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光山鉄道管理局・アーカイブス

鉄道模型・レイアウトについて工作・増備・思うことなどをば。
こちらはメインブログのアーカイブとなります。

ヘルヤンの「パン工場」

2021-10-30 05:30:02 | ストラクチャー

 先日紹介したヘルヤンの積みキット消化のはなしをば。
 まず手をつけたのは「パン工場」と称する奴です。

 恐らくこの外見から見て、元々は機関庫のキットだったのを妻板のパーツを改修して工場風に仕立てたものではないかと思います。

 さてこのキット、パッケージの作例写真を見るとお分かりの様にそのまま素組みすると見た目に地味な上に和風の風景ではあまり見かけない「灰色レンガの塊」にしか見えません。
 工程自体は素組みで行くにしても、ここは赤レンガ風に塗装したくなります。

 とはいえ、現住地のショップにある塗料類を見渡して見ると、その物ズバリの「レンガ色」というのになかなか当たりません。20年くらい前ならホームセンターのホビー用塗料にレンガ色があったのですが、今ではそれも見ないですし。

 やむなく近似色としてタミヤの「ダルレッド(艦底色のひとつらしいですが)」を選択、キットの壁面を塗装。そして赤レンガをそれらしく見せる上で欠かせない「漆喰」はスミ入れ塗料の「ライトグレイ」で色差ししていきます。

 実はここは当初、白のスミ入れペンを使ったのですが白が強すぎて「せっかくのレンガ色が埋没して遠目では白壁に見えてしまう」事がわかり、急遽ライトグレイに差し替えています。
 とはいえ、こういうスミ入れ表現はペーパーキットではなかなかできないプラ素材ならではの強みですね。

 組み立て自体は外国製ストラクチャーキットの中では割合イージーな方で(塗装こそ一晩かけましたが)単純な箱造りも同然なので、ものの1時間もすれば堂々たる赤レンガ工場が完成できます。

 と、いう訳で早速この間KATOの銀行支店のあった商店街の一角にこれを配置してみたら赤レンガの建物が街並みのランドマークとして十分機能してくれたのには驚きました(笑)

 何事もやって見るものです。

「赤レンガの建物」への郷愁のはなし

2021-10-27 05:24:20 | ストラクチャー
 今回はストラクチャーネタと思い出ばなしから。

 わたしの故郷のランドマークのひとつに東京駅を設計した辰野金吾の手になる地元銀行の元本店の建物があります。
 この50年くらいの間に周囲のビル群が高層化して回りから見下ろされる存在にはなったものの、その存在感は今でも絶大で今でも帰郷する時にここの前を通るとなんとも言えない郷愁を感じます。

 また、郊外には元覆馬場だったイベント会場の赤レンガの建物が保存されていて平屋であるにもかかわらず周囲の住宅街の中でランドマークとして機能しています。

 これに限らないのですが、東京駅や横浜の赤レンガ倉庫をはじめとして都市の風景の中で「赤レンガの建物」の存在感は非常に大きなものがあります。
 赤レンガの色調が周囲の樹木などの風景に溶け込みやすいのもあるでしょうが、長いこと地域に定着してきた建物だけに純日本風の城郭に負けないくらいに地元の人の記憶に留まってきたことも大きいのでしょう。

 実はわたしがレイアウトに手をつけるきっかけの一つがファーラーの煉瓦建造物のキットを手に入れたことが大きく影響しています。
 キットを組み立てた時に「これが似合う様な風景のレイアウトを作りたい」という動機がいつの間にかわたしの中に湧き上がり実際の着工につながったわけで。

 ビル街に限らず近郊の住宅地の様な場所であっても赤レンガのランドマークは周りの風景を締めてくれる様な気がしてレイアウトの風景作りの上ではなかなか重宝する存在だと思います。

 ですが、日本のメーカーの一般ストラクチャーで赤レンガの建造物というのにはなかなか当たりません。機関庫や給水塔にはザラにあるのに不思議な話です。

 一方で海外メーカーのキットにはランドマークとして使えそうなものが多く、安価に手に入るなら作り出もあり、使い出もありそうなお得な存在と言えます。

 この間紹介したヘルヤンのキットを手に取った時、わたしの心をよぎったのが上記の「思い出と結びついた郷愁」でした。
 季節も秋ですし、そろそろ取り掛かろうかなと。

ヘルヤンの工場キットのはなし

2021-10-09 05:46:57 | ストラクチャー
 現住地や故郷ではなかなか当たらないアイテムを拾えたという意味では先日の静岡行きの一番の収穫がこれでした(笑)

