多文化共生なTOYAMA

多文化共生とは永続的なココロの営み

サンバのリズム 人、街に活気 ブラジル文化を紹介

2009-07-28 12:07:15 | 多文化共生
(以下、静岡新聞から転載)
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サンバのリズム 人、街に活気 ブラジル文化を紹介
2009/07/28
 焼津市中南米友好協会(小川正司会長)は26日、同市相川の輸入食品店「ブラジルフレッシュ」でブラジルの文化を紹介する催し「ビバ・ブラジル」を開催した。バンド演奏やサンバのステージなどを繰り広げた。
 同協会は、昨秋以降の景気後退で職を失うなど生活が不安定になった在住外国人を支援しようと、今春発足した。今回の催しは、特に焼津地区に多いブラジル出身の人々を激励するのが狙いで、浜松市に拠点を置くサンバチーム「バツカダ」などを招いた。
 市内外からブラジル出身者が家族で集い、南米料理を味わいながら舞台を楽しんだ。サンバチームが登場すると観衆は最高潮に達し、仲間と踊ったり、ダンサーと一緒に写真に納まっていた。
 小川会長(57)は「不況のあおりで、去年の秋から静岡のブラジル社会は沈んでいる。日系ブラジル人と焼津の街が元気になる催しをこれからも開いていきたい」と話す。8月23日正午からは同会場で大道芸大会を開催するという。

外国人の子供に就学支援で説明会

2009-07-28 12:06:57 | 多文化共生
(以下、TBS Newsから転載)
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外国人の子供に就学支援で説明会

 雇用情勢の悪化により日本に住む外国人労働者の雇用が不安定になり、その子供たちが教育を受けられないケースが増えています。こうした現状を受け、子供たちの就学を促す支援計画の説明会が都内で開かれました。

 経済情勢の悪化により、現在、日系ブラジル人など、日本で働く外国人労働者の失業が増加しています。

 それに伴って、学費が払えないなどの理由から子供が学校に通うことができないケースも増加しています。

 こうした現状を受け、文部科学省から委託された国際機関「国際移住機関」が、外国人労働者を多数抱える地方公共団体や外国人労働者を支援するNPO法人を集め、子供たちの支援策について説明を行いました。

 具体的には、日系ブラジル人などの就学援助を行う団体、1団体につき、年間2000万円を上限に資金的な援助を行うことや、日本の公立学校に転入できるよう、語学面などでサポートすることなどを打ち出し、より多くの外国人の子供たちが日本で就学できることを目指すとしています。(28日01:04)

南アのズマ大統領 早くも試練、16万人が大規模スト

2009-07-28 12:06:36 | 多文化共生
(以下、産経新聞から転載)
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南アのズマ大統領 早くも試練、16万人が大規模スト
2009.7.27 20:12

 【ロンドン=木村正人】世界的な金融・経済危機で景気後退入りした南アフリカで、公共交通機関や地方自治体の労働者16万人以上が27日から1週間の大規模ストに突入した。失業率は23・5%に達し、黒人居住区では暴動が続発。警官隊はゴム弾や催涙ガスで鎮圧に乗りだし、約200人を逮捕した。黒人貧困層や労働組合の支持を受けて5月に就任したズマ大統領は早くも試練を迎えている。

 現地からの報道によると、冬を迎えた南アは賃金交渉の時期に入っており、化学、エネルギー、製紙産業の労働者4万人が13・6%の賃上げを求めて19日にストを実施。経営者は賃上げ幅を抑える姿勢を崩しておらず、労使の対立は深まっている。

 バスや列車、ゴミ回収がストップする見通しで都市機能のマヒが予測されているほか、2010年に南アで開催されるサッカー・ワールドカップ施設の建設作業員5万人もストを行うため、開催準備への影響が懸念されている。

 南アではアパルトヘイト(人種隔離政策)が廃止され、1994年にアフリカ民族会議(ANC)が政権を取ってから初の本格的な景気後退となる。順調な経済成長の裏側で貧富の差が拡大し、今も100万人以上が電気や水道もない粗末な小屋で暮らす。失業者の4分の3は35歳以下で、7割は一度も働いた経験がないという。

