前回、前々回と「同じ漫画の話が続く」という当ブログでは異例の扱いになってしまった須賀篤志作「不器用な匠ちゃん」
まさかこのネタで3回目を書く事になろうとは思いませんでした(笑)
というのも、先日最終巻まで読破したところ、最初は添え物かと思われていた「レイアウト製作話」が単行本で4巻分のボリューム、最終巻でようやく完成するという前代未聞の「レイアウト製作漫画」になっていたからです。
何しろ偶然とはいえ最初期の段階で「あらかじめ習作レイアウトを作るところから始めているくらい」ですしw
完成までの過程で渡井くんが「自走できる懸垂式モノレールを組み込もうと悩みまくった挙句、挫折してダミーで我慢するプロセス」があったり「メンバーの一人が民家のモデルを大量に製作してしまい何を置くかで悩む」とか、まあ色々ありました。
(KADOKAWA刊須賀篤志作「不器用な匠ちゃん」36-37Pやり画像引用)
さて、そんな騒動を経て最終巻で登場したレイアウトはBトレ専用とはいえ、ダブルクロス込み9個のポイントを組み込み理論上2列車同時運転が可能なトラックプランでそこから分岐した線が本線をオーバーして丘の上の駅に繋がるという(わたし的に)大レイアウトと言っていい代物。
どう見ても900✖️600に収まるスケールではありません(笑)
このトラックプランなら2列車同時運転も可能な筈ですがパワーパックは一個だけで、2列車の交互運転を基本にしている様子です
言い忘れましたが、このレイアウトはメンバーが江ノ電旅行した思い出をモチーフにしたもので各メンバーの得意ジャンルをレイアウトに組み込んだ(店舗ミニチュア、デコスイーツ、そして主人公の藍川さんお得意の「武器モデル」)をも組み込んだものでリアル志向というよりは「なんでもありの模型クラブのシンボルとしてのレイアウト」に仕上がっている点、わたし的には好感の持てるものでした。
もちろん漫画の本題である各メンバーの恋愛模様やら主人公たる藍川さんの「武器マニアの蘊蓄描写」もレイアウトとほぼ同じ分量で書かれてはいるのですが、これらの要素が渾然としているため、全巻読み通すとずいぶん賑やかな気分になれる一作でした。