 ヘルヤンの「パン工場」「機械工場」の未組み立てキット。

 今となっては些か古典的な建造物で現代の風景に使うには現役の工場というよりは「近代化遺産の記念建造物」といった使い道が似合いそうな建物と言えます。

 まあ、それは置いておいて、

 ヘルヤンのストラクチャーはTOMIXやGMの日本型建造物が登場する以前、Nゲージのレイアウトの建物の定番商品でした。
 特に貨物駅やラウンドハウスは1970年代前半頃までの時期専門誌に掲載されるNゲージレイアウトではかなりの確率でお目にかかったものです。
 工場なんかも「レイアウトテクニック」のNゲージ製作記事で「工場街なら日本風のレイアウトにも使えそう」とヘルヤン製品をいくつも並べたシーナリィになっていましたし。

 今回入手のキットもそうした「定番臭」の感じられる建物。

 特に機械工場はラウンドハウスの側壁を転用した構造のせいか「どこかで見たような」既視感があるのが面白い(笑)

 これからも暫くは休日蟄居が続きそうなのでこれらのキットがまた活躍しそうです。
 (そういえば去年の秋ごろもペーパーキットからプラキット工作に軸足が移っていましたが)

 ただ、素組みだとプラスチッキーさが目立つのと「他と同じ様な」印象につながりやすそうなので最低限リペイントはするつもりですが。

プラムの「ココアの実家」

2021-10-06 05:42:43 | ストラクチャー
 先日紹介したPLUMのアニテクチャー「ホットベーカリー」の話の続きです。


 前に製作したベーカリーの裏手には「ココアの実家」と呼ばれる同意匠の住宅があります。
 大きさもほぼベーカリーと一緒。
 欧州風と言いますか掃き出し窓も裏口もないという如何にも「TVアニメの舞台」と言った趣の住宅です。


 見た目はただの箱みたいな構造でベーカリー以上にメリハリのない形状だったので案外楽にできるかなと思っていたのですが、玄関脇の張り出し窓や正面中央の出っ張りがやや手間がかかりました。


 他のペーパーストラクチャーキットでも言える事ですがこの種のキットにはよくできたピンセットは必需品だと思います。

 ファンシー性の強い建物だけに普通に住宅として使うにはベーカリーほどには風景への親和性がないため、普通にレイアウトの住宅のひとつとして組み込むのはやや難しいかもしれません。

 ですが森の中とか丘の中腹なんかのロケーションには似合いそうです。
 或いはバンガロー風の貸別荘とかになら使えるでしょうか。


 ベースの上ではベーカリーと縦に並べて1セットにするのが(アニメの設定準拠という意味では)正調なのでしょうが、レイアウトやジオラマへの組み込みを前提に考えると、まるで団地みたいで面白みに欠けるのも確かです。

 別に一軒づつベースを分けて配置した方がよりそれらしく見える感じもします。
 

葛飾区亀有公園前派出所を作る その2

2021-09-21 05:32:50 | ストラクチャー
 前に紹介したこばるの「亀有公園前派出所」の製作 その2です。

 キットメイクの最初は外壁の組み立てから・・・なのですがこのキットの場合は最初の段階で「外壁のディテール取り付けとデカール貼り」をやらせます。

「組み上がってからの塗装」を考えていないキットの様ですが、予めパーツ毎に塗装しておけば(準備期間が長くなりますがw)あとは結構楽しく工作できます。
 なお、外壁の色ですがアニメ準拠のストラクチャーにこだわる気がなかったのでクリーム1号(スカ色アイボリーですね)で塗装してあります。


 二面の外壁をベースに接着したら嵩上げされている和室の床板と内壁、障子やドアの組みつけ。
 建物としての形態が単純なキットですが、こうした内装のプロセスがかなり工作らしいもので真面目に「大工さんになった気分」が味わえます。