 このため、仕事のない黒人貧困層が外国人労働者を襲撃する事件が昨年から相次ぎ、150人以上が死亡した。50万人の雇用創出や貧困層の生活向上を掲げて登場したズマ大統領だが、税収減で財源が不足する中、優先課題の景気回復と選挙公約の貧困層救済をどう実現していくのか政治手腕を試されている

夏季大祭:フィリピン人造船マンが締太鼓--臼杵・藤田天満宮 /大分

2009-07-28 12:06:16 | 多文化共生
(以下、毎日新聞【大分】から転載)
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夏季大祭:フィリピン人造船マンが締太鼓--臼杵・藤田天満宮 /大分
 ◇少子、過疎化で担い手不足

 臼杵市佐志生の藤田(とうだ)天満宮の夏季大祭が26日あり、獅子舞が奉納された。少子高齢化や過疎化が進んで祭りの担い手が不足し、はやしの締太鼓に地元の造船所で研修を受けている外国人男性3人が初めて加わった。【古田健治】

 獅子舞は約200年の伝統があるという。奉納時に奏でるはやしの笛や大太鼓、締太鼓は代々、中学生から高校生の男子が務めることになっている。だが人手不足で13年前から、女子の手を借りることになった。

 しかし、本来なら大太鼓、締太鼓を担当する高校2、3年生男子がどうしても足りなかった。そこで、締太鼓を指導する庄司源義さん(67)が「自分の会社に研修に来ているフィリピン人に日本の伝統文化に触れさせたいので、参加させてほしい」と地元に提案し、実現した。

 3人は、イゴット・ロイさん(35)、アブボ・ロデルさん(29)、マガリャネス・マルテベルトさん(25)。祭りの1週間前から庄司さんの指導を受け、会社の寮でもドラム缶をたたくなどして本番に備えたという。

 3人は神社境内であった本番を無事にこなし「心地よくたたけ、楽しかった。機会があれば来年も参加したい」。地元区長の吉賀一夫さん(66)も「獅子舞を続けるため困っていた。フィリピン人はまじめでリズム感もよく、助かった」と笑顔で話した。

ウィザス、NPO法人と小児がん経験者の復学支援を行う「ネットでeクラス」を提供

2009-07-28 12:05:53 | 多文化共生
(以下、日経新聞から転載)
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ウィザス、NPO法人と小児がん経験者の復学支援を行う「ネットでeクラス」を提供

小児がんサバイバーの復学を遠隔教育でサポート
小児がん経験者の学習コミュニティ事業運営を支援

~「ネットでeクラス」を8月1日から開講~


 学習塾の第一ゼミナールを運営する(株)ウィザス(本社:大阪市、社長:生駒 富男)は、インターネット上に立ち上げている「スクールシティ(仮想学校街)」のシステムを、小児がん患者の支援活動を行っているNPO法人エスビューロー(本部事務局:兵庫県芦屋市)に提供し、小児がん経験者の復学支援を行う「ネットでeクラス」を8月1日から開講することにしました。

※このスクールシティ・システムを使った学習の模様は、2009年8月1日(土)に神戸国際会議場で開催される「第2回小児がん・脳腫瘍全国大会」(開催:7/31~8/2の3日間の2日目。午前11:00~12:00)で紹介する予定です。

 復学しても勉強について行けず、進学を諦めてしまう小児がん経験者(小児がんサバイバー)が少なくないという現実を踏まえ、また同じ闘病経験のあるもの同士で悩みや不安を分かち合ったり、励ましあえる交流の場があれば、という願いに応えて、自宅に居ながら地理的制約を超えて、同じ闘病経験者同士があたかも学校という一つの帰属の場で勉強しているような感覚が味わえる環境を用意します。

 「ネットでeクラス」は小学校高学年から高校生の小児がん経験者(小児がんサバイバー)を対象にWebホームルームを立ち上げ、学習支援を実施しながら学習コミュニティの形成を図ることを目的にしています。
 当システムの特長は、ネット上でクラス編成(1クラス16人程度)を行い、週に1回チューターがテレビ会議を使ってリアルタイムに実施するホームルームと学習支援を受講でき、クラスメイトとの交流が図れることです。受講生は自宅に居ながらそのホームルームに参加し、同じ闘病経験のある学生チューターから復学・進学経験といった共感できる語りかけや、学習支援を受けることができます。さらに、チューターにその場で直接質問する時間も設けており、日々悩んでいることをリアルタイムに解決することができます。

