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光山鉄道管理局・アーカイブス

鉄道模型・レイアウトについて工作・増備・思うことなどをば。
こちらはメインブログのアーカイブとなります。

GMの映画館を作る・その2

2022-10-09 05:22:24 | ストラクチャー
 前回紹介したGMの映画館の工作その2です。

 このキットの製作工程は事実上バス営業所に準じるものですが、工作の肝は当然「前面の製作」という事になります。
 前面ファザードの構造から言ってこの建物が建てられたのは映画の黄金時代と言える昭和20年代後半から30年代前半くらいまでではないかと思います。

(入り口と切符売り場がふたつずつありますが映画の黄金時代ではこれでも入り口に行列ができる事もままありました。後に映画が斜陽化してくると切符売り場もひとつになり片方の入り口が閉鎖されるか、或いは一つの建物内を仕切り二スクリーンにしてしまう改造が行われる事もありました)

 わたしの故郷の映画館でもこういう感じの建物はよく見かけた記憶があります。
 上述の通り、このキットのオリジナリティは前面ファザードですのでまずこの部分の塗装から始めました。
 映画館の外壁というと味も素っ気もない灰色のものからレンガ造り風の看板建築の物やらもあったりしますが今回は個人的な印象を優先してデッキタン(木甲板色)を吹いてあります。

 あとは窓枠パーツをクリアボンドで接着。裏側の建物部分はバス営業所と同じ工程なので今回は割愛します。

 ところでこのキットで唯一気に入らないのが「看板シール」
 下の演芸場を想定したものはともかくとしても映画館用の看板は正直頂けません。
 ロゴ自体が同じものでも当時(も今もそうかな?)は看板類はアナログな手描きが主流でしたから、こういう見るからに「プリンターで印刷しました風」の看板は正直似合わない気がします。

 まあ、この辺はそれこそユーザーの腕とセンスの見せ所かもしれません。

 形になった前面部分はこれだけで十二分な存在感を出せます。
 ですが、このあと馬鹿正直に後ろの建物部分を作ってしまうと下手な駅舎顔負けにスペースを食うのでこの部分だけロウレリーフ状にしてしまうのもひとつの方法かもしれません。

GMの「映画館」リリースに驚く(笑)

2022-10-02 05:51:20 | ストラクチャー
 今回はストラクチャーネタです。

 コロナ禍からこのかた昨年、一昨年は街がひとつできる位の勢いでストラクチャーキットを消化していたものですが、今となっては流石に積みキットの消化もひと段落しています。

 何しろブログを読み返してみたら今年に入ってからのストラクチャー記事は3月の帰省の折に持ち帰った頭端駅のはなしだけで、しかも製作記事ではありません。

 ですから今年はストラクチャーを手掛ける事も無いだろうと思っていたのですがそんな矢先に意外なダークホースに巡り合うのですから世の中はわかりません(笑)
 先日GMから久しぶりにリリースされた新製品で「格納庫」と共にリリースされた「劇場(映画館)」を入手したからです。

 当のGM自身が宣伝している様に80年代に一度製品化が予告され、試作写真までカタログに掲載されながらこれまでリリースされなかったキットが40年ぶりくらいにリリースされたといういきさつの一種「ロマンを秘めたモデル」という事も言えそうです(笑)

 実はこのキットは元々既に製品化されている「バス営業所」の本屋を転用し前面部だけを差し替えたもので当時の試作写真もそのことを示唆させるものでした。
 この点については以前当ブログでも考察した事があります

2020年2月21日掲載 GMのバス営業所キットで思いついたこと
 
 その時はまさか2年後にGMから本当に映画館がリリースされる事になろうとは夢にも思いませんでした(爆笑)
 要はそれくらい製品化が唐突且つ意外なタイミングだったという事です。

 当鉄道のレイアウトには小規模ながら「映画館通り」が作られていますから、その中の建物の差し替え、或いは拡張用にこのキットを使う確率は高いのでさっそく飛びついてしまった次第です。

 実際の工作工程については次回以降に。

甲府駅舎の里帰り(笑)