 天井の蛍光灯とペンダントも取り付け、和室にはデカールの畳を貼り付けました。

 さて、ここまで来て考え込んだ事。
 前回書いた通りこのキットにはこれでもかという位に「事務機や家具、台所用具のパーツ」が揃っています(ここまでやっているだけに「便器がない」のが不思議に感じられるくらいです)
 本来ならばこれも塗装、組み立ての上派出所内部に配置するのが筋です。

ですがこのキットの場合、間取りが複雑な上に窓が小さいので折角のファニチャーを組み付けても一部を除いて外から見えないのです。
 屋根を外せる構造にして中を覗き込む様な使い方を想定している模様でアニメグッズとしてはこれは非常に正しい方向なのは間違いありません。
 
 ですが曲がりなりにもレイアウトやジオラマの用途を想定していると、これがなんとももったいなく感じてしまうのです。

 いっそこれなら「家具の類はストックして他のストラクチャーに転用したい」と思えました。

 私の手持ちで言うなら、昨年暮に製作したパーミルの自動車修理工場の事務棟なんぞは外から丸見えな位に窓が大きいのに中が「空き家状態」
 ここに事務机とロッカー、流しと湯沸かし器があるだけで相当に雰囲気を変えられそうなのです。
 こんな例はまだまだあるのですが・・・

 すでに「こばる」さんももう無いのですが、これらの家具、事務機、台所なんかを単品パーツで売ってくれればどんなにありがたい事か!
 (田舎の駅舎の内装にも使えますし)

 因みにこのキットの凝り具合は内装だけでなく外に置いてある小物にまで及んでいますがそれについては次回以降に。

葛飾区亀有公園前派出所を作る その1

2021-09-14 05:08:07 | ストラクチャー
先日紹介した、今はなき「こばる」さんの「葛飾区亀有公園前派出所」のNゲージスケールキットのはなしの続きです。

このキット、完成写真を見ていただくとお分かりの通り「単なる箱型の建物」に過ぎません。形態上はジオタウンやジオコレなどの交番に比べても特徴がありませんし、GMの保線詰所のストラクチャーでも代用できそうなくらい地味なものです。

(まあ、派出所の建物なんて余程のマニアでもなければ形状の差なんてそうわかる物でもないでしょうしね。それにしても「交番の建物が複数のメーカーから選べる」事自体、考えてみれば凄いはなしです)

ですから、最初は塗装は別にしても30分くらいで完成できると思っていました。

ところがこのキットはそんな安直なレベルの代物ではありませんでした。

外見こそただの箱ですが室内の間取りは(アニメの設定準拠とはいえ)実に複雑。控室の6畳間の和室はもとより台所やトイレ、押入れまでもがきちんと仕切られています。
しかもそれだけに留まらず窓枠やドアの殆どがクリアパーツなので桟や扉の色差しが必須。

とどめに「派出所に必要な家具類が一通り揃っている」のに驚かされました。
「家具」と一言で言いましたが事務机と椅子なんてレベルでなく「ガラス戸のついた戸棚」や「冷蔵庫」に「流し」「ガスコンロ」なんて代物まで別パーツ化されているのです。

天井パーツにはこれまた後付け別パーツの「蛍光灯」や「ペンダント」まであったりするのです。

Nゲージスケールの日本型建造物で内部がここまで凝りに凝った建物というのはそうそうありません。

実はこの凝りっぷりが制作途中から私を悩ませることになります。
それについては次の機会に。

プラムの「Hot Bakery」

2021-09-04 05:08:26 | ストラクチャー
 昨年の今頃は積みキットのストラクチャーの消化ばかりやっていましたが、考えてみれば昨年のあのペースの方が異常だった訳で、それに比べると今年のキットの消化率は流石に低くなりました。

 とはいえ相変わらずのコロナ禍が続き自宅蟄居率はコロナ禍以前に比べて依然高い状態です。
 ましてや梅雨明け以来猛暑が続き、外で何かする気力が持つ訳もなく。
 (朝の草むしりですら、暑さにやられかける状態ですし)

 というわけでこの夏のストラクチャーキットはPLUMのアニテクチャーキット。
 その名も「Hot Bakery&ココアの実家」
 昨年来消化している「ご注文はうさぎですか?」のストラクチャーです。

 昨年来、この手のアニメ系のペーパーストラクチャーをいくつかやっているのですが鉄道模型用・ジオラマ用に出ている建造物に比べて建物自体のリアリティがあるのと建物としてのキャラクターが立っているので作っていて楽しめるものが多いです。
(但し版権料のせいかお値段が高いのと、構造が複雑で手間が掛かるものが多いのが難点ですが)

