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花歩る木

山と旅がすきです

最近見た映画3本

2015-07-25 13:06:56 | 映画 演劇

最近見た映画の事

         「ターナー 光と愛を求めて」

         

         2014年に創られた映画です。日本で上映されるのを待ちわびていた映画でした。
         何しろ、イギリスの画家で一番先に名前を覚えた、大好きな画家ですから。
         彼の人生を題材にした伝記映画ですから、期待に胸ふくらませていたんですよ。
   
         (1775~1851)生涯一度も結婚しなかったが、元愛人と娘には
        冷たくあしらい、献身的な家政婦にはヒドイ扱いをするターナーには
        気持ちが悪くなってしまいました。
        臨終の言葉は「太陽は神だ」 だったようで、光を求めた画家の叫び
        だったのでしょう。

        ティモシー・スポールという俳優は、カンヌ映画祭男優賞などを受賞し
        いるから、演技は良かったんでしょうけど、私はもっと美しいものを
        イメージしていたので、後味のわるい感想を持ちました。
         
                              私の好き度 ★★☆☆☆
         

         「アリスのままで」

         

         日に日に記憶を失っていくヒロイン、ジュリアン・ムーアが熱演して
         アカデミーショウを受賞している映画です。
     
         若年性アルツハイマー病と診断された50歳でコロンビア大学の
         言語学者のアリスの苦悩と葛藤、そして彼女を支える家族との
         絆を描いた映画。
         原題は、「STILL ALICE」・・・と言い、日々多くを失い変わっていくけど
         彼女の本質はかわらないまま・・・だという意味なんでしょう。
        

         映画の中で、「癌だったら良かったのに…」と言う言葉をもらしましたが  
         ドキ!っと しました。 
         「もしも自分がアリスだったら…?」と考える普遍的な テーマでした。
                                  
                                      好き度 ★★★★☆

         
         「山の音」

         三鷹市芸術文化センターが企画した 「小説を、見る。 文豪作品が
         原作の映画特集」・・・が毎月1回、行われます。
         今回は、川端康成の「ありがとうさん」(1936年 白黒)と
                      「山の音」(1954年 白黒) でした。

         60年前の白黒映画。成瀬巳喜男の作品。
         原節子、山村聰、上原謙、杉葉子、長岡輝子 など

         結婚して2年もたたないうちに愛人を作った夫は、健気に尽くす妻の菊子を
         冷たくあしらい続ける。同居する舅はそんな嫁をきずかい、菊子もまた、
         舅を心の拠り所にしはじめる、のだが・・・。

         堕胎する原節子をめぐって「浮気の抗議ですよ」と言う姑。
         「潔癖なんですよ」と言う息子。「私を見て子を持つのは嫌だと思ったんでしょ」
         と言う義理の妹。  みんなヒドイ!

         映画は原作から離れているんでしょうけど、納得できないところが多々あって
         もう一度読んで見ました。   なるほど、上原謙の退廃的な性格は、
         太平洋戦争から復員した「心の負傷兵」だった、と言うことでした。

         原節子さん、清潔で、きれいでした。
                                        好き度 ★★★★★

 


映画「百日紅」

2015-05-16 19:56:08 | 映画 演劇

5月11日 映画「百日紅」を見てきました。

      
      杉浦日向子の同名漫画を、原恵監督がアニメーション
      映画化した人間ドラマです。
      
      葛飾北斎の娘・お栄が主役で、杏がアニメ映画の声優に
      初挑戦しました。

      

          庶民から愛された浮世絵師 葛飾北斎の三女・お栄も
     スバラシイ腕前の浮世絵師だったそうです。
     画号の応為(おうい)と言う名の由来は、北斎が「おーい、おーい」と
     呼んでいたので、そのまま画号になったそうです。
     
     江戸に生きる人々をたんたんと描いて、ストーリーに特別な
     盛り上がりはなく、お栄が杏さんそのものの様なキャラクターに
     重なって、身近に感じられました。

     江戸の風景が美しく、とくに川と橋が素晴らしかったです。
     江戸好き、杉浦日向子さんフアンには、
     魅力があったんじゃないでしょうか?

