山小屋だより

山歩きや街歩き、そこで出会った花や風景を紹介しています。
ぜひ、一緒に歩きましょう

北ア・薬師岳(その6)

2008-08-28 | 北アルプス

雪渓を過ぎてからの遠望です。
これから歩く登山道が白い糸のようにみえます。
山には少しガスがかかっているようです。
夏山ではよくあることです。
このような天気の時は雨は大丈夫です。



コウメバチソウ

平地で咲くウメバチソウの高山型です。
花びらが重なっているのが特長です。
名前は天満宮の梅鉢紋に似ているからだそうです。
草むらの中にひっそりと咲いていました。
直径1cmくらいの小さな花です。


ミヤマリンドウ

岩の隙間から一生懸命顔を出していました。
広い場所があるのに・・・と思いましたが、これもこの花の運命のようです。
「狭いながらも楽しい我が家」とでもいっているようでした。
花の棲家は「風任せ」のようです。
どこに住んでも税金はいらないようです。
こんな姿をみるとついカメラを向けたくなります。


ミヤマゼンゴ

セリ科の植物で、亜高山帯から高山帯の草地に咲いています。
花は小さい花の集合体です。
葉っぱが羽状複葉の姿をしています。
左はこれから開く蕾の姿です。
この仲間はいろいろあるので、見分けが難しいですが、
花や葉っぱ、全体の姿で見分けています。
背丈があまり高くならない花です。




やっと獅子岳の頂上に着きました。
標高2714mです。
室堂を出発してから4時間20分でした。
ここでお昼です。
ガスのせいであまり展望は利きませんでしたが、山で食べる食事は
美味しいものです。
今回は長い行程です。昼食は3食用意しました。
パンやビスケットが主食です。
他にアルファ米を3食持っています。
これは非常用です。



獅子岳の頂上からこれから歩く先を眺めてみました。
登山道がよくみえます。
右側(海側)からガスが上がってきますが、尾根に遮られて
左側まで降りてきません。
上空に舞い上がってまた戻っていました。
夏山ではよく見られる現象です。




雪渓の雪解けが終ると新しい芽がでてきます。
これはコバイケイソウの芽です。
これをうるい(ぎぼうしの芽)と間違えて食べ、食中毒を起こす事故が
春先に聞こえることがあります。
毒性が強いので、死に至ることもあるようです。
芽の姿をよくみて覚えておきましょう。


チングルマの花

チングルマは場所によって花であったり穂が出ていたりしています。
小さいですがこれでも立派な木です。
直径5mmくらいの茎を顕微鏡でみると20年くらいの年輪が
みられるそうです。
素晴らしい生命力ですね。
この花をみると元気がもらえます。



ミヤマクロユリ

一般にクロユリと呼んでいますが、高山に咲いているので
ミヤマクロユリでしょうね。
小さな花が数個咲いていました。
気がつかないで通り過ぎている人も多かったようです。
色が目立たないからでしょうか?
昔から「恋の花」とされています。



ハクサンチドリ

ハクサンチドリがありました。
草むらの中からポツンと顔をだしていました。
花の中に赤い斑点があり、先端が鋭く尖っています。
チドリに似ているそうですが、どうでしょうか?
加賀の白山で最初に発見されました。
きれいな花です。



チングルマの群生です。
低いアングルで狙ってみました。
遠くで飛んでいる虫がヘリコプターのように見えました。
小さい花も低い位置で撮ってあげると大きく見えます。
ザックを担いだまましゃがむので息が切れました。



ミヤマコゴメグサ

この仲間にもたくさんあります。
葉っぱで見分けるようですが、咲いている場所が高山なら
間違いなくミヤマコゴメグサです。
平地で咲いているコゴメグサより背丈も高いようです。
花が小さいので「小米草」と書きます。
五色ヶ原まではあと2時間くらいです。


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27 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
薬師岳 (まよこ)
2008-08-28 11:35:26
山小屋さん今日は。
次々と可憐なお花の登場で 楽しませていただいております。
コウメバチソウも咲ききっていないところが可愛いですね。
チングルマの群生は見事な眺めでした。