 森の中の風景に似合う「平屋の店舗と住宅」
 なんだかファーラーやフォルマーが出していそうな欧州風の田舎の建物といったノリでしょうか。
 (お値段もこの手の舶来キット並なのが何ですが)

 キットの構造はこれまでの「ラビットハウス」や「甘兎庵」に比べると割合イージーな方ですが、店舗のファザードの支柱部分の組み合わせ(細かな三つのパーツの重ね貼り)にややまごつきました。
(この貼り合わせは説明書でもよくわからない部分なので次は修正していただければと思います)

 店舗(パン屋)の方はこじんまりとしていながら壁面の意匠などがよく作り込んでありアニメを離れても「現代の住宅街の一角にあるベーカリー」として通用すると思います。看板を差し替え、エアコンの室外機や換気ダクトでもつければかなりリアリティが出そうですね。
 (こういう感じのパン屋さん、結構うちの近所でも見かけますし)

 以下余談。
 このキットを買った時、何の気なしに注意書きを見ていて気付いた不思議な記述。

 ただのパン屋さんの店舗を「ぶつけたり振り回して遊ぶ人種」というのを私はとっさに想像できないのですが(笑)

商店街の街角に銀行を鎮座させる(笑)はなし

2021-08-29 05:14:37 | ストラクチャー

 この2月に電気街のビル街をみにちゅあーとの商店街に衣替えしてレイアウトの時代を遡行させた話を書きましたが、今回はその続きです。

 風景を差し替えたことで昭和30年代の商店街が作業机のわきに出現したのですが、寝る前にそれを眺めているとなんだか和まされることが多くなりました。
 ですが何か月か商店街を見慣れてくるにつれて街並みは懐かしいけれどランドマークが足りない気がしてきました。
 雰囲気の良い建物が多いこの種のストラクチャーですが自己主張という点では控えめな事もあって、並べると案外ぱっとしないのです。

 (元々鉄道模型用の一般建造物、特に和風の物の場合個性を敢えて殺した控えめなものが多いですものです。レイアウト上での「列車の背景」ならばそれはそれで正しい方向なのですが、それゆえにある程度数が揃うと逆に総体としての街並みのメリハリに欠けてしまうのも確かです)

 そこでふと思い出したのがコロナ禍の前の年だったかに神田の中古ショップで買っていたKATOの「地方銀行」でした。
 あのモデルはメーカー自ら「街並みのランドマークに」というキャッチフレーズで出しただけあって堂々とした佇まいを持つオールドスタイルの建造物でした。
 これならこの商店街には似合いそうです。

 さっそく商店街の角地に配置してみるとそれだけで街並みにメリハリが付くのを実感しました。
 実はこの銀行、佇まいは堂々としたものですがストラクチャーとしてもかなり巨大で、敷地もそれなりに塞ぐことからこれまで置き場が見付からないまま事実上宙に浮いていたものです(これ単品でも飾り物になりそうな大きさだったのでこれまでテレビの上に鎮座していましたw)


 やはりランドマークがあると街並みが締まって見えますね。
 尤も、レイアウトビルダーだったらこうしたランドマークくらいは自作の建物で個性を付けるくらいはやらなければならないのでしょうが、この暑さではそんな根性はわたしには出せません。

 なので当面はこれでお茶を濁すつもりです。

 ただ、吊るしでは妙に新しすぎる質感なので適当にウェザリングは施した方がよさそうですね。

ジオコレの「昭和のビル2から・・・」

2021-08-11 05:50:03 | ストラクチャー

 先日の開店セールで入手したジオコレから。
 以前紹介したジオコレの昭和のビル2ですが前回の時には階数延長用の二つ目のキットが部品の欠品で役に立たなくなり、別デザインで復活させたのはこの間のブログで上げた通りです。

 ですが先日の開店セールでは色違いのリニューアル品がリリースされていたのでかねての予定通りキットを二つ購入し階数の延長と寸詰めを実行することができました。

 元々のキットは6階建てですが二つのキットを使い8階建てと4階建ての2棟に仕上げます。
 このキットはジオコレの中でもキット的な性格が特に強いもので素組みでも結構手間を要します。まあ、ものがアパートメントなので各階ごとにベランダや通路を取り付ける構造なので無理もありませんが。

