきなき坂」と
呼んでいます。
ここから登って右側から降りる登山者が多いようです。




道端にユキノシタが咲いていました。
大きな花びらが雪のようにみえるので、雪ノ舌とも書くことが
あります。
たくさん咲いていると本当に雪が舞っているようにみえます。
葉っぱは天ぷらにして食べられます。
赤い斑点がきれいでした。



ワルナスビといいます。
北アメリカからきた帰化植物です。
別名:オニナスビともいいます。
鋭いトゲがあり、うっかり触ると酷い目にあいます。
それで「ワル」とか「オニ」とかつきました。
ナスに似た小さな実がなります。

今回はあまり歩かれていないルートで伊豆ヶ岳に登りました。
こんなルートも覚えていてよさそうです。
冬歩いてもよさそうです。

この日、誕生日の人がいました。
駅に行く途中の茶店によって「マタタビ酒」でお祝いしました。
事前に分かっていれば、ケーキを持参したのですが・・・
それでも本人は喜んでいました。
今回のリーダーはいつまでも元気です。
2時間くらい茶店で休んで家路につきました。


伊豆ヶ岳(その6)

2008-06-17 | 奥武蔵

今度は松の立ち木に大きなキノコがでていました。
登りにみたキノコと同じ種類のようです。
マツオウジといって食べられることは帰ってから分かりました。
手で取って千切ってもシッカリしていました。
油いためや味噌汁に入れて食べるそうです。
本には(但し、ヒトによっては軽い中毒を起こす場合があります。)
と書いてありました。
このような表現を入れておけば、あとは自己責任ですね。




伊豆ヶ岳の頂上から40分ほどで正丸峠につきました。
ここには立派な茶店があります。
小屋の中から美味しそうなジンギスカンの匂いがしてきました。
食べたいのを我慢して下に降りました。
ここからは正丸駅まで下りです。
このあたりにも立ち木がたくさんあったのですが、きれいに
伐採されていました。



ヘビイチゴが真っ赤に熟していました。
食べても美味しくないそうです。
(ヘビも食べないとか・・・・・)
ヘビが出そうなところにあるので、ヘビイチゴというそうです。
あちこちにたくさんありました。



これがヘビイチゴの花です。
春先から咲いています。
小さい花ですが、なかなかきれいな色をしています。
この種類にも幾つかあるようです。




フタリシズカです。
この花もたくさん咲いていました。
花びらはなく、白いのはガクです。
中にオシベとメシベが入っています。
名前が二人(フタリ)ですが、1本の場合もあります。
これは5本もありました。
別名:ヨシノシズカともいいます。
吉野御前が舞っている姿に似ているそうですが、そのように
見えますか?




沢の両側にたくさん咲いていました。
ガクウツギといいます。
白いのは装飾花といってこれでムシをおびき寄せるそうです。
真ん中に小さな花がたくさん集まっています。
シーズンとしては一番遅く咲くウツギなのでよく目立ちました。
駅まではもう少しかかります。




◎付 録
ナツツバキ

庭のナツツバキが咲き出しました。
木の肌がサルスベリによく似ています。
地方によってはサルスベリと呼んでいるところもあるようです。
花はツバキと同じくポトリと落ちます。
まだまだ楽しめます。




庭にビワの木があります。
今年はたくさん実がなりました。
先ほど収穫しました。
この3倍はありました。
5m以上の高い木なので上のほうは残してあります。
もう1度くらい収穫できそうですが、ヒヨドリも喜んで
食べにきます。
粒も大きく甘かったです。



伊豆ヶ岳(その5)

2008-06-16 | 奥武蔵

頂上からの展望です。
昨年登った時には木が大きくなって展望がありませんでした。
今回は木を切ってあったので、かなり明るくなっていました。
伊豆半島まで見渡せるということですが、実際には見えません。
そのあたりまで、見えるくらい展望がよいということのようです。



ウツギの花がまだ残っていました。
タニウツギのようです。
谷沿いに多く咲くので、このような名前がありますが、必ずしも
谷だけに咲くということはありません。
柔らかいクリーム色をしていました。




こちらはツクバネウツギです。
花の根元に羽根のようなものがみえます。
これを羽根突きの時に使う「羽根」に見立てたようです。
もう羽根突きなどで遊ぶ子供達もいなくなったようです。
今はもっぱらバトミントンですね。
風で揺れてなかなかカメラに納まってくれませんでした。



頂上からの下りには女坂と男坂の二つがあります。
男坂はクサリ場でなかなかおもしろいのですが、滑落事故があってから
通行禁止になっています。
しかし、「自己責任」で通過する人もいるようです。
この日も上から若者が降りてきていました。
我々は安全な女坂を降りてきました。
1人ならこの男坂を利用します。




道路脇に1輪だけピンクの小さな花が咲いていました。
クワガタソウといいます。
小さな花ですが、充分存在感がありました。
花の終わった後にできる実が兜の飾り(クワガタ)に似ているので
この名前があります。
他を探してみたのですが、これだけでした。




これから正丸峠に向かって降りて行きます。
遠くに小高い山が見えました。
冬と違って霞んでいます。
このあたりを3~5時間くらいで歩けるコースが
たくさんあります。
比較的近いのでよく歩きます。

伊豆ヶ岳(その4)

2008-06-14 | 奥武蔵

足元に小さな妖精が顔をだしていました。
「ギンリョウソウ」といいます。
葉緑素を持たない腐生植物です。
「銀竜草」と書いて「ギンリョウソウ」と読みます。
顔が竜に似ているからだそうです。
群生していることが多いのですが、ここでは1輪だけでした。



マルバウツギがたくさん咲いていました。
薄暗いところだったので、少しピンボケです。
まだまだ楽しめるようでした。



これでも登山道です。
奥から手前に歩いてきました。
登山道が消えている時は目で遠くをみます。
すると、何となく道が見えてきます。
無事に正規ルートに合流しました。
頂上まではもうすぐです。



正規ルートにでると、すぐのところにありました。
「タデスミレ」といいます。
葉っぱがタデの葉に似ています。
白い小さなスミレに似た花が咲きます。



伊豆ヶ岳の頂上に到着しました。
スタートしてから3時間30分でした。
頂上は岩場でたくさんの人がいました。
田舎から都会に出てきた感じでした。
伊豆ヶ岳の名前はここから伊豆半島がみえたからだそうです。
何回か登っていますが、一度も見たことがありません。


今日はこれから「箱根の山」に行きます。
今晩泊まって、明日も歩きます。
コメントは携帯でもできますが、電波が届かなければできません。
コメントの返事できなかった時はご容赦ください。