長屋茶房・天真庵

「押上」にある築60年の長屋を改装して
「長屋茶房・天真庵」を建築。
一階がカフェ、2階がギャラリー。

美人に育てるこつ

2013-12-06 08:20:51 | Weblog

陶芸家の久保さんの個展も無事に終わり、ここんところ

新作の「志野」の器で酒を飲むことが多い。「なんとなく蕎麦を・・」

では、その少しおおぶりな酒器で熱燗を飲んだら、飲みすぎてしまった。

器も人と同じようなところがある。美人というのは、生まれつきというか、もともと

美しいけど、年をとるにつれ、衰退の途をたどるは自明の理である。

しかし、出ない人が、毎日の過ごし方や内面を意識して暮らしたり

していると、だんだん美人になっていく。しかも年をとればとるなりの奥ゆかしさ

などを兼ね備えた美人に育っていく。器も同じで、酒器なら毎日いっしょに酒を飲む仲間

のような感覚で接していくと、風合いがかわっていくもんだ。古色が着く、という表現

が一般的だが、「美人に育つ」ともいい、ぼくは後者のいいまわしが大好きだ。

天真庵を平成8年につくってから、ずっと久保さんに、いい器をつくってもらっているおかげで、

天真庵は、お客も器も美人だらけである。こんなに幸せなことはない。

新旧の入れ替わる今の季節は、今年使った器に感謝し、ときどきは「休憩」させる意味で

新しい器を使う、というのも美人を育てるコツ。使いすぎはいけない。なにごとも「過ぎたるは・・・」である。