2022-04-17 05:42:01 | ストラクチャー
 今回も帰省関連ネタです。
I
 コロナ禍が問題になる前の年、夏の帰省の折に実家に持ち込んだ甲府モデルの「頭端駅」
 元々は山梨交通電車線の甲府駅をモチーフとしたもので、購入後甲府駅風の擬装を施したうえで実家に持ち込んでいたものです。

 当時は盆暮れに帰省したついでに実家で年越し運転や故郷での購入モデルの試運転の背景用に使うつもりのもので、実際2019年の帰省では随分と活躍したものです。

 ですが直後のコロナ禍で帰省の機会が激減したうえに、実家での鉄道模型の運転がスケジュールの短縮化に伴いほとんどできない状態になってしまいました。

 それと前後して、自宅のレイアウトの電気街を「令和から昭和30年代に時代を遡行させる」リニューアルを行なったのですが、ここでのランドマークたるべき駅舎が手持ちのものではどうにも貧弱に感じられたというニーズが生じました。

 こういう風景なら実家においてある「甲府駅」の方がはるかに様になると思えたので、先日の帰省の折に駅一式を持ち帰った訳です。


 帰宅後、早速駅舎を差し替えましたが周囲の街並みに対する親和度が一気に上がった感じがしました。
 昔の地方都市の私鉄ターミナルだったらこれくらいのアクがあった方が周囲の風景も賑々しく見えます。


 何しろ周囲が木造二階建ての店舗ばかりなのでランドマークとしても十分に目立ちますし。
 これで駅舎も落ち着くべきところに落ち着いたような気がします。

トイズスピリッツの「コンテナハウス」

2022-03-01 05:08:29 | ストラクチャー
先日、日産フィガロのミニカー(但しこちらは64分の1)に味を占めて(笑)近場のガチャを覗きに行った時に見つけたのがトイズスピリッツの「コンテナハウス」でした。

 わたしの故郷にも最近、コンテナハウスを集めた屋台街というのがオープンしたばかりだったので、こいつは眼を引きますw
早速一つゲットしてきました。

 ダイカスト製でずっしりとした重さ。これを人に投げたらそのまま凶器として通用しそうなずっしり感です。


 ダイカスト製なので細密感はそれなりのレベルですが、側面のゲートと正面のドアが開閉可能なギミックが楽しいアイテムでした。

 ですが問題はこのモデルのスケール。
 Nゲージには大きすぎるし、64分の1スケールのミニカーにはやや小さい。

 となるとカーコレ80なんかのHO・16番スケールあたりなら使えるかもしれません。
 実際、KATOのHOスケール(87分の1)辺りとならどうにか合いそうな感じでした。

 とすると、HOスケールのストラクチャーがそこいらのガチャでも買えるようになったという事になりますが。
 いずれにしても凄い話です。

TOMIXのレンガビルのはなし

2022-02-15 05:27:14 | ストラクチャー

昨年の後半はヘルヤンやウォルサーズのレンガ建造物を積みプラ消化していましたが、よもやこれ以上レンガの建物が増えることもないだろうと思いきや、またまた1軒増えたのですから世の中はわかりません。

とはいえ、レンガの建物としては結構な変化球なのですが。

先日訪れた「鉄道民宿の中の中古ショップ」で見つけたTOMIXの商業ビル。
そう、化粧レンガ仕様の5階建てビルです。

現在は完成品ばかりになってしまったこのビルですが、元々はキット形式で改造の種としても悪くないモデルでした。
上の写真の奴はかつて電気街のビルとしてほぼ無塗装で仕上げたものですが、化粧レンガと言ってもかなりベージュに近い色調です。

今回入手した中古モデルも初期モデルのキットメイク品ですが割合簡単にバラせる構造になってはいます。

とはいえ、これをそのままレンガ街に持ち込んでも周囲から浮いてしまうことは必須。
なのでリペイントで周囲の建物とマッチングを図ることにしました。
ヘルヤンの工場を塗装した時に使った、ダルレッドのスプレーがまだ残っていたので再塗装。田宮のすみ入れ塗料で漆喰に色差しをする処理もこれまでのレンガ建造物のキットの時と同様です。

これだけの事なのですが、周囲とそこそこ合うような色合いにはなりました。

ただ、そこまでしてもモダン極まりない前面の意匠だけはどうにもなりません。
そこでレンガ街では周囲に背を向けた配置になりました(笑)