 スクールシティ・システムは、VOD機能、テレビ会議システムのみならず、学習の進捗状況管理や受講生同士の掲示板等、学習に必要な諸機能がオールインワンで用意されており、講師から受講生へのアドバイスや質問受け、学習方法などをテーマにした受講生同士の相互交流なども図ることが可能です。

 ウィザスの「スクールシティ」では、すでに中学生対象の「教科書準拠定期テスト対策コース」、高認受験生対象の「高認スーパーゲットコース」、外国人対象の「日本語コース」など幅広い受講生を対象とした学習コースを開講中で、今後も学習力向上や資格取得の教育講座のみならず、カルチャー系の教育講座などさまざまな教育コースを開講する予定にしており、教育業界全般のポータルサイトを目指していきます。

* ウィザスの「スクールシティ」は実用新案登録(実用新案登録第3139277号)、商標登録(商標登録第5219500号)を済ませ、PCT国際特許を出願中です。

以上


~この件についてのお問い合わせは、下記までお願いします。~
●株式会社ウィザス 第一教育本部 スクールシティ事業統括部 
〒541-0051 大阪市中央区備後町3-6-2 KFセンタービル4F
TEL: 06-6264-4165  FAX:06-6264-4211
e-mail:sc_info@v-schoolcity.net URL:http://www.v-schoolcity.net/

●特定非営利活動法人エスビューロー
〒567-0047 大阪府茨木市美穂ヶ丘3-6-403 
TEL: 072-622-6730  FAX: 072-622-6730
e-mail:esbureau@hcn.zaq.ne.jp  URL:http://www.es-bureau.org/

東海大:無資格解消へ通信講座 ブラジル人学校の質向上 

2009-07-28 12:05:31 | 多文化共生
(以下、毎日新聞から転載)
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東海大:無資格解消へ通信講座 ブラジル人学校の質向上 

11日の入学式では教員免許取得を目指す300人が4年間の授業計画などの説明を受けた=神奈川県平塚市の東海大キャンパスで

 東海大学(神奈川県平塚市)は、無資格教員が多いブラジル人学校の質の向上を図るため、ブラジルの国立大「マトグロッソ連邦大学」と提携し、一挙に300人に教員免許を取得させる通信講座を開設した。不況の影響で、在日ブラジル人の帰国が相次いでいるが、東海大の担当者は「少しでも定住しやすくなるよう、学校のレベルアップに貢献したい」と話している。

 東海大によると、講座は日本で教員免許の取得を目指すブラジル人が対象。5月の試験で417人中300人が合格、今月11日からプログラムが始まった。受講者は通信教育を受けながら年6回、浜松市や群馬県太田市など6都市でスクーリングを受ける。4年間履修すれば、幼稚園から小学4年までのブラジルの初等教育教員免許が取得できる。

 文部科学省などによると、国内には日系を中心に約30万人のブラジル人が在住し、外国人登録に占める割合は中国や韓国・朝鮮に次いで多い。製造業が盛んな浜松市や太田市などには、特に集中して住んでいる。

 一方で全国に80校以上あるブラジル人学校では、無資格のスタッフが授業を行うケースも多く、教員免許の保有率は6~7割で、授業内容の不十分さが指摘されていた。

 ブラジル政府は学校のレベルを引き上げるため、日本での教員養成を計画、ブラジル国内の通信教育で定評のあるマトグロッソ大と一緒に、パートナーとなる日本の大学を探していた。国際協力が専門で、ブラジル事情に詳しい東海大の小貫大輔・准教授が橋渡し役になり、東海大が日本語、日本文化の教材提供やスクーリングでの協力を引き受けた。

 受講者の一人で、ボランティアでブラジル人児童の教育にかかわってきた日系のコマツ・イレーネさん(50)=静岡県袋井市=は「免許があれば、日本の公立学校でも補助教員として教えられる。不況でブラジル人コミュニティーは苦しいが、将来は明るくなると信じ、自分も勉強に励みたい」と話した。【井崎憲】

