2009年秋・アニメ最終回の感想文その8

2009-11-18 02:58:42 | 2009年夏アニメ関連

 残っている夏アニメを視聴するたびに、ホント夏アニメは豊作だったんだなと実感してしまうことも少々。今回は夏アニメでも評価の高かった部活動をメインとしたアニメ「宙(そら)のまにまに」「GA 芸術科アートデザインクラス」の最終回を視聴したのでそちらの感想を書いてみたいと思います。

Soranomanimani2 Soranomanimani3 「宙(そら)のまにまに」…月刊アフタヌーンで連載されている柏原麻実の漫画「宙のまにまに」のアニメ化作品で、アニメ制作はスタジオコメットです。「蟲師」以来久々となるアフタヌーン作品のアニメ化だったこの作品、第1話は強引な性格でありながら嬉しさのあまり泣いたりしていた明野美星に萌えつつもなかなか見ていて小気味よい雰囲気を出していて良作の予感を感じさせてくれました。

 そしてその予感どおり2話以降も面白く、最初の天文部の活動では夏の星座を見る話とかが描かれていましたが、夏に星を見るために必要な事や星の見つけ方、夏の代表的な星座の一つ北斗七星にデネブ・アルタイル・ベガからなる夏の大三角…と天体観測や星にまつわる雑学が次々と紹介されて見ていて非常に参考になりました。天体観測を行うときは月が沈んでから始めるとか初めて知ってなるほどと思うところも多かったです。

Soranomanimani4 作画に関しては、キャラクターの描写はかなりあっさりしていてアクションもほとんど無いため動いてもいませんでした。しかしその分の作画を全て星空に回していて、普通アニメの星空は大量に光を散りばめて天の川のような光る星空を表現しますが、この作品はアストロアーツや本物のプラネタリウム、実在の天文部などに協力してもらい実際の星空とほぼ同じリアルな星空を表現していて、地味ながら素晴らしい仕事をしたと思います。

 キャラクターも個性派が揃いつつも魅力的な人物が多く、みーちゃんこと明野美星は相変わらず素直な性格で良かったし、生徒会長もツンツンしてると思ったら案の定後半はデレてたし良かったと思います。

しかしやはり後半に出てきたあのお方が人気を一気にさらっていった気がしないでもない。

Soranomanimani5 秋の星座の話では神話とリンクさせてくることにより天体観測の新しい楽しみ方を伝えてきたし、過去にこれほどまで星に関してこだわりを見せてきた作品は無かったと思います。そしてその集大成が最終回で、冬の星座の代表格オリオン座をメインに冬の大三角、大六角の紹介…と続き、冬にしか見られない星も紹介しつつ最後も見事に締めていて最終回は鳥肌立ちっぱなしでした。後味も良く1クールと短い期間でしたが良くまとまっていたと思います。

 たしかに「ふと夜に星空を見たくなるアニメ」と呼ばれるに相応しい作品で、部活動の当たり年と呼ばれた夏アニメの1つと言われるだけのことはある素晴らしい作品でした。この作品を見終わると思わず星空を見上げずにはいられません。

 しかしこの作品、舞台が天文部で地味だったうえになおかつキャラクターの作画があっさりしすぎていたためか面白い作品なのにDVDはほとんど売れてなく非常に残念です。今の世の中面白ければ売れるというわけじゃないのが実に悲しい…。

Ga2 Ga3 「GA 芸術科アートデザインクラス」…まんがタイムきららCaratで連載されている、きゆづきさとこの漫画「GA 芸術科アートデザインクラス」のアニメ化作品で、アニメ制作はAICPLUS+です。今も昔も再放送しかアニメを放映していないとちぎテレビで唯一放映されたこの作品、第1話を見た感想としてはキャラクターの説明があまり無くてちょっと困惑しつつも、芸術に関する雑学が多くちょっとためになる作品…といったかんじでした。

 そして2話以降も同じようなノリで続いていましたが、とにかく芸術や美術に関する雑学が多かったです。鉛筆に9Hから6Bまであることや、暖色や寒色などの色彩、写真の構図を取るのに三分割法を使うことや、だまし絵、アイドマの法則…と出るわ出るわ。作者自身が漫画だけでなくイラストレーターとしても有名なせいかもしれませんが、その雑学の多さに見ていて思わず感心してしまうほどで、そのため見ていて飽きがきませんでした。

 キャラクターも最初は誰が誰かよく分かりませんでしたが、オープニングで登場人物と名前が出てくるので3話程度見たらもう顔と名前が一致するようになり全然気にならなくなりました。キャラクターも個性派揃いで、天然キャラから不思議系、おっぱいさんもいたし魅力的なキャラが揃っていました。シナリオも面白く、各キャラが毎回個性的な課題を提出したり、もう一つの舞台として美術部も活躍していたりと話のテンポも良かったです。

 美術を扱った学園モノというとどうしても同じまんがタイムで連載されている「ひだまりスケッチ」と比較してしまいますが、「ひだまりスケッチ」は美術科の生徒達が繰り広げる日常の出来事や学校行事などをメインにした作品なのに対し、こちらの「GA 芸術科アートデザインクラス」は芸術科の生徒達が日常の出来事を交えつつ、美術・芸術の課題や作品を作ったりコンクールに出展したりする話と、お互い違う方向性を持った作品になっていました。人気や実績・ノリの良さではひだまりの方が高いと思いますが個人的にはこちらのGAの方が作品としての内容が濃いため好きですね。

  何気にこの作品のオープニング曲が夏アニメで一番テンション上がるオープニングだったし、女子美術大学に協力してもらっていて美術品の作り込みも良かったし、美術に関する雑学も多くて面白かったし…とローカル局でのみ放映されていたため知名度こそ低かったですが完成度は高く素晴らしい作品でした。気になったのは色彩戦隊イロドルンジャーがいきなり出てきて延々と戦うシーンとかが長くてダルかったぐらいでしょうか。

 さすが部活動アニメの当たり年と呼ばれた夏アニメの一つ、非常に楽しませてもらいました。この作品は時系列が進んでいなかったし最後も最終回らしくない終わり方だったし、DVD売り上げもなかなか良好のようなのでもしかしたら2期があるかもしれません。個人的には2期を是非ともやってほしいです。原作も面白そうだし買ってみたいと思いました。とちぎテレビよくぞ放映してくれた!


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