そんな禅問答みたいなタイトルの本を読んだことがある。
今朝の朝刊で、灘高の国語の名物教師の記事を読んだ。
小説「銀の匙」一冊を3年かけて読むユニークな授業で知られ、伝説の国語教師と呼ばれた神戸市の進学校灘中・高校の元教諭、橋本武(はしもと・たけし)氏が11日午後、神戸市中央区の病院で死去した。101歳。京都府出身。
おばあちゃんの箪笥の中からでてきた「匙」から、めくるめく空想が展開されれる小説。作者の「日本人らしさ」が、随所にちりばめられていて、
読むと「日本人にもどっていく」感じがする。ぼくもリョックの中には、「草枕」と「銀の匙」は、水や乾パンみたいに防災グッツのようにいつも入れていて、
いつでも読めるようにしている。灘高にいく元気と実力はなかったけど、先生の国語の講義は聞いてみたかったと思う。うすっぺらく浅いトレンドに右往左往
したり、ささくれだった人間関係の中を溺れそうになったりなったりするけど、「水は深く掘れ」という言葉をふいに思い出した。
昨日は「卒啄珈琲塾」と「無茶しぃの会」をやった。お茶は二階で三回やった。原稿もなにもないけど、静かに正坐し、水が沸いてお湯になる音、
温めた急須から「こぼし」に水が落ちる音、お茶を吸いきる音・・・静寂の中にある「刹那」に神経を研ぎ澄ませながら、お茶を飲むのは
ほんとうに至福の時だ。人生はこころひとつのおきどころ。無茶しいの会のひとりが、「無私の日本人」(磯田道史 文芸春秋)を
貸してくれたので、今朝はやく起きて読破。穀田屋十三郎、中根東里、大田垣蓮月、というあまり知られていないが、人間らしく
生きた三人の日本人を紹介している。ふたりは、煎茶とも深くかかわった人。この本を読むと、お茶や酒が美味くなる?
本日もまた同じことをやる。日々是好日。