毎日新聞 2009年7月27日 11時05分(最終更新 7月27日 13時00分

経産省:医療ツーリズムで実証事業-診療目的の来日外国人受け入れ

2009-07-28 12:05:12 | 多文化共生
(以下、Bloomberg.co.jpから転載)
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経産省:医療ツーリズムで実証事業-診療目的の来日外国人受け入れ

 7月27日(ブルームバーグ):経済産業省は、診療目的で来日する外国人を医療機関が受け入れる「医療ツーリズム」の事業化を検討するための実証事業を9月をめどに開始する。日本の強みである高度な技術水準やきめ細かいサービスを生かし、国際的に競争力のある市場に育成したい考え。国内では初めての取り組みという。

 同省サービス産業課の藤本康二課長は22日、ブルームバーグ・ニュースに対し、将来的には医療ツーリズムを「病院経営の改善や医療産業の振興につなげたい」との期待を示した。

 具体的には、国立がんセンター中央病院や東京大学医学部付属病院など都内10病院と協力し、外国人患者の受け入れ医療機関となる「国際医療サービス推進コンソーシアム(仮称)」を組織。中国や台湾などのアジア各国や極東ロシアから来日する外国人を対象に、健診に観光メニューを組み込んだパッケージツアーのほか、遺伝子診断などの高度治療も含めたな医療サービスを提供する。

 一方、旅行代理店や通訳会社などに呼び掛け、「国際医療サービス支援センター(仮称)」を設置し、患者との連絡・調整や通訳、広報などを委託する。同省は対象国や参加医療機関を変えながら、1、2年ほど実証作業を継続し、事業性を見極める方針。

 三菱総合研究所の柴田俊明研究員は、医療機関は地域に及ぼす雇用効果が大きい上、医薬品など関連産業のすそ野も広いと指摘、「医療を産業としてとらえる発想は重要だ」と述べた。半面、医療ツーリズムについては産業としての規模が未知数であるほか、医療機関の体制整備といった課題をクリアする必要があるとの見方を示した。

記事に関する記者への問い合わせ先:東京 小坂紀彦 Norihiko Kosaka nkosaka1@bloomberg.net
更新日時 : 2009/07/27 10:09 JST

外国人、日本語作文に挑戦

2009-07-28 12:04:51 | 多文化共生
(以下、山梨日日新聞から転載)
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2009年07月27日(月)
外国人、日本語作文に挑戦
最優秀賞はブラジル・リベイロさん


 市民団体「ハート51」などは26日、甲府・県国際交流センターで、第1回日本語作文コンテストを開いた=写真。
 外国人の日本語の文章力向上を目的に開催。県内在住でブラジルや中国、ペルーなどの出身の外国人25人が参加。45分間の制限時間の中で、自身が伝えたい内容について自由に記述した。
 文章の構成や表現、オリジナリティーなど5項目で審査。最優秀賞には、笛吹市一宮町の稲葉マイク・リベイロさん(24)=ブラジル=が輝いた。優秀賞は甲府市堀之内町の萩原エリーナさん(60)=アルゼンチン、特別賞には甲府市小瀬町のガルベス・アントニーさん(14)=ペルー=が選ばれた。

スイカ早食い競争で国際交流 諏訪で住民と外国出身者

2009-07-28 12:04:30 | 多文化共生
(以下、信濃毎日新聞から転載)
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スイカ早食い競争で国際交流 諏訪で住民と外国出身者
7月27日(月)

スイカの早食い競争に挑戦する参加者たち

 諏訪地方の外国人と日本人が手料理を1品ずつ持ち寄り、交流する集い「みんなで茶茶茶!」が26日、諏訪市の諏訪実業高校であった。外国人支援に取り組む「すわ多文化共生推進協議会」の主催で、スイカの早食い競争やビンゴゲームなどで親交を深めた。

 集いは、文化や生活習慣の違いから生じるトラブルを防ごうと2006年12月から年4回開き、9回目。今回は不景気の影響で失職するなどした外国人の生活を支援するため、米やインスタントラーメンといった食料品をビンゴゲームの景品にした。

