鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【第1180回】 人間万事塞翁が馬

2014年03月25日 | 住宅コンサルタントとして
企業を経営していくにあたり、毎年黒字で内部留保を厚くしていくことは重要です。

万が一の不況時でも、従業員さんを一人も解雇することなく、更には給与カットすることなく、
数年間、売上が下がり続けても会社が存続できる状態にしておくことは理想です。

しかしながら、内部留保がたっぷりあることが企業の永続につながるかというと、
そうではないような気がしています。

内部留保がたっぷりあり、自己資本比率が高いということは、
当然ながら一株当たりの価値が高いことを意味します。

経営権の継承にあたり、当然ながら株の継承も行わなければなりませんが、
ここをしっかりと時間をかけてやっておかないと、莫大な相続税が発生します。
相続に関する法律を勉強しておかないと、次期経営者が莫大な借金を背負うことになり、
結果、会社がお金を金融機関から借りる際、個人保証が出来なくなる、ということになるやもしれません。

更に、変に内部留保があると、変化を嫌う体質になってしまったりします。

そりゃ、そうです。
過去、うまく経営出来ていたから、しっかりを利益を出し、内部留保が出来た訳です。

ただ、その時の成功体験が忘れられず、変革を嫌う体質・考え方になったりする訳です。
そうすれば、市場やお客様、ライバルが劇的に変化している中、取り残され、
一気に時代についていけず、赤字を出し続ける経営に陥ったりします。

会社があまり経営内容が良くなく、内部留保も薄くで自己資本比率が低い。
不況にでも巻き込まれたら、ひとたまりもない・・・。

こうした状態が最悪なことかと言えば、そうではないこともあります。
先ほどのケースとは逆で、一株あたりの価値が低いので相続税が少なくて済む。
更に危機感を持って経営に挑みますから、変わらなきゃ!という意識が高く、
変化に適応し、業績が伸びていく可能性があるわけです。

今、恵まれていることが、ひょっとしたら不幸の始まり。
またその逆で、今ツイていないことが将来の実りにつながったり・・・。

幸せが不幸に、不幸が幸せにいつ転じるかわからないことを
「人間万事塞翁が馬」(じんかんばんじさいおうがうま)と言いますが
本当に人生はそうだなぁ、と思います。

今、仕事に恵まれていることが、将来の受注激減のきっかけになるかもしれないのです。
ですから、今順調だとしても、小さな成功体験に酔うことなく、
自己研鑽に励み、常に学び、改革していくことが欠かせないのです。
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