 それだけに階数の継ぎ足しや短縮の効果は思ったより大きいと感じました。

 中間階2階分を取り去って4階建てに詰めた仕様は幾分ずんぐりしたプロポーションになりますが、これ位のマンションならば田舎町の駅前でも見かけるレベルですからローカルなレイアウトでも使えると思います。

 そして今回の本題の「中間階を追加し8階建てにした仕様」は逆に都会風のレイアウトによく似合うと思いました。
特に線路の奥に配置して背景がわりに使うとなかなか都会的な情景になります。
 改めて思いますがアパート系のストラクチャーは情景の守備範囲が広い上に改造や改修で雰囲気を変えるのも容易なので重宝するストラクチャーと言えます。大きめな物なら、お座敷運転の雰囲気作りにも使えそうですね。

積みプラの「ぺディストリアンデッキ」のはなし

2021-07-28 05:55:17 | ストラクチャー

 昨年春以来のコロナ禍に伴い、ここ十年分くらいの積みキットとして死蔵状態だったストラクチャーを随分と消化してきました。
 そのどれもが作ってみるとなかなか味のあるもので、レイアウト上の街並みに順次差し換えてみるとそれだけで雰囲気が一変してしまう辺り「ああ、作ってよかったな」と実感させられるものばかりです。

 が、その一方で勢いに任せて購入した物のこれをどう使うかで未だに悩んでいる物もあったりします。
 2,3年前に購入したジオコレの「ぺディストリアンデッキ」なんかはその最たるもののひとつと言えるかもしれません。

 (鉄道ジャーナル社「日本の駅」525P より画像引用)
 昭和47年、鉄道100年の頃に出版された「日本の駅」(鉄道ジャーナル社 現在でも復刻版が入手可能です)に掲載されていた「将来の旅客ターミナル駅の未来像」という一章があったのですが、大都市拠点駅・中都市拠点駅・大都市近郊駅の想像図のどれにも必ず「駅前広場のペデストリアンデッキ」が掲載されていて、幼心に「そうか、未来の駅にはペデストリアンデッキが付いて来るのか」とか心ときめかせたものです(笑)

(鉄道ジャーナル社「日本の駅」522P より画像引用)
 その後学生時代、仙台駅で初めてその威容にお目に掛かった時には(駅そのものの規模と併せて)駅前広場を縦横に走るペデストリアンデッキに圧倒されました。駅の二階のコンコースから駅前広場の頭上をウォークスルーして「周囲のビルの二階に直接アクセスできる利便性」はまさにあの頃思い描いていた未来都市のひとつの姿とすら思えたものです。
 (最近の地方都市を席巻しているイオ〇系のショッピングモールは建物内にペデストリアンデッキを内蔵させたような構造の物が多いですね。利便性とは別に「歩き回りたくさせる」という点でペデストリアンデッキのコンセプトが生かされた好例とは思います)

 その後、大宮駅の西口とか町田駅の駅前なんかでも同様の機構を目にしていますし、これより相当に小規模ながら甲府駅の北口にもペデストリアンデッキが登場。駅前広場の見せ場のひとつになっています。
(故郷の盛岡駅にはペデストリアンデッキこそありませんが西口前にバスターミナルを兼ねた人工路盤が組まれ二階のコンコースとバスターミナルを同一平面上に直結しています)

 それらを目にした当時でさえ「よもやペデストリアンデッキがテツドウモケイになる事は当分ないだろう」とか高をくくっていたのですが、ジオコレでそれが製品化された時には驚かされました。

 外見上は甲府駅のそれより都会的で仙台駅のそれより手ごろ感のある見た目でなかなか使いやすそうに見えたものです。
 二階部分をビルにアクセスさせるための出入口パーツやバリアフリーのご時世、必須になる外付けエレベーターまで付属していますし。
 そんな訳でキットのリリース直後にさっそく飛びついてしまった馬鹿な私(大汗)

 ですがいざ実際に買ってきてみると「さて、これをどこに使おうか?」という根本的な問題に突き当たってしまいました。
 確かにうちには「光山駅」をはじめペデストリアンデッキが似合いそうな駅前広場はあるにはあります。

