(若干ネタバレあり)「劇場版ラブライブ! The School Idol Movie」感想文

2015-07-05 21:33:10 | 劇場版アニメ

 先日遅ればせながら友人達と「劇場版ラブライブ! The School Idol Movie」を視聴したのでそちらの感想を書いてみたいと思います。大人気作品の劇場版ということで前人気は猛烈に高く、ラブライバーが各地で行列を作り現在でもアニメ劇場版興業ランキングで1位になったりと何かと話題作なだけに個人的にも注目していました。

アニメ版の最終回の後に発表された劇場版なだけに、話の内容はアニメ版の続きといったところでした。序盤はちょっと意外な流れで舞台が変わっていましたが、真っ先に思い出したのは「けいおん!!」の劇場版でした。あれとちょっと流れが似ています。そのためどうしても意識して比較してしまいましたが、やはり日常シーンの雰囲気というか空気の演出のうまさは「けいおん!!」が素晴らしかったと再確認してしまいました。しかしラブライブのほうも決して悪くはなかったです。

あとどうしても気になったのはいきなりライブが始まる演出でしょうか。1期でもたまにありましたが、いきなり別世界に飛んでライブを始めてしまう演出はファンタジーすぎてイマイチ馴染めません。良く言えば作品の個性とも言えますが、もう少しリアルさも重視してほしいところです。中盤以降現れた謎の女性も結局なんだったのか明かされず、視聴者に想像をお任せする投げっぱなし状態だったのもマイナスポイントです。

しかし終盤で穗乃果が答えを見つけたあとの流れは非常に素晴らしく、これぞラブライブといった流れで文句無しでした。何のために歌うのか、そしてスクールアイドルが好きという単純ながら明確な答えを出して周りの皆を巻き込みながらの一大イベント、そしてあのライブシーンへの流れといい非常に良かったです。スクールアイドルという限られた時間の中でやりたかったこと、そして視聴者が見たかったものを実現させたのはアニメ版では出来ていなかったことだったため満足でした。

作画は文句なしです。テレビ版でも非常に良かったですが劇場版でも変わらず、背景やライブシーンに至るまで非常に作りこまれ、ライブでのCG演出も手描きが多く手間がかかっているのが分かります。BGMもアニメ版に負けず劣らず素晴らしく、空港でのシーンや終盤の日常シーンなどBGMに関してもアニメ作品の中ではトップクラスです。歌も良かったですが特にラストシーンのライブの曲が印象的でした。

総評

全体的な感想としては、テレビ版を補完する最終回という意味では良い作品でした。ただテレビ版と比較すると伏線の回収がほとんど無く、演出にも物足りない部分が多かったため傑作とは言いがたい出来です。それでもさすが劇場版なだけあってライブシーンの作画は圧巻でした。

全体的な個人的評価としては、これだけの話題性があった作品ながら期待には十分応えていたし良い部分も多かったですが、気になる箇所もいくつかありテレビ版と比較してしまうと物足りないと感じたところもあり、視聴する価値は十分にあるが1回見たらもういいかなと感じたためBランクです。