      真ん中の獅子は北斎、周りの花は娘の合作
      真ん中の獅子は北斎、周囲の花は応為 の合作

      北斎と応為は、片付けができなくて、部屋が散らかったら
      引っ越しを繰り返していたそうです。
      その為北斎は生涯で90回以上引っ越しを経験しているとか。

      応為は、父の北斎を看取った後、家出をして消息不明と
      なってしまったそうで、そのためか現存する作品は
      10点余りと少ないのだそうです。
   
     


ジュニア・フィルハーモニック・オーケストラ

2015-01-24 14:07:53 | 映画 演劇

2015・1月・18日

      ジュニア・フィルハーモニック・オーケストラの
      定期演奏会に行ってきました。サントリーホール。
      午後2時開演で、夜嫌いの私には好都合でした。

         「ジュニア・フィルハーモニック・オーケストラ」は、
      1992年以来、ある会社が「次世代人材育成支援」を掲げて     
      毎年主催しているものです。

      小学生から大学生まで、さまざまな男女がおおよそ100人
      集まっているそうです。

      長年、故山本直純さんが指導していらしたが、今は、斎藤真知亜さんが
      その後を引き継いで13年も指導していらっしゃるんだそうです。
      
      

      曲目は、ヨハン・シュトラウスⅡ:ワルツ「春の声」
  
           グリーグ : ピアノ協奏曲 イ短調
                  
             アンコール シューマンの「トロイメライ」

           ブラームス : 交響曲第1番ハ短調       

             アンコール ブラームスの「ハンガリー舞曲」 でした。

       最初の「春の声」は、全体に緊張して、力が入っているナ~と
       感じましたが、グリーグのピアノ協奏曲になったら、
       世界的なピアニスト 江口玲さんの すばらしい演奏に引っ張られて、
       立派な出来でした。
       
       江口玲さんの 「トロイメライ」 、 ジュニアの「ハンガリー舞曲」 の
       アンコール曲が、特に素晴らしかったです。

           HPより

      まだ幼さが残っているコドモもいましたが、才能に恵まれて
      音楽に出会えて、オーケストラが大好きな若者達。
      たのもしい将来が待っていますよ。
            



      


            



            

      
      


映画「蜩の記」

2014-10-21 15:28:47 | 映画 演劇

10月15日 映画「蜩の記」を見てきました。

            とても美しい映画でした。
     
      原作は、直木賞を受賞した 葉室麟さんの時代小説。
      10年後の切腹を命じられた武士の生き様、家族愛、師弟愛を
      描いた小泉堯史監督の作品です。

      
      役所さん演ずる戸田秋谷の覚悟は清々しく、美しく、カッコイイ。
      岡田クンの武術や立ち居振る舞いの美しさ、カッコイイ。


       
      上田正治キャメラマンと小泉監督    舗装された道を土で覆い隠す作業

       
      3台のフィルムカメラで望遠で撮影するやり方。本番は一回のみだそうです。

       
      主人公の家、遠野ふるさと村の庄屋の家を 撮影用に変えたAFTERの場面。
     
      偶然にもオールロケの7割を遠野で撮影した場所を 映画館の画面で見られて
      胸がいっぱいになりました。
      

      日本の四季の風景が、本当に美しいです。
          
      加古隆の音楽も、詩情あふれる日本の自然によりそった静かな旋律で、
      音楽が全くない場面もすごく生きていました。
 
      映画全体、凛とした空気が立ち込めていて、終わってからも余韻が残りました。
      抜群に私が今年一番感動した映画でした。お勧めします。

      皇后陛下もごらんになられましたよ。
      

 


映画「ふしぎな岬の物語」

2014-09-30 10:40:53 | 映画 演劇

 9月26日 映画「ふしぎな岬の物語」を、見てきました。     

      モントリオール世界映画祭で審査員特別賞を受賞した吉永小百合さん主演の映画。
      10月11日のロードショウに先立って「特別試写会」がもようされ、吉永さんと監督の
      成島出さんの挨拶がありました。
      JRの「大人の休日倶楽部」で、募集していて運よく当たったのです。

      
      

       吉永さんは、着物姿ではなく、ピンク色のスーツでした。
       映画人生50年の中で、初のプロジュースをしたこと。
       音楽には、ギターを使いたくて、村治佳織さんに頼んだこと。       
       モントリオールの会場で受賞を告げられた時には、「キャー」と言ってしまったこと。
       ご自分の今後について、映画にかかわった仕事をしていたい。
       ・・・等のお話がありました。