形状は微妙なのですが、同じ色調の建物が集中する事でそこそこ統一感のとれた街並みにはなりました。
そういえばレンガ壁の建造物はジオコレのビルにもそういうのが2軒ばかりありましたが、いずれはこれも混ぜ込んでみようかなという気になります(笑)

コスミックのタワーマンションを配置してみる(笑)

2022-02-05 05:46:37 | ストラクチャー
 昨年の暮れに形だけはできたコスミックの高層マンション。

 実際は1棟の建物を唐竹割りしてツインタワーに見せかけた物ですが、この正月に早速、街並みのパーマネントベース上に配置してみました。

 建物のマッスが大きいだけに、ジオコレの店舗とかみにちゅあーとの二階家の住宅なんかは似合いません。
 何と言うか「住宅地に乱入してきた大怪獣」みたいなノリになってしまい、どうにも落ち着かないのです。
 このタワーマンションと組み合わせるには、少なくともこのマッスに負けないくらいの建物を組み合わせる必要があると感じました。

 そこで並べたのは一昨年に中古モデルを購入して継ぎ足した「TOMIXのマンション」の14階建と7階建。

 さらに手前の足元には昨年来作りだめしてきた「赤レンガ建造物の群れ」を配置しマンションの足元を隠しました(こうしないと「昭和の東映戦隊物の巨大ロボット戦」みたいにしょぼくなってしまう)

 手前には突堤をつけた線路を配置し、適当な通勤電車でも配置すれば「どこかの街の通勤路線」の雰囲気にはなります(自画自賛)

 高層マンション街の足元に立ち並ぶ赤レンガの工場街は「再開発の中で取り残された工場街が観光施設として再度脚光を浴びた」という趣になります。

 Nゲージスケールとはいえ、下から見上げるアングルだとこれは結構な迫力、と言いますか「いきなり上京してきたお上りさんの気分」になったのには我ながら何ともですねw

 例えるならば「あずさ」かなんかで上京した時、終点の新宿駅の手前に来たときに「副都心のビル街の迫力に圧倒される気分」のそれに近いです。

 なので、3連の短編成で、実車がこんな風景で走っていないと分かっていても「元205系だから」という理由で富士急6000系を配する気持ちはご理解ください(大汗)

 で、一度マンションを配置してみると、これがまた面白くなってきたのも確かでいろいろと組み換えを試してみたりします。その折に少々感じたこともありますので、いずれその事についても書きたいと思います。

コスミックのタワーマンションを作る・その3

2022-02-01 05:35:17 | ストラクチャー
この間から紹介しているコスミックのタワーマンションキットの製作。その3です。

ベランダを取り付け「アクリル製のただの箱」から「マンションらしい外見」になったタワーマンション。

屋上の上屋と1階のエントランス周りの組み立ては、これまでの工程に比べると楽な部類です。
パーツの合いが良いので、嵌め込み式の仮組みでもそれなりに見られますが、接着をした方が無難です。

この辺の造形はジオタウンやみにちゅあーとを見慣れた眼だと、幾分ラフに見える部分で他社ストラクチャーほどの細密感には欠けます。

ですが、実際に形が出来上がってみると、そんな些細なことがどうでも良くなるくらい迫力と存在感が半端ないのがこのキットの身上です。

何しろ大概のNゲージストラクチャーを睥睨できてしまう高さとマッスですから、ランドマークとしての機能は十二分に果たせます(笑)

今回のキットメイクでは前にも書いた通り、建物自体を対角線に二等分して「ロウレリーフ風のツインタワー」としても使えるように屋上パーツの一部を対角線上に二分割しています。
切断にはアクリルカッターを使いましたが、このキットの構造物はアクリルの厚みが約2.3ミリはあるので、アクリルカッターを使っても半端ない手間が掛かります(もちろん、素組みだったら問題ありません)

ツインタワー化したタワーマンションはこれまた迫力ものです。

書き忘れましたが、このキットは素材色が白しかないのでそのままでは安っぽく見えてしまう恐れがあるので塗装は必須。
それも実際のマンションを観察してから色を選択した方が良いと思います。