 ブラジルや中国、ペルー、ミャンマー出身者ら45人ほどが各国のお菓子を食べたり、日本語で会話を楽しんだり。スイカの早食い競争は「食べる時の顔を気にしないこと」がルール。一斉にスイカにかぶりつき、会場を沸かせた。優勝した同市の長野国際文化学院1年、林旻(リンピン)さん(20)=中国福建省出身=は4月に来日し、今回が初参加。「みんなで一緒にしゃべったり、お菓子を交換したりできてとてもよかった」と喜んでいた。

育休取得100%、女性幹部5倍! ダイバーシティ企業は、いま

2009-07-28 12:03:59 | 多文化共生
(以下、PRESIDENTから転載)
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育休取得100%、女性幹部5倍!
ダイバーシティ企業は、いま

76期連続で増収記録を更新するジョンソン・エンド・ジョンソン、
女性社員の登用に早くから取り組んできた資生堂。
日米を代表する両社のダイバーシティはどこまで進んでいるのだろうか。

ジャーナリスト
溝上憲文=文
text by Norifumi Mizoue
●みぞうえ・のりふみ 1958年、鹿児島県生まれ。明治大学政経学部卒業。経済誌記者などを経て独立。経営、ビジネス、人事、賃金、年金問題を中心テーマとして活躍中。著書に『年金革命』『隣りの成果主義』『団塊難民』などがある。

高橋常政=イラストレーション

社員構成を市場の
人口構成に近づけていく

 ダイバーシティ(多様性)がにわかに注目され、女性や外国人を積極的に採用する企業が増えている。ダイバーシティは英語の Diversity & Inclusion を省略したもので、本来は人種、性別、年齢などの外見上の違いや宗教、価値観などの内面的な違いを受容することを意味する。さらに企業戦略的には、そうした多様な個性が十分に能力を発揮できる職場環境を醸成することで、それこそ多様な「個」で構成される市場のニーズに合致する商品・サービスを生み出し、ビジネスの成長を図ることに最終的な狙いがある。

 だが、言うは易く行うは難しである。様々な人種や宗教が混在する米国では、政府の方針で採用が義務付けられていることに加えて、逆に企業としても多様な人材を受容し、活用することがビジネスにも直結しやすい。これに対して日本企業では長らく「日本人」「男性」「大卒総合職」「年功」といった同質的価値観を重視した組織運営を続けてきた。そこに「外国人」「女性」「学歴不問」「成果」という価値観を導入することは容易ではなく、まさに企業文化の変容を意味する。
 しかも外国人や女性を数多く採用すればいいという問題でもない。個性を尊重し、能力を最大限に引き出すには働きやすい環境の整備が不可欠であるが、入社後数年で女性社員が大量に辞めていく企業も少なくない。さらに今日の不況下では、「受容」を支える育児休職などのワーク・ライフ・バランス施策が負担となり、社員を切り捨てる悪質な企業も発生している。

 しかし、ダイバーシティマネジメントを抜きにして日本企業が生き残ることは難しいだろう。グローバル市場は多様性の塊であり、国内市場も「個」に着目したイノベーションなしには需要の開拓はありえないし、そうである以上、必然的に組織における「個」の多様化が求められる。
 1932年以来、76期連続で増収記録を更新するジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)の成長のキーワードはダイバーシティ&インクルージョンだ。同社のアンソニー・カーターCDO(チーフ・ダイバーシティ・オフィサー)は「ダイバーシティに焦点を当てなければ、今日のような環境下では成長を遂げていくことはできない」と言い切る。
「世界は刻一刻と変化し、人口構成も多様化している。様々な組織レベルでいろんな人、世代や性別の異なる人びとの考えを集めることで次の大きなアイデアを生み出していくことが可能になる。このことを強み、価値と捉えられない企業は成功することができない。経済状況が悪く、躍動的に変化している状況であるからこそダイバーシティを組織に取り込み、活かしていくことができる企業は成功する」

