長屋茶房・天真庵

「押上」にある築60年の長屋を改装して
「長屋茶房・天真庵」を建築。
一階がカフェ、2階がギャラリー。

運命

2010-10-29 07:59:12 | Weblog
昨日は朝から雨。雨の日は、カザロスの無伴奏チェロ組曲を
聴きながら珈琲を飲む、のが大好きで、昨日もお店で、ちょっと
マンデリンを深く焙煎して、少しストロングな入れ方をして、
久保さんの白いデミカップでバッハの世界に浸っていた。

カウンターのホワイトボードには、左には「ねんど」(これは今日ある)、
とか、「ダメから始める中国語」とか、「英語で蕎麦会」などのスケジュール
が書いてあり、右には、ライブのスケジュールが書いてある。そこに、
この組曲の楽譜を書いていると、「バッハが好きなんですか」とか「
私もこれ大好きです」なんて、「わかる人」が、あまりに普通にたくさん
いるのが、すごい、といつも驚かされる。

11月1日まで、般若くんがSTAGE悠で、木工家具店をやっているので、
ひさしぶりに自由が丘まで行こうと、歩いていたら、携帯が鳴った。
年に一度もかかってこない人からの電話なので、無視をきめていたら、
またかかってきた。またしかとした。ら、携帯の電池が赤信号だ。
「もう携帯はいらない」と毎日思っているけど、夜は、
サントリーホールにいく予定で、その後四谷のワインのお店にいったり
する予定で、携帯がウルトラマンのピコピコ状態だとまずいので、錦糸町の
ドコモショップにいって、携帯の電池の無料交換をしてもらいにいった。
持っている番号が、633で、「解約」というコーナーが632になっていた。
「そのまま解約しようか」と、思ったが、「こんど故障するまでは使おう」
と思い直して、呼ばれた場所にいって、手続きが始まる。
担当者がホワイトボードをさしだして、「ここに携帯電話の番号を書いてください」
とやさしくいう。「自分にかけたことがないので、知らない」と答えると、
にが笑いして、「携帯をかしてください」といい、ぼくの携帯番号を教えて
くれた、ので、それを書く。次に「契約者は本人ですよね」というので、
「そうだ」と答えると、どうもヒットしないらしい。やっぱり携帯は解約
しようと思い、「もういいよ。これあげる」といって、席をたとうとすると、
「もしかして、会社契約では?」という。痴呆症の老人が、自分の名前を
思い出したりする瞬間はこんなものかしらん?とか関心しながら、自分の
会社の名前をいったら、ピンポーンだった。携帯なんかいらない、という態度
の客に無料で携帯の電池の交換をしてくれ、しかも帰りにどうぞ、と、
マックの珈琲券までくれた。今朝の新聞にのっていたけど、携帯電話の競争は
ますます激化しているみたいだ。古い記憶によれば、ソフトバンクとかいう
会社には、昔所属していた気がする・・麹町あたりで創業したころ?

そんなわけで時間をくってしまい、般若くんのところへはいけなくなり、
お茶のお稽古にいき、その足で、雨のサントリーホールにいって、ベートーヴェン
の「運命」を聴く。
この曲は、後楽園ホールで、ヨネクラジムのチャンピオン・クレイジーキムに
挑戦する角海老の前田くんが入場する時に、かかった曲だ。タイトルマッチなど
メインイベントの時には、それぞれの選手が自分で選んだ曲にのせて、颯爽
とリングに登場する。
サントリーホールの演奏者の真上くらい、ボクシングでいうと、リングサイドの
特別席みたいなところで、聴いた「運命」は、運命的なくらい五感をふるわせた。
ジャジャジャジャーン・・というところは、弦楽器とクラリネットでやることも
初めて知る。やまねさんの緊張が、伝わってきた。
試合が終わったあとに、ボクサーは酒は飲めない。脳の中の毛細血管などが、
危うい状態だからだ。でもコンサートは、違うので、電池が満タンになった携帯で
やまねさんに電話して、「ワインを飲みにいこ」と誘い、25年前から超繁盛している
四谷の「s」にいって、ワインを飲みながら、談論風発。

明後日は「JAZZ十間橋」
運命的な出会いがいっぱいありますように・・・
人は、はやくも、おそくもなく 、あえる人、あわなくてはいけない人と、
運命的に出会うものだと思う。