長持歌というのが各地にある。
嫁にいくときに衣装などを入れるものを「長持(ながもち)」といい、
天塩にかけた娘を出す親の複雑な心境を歌ったものだ。途中の掛け声に、
「あ~やれやれ」というのがあり、それがとくに、いい。
昨日は秋田の人がたくさん、こられた。遠い道を、「やれやれ」ではあるが、ありがたいことだ。
うどん文化で育った自分よりもそばの食べ方がうまく、幸せそうな笑顔を見ているだけでこちらが
幸せそうになる。
少し落ち着いたころに、近くの酔香のすがちゃんが、今年の「いぶりがっこ」をもってきてくれた。
毎年お願いしているものだ。彼も女将さんも秋田の人で、学校に行く前からガッコを食べて育ったらしい。
またここのガッコは、お店で売っているガッコとは、似て非なるくらい、美味い。おいしいし、変な添加物
が入っていないし、なんといっても「愛情」という隠し味が、燻製の香りとともにいぶりだされていて、いい。
昨日は「蕎麦打ちの会」が終わった後、さっそく、ガッコを酒肴に、炭火の上に土鍋をおき、錫のチロリで
熱燗をつけ、飲んでみた。こんな幸せな夜が迎えられるなら、終の棲家を北国にしても、いい、と思う。
でも今朝おきたら、寒くて、布団をでる時に少し勇気がいった。気温は6度。北国の人にとっては、
屁みたいなもんだろう。やはり北国に住む、というのは九州人にしてはちとつらい。
先日札幌から昔のIT時代の知人が蕎麦を手繰りにきた。彼女は宮崎生まれだけど、恋を
して、恋の街サッポロに嫁いだ。すごい。
今日は16日。今年もあと半月。これから「卵かけごはん」