ミャンマーチーク屋さんのわが道を行く

日々の出来事と旅と愚痴と文句を勝手に語る日記。

インドネシア旅(シンガポールの奇跡)

2024-08-03 19:24:07 | 旅行(海外)
名古屋発シンガポール行き、久しぶりのシンガポール航空はエコノミーでも大きなシートモニターだし、機内食の後のハーゲンダッツもうれしい。ANAもそうだけど、中国の大陸系とは何もかも異なり、やっぱりちゃんとした会社は違うなとあらためて感じた。6時間後、シンガポール到着。今日はここで1泊。

この後の予定はホテルに荷物を置いた後、バスでマレーシアのジョホールバルへ出国。夕食を食べて再びシンガポールに戻ってくるつもりだった。で、地下鉄でホテルへ向かう。ホテルはシンガポールの赤線地帯と呼ばれるゲイラン地区。シンガポールで安さを求めると、おのずとこの辺りになる。ちょうど10年前、あの屋上プールがあるマリナベイサンズに1泊だけ泊まり、翌日、都落ちして泊ったのも、やっぱりゲイランだった。

シンガポールの地下鉄は少し前から紙の切符を廃止している。乗るには日本のトイカのようなシステムを使用するか、1回1回利用する場合は、ビザかマスターのタッチ決済のできるクレカを使用する。便利だが、複数人いる場合、1枚のクレカではダメで人数分のクレカが必要になる。これを知らなかった私は1枚のクレカで改札をくぐり、改札前で待つ妻にクレカを渡すこの方法で乗ろうとしてしまった。当然、妻の改札は開かない。すぐに係員が飛んできて事情を説明され、ようやく理解する。そこで妻と娘のクレカを用意しようと近くにあった切符売り場のカウンターにバックの中身の一部を置いてクレカを取り出した。

これがいけなかった。

その後、地下鉄に乗り、無地にホテルに到着。そこで3人分のパスポートと現金15万円の入ったポーチがないことに気づく。幸い取り出したことでクレカだけは手元にある。すぐにあの時、あのカウンターに…と気が付いたが、あれから45分は経っている。現金はともかくパスポートがないことに絶望と落胆、プラス血の気が引く。多分、もうない…。これで明日、インドネシアには行けない。妻は激怒し、事情のつかめない娘は「パスポート再発行すればいいじゃん…」と呑気に言っている。ともかくすぐに来た道を引き返し空港へ戻る。移動中も妻の怒りは収まらない。何年か前にオマーンでタクシーの中にデジカメを忘れたことまで持ち出して、ここぞとばかりに責め立ててくる。ごめんなさいを30回以上は言ったと思う。事情を理解した娘は「シンガポール楽しめばいいじゃん!」と、割と前向きだった。頭の中ではパスポートの再発行の手順を考えていた。幸いクレカはある。現金はなくてもお金には困らないから、最悪の事態は回避できる。ただもしかすると現金だけ抜き取られ、パスポートだけは返ってくるのではないかと、一縷の望みにかけていた。

空港に到着、すでにこの時点で1時間40分経っていた。置き忘れた地下鉄の切符売り場のカウンターへ行くと何もない。すぐに係員に事情を伝えると、「向こう側のカウンターへ行ってみて…」と何かを知っていそうな感じだった。向こう側のカウンターへ向かうと、ガラス張りの事務所の向こうに見覚えのあるポーチが見えた。確認すると現金も含めてすべて無事だった。中にいた駅の係員が拾ってくれた別の係員にお礼の手紙を書いてほしいと、紙とペンを持ってきた。最大限、丁寧にお礼の手紙を書き、そこにいた係の人に感謝を伝え、再び宿へ向かった。

ここまでで2時間が経っていた。
ホッとしたせいか、ドッと疲れが出て、もう完全にマレーシアへ渡る気力が無くなっていた。これがインドやメキシコならおそらく無かっただろう。シンガポールだったのと、見つけたくれたのが、駅の係員だったのが幸いしたと思う。

まさにシンガポールの奇跡と言うほかない。

妻の怒りもようやく収まって、やっと強いストレスから解放された。それにしても、あんなところに大事なパスポートを置き忘れるなんて、つくづく焼きが回ったなと思い落胆する。初日はそんなこんなで、宿の近くで夕食を済ませて、早々、宿に帰り、あらためて駅の係員に感謝して眠りについた。

つづく…
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