わたしは手持ちのカラーの中から適当に選んだのですが、やはりそれなりに違和感のあるカラーリングになってしまいましたから。

さて、このキットの真骨頂は製作の過程よりも出来上がりを実際に配置した時のインパクトにもあると思います。
それについては次の機会に。

コスミックのタワーマンションを作る・その2

2022-01-25 05:06:10 | ストラクチャー
  昨年暮れに上げた、コスミックのタワーマンション製作記の2回目です。

 各階のベランダ部分の取り付けはこの製作で最大の目玉にして最大の苦行でした(笑)
 総階数20階近く、しかもそれが壁面四面ある建物の全てのベランダをつけるという事は「同じ工程を80回繰り返す」単純労働。
 やる前から何となくうんざりした気分になるのは確かです。

 ですが一度始めると単純労働感はあるものの成果が目でわかるだけに止まらなくなったのも確かです。
 下層の4、5階くらいまではどこかしら面倒な感じがあったのに10階を過ぎたあたりから達成感と期待感が混ざり合った感覚を感じます。

 このあたりは何と言いますか、ビルを作っているというよりも山登りでもやっているような気分です(笑)

 なお、アクリルで構成された部材の一部にはちょっと曲げるとぺっきり折れてしまうので最低限の注意は必要です。

 80個のベランダを取り付けるのに大体1時間半くらいかかりましたか。
 ですが、完成させてみると「単なる箱がマンションらしくなった」のに感動します。
 しかも対角線で二分割したツインタワーとして並べるとシーナリィへの親和性もなかなかのものです。これがあるだけで同じ風景が一気に都会的に見えるのだから大したもの。
 やっぱり作ってみてよかったと思います。

 あとは上屋とエントランス付近の艤装、建物内部の処理の工程になります。

コスミックのタワーマンションに挑む・その1

2022-01-15 05:11:04 | ストラクチャー
 12月生まれのわたしですが、自分から吹聴していなかった事もあって、ここ数年くらい家族はもとより親兄弟までもがその事をすっかり忘れられている観があります(爆笑)
 そんな訳で誕生プレゼントの類もあまりないのですが、その分は「誕生日」を言い訳に大物キットなんかを買い込んだりしています。

 とまあ、前置きはそれくらいにして、
 今年の「わたしへの誕生プレゼント」となったのはコスミックの「タワーマンションキット」でした。


 この製品はNゲージスケールの日本形ストラクチャーとしては、おそらく初の高層建造物ではないかと思います。
 現代の都市形の風景にはこの手の高層建造物はつきものですが、特にマンションの場合「気が遠くなるほどのベランダ取り付け作業」が必須な事もあり、自作するにもかなりの難物と思っていました。
 それがキットという形で製品化されたのは驚きでしたし、見た目も悪くありません。

 そんな訳で、このタワーマンションについては夏の発売の時から購入を迷っていましたが、この機会にようやく手掛けることにした訳です。

 通販で届いたキットは薄い箱ながらずっしりと重く、なかなかの手応えです。
 キット自体はカッティング済みのアクリルパーツ。外壁に窓ガラスとベランダを取り付けるだけのイージーさに見えます。
 ですがキットとはいえ、何しろベランダ周りのパーツの多いこと!
 とりあえずここで腰が引けそうです(汗)

 キットの素体はつるつるの白いアクリル板の状態なので、まず各パーツを外壁の色に塗装してから製作に取り掛かりました。

 カットされたアクリルの組み合わせですが各パーツの精度が高いので、かなりかっちり組み込めました。
 ただ、アクリルの材質ゆえか、切り離し時や塗装で下地に貼りついた紙を剥がす時などに細かいパーツが割れる事があり、その都度補修はしています。

 とりあえず壁面は形になってきました。

 ところで今回の組み立てでは二面づつふたつのパーツを並べました。

 実はこのキットで唯一気になっていたのが「一棟だけポツンと建っていても何だか寂しく感じられること」でした。とはいえ、二つも三つも買うほど予算が許してくれません。
 なので二面づつ別個に組み立て「ロウレリーフ風ツインタワーマンション」として組み込もうかと思っています。

 幸いこのキットの敷地形状は、ほぼ正方形なのでこの手の二分割はそれほど違和感は感じません。
 (ただし、レイアウトに組み込む際には「視点が限定される」難点もあります)