 ですが広場の形状や広さを見るとジオコレのパーツを上手く落とし込める形になっていないのです。
 ペデストリアンデッキ自体が「歩道橋のお化け」である以上、最低でも道路やタクシーターミナルをまたぐ構造でなければ様になりませんが生憎それができる空間が殆どなかったのです。
 無理にでも押し込むなら駅前広場自体の大規模な改修が必須になりますが、今はそんな余裕もない。

 という訳で購入直後から積みプラ状態が続いている次第です。
 ですが、考えてみたらこれは相当にぜいたくな悩みです。上述の様にペデストリアンデッキのストラクチャーが出ているなんてNゲージだけですし、自作するにしても応用できそうな高架橋や階段のパーツも豊富なのですから。

 いずれはうまく広場に落とし込む形でこれを使いたいと思いますが、レイアウトやキット自体の改造が必須なのでまだまだ時間が掛かりそうです。

 ・・・それにしてもこのキットを購入して実際にレイアウトに組み込んでいる方はどれくらいいるものでしょうか?

ジオコレの「建売住宅」に思うこと

2021-07-20 05:53:41 | ストラクチャー
 先日、久しぶりに静岡の鑑定団に出かけた時の話です。
 実は今回の出物は(もっぱら予算面で)折り合わなかったり私の気を引くものが少なかった事もあってなかなか手の出るものがありませんでした。

 で、このまま帰ろうかと思っていた矢先、うちの子供がそこの自動販売機で「お金を入れたのに商品が出てこない」というトラブルがありまして、業者が来るまでの30分間同じ店でポツネンとする羽目になりました。

 で、その30分の間に「なら何か買っていこうか」とばかりに軽い気持ちで手を出したのが「ジオコレの建売住宅」でした。

 実を言いますと、ここ最近みにちゅあーとの民家のキットを連続して作っていた感触から「明らかにみにちゅあーとよりラフな造形で並べたら違和感が大きそう」に見えて最初はスルーしていたアイテムでした。
 ですが時間に余裕ができたのと安価だったことも手伝ってお土産がわりに購入したという次第です。

 と、まあここまでは前振りです(笑)

 帰宅後、早速一軒作ってみました。
 確かに窓周りは金壺眼で造形も割合大雑把。
 同じジオコレの昭和の板目張りの建造物と比べても造形のラフさが際立っています。

 ですがここで私を感動させたのは、
 「一軒でっち上げるのにものの5分とかからない」というイージーさだったりします。
 同じ図体の民家をみにちゅあーとのキットでやったら私の腕では最低でも2時間から3時間は掛かります。
 それが「帰宅後のひと時であっという間に一軒出来上がってしまう」というのはこのところジオコレにご無沙汰していたこともあって改めて感心させられました。

 前にも触れた通り、最近ではジオコレとみにちゅあーとは価格差がかなり接近しておりどうかするとジオコレの方が高価なんてケースも散見するようになりました。

 同額だった場合、そのプライオリティをどこに求めるか?

 みにちゅあーとやパーミルの様に出来上がりの細密感やリアルさも確かに魅力的です。ですが造形がラフなものの、一方でプラ造形でほぼ塗装済み、組み立てに10分とかからないというジオコレの魅力も意外と捨て難いものがあります。

 もっというならほぼ全てが完成品のKATOのジオタウンだと細密度もそこそこですし造形も悪くありません(ただし一部を除いて「お座敷運転の彩り」みたいな用途しか想定していないせいか、レイアウトに組み込むには大きすぎる物が多い、改造前提の分解が面倒だったり室内灯が組み込みにくいという弱点もあります)

 同じストラクチャーでも3社三様。

 ニードに合わせた選択ができる様になったという点ではこの市場も結構成熟してきたような感じもします。
 今回のジオコレの住宅には色々と教えられました(笑)

 因みに出来上がった建売住宅はみにちゅあーとの住宅街にこっそり混ぜ込みましたが「遠目から見たら意外と違和感がない」というのも意外でした。

あまぎモデリングイデアの「旧吹屋小学校」を作る・その2

2021-07-11 05:47:19 | ストラクチャー
先日紹介したあまぎモデリングイデアのペーパーキット「旧吹屋小学校」の続きです。

 このストラクチャー、平面的には玄関部分に張り出しがあり、1階と2階の構造が異なるために組み立てにはこれまでのペーパーキット以上の手間がかかります。
 加えて屋根がこれまた複雑な作りの上に屋根瓦の貼りあわせを間違えると見た目に大きく影響してしまうのもこのキットの特徴で慎重な工作が求められました。
 こんな事を書いているという事は私自身もかなり失敗しているという事なのですが(大汗)

