光山鉄道管理局・アーカイブス

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偉大なる凡庸の系譜・番外編「TOMIXの木造駅舎」

2016-02-25 05:08:49 | ストラクチャー
 ストラクチャー編偉大なる凡庸シリーズ(急にこんなのがスタートしましたw)

 今回はやっぱりTOMIXの「木造駅舎」を。
 実はこの建物、日本初のNスケール「和風の駅本屋」の製品化でもあります。

 これが出るまで日本形ストラクチャーはGMのキットが先行していましたが詰所、信号所、果てはホームや跨線橋まで出ていながら肝心の本屋がまだ出ていませんでした。
 それだけにTOMIXの駅舎の衝撃は大きかった記憶があります。

 TOMIXの登場をTMSがスクープしたのは1976年(昭和51年)の秋ごろでしたがその記事の時点でこの駅舎の写真が既に登場しています。
 これとホームを組み合わせれば普通の人がイメージする「駅の風景」は簡単に再現できるのですが、今の目で見ると「これくらい当たり前じゃん」とか言われそうです。

 にも拘らずこれが登場するまでNばかりか16番ですらストラクチャーのジャンルは非常におざなりだったことを考えるとこの駅舎の登場自体に当時はどれほどの大きなインパクトがあったかお分かり頂けると思います。
 そんなですから、翌年のリリースの時には私も喜び勇んでデパートに駆け込んだのを覚えています。
 (ブログで前述していますが当時はまだ「デパートで鉄道模型が買えた頃」です)

 見ての通り「普通の木造駅舎」そのものと言った風情で大都会のターミナル以外の大概の駅舎に使える機動性がある建物です。
 それでいて内部には待合室や事務所などの内装も再現されており付属のシールの中には「時刻表や路線図」があって室内に貼れるようになっています。
 更には駅には欠かせない電話ボックスと郵便ポスト、小さいながらも売店まで置かれています。

 上述のように何から何まで普通に見える木造駅舎ですが、実はこの「普通さ」こそがこの建物の最大の武器と言えます。
 事実、これが出てからの専門誌のレイアウト記事にはかなりの確率でこの建物を使った駅が登場するようになりました(笑)

 そういえばうちのローカルレイアウトの葉純線も駅舎はこのモデルです(カラーリングは当時セットの付属品にしか設定されなかった青色です)

 また、やろうと思えば切り継ぎや塗り替えで郵便局や分校の校舎、村役場などにも使えそうです。

 これが大成功したからか、GMも重い腰を上げて(笑)駅舎を4種もリリースしましたしエーダイナインやKATOもそれに続く事になります。
 ですがトータルでの完成度はどれもTOMIXの木造駅舎を超えていません。
 後発メーカーの物はどれも個性的でリアリティの点でTOMIXよりも作り込まれた物が多かったのですが、なぜか「普通さ」が足りないように感じられました。
 (一部を除いて後発メーカーの駅舎はどれも大きすぎたり場所を取り気味の物が多く意外と奮っていません)

 「普通であるがゆえに使い勝手が良い」というこのモデルの完成度の高さはまさに「偉大なる凡庸」そのものと言えます。上の写真のモデルは最初に買った駅舎モデルをリペイントしたものですがこういう「完成品に手を加える楽しみ」を最初に教えてくれたのもこの駅舎でした(出来はまったく置いておいて・・・ですが)

 TOMIXでは未だに作られ続けているロングセラーですがこの地位は当分安泰なのではないかと思います。



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