鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【4815回】 安易なローコストを提案しない理由

2024年03月06日 | 住宅コンサルタントとして

人生に関しても経営に関しても、

今、自分が取り組んでいることが正解だったかどうかなんて、

現時点では分かりません。

 

正解か否かは3年後から10年後に、

結果となってあらわれるのです。

 

住宅業界で言えば、

スーパーローコスト部門を立ち上げ、

とにかく住宅業界の無駄を省き、

協力業者さんにコストカットを要請し、

建物本体価格800万円台とか700万円台、

とうたって地域に展開することが

流行っていた時期があります。

 

それで一気に業績が過去、伸びた会社は、

全国的に見られました。

 

でも弊社では、ローコスト路線に転換する提案を

過去から現在に至るまで、クライアント様に提案したことはありません。

 

それはローコスト住宅を販売していくと

スタッフさんたちが成長しなくなる、と思っているからです。

 

「どこよりも安いですよ」

「これだけついて、この価格」

 

という販売のやり方では、営業マンは工夫をしません。

 

他社より高くても、お客様に選んでいただくためには

自分たちはどうすればよいのか、ということを考える中で、

営業部隊は成長していくのです。

 

商品は真似されますが、

高くても選んでいただける販売手法は簡単に真似できません。

 

だから負荷がかかるくらいのゾーンで商売をしている方が、

長い目でみて絶対に地力が上がる。

 

私自身はそういう考えで、各クライアント様に高付加価値化、

高性能化を提案させていただいてきました。

 

そして今、インフレで物価が上がり、

所得がある一定以上の方しか家を建てられなくなった。

 

ローコスト系の会社は、1社のS社を除いて皆、苦戦しています。

 

そして価格の安さで売ってきた会社は、

今更高付加価値化に変わることが難しいのです。

 

高性能化、高付加価値化を提案させていただいてきて、

本当に良かったなぁ、と今、しみじみ思っています。

 

そしてここ10年近くは、今の流れが続くと予想しています。

 

収入がある一定以上の方たちに選んでいただけるよう、

質の高いマーケティングと営業、商品を磨いて参りましょう。

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