 色画用紙系の素材は組み立てに塗装を要さず、レーザーカッティングされた各パーツの抜けもシャープで細かいため、貼り合わせがずれない様に注意すれば仕上がりはプラ造形にない繊細さのあるものになります。

 また、このキットでは組み立て説明書が丁寧な作りだったので毎晩工程を決めて工作するのには大いに助かりました。

 建物が一応形になるまで(休日及び、夜寝る前の時間を縫っての工作ですが)たっぷり2週間はかかりましたか。

 とはいえ仕上がった校舎はこれまで製作したペーパーキットのどれよりも堂々とした佇まいを見せました。
 これだけの出来だったので出来上がったキットを早速屋外で撮影してみました。
 こんな気にさせてくれたペーパーストラクチャーキットはこれが初めてです。

  ついでだったのでこういう真似も(笑)
 下からの煽りのアングルがこよなく似合うストラクチャーでした。

「テツモシンドローム」とGMの「車上駅」のはなし

2021-07-07 17:40:47 | ストラクチャー
偶然というのは恐ろしいものです。
先日WEBのテツドウモケイ漫画「TEZMO SYNDOROME(テツモ シンドローム)」を当ブログで取り上げたと思ったら、その日(6月18日)のうちに新作がアップされるとは!

第一・二回がTOMIXの113系、第三回がKATOのキハ20と来ていたので次回は何が来るのかと思っていたら、意表をついてストラクチャーネタの「GMの車上駅」が取り上げられたのには驚きました。
確かにあのキットは中型駅と並んで初期のNゲージストラクチャーの「偉大なる凡庸」のひとつだった傑作モデルと思いますが、これを取り上げるとは作者の慧眼恐るべしです。

ところで早速スマホで本作を読みふけっているうち「そういえば私もこのキットをレイアウトに使っていたな」と思い出しました。
なのでマンガに便乗してGM車上駅キットの思い出でも書いてみようかと。

GMが中型駅に続いてバリエーションとして製品化した「車上駅」は駅ビルに跨線橋を合体させて階上から地上のホームに渡らせるという特異な構造のモデルです。

 私自身はこういうタイプの駅の実物にお目に掛かった事が無い(そういうのは大概「橋上駅」の形式になりますし)のですが、駅のバリエーションとしては面白い上にどこかの地方私鉄ターミナルなんかにありそうな構造にはとても惹かれるものがあります。

 あと、恐らくですが背面の跨線橋接続部を少しいじれば対向式ホームの高架駅にも使えるでしょう。

 ですがこのキットの場合はそれ以上にビルの壁面デザインのナチュラルさが魅力でした。実際に地方のデパートか雑居ビルにありそうな「普通感」のあるデザインに「これは作ってみたい!」と思わせる魅力を感じたのは確かです。

 但しそれを実行したのはリリースから30年以上経ってからでしたが(汗)

 最初のレイアウトを作った時、駅前の「映画館通り」を製作する過程で「駅前のランドマークになる建物が欲しい」と思ったときに白羽の矢を立てたのがこの車上駅のキットでした。

 マンガでも書かれているように、このビルは駅舎としては「地表のホームに行くのにいったん3階まで登らせる回りくどい構造」で、そのために1階部分に中型駅より幾分緩やかな階段が横向きについています。

 実はこれを「2階の映画館に登らせる階段」と見立ててシネコン形式(当時はそんな言葉はありませんでしたが1階と2階に別々の映画館を入居させる形式のビルは地方でも結構ありました)の「映画館メインの雑居ビル」に見立てて改造するのに好適な素材だったのです。

 ただ、ランドマークを志向していただけにキット一個では不満で縦に二個切り継いでボリュームを持たせました。
 屋上には目立つ広告塔をどんと載せ、キット付属の「電光掲示板」はコーナー部の目立つところに縦に取り付け。