「3丁目の夕日」の店舗

2022-01-08 03:42:58 | ストラクチャー

 先日、中古ショップで衝動買いさせられた(笑)ストラクチャーから
 「三丁目の夕日」関係のストラクチャーはある程度Nスケールに準拠しているので以前からレイアウトやモジュールに組み込んでいるのですが、今回見つけたのは過去購入したものと違うラインナップ(同一ネームの形状違いあり)

 現在改修中のモジュールにも使えそうな気がして・・・というのは言い訳です(大汗)

 入手したのは3軒。

 以前、前のバージョンを入手していた「茶川商店」
 前の仕様は「人が住めるのかどうかすら疑わしい、貧相な平家」だったのですが、今回の仕様はちゃんと2階が増築され、家らしい形状になりました。
 周囲に板塀も巡らされ、今回入手の中では使い出のあるデザインをしています。

 「理髪 カワイ」は昭和の床屋さんを体現しているような看板建築。
 一階の上に2階に別のファザードが継ぎ足された、看板建築としても結構曲者の外見をしています。
 こんな個性的な壁面の店はNゲージストラクチャーでもなかなか当たりません。その意味でも貴重な存在と思います。

 「角地の看板建築」と言うノリの「万亀堂商店」
 ラフなことはラフな造形なのですが、何と言ってもこの店頭が楽しい。
 まるで店頭バザーみたいな賑やかさですが、昔(と言っても昭和の40年代前後)の雑貨屋さんの店先なんてこんなものでした。

 食玩ストラクチャーの限界で造形のラフさ(それでいて独特の表情があるのですが)と室内灯組み込み不能なのはある程度仕方ありません。
 他社品と組み合わせるにしても「ジオタウン」や「みにちゅあーと」とかと組み合わせるには造形の落差が大きすぎます。
 ですがジオコレや一部のGM製品、あと案外、海外製のストラクチャーとなら、そこそこ組み合わせが効きそうです。

「テツモシンドローム」と「TOMIXの商店」のはなし

2021-12-28 05:23:26 | ストラクチャー

 今回は先日更新されたWEBの鉄道模型マンガ「TEZMO SYNDOROME(テツモシンドローム)」の第10話に触発されたネタです。

 内容は、鉄道模型女子の主人公、風奈がダイレクトメールの葉書に触発されてミニパイクの製作を夢想する話でしたが、その題材に選ばれたのが「TOMIXの商店」だったのにピンと来てしまいました。

 今でも大概の模型屋さんに置かれ普通に売られている上に、中古ショップでの出物も比較的多いアイテムなだけにあまり意識されることがありませんが、TOMIXの商店はリリースから優に40年近く経ちながら、今でも支持されている「偉大なる凡庸」的存在のストラクチャー。

 わたし自身、この趣味を始めて最初に買った一般建造物がこの商店でした。

 木造モルタル2階建の看板建築が3軒並んでいる構成は、店舗としてごくプレーンな形状で面白みに欠けるのも確かです。
 この直後に出たGMのキット形式の店舗がTOMIXのによく似ていたせいもあって1980年代初め頃のNゲージのレイアウトの作例は「駅前の風景がどれも同じに見える」という一種無個性な状態になってしまいました。
 (同時期のKATOのストラクチャーで輸入キットの店舗ビルが出た時「レイアウト上の建物は一つでも種類の多いのが望ましく、特殊な場合を除いて同じ建物があちらこちらに目につくのは、どうしても興ざめするものです」などと、この点を皮肉った様な表現が当時のカタログにあったくらいですw)
 ですから各店舗にどう手を加えるか、どこで個性を見せるかが当時のレイアウトビルダーの腕の見せ所でもあったといえます。

 TOMIXの商店そのものはプレーンな形状な上に、各パーツがしっかりはまっていて完成品としての構造もしっかりしたものだけに、素材としても加工のしがいのあるものでした。
 漫画ではファザードの加工やガレージの継ぎ足しなどを計画していましたが、そこまででなくとも、ただ色を塗り替え、サッシに色刺しするだけでも相当にリアルになります。
 もちろん製品そのままの状態で、お座敷運転で線路際に並べてもそれなりに見られます。
 が、ここで加工の手間を惜しむか否かがコレクターとモデラーを分けるポイントの一つになっている気もします(まるでリトマス試験紙みたい)

