光山鉄道管理局・アーカイブス

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今月の入線車 乗工社の江ノ電800ととある目論みのはなし

2018-07-17 05:17:24 | 車両・路面電車
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 さて、今回は先日入線した旧モデルから。

 ここ数年来、出物があればと思っていた乗工社のメタルキット、江ノ電800型を先日ようやく入手できました。

これが欲しかったのは800型のルーツが上田電鉄からの譲渡車、さらにそのルーツを手繰れば今から50年以上前に廃止された山梨交通の路面電車に行き着くからです。
 つまりあの頃の山梨交通の通称「ボロ電」が最も手軽に再現できるのがこのキットだったからです(とか言いつつリリースされてから優に30年は経っていますが)

 今では800型の1両は、山梨の鰍沢に里帰りして展示されていますが顔が江ノ電当時の仕様になっていて当時を偲ぶには少し辛いものがあります。
 これをNゲージで再現する場合、スクラッチとかキットバッシュで製作するのも一法なのですが、実はクラブのメンバーで既にそれを実行している方もいまして、私がやるなら別なアプローチでやってみたいという生意気な意図もあったわけです。

 今回入手できたのは前ユーザーが既に組み立てていた完成品で当時指定されていたKATOのDD13の動力と組み合わされたものです。しかも前ユーザーの手で台車も換装されていましたが、103系用のDT22なのでたいした差はありません。
 実はこのキットが欲しかったもう一つの理由は「今だったら鉄コレの動力が使えるのではないか」という点があります。特に16弾以降は15M?16M級の動力が複数あって以前よりも選択肢が広がっていると見ています。

 作例では上田時代の状態をモデル化していて山梨時代と同様のヘッドライト配置になっているのも好都合。ですから動力の換装とリペイントが肝になります。実車の江ノ電の仕様は顔つきが変わっただけでなく昭和50年頃に3扉化してオリジナルと相当に異なる外観になっていましたが、今回のモデルは改修前の仕様の様なのでこれまた好都合と言えます。

 ただし実際実物を手にとって気になるのが「異様とも言える幅の広さ」
 既存の動力を使う以上これはやむを得ないので妥協する他ありません。
 それを別にすれば窓の抜けの良さ、車体の肉の程よい薄さはブラスモデルならではの長所。これは生かしたいところです。
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 先ずクリアしなければならないのは動力ユニットです。
 前にも書きましたがこのキットは元々KATOの旧DD13の動力ユニットを転用する前提のものなのでプロポーションの狂いには目をつぶらなければならないのですが、それをのけてもDD13の機関車然とした足回りにはさすがに違和感を感じます。
 特に動輪のでかさと台車枠の物々しさはどう見てもこの車両には似合いません。

 前回書いたように当初は鉄コレの短車体の動力ユニットをコンバートする方向で考えていたのですが、TM-01では短すぎTM-02では逆に長すぎます。
 あとから出た14M級ユニットならと思いチェックしたのですがこれまた微妙に長すぎる。
 特に鉄コレの動力は台枠ぎりぎりまで端に台車を寄せているため台車外側のオーバーハングに乗降口のあるこのタイプの車両では台車の位置に違和感を感じてしまうのです。
 DD13の13M級の動力は未だに似たサイズの動力が無かったという事実にがっかりするやら参るやら。

 一時は計画自体が暗礁に乗りかかりました。

 ところが以前秋葉原のトレニアートの開店時に入手していたBACHMANNのトラムがサイズ的にこのモデルに近い事に気づきます。
 オリジナルのトラムは動力とボディの構造上の問題からミニカーブの140Rがクリアできない事が判明して以来塩漬け状態が続いていたのですが(但し動力単体でならクリアします)これが使えないかと考え付きました。

 山梨交通デハ7は一見路面電車風ですが江ノ電に転用された事でもわかる様に実際は路面電車よりも腰高な構造なので今回のトラムの動力に合いそうです。
 というわけで早速被せてみると

 かなり車体がめり込みますが、動力ユニット上にスペーサーでもかませれば行けそうです。


 1,2ミリ厚のプラバンを何枚か重ねて被せ、腰回りの高さを調整しました。

 これが使えるなら話は早い。

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 乗工社のキット自体は屋根板が元々小田急のデユニとのパーツ共用を考えたモデルらしく、形状が江ノ電とも山梨交通とも異なります。
 こればかりはホワイトメタルの切削が要求されるため手間と仕上がりを考えて今回は見送りました。

 車体のカラーリングですが写真の印象位しか参考資料がないので近似色としてショップでお勧めされたGMカラーの首都圏色DCのそれを使いました。
 実際にはこれに加えて窓周りの色刺しが必要ですがとりあえず先日の炎天下、日陰を見つけて塗装を図ります。

 カラーリングを変えただけなのに結構印象が変わりました。

 あとは窓周りの縁取り(山梨交通仕様ではこれが結構アクセントになります)で細筆で色刺しをしましたが、このためにわざわざ筆を新調したのにも拘らずえらく雑に見える仕上がりになったのが辛い。

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 山梨交通時代を再現するピューゲルの追加。
 そして前部排障器とステップですがこれは考えどころです。どれもこれも田舎ではおいそれと揃うパーツではありませんからどこからかドナーを見つけるのが手っ取り早いやり方になります。

 という訳でジャンク箱をひっくり返し、結局手持ちの食玩、通称「実相寺コレクション」の都電からパーツをドナーして対処しました。
 車体ではなく動力ユニットの方に排障器を仮付けしているので排障器が引っ込みすぎていますがこれだけでも足回りは引き締まります。

 なお実車は併用軌道区間を走っていたとはいえ、かなり床が高かったため乗降用に補助ステップが装備されていましたがこれは次回の課題という事で。


 テールランプは銀河モデルのパーツを使用。これまた電車用のパーツが見つからずやむなく機関車用の部品を転用せざるを得ませんでした。

 改めて思いましたが、元々のキットが完全な実車準拠ではない「タイプ」なので幅が広すぎ、車長も寸詰まり気味ですので過剰なディテーリングをするよりも「あくまで雰囲気を近づける」様にした方が良いと思いました。

 先日製作したウッディジョーの木造電車との2ショット。少々玩具じみていますがこういう雰囲気には合うのかなと自賛してみます(汗)



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