コバイケソウの新芽確かにギボシに似ていますね。
これは要注意ものです。

ハクサンチドリ今年もここで出会え嬉しい限りです。
ミヤマクロユリも素敵ですね
こんなに色々のお花に出会えるとは薬師岳も
魅力的ですね。
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勝手をしています (どら)
2008-08-28 12:01:09
書き込みありがとうございます。 勉強していますがなかなかはかどらなくて 昔からそうですがやらなくちゃいけないことがあると 他のことが気になるタイプです。
五色ヶ原行ってみたいです。 乗鞍のにしの麓に五色ヶ原があって こちらは入山制限と高いインタープリターのお礼があって あんまりみんなに知られていないかもしれませんが
高低差のきつい山はなかなかいけそうにないので山小屋さんの写真を見て満足です。
竜胆の仲間は何処で出会っても綺麗ですがここでの竜胆はひときわって気がします。
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Unknown (kaorin)
2008-08-28 13:55:38
こんにちは^^

素敵な花が一杯ですね!
どれも珍しいものばかりです。
私がたまに登る山は三河の小さな山ですけど、
それでも「山~!」という感じがします^^
山小屋さんが登られる山はすごいのでしょうね^^*

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尾根 (とくさん)
2008-08-28 15:53:36
こんにちは
今日のお天気は目まぐるしく変わり、雨が降ったり止んだり、晴れ間が見えたり、お昼過ぎには雷も鳴って来ました。
少し蒸し暑いですが、山のガスを見ていると少しは涼しくなります。

夏山のガスは尾根を境にして片側だけですね。
尾根伝いの細い登山道、なんとも言えない眺めです。
ミヤマリンドウやヒメリンドウ等恋しくなりました。

来月20日に山の会の登山が計画されていますので、今度は参加できそうです。
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Unknown (mamarinn6574)
2008-08-28 16:33:03
山小屋さんのところで珍しい高山植物を見せていただいて幸せを感じています。
ミヤマ黒百合、チングルマノ群生、そしてNHKの朝ドラで言ってたハクサンチドリ、どれもこれも初めてです。
お邪魔するのが楽しみです。
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こんにちは (おーちゃん)
2008-08-28 16:36:43
いつも花の名前を教えてくださってありがとうございます。
時々とんでもない間違いをしでかす私ですので
あきれてるのではないでしょうか

今回の山行はなにやらすごい雰囲気ですね。
落っこちそうな所を歩いたり、女性のお仲間が3人も
行かれたのでしょう。えらいですね

コウメバチソウはとても珍しいです。
どの花もほんとに美しく良く撮れてて
素晴らしいです。
頑張ればこんなに沢山のお花に会えるんですね
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クロユリは・・・ (アコード)
2008-08-28 17:27:38
ブログ閲覧に感謝です!
昔流行った歌に、黒ユリは恋の花なんて歌が
ありましたが、これが黒ユリの花なんですね。
霧が湧きでる山頂付近の風景、このブログの
写真がなければ見られないものです。
貴重な写真を見せて頂き感謝です。

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このシーズンの (ヒキノ)
2008-08-28 17:40:36
尾根歩きはガスにまかれて、それもまた山歩きらしくてイイものですね。
逆に足下の花にじっくり目がいきますね。
どれをとっても素晴らしい花で短い夏を一生懸命割いてます。
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薬師岳! (モカ)
2008-08-28 20:52:53
山小屋さま、こんばんは♪

ガスのかかり具合が何とも幻想的です。
しかも、片側?だけなのですね~~
ミヤマリンドウ、ミヤマゼンゴ、極めつけはミヤマクロユリです。
珍しいです。色合いが意外でした。
チングルマの群生、ホントに角度が新鮮です。
私も少し頑張ってこの角度から挑戦してみたいです。
いつも、貴重なお写真、ありがとうございました。
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まよこさんへ (山小屋)
2008-08-28 20:59:22
先ほどからもの凄い雨が降っています。
カミナリもすぐ近くで鳴っています。
まるで梅雨明けのようです。

コバイケイソウの事故はよく聞きます。
知らないと危ないですね。
安全な山菜を食べたいものです。
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