 さて、この商店がリリースされて40年。
 その間にTOMIXやGMのストラクチャーもそれなりに充実しましたし、ジオコレやジオタウンの登場、みにちゅあーとのペーパーキットの出現などもあって、この種の商店ストラクチャーは飛躍的に種類を増やしました。

 面白い事に、こうしたストラクチャーが充実した結果、一番最初に出たTOMIXの商店がようやく「何種類もある商店の中のひとつ」という本来の立ち位置に立つことができた、と感じます。

 同じ形状の店が何十軒と並んだ中ではまるで映えないTOMIXの商店ですが、形の異なる何十種類もある商店街の中に紛れ込ませると、かつて没個性に見えた建物が実に生き生きして見えるのです。

 これを「偉大なる凡庸」と呼ばずして何と呼びましょう。

KATOの「高圧鉄塔」

2021-12-15 05:40:08 | ストラクチャー

 最近、ショップの店頭で「STEAMで深まるNゲージキット」という製品をよく目にするようになりました。
STEAMというのがどういうものか今ひとつわからないのですが、Wikipediaだと「生徒児童の数学的、科学的な基礎を育成しながら、彼らが批判的に考え(批判的思考)、技術や工学を応用して、想像的・創造的なアプローチで、現実社会に存在する問題に取り組むように指導する」一種の教育概念らしいです。
 やっぱりよくわかりません(大汗)

 鉄道模型の世界にもこうした概念に準拠する形でキットメイクをさせる製品が出てきたのは面白い試みではあると思います。
 KATOではナローゲージのペーパー車体機関車キットとはんだ付け工作によるナローゲージ貨車キット(はんだ鏝をはじめ、はんだやフラックスも同梱している入門キット)なんかを出している様ですが、ヘルヤンで製造してKATOが売る形態の「高圧鉄塔キット」もその中に入っています。

 このキットは以前からKATOの通常品でも出ているプラキットなのですが「STEAMを絡めた12ページのフルカラーブックレット付」なのが特徴らしいです。組み立て方法だけでなく高圧鉄塔の特徴なども解説した「図鑑」の要素も併せ持っている様です。ですから完成の暁にはいっぱしの「高圧鉄塔博士」にもなれるかもしれません。

 まあ、私の場合このアイテムは、店頭で軽く手に取って見る程度だったのですが、その帰りに「通常品の鉄塔キット」が中古で並んでいるのを見つけて手を出してしまいました。
 まあ、こちらのは未組み立て品とはいえ、外箱がボコボコだったせいか、500円でしたし^ ^

 STEAMはともかくとして、KATOの鉄塔はサイズ的にはジオコレのそれほど大仰なサイズでなく、形状も比較的好ましいので機会があれば入手しようと思っていたモデルではありました。お値段も手ごろだったのでまあ、渡りに船ではあります。

 なお、今回のSTEAMシリーズではひとつだけ気になっている製品がありますが、入手した物かどうか検討中です。

線路際の「レンガ街」

2021-12-04 05:39:23 | ストラクチャー
 先月からこっち、赤レンガ造りのストラクチャーを数軒立て続けに消化していますが、これらを並べてみると意外と様になっているのに驚くやら自画自賛したくなるわで盛り上がっています(笑)

 特に線路沿いの風景にはよく似合います。

 まあ、ヘルヤンの工場は元々扇形庫や機関庫のパーツを転用したもののようですしウォルサーズの貨物駅も装飾はともかく形状は貨物駅っぽいので似合わない方がおかしいと言えなくもありませんが。

 最近はこの種のレンガ造りの工場や倉庫が地域のランドマークになったり、観光施設に転用されるケースが増えています。

 特に工場の場合、明治・大正期に当時は町外れの野っ原だったところに建てられたものが多く、それが戦後、特に昭和末期や平成期までの間にスプロール現象に伴い、周囲が都市辺縁部の住宅街になってしまったケースが多いようです。
 なので地域のランドマークというかシンボルとして保存されるケースが結構あり、和風の都市近郊風景として違和感なく存在できている様子です。

 (現住地にそう言う実例がないのが残念ですが)

