光山鉄道管理局・アーカイブス

鉄道模型・レイアウトについて工作・増備・思うことなどをば。
こちらはメインブログのアーカイブとなります。

レイアウトの強遠近法を考える2024・その2

2024-07-03 05:41:00 | 思いつくままに・考察
 4月の頭にさわりを書いていながら、途中グランシップへの準備やら改修やらを挟んだために進展がストップしていた「レイアウトと強遠近法」のはなしの第2弾です。

 「レイアウトの中にスケールの異なるミニチュアを配置する事で遠近感を強調しよりリアルな感覚を得られないか?」という試みですが、あれから改修が進行中だったモジュールを使っていくつか実験を試みてみました。

 今回モジュールの手前には「線路と並行して走っている一般道」を想定したシーナリィを組み込んでいますが、幅が10センチあるので「手前に大きなミニカー、奥に行くほどスケールを小さくして行き、手前から覗き込んだ時どれくらい遠近感が出るかを試しました。

 上の写真がその時の物ですが、ミニカーのスケールは手前から1/43→1/64→1/80→1/87→1/150と順次小さくしています。ミニカーのスケール比率が一定ではないのでミニカーの間の距離の取り方にはわたしなりに注意を払ったつもりでした。

 これを上から見ると見え透いたトリック撮影でしかないのですが、いったんカメラの視点を一番手前のミニカーに合わせる形で下げてゆくと

 こんな風になりました。
 ミニカーのセッティングにもよりますが手前のミニカーよりやや低めの視線ではそれなりに奥行き感は出ています。
 背景の街並みには遠近感を付けていないのですが、道路と街並みの間に3本の線路を挟んでいるので街並みも「遠景用の背景画」代わりにはなっているようです。

 昨年のメインレイアウトの改修の時には新たに作った丘陵の上に何か建物を置いてみようと思っていたのですが、Nゲージスケール準拠のマンションを配置してみると距離が短いので視覚的にも距離感がまだ希薄です。

 そこで物置で長い事塩漬けにしていたファーラーの古城(スケール的にはZゲージよりもやや小さい大きさです。これも「遠景用」にわざと小さくしているようです)を引っ張り出し丘の上に配置してみました。

 こちらも劇的とはいきませんが、マンションに比べると古城と地平にあるほかの建造物のスケールの違いのおかげでそこそこの距離感は出せている様です。特に丘陵地帯では山頂の建物のすぐ下に「形状が一定しておらず、距離感を錯覚させやすい樹木や森を挟む」事で下から見上げた時に実際の距離は同じでも「洋館よりも古城の方が遠くにあるような錯覚」を感じさせる効果がそこそこ出ている感じはあります。

 古城の反対側の丘陵(手前の丘陵とほぼ同じ大きさの山塊です)にはNゲージスケール準拠の洋館を配置していますが、視点から対象までの距離がほぼ同じなのに、建物のサイズの関係もあり、距離感は短めに見えます。
 ここまで実験してみた段階では下から見上げる、或いは地面に近い視点から眺める分には強遠近法の効果があり、対象物への距離感もそれなりに出せるらしいことを実感します(汗)

 ここまでの成果を反映させたのが先日のトレインフェスタでのモジュールの配置です。
 モジュールは1/150スケールですが手前の道路には1/87スケールのミニカーを配し、一番手前側に1/80の列車を走らせることで多少なりとも遠近感・奥行き感のある構図を狙ってみました。

 視線を下げるとそこそこ立体感のある構図には近づいたようですが如何せんモジュールの設置高が76㎝と低すぎたせいもあって、それを堪能できたのが殆ど子供ばかり(まあ、それはそれでいいのですが)でした。

 大人のギャラリーは大概上からモジュールを覗き込みますし「遠近法が真上に近い視点から覗き込むとせっかくの遠近法も馬脚を現してしまう」という弱点については前にお話しした通りです。もしモジュールの設置高が90センチくらいあれば、もう少し遠近感を感じる見せ方ができたかもしれません(この項、随時更新予定)