2011年夏終了アニメ「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」最終話の感想文

2011-06-26 22:45:40 | 2011年春アニメ関連

さっそく色々と春アニメが最終回を迎え始めています。最初の今回はフジテレビ深夜アニメ枠「ノイタミナ」で放映されたオリジナルアニメ作品「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」の最終話を視聴したのでそちらの感想を書いてみたいと思います。

Anohana13 Anohana14 「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」…A-1Pictures、フジテレビ、アニプレックスが共同で制作した完全オリジナルアニメ作品で、アニメ制作はA-1Picturesです。監督長井龍雪、脚本岡田磨里、キャラクターデザイン田中将賀と、「とらドラ!」スタッフが再び集結したこの作品、1話から魅せる演出とエンディングまでの流れが絶妙だったため1話からすでに別格の風格でした。

その後はめんまこと本間芽衣子の願いを叶えるために奔走する展開でしたが、一度解散した仲良しグループを再結成するために昔遊んだゲームを再びプレイするシーンや昔作った料理を作るところなど懐かしいと感じさせる描写も多く視聴者も当時を懐かしむ現象が見られ毎週盛り上がっていました。

Anohana15 Anohana16 そんななか仲良しグループの中でも一際強烈な個性を持っていたのはゆきあつこと松雪集で、あれが露見したときは泣けるシーンでもぶち壊しになってしまうほどの強烈な印象でしたが、あなること安城鳴子がホテルに連れ込まれそうなときに助けるなどカッコいいところも多くなんだかんだで良いキャラでした。

Anohana17 Anohana18 男女共に魅力的なキャラが多いですが、やはり欠かせないのはじんたんこと宿海仁太で、最初こそ引きこもりでしたが、あなるの援助交際疑惑のときの「俺を見ろ!」のシーンやバイトで一生懸命なところなどカッコいいところも多く主人公らしいキャラでした。

そしてこの作品の特徴の一つといえば、岡田麻理脚本による昼ドラ並の恋愛感情のもつれで、最初はお互いが本音を隠しながらつきあってたのが次第に昔に戻り本音を言い合うようになり、いつ殴り合いに発展してもおかしくない状況も作り出していましたが、それを絶妙なところでコントロールしていたのはさすがでした。

Anohana19 Anohana20 全11話という短い中、最後の最後に謎だっためんまの願いも判明し、手紙や朝日のシーンなど最終回は伏線を一気に回収しつつベタながら、それを感じさせなくて引きつけるような見事な演出、そしてあのエンディングと最後も素晴らしい終わり方で、自分は宿海塔子とめんまの会話シーンからラストまで泣きっぱなしでした。

Anohana21 Anohana22 作画は終始安定していたし、田中将賀デザインのキャラを忠実に描きつつ埼玉県秩父市の様々な場所を実際に登場させたため非常に良かったです。BGMも作品に合っていたし、演出との使い方が絶妙で作品をさらに引き立てていました。他にも声優の泣きの演技を絶賛する声も多く、戸松遥と近藤孝行の演技が特に印象的でした。主題歌もオープニングから良かったし、エンディング曲は作品通りとほぼ完璧な布陣でした。

総評

Anohana23 全体的な感想としては、やはり「とらドラ!」スタッフによる作品は素晴らしかったです。一つ間違えばファンタジーが入ったお涙頂戴の駄作になりそうですが、それを微塵も感じさせない演出の見せ方や、生々しい男女の恋愛感情を描くので有名な岡田麻里脚本を見事にコントロールした長井龍雪監督の実力はさすがでした。11話完結だったためもう少しキャラクターの話が欲しかったり、1話と最終話が良すぎたため中盤はイマイチと感じてしまいましたがこれだけ少ない尺で十分な個性を見せ視聴者に印象づけたのは上手かったです。

全体的な個人的評価としては、1話の時点からすでに別格の風格だったため余裕でSランクをつけてましたが、埼玉県秩父市を元に描いた丁寧な作画も良く、音楽や演出の見せ方、声優の演技も見事で主題歌も良くそして何より泣けるラストだったので文句なしでSランクです。

この作品により埼玉県秩父市の町おこしも盛り上がっているようだし、ZONEが1ヶ月限りの復活を実現させたしノイタミナ枠の視聴率も回復したしと経済効果においても貢献したみたいです。オリジナル作品でここまで魅せるとは…長井龍雪監督からはこれからも目が離せません。


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