 地方の拠点都市をモチーフにしたレイアウトを指向している当鉄道にとっては赤レンガ建造物というのはその意味でも魅力的なのです。

 早速これらの建物類を仮設台に載せ、周囲を和風の建造物で固めてみると予想通り違和感の少ない、しかも存在感のある一角が出現しました。
 何しろ建物の前にハイエースとAE86が置かれただけで異国情緒が一瞬で消えてしまったくらいです(爆笑)

 事前の予想ではもっと違和感があるかと思われたのでこれは嬉しい誤算でもあります。

ウォルサーズの「サンタフェ風貨物駅」

2021-11-30 05:29:02 | ストラクチャー
先日来積みプラ消化のトレンドになっている「赤レンガのストラクチャーキット」
今回はその第3弾です。

物はウォルサーズの「貨物駅・サンタフェ風」
実はこれ、10年以上前に今はなき天賞堂エバーグリーンで購入した中古モデルでしたが、作る機会を逸したまま10年積みプラしていた代物でした。

ところで「サンタフェスタイル」という言葉、意味が分からなかったのでざっくり検索してみたところでは「高温低湿の気候に合わせて土壁に日干しレンガの外壁を使い、手すりや庇に装飾が施された、エスニック系の雰囲気を持った建物」というらしいですが、やっぱりよく分からなかったりします(汗)

前回までのヘルヤン製の工場は塗装はともかく「組み立て自体は箱を組み立てる様なもの」でそれほど手間を要しませんでしたが、こちらは一筋縄では行きません。
壁面ひとつ作るにも、庇を支える支柱や排水パイプを取り付けたり、桟の入った窓ガラスを向きを間違えないように貼り付けるなど結構手間がかかります。

尤も、その反対給付とでも言うか「建物のキットを作っている」と言う充実感が高いのも確かです。
このキットは本屋と倉庫の2軒のパーツが封入されていますが、別々の建物として組み立てることも二つを接着して一棟にしてしまう事も可能。
今回は一体で作る方向で製作しています。

出来上がりは図体は非常に堂々とした物ですが「サンタフェ風の外観が和風の風景の中で浮き上がっている」弱点も併せ持っています(笑)
が、例えば「明治・大正期に建てられたアメリカ風の貨物駅の建物を平成以降に観光施設に転用した」と言う設定でねじ込むことはできそうです。

 試しに日本型の機関車を手前の線路に置いてみても案外悪くない雰囲気でした。

 と言うか、最近は普通の住宅でもこのサンタフェスタイルのものがちらほら出ているそうなので普通の風景でも意外と違和感がないかもしれませんが。

ヘルヤンの「機械工場」を作る

2021-11-13 05:50:37 | ストラクチャー
 前回のパン工場に続いて、ヘルヤン製としては日本のNゲージャーにも馴染みのある「機械工場」にも取り掛かります。

 こちらは前にも書きましたがこちらは既製品の「ラウンドハウス(扇形庫)の側壁パーツをそのまま転用」したものなので、その目で見ると「どこかで見たような感」がこれまた強い(笑)

 こちらは元々の成形色がレンガ色なのであえて塗装せず前回も使ったスミ入れ塗料のライトグレイを色差しするだけの下地処理を試しました。
 今でも残っている赤レンガ建造物は大概「築100年選手」がザラですから壁面がピカピカ、スッキリなんて個体に当たることはあまりありません。
 むしろ適当にラフな方がよりそれっぽく見えるのではないかと思います。

 そのほか灰色の窓枠は「デッキタン」灰色が強い屋根板はライトグレイにリペイントしています。

 パン工場の時と同様にこのキットも一番時間を食うのが壁面の下地処理でした(しかもその時間の大半が「乾燥時間」)
 組み立ては素組みでさえあれば1時間も要りません。ただ、形状の個性が強いこともあって複数のキットを切り継いで形状を変える楽しみも大きいと思いますからそうした改造まで手を広げると長いこと楽しめるのではないでしょうか。

 ところでこのキットの完成後のはなしですが、こちらはこちらでレイアウトのランドマークだけでなく赤レンガ倉庫よろしく「ミニカーの展示用背景」としても使っています。

 特にドリフト車とかカスタム車なんかを並べると「赤レンガでオーナーミーティング」なんてイベントが成立しそうで楽しい(爆笑)
 そういう使い方を思いつかせるのも赤レンガ建造物の人徳という奴でしょうね。