       海の向こうに富士山を望む、のどかな村の岬の突端に建つ「岬カフェ」。
       住人たちのお目当ては、店主の悦子(吉永小百合)が幸せを祈って入れる、1杯のコーヒーだった。
       「おいしくな~れ おいしくな~れ」と呪文を唱えると 不思議においしくなるらしい。
       
       モデルになった喫茶店は千葉県鋸南町に実在するそうで、今は大変な人出で大賑わいだそうです。

       お互いを思いやる、人間のやさしさと癒しの物語でした。
       吉永さんの変わらぬテーマです。
       今回は、プロデュースをご自分でなさったというから、全体の傾向が少しは変わったかしら?
       ・・・・と思ったのですが、終ってみれば、完璧な小百合調でした。
       外国で認められたんですからそれが良かったんでしょうね。       

 

       


映画「リスボンに誘われて」

2014-09-29 15:59:40 | 映画 演劇

9月22日 映画「リスボンに誘われて」を見てきました。

      原作は「リスボンへの夜光列車」という、ベストセラー小説だというし、
      映画の予告を見て、俳優さんの名前は知らないが、欧州の名優
      であり、魅力的でしたので、絶対見たいと思っていた映画でした。      

      
1行目で 
       心が動き

 2ページ目で
       列車に飛び乗り

 3章目で
       人生が変わった

映画のチラシの名文に
心動かされて、
 この映画を見ました。

      

     
        物語
       スイスの高校教師グレゴリウスはある朝、橋から飛び降りようとする若い女性を
       助ける。この出会いが彼の人生を大きく変えることに。
       カギとなる一冊の本と列車の切符を手に、平穏だが平凡な日々をおくっていた
       初老のグレゴリウスはリスボン行きの夜光列車に、とび乗ってしまう。 
        
        本の著者を訪ねてリスボンを歩き回るグレゴリウスは、やがて30年前の
       独裁政権下で青春を過ごした若者たちの人生と、後に残された者たちの
       人生に深く深くかかわることになる。
     
       
      
           1970年代、ポルトガルで激化する民主化運動を背景にした友情と愛の物語なんです。
       ポルトガルの歴史を知らないと十分な理解が出来なかったのが、もどかしかったです。 
       
       

        
       ラストシ~ンが、とても印象的。
       
       別れの日、駅で、主人公(ライムント)は、マリアナに「ここに残らない?」と言わて
       THE END でした。
                                             残るのかな~~?  

        
       次に旅行する国の候補にポルトガルを考えていました。
       テレビの旅番組をみても、この映画を見てもなお、背中を押してもらえません。
       理解できなかった部分は、多分原作を読んでも私には無理かも?
       ・・・・という、私にはレベルの高い映画でした。   

      


映画・フィガロの結婚

2014-09-14 17:20:43 | 映画 演劇

9月8日 パリ・オペラ座で上演される演目を映画館で鑑賞するライブビューイング。
      2013年~2014年にオペラ、バレエの計8演目を映像に収め上演する企画です。
      
     
     
      何せ、夜7時から~10時半頃までの長時間なので、簡単には足を運べません。
      9月の「フィガロの結婚」は、ぎりぎり 友達と行ける季節なので、誘って行ってきました。

      「パリ・オペラ座へようこそ」というライブビューイングですが、私たちは「Bunnkamuraル・シネマ」へ
      行きました。
      
      
      
      鑑賞料金3枚セットで9000円 ↑      開演時間前のパリ・オペラ座です。

      
     フィガロの結婚 

     
 18世紀半ばのスペイン・セビリアを舞台に、とある伯爵邸で起きる、伯爵とその従者、女中らが繰り広げる
      恋愛騒動を描いた「セビリアの理髪師」の続編になるストーリーです。

      映画の画面は、柔らかな色調、登場人物たちの優雅な動き、すばらしい声量の中で、
      貴族と庶民の「知恵比べ」がユーモアたっぷりに表現されていきます。

      主役を歌う歌手は、ずっと舞台に出ずっぱりで、歌いますが、訓練の賜物なのでしょう
      素晴らしい声で美しいメロディを歌い続けますね~

       

      事前にあらすじをさらっていきました。が、細かい所作は、見逃しているんだろうと思います。
      有名な俳優さんばかりですが、ほとんどそんな知識がないのが残念でした。
      モーツアルトの音楽だけは、なじみのあるものでした。
      

