山小屋だより

山歩きや街歩き、そこで出会った花や風景を紹介しています。
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カムチャッカの旅(その7)

2008-08-05 | 海外の旅

ラクダ山を大きく回りこんでいます。
ピークの下に横一線に白い部分がみえます。
アバチャ山が噴火した時、この山もできたそうですから、
隆起した跡かも知れません。
ゴツゴツした山で、日本の穂高連峰によく似ていました。
誰かが「恐竜の背中のようだ」といっていましたが、尾根筋は
そのようにも見えますね。


リシリヒナゲシ

足元に黄色い花が咲いていました。
「リシリヒナゲシ」です。
ここにきて初めての対面でした。
直径が5cmくらいでしょうか?
かわいい花でした。



アバチャ山の稜線です。
山全体は雲に隠れて見えません。
今日登ったパーティもいましたが、やはり展望はダメだったと
話していました。
明日は晴れて欲しいものです。


チシマクモマグサ

足元にチシマクモマグサが現れました。
このように小さな株になって咲いています。
日本の北アルプスなどの岩場でも見ることができますが、
このようにたくさん群生しているのは初めてでした。
どれもよい色をしていました。





ラクダ山を登るに連れてアバチャ山の雪渓も姿を変えます。
登山道が見えますが、どうやら下りに使うルートのようです。
雄大な景色を眺めながら、ラクダ山のピークを目指しました。


エゾツツジ

岩稜帯をかなり登ると赤い花が現れました。
エゾツツジという低木です。
厳しい環境なので大きくなれません。
せいぜい20cmくらいだったと思います。
赤い花は遠くからでもよく目立ちました。




木の割には大きな花です。
事前の調査ではカムチャッカの特有種で夏を彩る花だと書いてありました。
オシベが10本、メシベが1本とありました。
日本でも高山に咲くキバナシャクナゲという低木がありますが、
風情がどこか似ていると思いました。


トウヤクリンドウ

これも初めて会いました。
日本の夏山でもよく出会いますが、ほとんどが蕾のままで
花が開いていません。
ここではしっかり開いていました。
同じような花でも生活環境によって咲き方が違うようです。
きれいなクリーム色をしていました。




ラクダ山の頂上付近から下を覗いてみました。
歩いてきたルートがよく見えます。
すぐ近くに見えるロッジは現在使われていません。
数年前まではここがベースキャンプだったようです。
現在のベースキャンプはずっと奥ですが、ガスっていてよく分かりません。
頂上まではもうすぐのようです。





反対側に富士山によく似た山が見えました。
噴火の時できたようです。
勝手に「カムチャッカ富士」と命名しました。

2日に富士山の五合目附近を歩いてきましたが、たくさんの人が
いました。
お盆頃までが最盛期で山小屋も詰め放題のようです。




やっとラクダ山のピークに到着しました。
ロッジを出てから約2時間でした。
ゴツゴツした岩肌は奥穂高岳から眺めたジャンダルムを思わせます。
曇っていましたが、素晴らしい眺めでした。





しばらく休憩してから下りにかかりました。
右手に雪渓が見えます。
何となく「佐渡」の姿にみえました。
カムチャッカまできて故郷を眺めるとは思いませんでした。
下りはかなりガレたところを下ります。
約1時間でベースキャンプです。

今晩から北アルプスに行くので、しばらくお休みします。
9日に帰る予定なので、カムチャッカシリーズは10日から再開します。
天気が心配ですが、無理しないで行ってきます。