長屋茶房・天真庵

「押上」にある築60年の長屋を改装して
「長屋茶房・天真庵」を建築。
一階がカフェ、2階がギャラリー。

かもめ食堂の次はうそカフェ

2011-01-25 07:54:38 | Weblog
福岡には大宰府天満宮という学問の神様、菅原道真公を祀った
神社がある。梅が枝餅(うめがえもち)が有名。天真庵からてくてくと10分くらい
歩くと、亀戸天神というところがある。ここは、近くの舩橋屋の
くず餅が有名だ。賞味期限が二日という一期一会のお菓子。
昨日は、亀戸天神の「うそ替え神事」だった。大宰府でも正月7日に
ある。亀戸は少しおくれて、24日と25日に毎年おこなわれる。
夢かうつつか、うそか誠か・・ではないけど、悪しきことを、これは
「うそ」だ、ということにして、小鳥の「うそ」の人形をつくり、開運出世幸福
の縁起をかつぐ、ということらしい。素朴な日本人の遊びこころが吐露されていて
いい。

昨日は、ぶらりと「うそ替え神事」にいってきた友だちが、かわいらしい
うその人形と、舩橋屋のくず餅を土産にもってきてくれた。
ちょうど、夕方に順受の会(論語の会)だったので、勉強した後、蕎麦
を食って、蕎麦湯で〆るときに出した。この会は、池袋時代から
やっていて、9割くらいは、その時からのお客さんなので、舩橋屋の
くず餅は、初体験だった。論語読みの論語しらずとかいわれるけど、
論語を学ぶような人たちは、うそもつけないし、腹芸もできない人
たちが多いけど、せめてこの辛卯(かのとう)という来月から始まる
60年に1度の「辛抱しなくてはいけない卯年」の辛い部分がうそで
ありますよう、お願いした。でも辛いこととか貧乏とかが、人を
育てたり、磨いたりすることもある。昨日は、この会の長老が、詩吟を
披露した。松田先生も詩吟を嗜み、池袋時代は、飾っていた南條先生の
屏風に書かれていた張継(ちょうけい・唐の詩人・政治家)の「楓橋夜泊」
を吟じてくれた。腹芸はできないけど、腹のそこからでる声がろうろうと
天真庵に響き渡っていた。

月落烏啼霜満天、  月(つき)落(お)ち烏(からす)啼(な)きて霜(しも)天(てん)に満(み)つ

江楓漁火対愁眠。  江楓(こうふう)漁火(ぎょか)愁眠(しゅうみん)に対(たい)す

姑蘇城外寒山寺、  姑蘇(こそ)城外(じょうがい)の寒山寺(かんざんじ)

夜半鐘聲到客船。  夜半(やはん)の鐘声(しょうせい)客船(かくせん)に到(いた)る

科挙の試験に落ちて船の中で、落胆していた作者に、ゴーンと寒山寺の
鐘の音が聞こえた。「そうだ、あれが、寒山拾得ゆかりの寒山寺だ。
試験に落ちたくらいで落ち込んでいる自分なんて、寒山拾得の世界に
比べたら、なんと小さなことだろう」みたいな心境を七言絶句にした
ものだ。日本人に親しみ深い「蘇州夜曲」のサビの
♪鐘はなるなる 寒山寺・・・という西條八十翁の詩も、この楓橋夜泊
から、イメージしたものだ。

来月の20日に、タケシーが三線(サンシン)で、ライブをやってくれることに
なった。彼の「蘇州夜曲」が、またいい。新しい1ページが始まる感じ。
紀元祭(建国記念日の2・11)には、難波研さん企画する
不思議なコンサートをやる。いよいよ新しい卯年がスタート。