 更に1,2階だけではまだ賑やかさが足りないとばかりにビルの右サイド(本来なら地下鉄入り口になる)の出入り口を使って「駅前地下の成人映画専門館」まで組付けました(実はこういうのも故郷に実際にあったw)

 わたし的に好き勝手やって組み上げたビルですがレイアウトに配置したところ見事に「映画館通りのランドマーク」として機能してくれたのは嬉しかったです。
 (ただ、これが本来の意味での「テツドウモケイの楽しみ方になるのか」については少し考えるところもありますが汗)

 このビルディングは「車上駅」という素材を知っていたからこそやろうという気にさせてくれた物であり、またそんな気にさせてくれる素材をGMがいくつもリリースしてくれたがゆえに実現した物なのは間違いありません。
 こういうキットをリリースしてくれるGMというメーカーには感謝です。

 (・・・なので大分以前から予告されっぱなしの「横配列窓のビルキット」を早急に出して欲しいとこの機会に改めて希望させて頂きます)

あまぎモデリングイデアの「旧吹屋小学校」を作る・その1

2021-06-17 05:00:54 | ストラクチャー
 ここ1年以上休日や寝る前のひと時を殆ど埋め尽くした感のある「積みペーパーキット消化」ネタ

 今やっているのはそれらの積みキットの中でも最も長く寝かせてきた物で、サイズといい存在感といい(わたし的には)殆どラスボス級のアイテムと言えます。

 物はあまぎモデリングイデアが最初にリリースしたペーパーストラクチャーキット。
 岡山に実在する「旧吹屋小学校」です。

 もう10年近く前ですか、ソニックシティの例のイベントで入手していたものですが、何分当時からペーパーストラクチャーがわたしにとって未知の分野だった事と「完成後のサイズのデカさ」がネックになって今日まで塩漬け状態だった物です。
 (そういえばGMの校舎も長い事塩漬けだった汗)

 ですがここ1年ほどみにちゅあーとをはじめいろいろなメーカーのペーパーキットの製作経験(出来はさておいて)を重ねてきたこと、そして完成後のキットの当てができたことから、今回製作にGoサインを出した次第です。

 実在する建造物をモデルにしているだけに構造も複雑、特に大きい上に形状が複雑な屋根は一筋縄では行かない予感がします。
 しかも細密感はみにちゅあーとに慣れた身でもひと覚悟要りそうです。

 レーザーカットの窓の抜けは10年近く前のキットと思えないほどクリーン。
 そういえばキットを買った時に初回特典で「窓ガラスパーツ」がサービスされてきましたが、あらかじめ窓のサイズにカットされているのは非常にありがたいポイントですが、この部分は他社のキットで追随したところがないのが惜しまれます。

 ともあれ少しづつですが制作は進行中です。

中古品のロウレリーフ

2021-06-09 05:35:45 | ストラクチャー
 先日、丸半年くらいぶりに「鉄道民宿の中古ショップ」にお邪魔しました。
 久しぶりなだけに品揃えも前回とは変わり、新しいアイテムも増えていましたが、今回入手したのは「何処かのレイアウトで使われていたと思しきストラクチャーのジャンク品」です。

 コンディションについては贅沢は言えませんが、土台部分にベースの痕跡らしきボール紙とボンドが残っていたりとかします。
 ですが内張にアルミホイルを使っていることから内部照明を組み込んだ状態で使われていたことが推察されますし、一部の建物はロウレリーフよろしくノーマルよりも薄手に出来ています。

 なぜこれを買ったのかといいますと、今年に入って増備が著しい「一般民家の街並み」の背景に使う心算でした。
 帰宅後、早速街並みの裏にそれらを組み込んでみました。

 するとそれまでに比べて街並みの奥行き感が増大したのには驚くと同時に「買っといてよかった」と実感しましたw
 少しくらいラフな形状でも背景に徹するなら問題ありませんし、むしろ遠くに見える建物が精密に見える方が本来はおかしいのです。

 レイアウトをやってみて時々陥る落とし穴が「手前も奥も同じ密度と細密感で作ってしまうとかえって風景がうるさく感じられてしまう」事です。
 一方向から眺めるモジュールなんかだとこれは特に顕著で、近景と背景画の間に何かワンクッション置かないと落ち着いて見えないものです。

 そういう意味では細密度を落としたロウレリーフを中間の風景に組み込む意味は案外大きいのかもしれません。