 J&Jのダイバーシティポリシーは明確だ。ヘルスカンパニーである同社の顧客は女性消費者や患者が多い。家族の医療の決定権を有するのは80~90%が女性という統計もある。医療に関する意思決定者である女性顧客のニーズにいかに対応していくかが戦略の根底にある。
「女性であれば医療のマーケットや市場のニーズに合った形の対応ができるのではないかと考える。そのために女性従業員が仕事をしやすい職場を創造することでイノベーションやクリエイティビティが生まれる。それによって患者のニーズに応えられるベストな製品を提供していくことができる」(アンソニー・カーターCDO)
 これは性別に焦点を当てた戦略であるが、人種でも同様だ。とりわけヒスパニックは2015年までにアメリカで最も大きなマイノリティグループになると予測されている。
「会社としてどう行動するのか。一つは大変重要な消費者区分であるヒスパニックのマーケットニーズにいかに応えていくのかが課題となる。二つ目が会社の中でいかにヒスパニックの従業員数を増やしていくか。マーケット構成を反映させた形を会社にもつくっていくことだ。単に一つのグループに焦点を当てるだけではない。女性や肌の色が違う様々な人を増やし、顧客・患者の期待に応えていく従業員の構成を考えていくことが、成功するために重要なことだ」(アンソニー・カーターCDO)

 ただし、前述したように数多く採用すれば成功するわけではない。同社が実践しているのは、(1)積極的に優秀な人材を獲得する (2)採用後はしっかりとした教育・育成プログラムを提供し、長く働き続けてくれるように引き留めておく (3)必要なときにリーダーシップに充てられるパイプラインを構築する ──というプロセスである。
 とくに(3)は組織の意思決定をなす重要なポストに満遍なく配置されていることを意味する。社員に女性は多いが、幹部は少ないといった組織ではダイバーシティマネジメントは成立しないし、ひいてはビジネスに結びつかないという認識がある。
 このプロセスの実現が、世界の各ビジネストップに課せられた重要な役割であり、アンソニー・カーターCDOと連携しながら推進する。また、カーター氏はJ&Jの会長(CEO)の直属の部下として進捗状況のレポートを提出している。
 たとえば現在の女性の登用に関する実績を示そう。J&Jの経営執行委員会(エグゼクティブコミッティー)のメンバーは95年には女性は一人もいなかったが、現在は8人中3人いる。またバイスプレジデント以上の役職者は95年の44人から214人、ディレクター以上は317人から1500人に増加している。日本企業をはるかに凌駕する数字である。
女性管理職率を上げると
企業価値の向上につながる

 日本企業におけるダイバーシティの主流のテーマは現在のところ女性であるが、その代表的な企業の一つが資生堂だ。いうまでもなく顧客の9割を女性が占める。顧客を見据えたダイバーシティ戦略の推進が生産性向上につながるとの認識がある。
「女性営業職だけではなく、店頭の美容職も日々女性の顧客と接している。お客様は若い人から育児をしている人まで様々であり、子供の世話に手間がかかり、短時間でお化粧をしたいという人に、育児経験のある美容職がアドバイスすると共感や信頼関係が生まれる。そのことが当社の価値向上にもつながっている」(宮原淳二・人事部ダイバーシティ推進グループ参事)

 同社のダイバーシティ戦略を紹介する前にこれまでに築き上げた実績を示そう。同社グループの国内従業員約2万6000人(うち店頭美容職が1万人)中8割を女性が占める。大卒女性採用数は全体の約6割。いわゆるライン管理職に相当する女性リーダーの比率は06年4月に13.2%、現在は18.7%に達する。これは日本の大手企業の中では非常に高い水準であるが、同社は13年には30%に引き上げる目標を掲げている。
 また、女性社員の定着率も見逃せない。大卒社員の入社後の3年以内の離職率は1%以下。資生堂単体の平均勤続年数は男性18.4年に対し、女性は 17.5年とほぼ同等である。こうした実績を支えているのが、入社後のワーク・ライフ・バランス施策や教育プログラムなどのキャリア育成への取り組みだ。

 同社のワーク・ライフ・バランス施策は、育児・介護休業法制定以前から始められており、法制定以後も常に法定を上回る制度の充実を図ってきた。
 たとえば独自の取り組みとしては、妊娠から育児休業を経て職場復帰するまでの一連の流れを上司と確認し合う「チャイルドケアプラン」と呼ぶコミュニケーション体制もその一つだ。また、育児休業中に自宅のインターネットを通じて英語などの各種スキルを習得できるシステムの提供、妊娠・育児休職中の社員同士が情報交換する場を提供する社内SNSの開発など復職や仕事を継続するための細やかな配慮も実施している。
生後57日から預けられる
事業所内保育施設

