たろの日記ページ,gooブログ版

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税制は国の設計

2010-12-15 20:00:00 | 時事
政治の話はうんざりしていて,最近はあまりニュースも見てないのですが,税制は重要な話だと思うので簡単に。

そもそも税制というのは,国が国民や民間企業の行動を直接制御できる数少ない方法の一つです。

国は法律で国民を制御します。でも禁止行動をした人を捕まえることは出来ますが,法律で,金になる発明をしろ,とか,優秀な子供を作れ…とか出来ません。予算も国民をある程度制御できます。例えばお金をつぎ込んで事業を始めたり,人を雇ったり,褒賞金(手当)を出したりとか。でもこれは原資がたくさんかかりますし,やっぱり,人を雇って「発明をしろ」とかしても限界があります。

税制というのは,「こういういうことをした人は税金が優遇されるよ」とすることで国民や企業の制御を出来るという意味で,国全体を動かすことができます。扶養控除は子供を作るのを促進するし,相続税や贈与に対する税制も世帯間での資金移動についてある程度傾向をつくることができます。企業に研究開発費の税優遇をすることで,儲る当てがない未来の開発を企業が進んでやることを仕向けることもできます。地方が企業誘致をする際も税優遇をするからやってくるのです。法律による強制的な執行じゃなく人々が自分達の損得で判断できるところがミソです。

こういう風に国や地方は税制をいじり,国民や企業の行動の大きな流れを作る…ということが政治であり,行政だとわたしは思います。つまり税制というのは,富の再配分ではなく,国の設計そのものなのです。それぞれの税制が,矛盾がなくて,国がどこに向かうのか?がまずあり,それに対して設計される必要があるのです。

逆に言うと,行き当たりばったりでお金が足りないから,取れそうなところから取るとか,要望に応じて妥協しちゃう…とかいうのは,国の設計が破綻する…という危険性をはらんでます。

最近の政府の税制の論議を見ていると,そもそもどこに国を向かわせようとしてるのか?がわからないまま,お金が足りないから取る…という風にしか見えません。子供手当を出すから,児童手当をやめる,そうすると,収入が減るところがでてきちゃうから,今度は配偶者控除を辞めるとか,行き当たりばったりすぎます。何かをやったら穴が開いて,穴を塞ぐとまた穴が開いて…とそんな感じです。もう見ていて危なっかしくてしょうがありません。大丈夫なんでしょうか。

菅政権の支持率が下がってます。ただ,自民もそんなには上がってません。これは国民全体的に政治に対して失望感が高まったのだと思います。わたしは細川政権の時の政権交代で,結構失望し,そもそも今回の政権交代にも期待はしてませんでした。今は,今の若い人がそれを味わう番なんでしょうか。
コメント
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