 さらに社員のキャリア継続や復職支援をサポートする象徴的施設が03年に開設した事業所内保育施設「カンガルーム汐留」である。生後57日の乳児から小学校就学前の幼児を午前8時から午後7時(延長保育は午後8時)まで預かる。施設の面積は242平方メートルと広く、保育室、乳児室、調理室、幼児仕様のトイレ・シャワー室が完備されている。実際に内部を拝見したが、年齢ごとにクラス分けした保育を行うとともに、子供の様子を外部の家族がパソコン上で見ることができるインターネットカメラも設置されていた。

 定員は34人であるが、定員枠の一部を近隣の他企業にも開放している。現在、同社の社員の子弟22人のほか、電通、ニチレイ、日本IBMなどの子弟10人の計32人の子供が入所する。園長は公募で選ばれた同社人事部ダイバーシティ推進グループの安藤哲男氏である。施設の意義について安藤氏は「復職希望の社員が安心してスムーズに復職できる機能としてカンガルームの存在は大きい」と指摘する。
「通常の保育所は3月の抽選を待って4月に入所するが、社員の中には9月、10月に復職したいという人もいる。他の保育所に入れない人でもここに預けて復職できる。しかも会社の近くであり、迎えに行く時間がかからない分、仕事にも集中できる。仕事を続けたい、育児もきちんとやりたいという社員をサポートするのが私たちの役割だと考えている」(安藤氏)
 実際に復職後の利用者が圧倒的に多いという。また、同社では3歳までの育児休職を認めているが、最近は早く復職したいという女性が多く、0~1歳児から預かるケースが増えている。育児をやりながらキャリアも継続したいという志向が強まっている。

 充実した施策を反映し、同社の女性の育児休業取得率は100%。育児休暇取得者は835人、1日の勤務時間を短縮できる育児時間取得者は935人(09年4月1日現在)とその数も半端ではない。また出産を機に退職する人は数えるほどしかいないという。
 働きやすい環境整備と並んで同社が現在注力しているのが、Care(ケア)、Career(キャリア)、Fair(フェア)の三つである。
「育児休職中の社員を含めて見守るという意味のケア、異動や研修を通じてキャリアを磨き、公正に処遇していくという方針を掲げて、制度の運用を推進している」(宮原参事)
 女性管理職を育成するための啓発活動も定期的に開催している。今年2月には管理職以上の女性155人を一堂に集めたフォーラムを開催。同社の前田新造社長と岩田喜美枝副社長自ら講師となって「それぞれ1時間ずつ時間を割いて資生堂として女性管理職の育成に本気で取り組んでいることを訴える」(宮原参事)など女性管理職への期待を表明している。

 もちろん、活躍への期待は女性管理職だけではない。同社には前述したように1万2000人の店頭美容職の社員がいるが、今年10月から新たに「キャリア形成プログラム」を導入する。会社として「管理職」や「専門職」への道筋を明確化し、それに向けたキャリア形成を支援するというものだ。当然ながら美容職の社員の経営への参画につなげる狙いもある。
「これまでは店頭美容職の社員はそのままずっと美容職を続けるという風土であった。美容職のキャリアデベロップメントを描き、高度美容専門職のコース、あるいは企画系統のマーケティングをやれるようなコースも選択肢として用意した。企画系統を選択すれば、将来は経営幹部の道も開かれることになる」(宮原参事)

 男女に限らず「個」の持つ個性・能力に応じて活躍できる機会を均等に提供することはダイバーシティマネジメントの基本である。資生堂はさらに一歩踏み込んで積極的に育成することで女性の持つ能力をフルに発揮してもらおうという方針である。同社が目標とする女性管理職比率30%はおそらく国内の外資も含めて日本では前人未到の記録となる。日本の企業風土の変容を迫る本格的なダイバーシティ時代の先鞭となることを期待したい。
 ダイバーシティ推進を掲げる企業は多いが、その効果は一朝一夕に表れるものではない。中・長期的な企業戦略の中にどのように明確に位置づけるかが重要だ。不況に陥って終息するような施策レベルでは定着することはないだろう。