      高画質の画面は、衣装は勿論、バックも舞台装置もきれいで、友達3人でおおいに気に入りました。
      8月にBunkamuraで本物のオペラ 「カルメン」 を見たときよりも、ず~っとわかりやすかった、と
      喜んでくれて、その一人はもう一度ほかの友達を誘って行ってきたそうです。


映画「パガニーニ」

2014-07-31 16:18:55 | 映画 演劇

7月29日午前  映画「パガニーニ」を見てきました。

      「愛と狂気のヴァイオリニスト」という副題がついています。
      パガニーニの曲を聞けば、誰でも聞いたことがあると思いますが、
      パガニーニの「悪魔のヴァイオリニスト」・・・と呼ばれる伝説の人生は、
      ご存じの方は、多くないかもしれません。

      物語は、欧州一の人気者となったパガニーニは、酒と女と賭博に
      溺れるが、ツアー先の英国で指揮者の娘シャーロットと出会い、
      清らかな歌声に心を打たれる 破滅型の天才の「ただ一度の
      純愛」 を描いたもの。

      
      ニコロ・パガニーニ            NHKらららクラシックより
           
      
      超絶技巧でヨーロッパの聴衆を熱狂させた伝説のヴァイオリニスト
      ニコロ・パガニーニ(1782~1840年)。

      デイビット。ギャレット(主演男優)

      
      
     
     
          「主人公がパガニーニという大変な技巧の持ち主で、しかも
      演奏シーンが多い。 俳優より、ヴァイオリニストの僕がやるのが
      ベストだと思う」 と名乗り出て、銀幕デビューしたデイビッド・ギャレット。
      上の写真は、弦1本でも演奏を続ける現代のパガニーニ。
           

      カジュアルなギャレット
       
                                                 HPより
      「21世紀のパガニーニ」と呼ばれるディヴィット・ギャレットです。
      33歳だそうですが、5億円のストラディヴァリウス。190㎝近い長身。
      モデルもこなす美貌の持ち主

      Bunkamura ル・シネマで見たんですが、最近めずらしい超満員でした。  
      女性客が9割。 音楽が好き、天才が好き、その上イケメンが大好き・・・だからネ。   


西荻おわら風の舞

2014-07-30 13:57:32 | 映画 演劇

7月27日(日) 「西荻おわら風の舞」というのを、見に行ってきました。

      JR中央線・西荻窪駅前通りで、「おわら風の舞」がおこなわれるという
      新聞記事を見て、風の盆に2回 富山へ 足を運んだフアンとしては
      どんなものか…? 見ないわけにはいきません。

      今年は3回目だそうですが、午後4時ごろかなり強い雷雨があって、
      出来るかどうか? 危ぶまれましたが、1時間ほどでおさまって
      6時の開会の頃には、蒸し暑さも持ち去られて好条件の舞台が出来ました。

      越中おわら節同好会「高尾会」の人たちが、600mの乙女ロードを
      地方(じかた) の演奏にあわせて踊り流す「町流し」です。 

      

       女踊り

       写生をしている人

     
      

       男踊り

      富山の八尾では、7時までにお天気の具合で催行か、中止かの判断が
      下されます。9月1,2,3日は二百十日の台風シーズン、なかなか
      晴れの日に当たるのは難しいのです。
      場所を町から、特設の舞台にかえて観客はもらった合羽を着て
      みたこともありました。

      西荻窪なら、近いから 情緒豊かな踊り、胡弓、三味、笛の音を聞きに
      来年も見に行こう・・・と楽しみが増えました。


歌舞伎鑑賞教室

2014-07-12 15:19:55 | 映画 演劇

7月8日  歌舞伎鑑賞教室へ行ってきました。

      

近くの大学の社会人向け勉強会の
1科目に歌舞伎鑑賞教室がありました。

前から、新しい歌舞伎座へ行って、
歌舞伎を見たいと機をうかがって
いましたので、この際、とりあえず、
歌舞伎の勉強をするのも必要かな?
 と思い、国立劇場へ
行ってみることにしました。

この日の時間割は

講義   12:00~13:00
昼食会  13:00~14:00
鑑賞会  14:30~16:40

私たちのグループは、20人。
夜じゃないので良かった。




 


      演目は、近松門左衛門の作で、義太夫歌舞伎(義太夫の演目を
      人間歌舞伎にしたもの)の曲名。1幕だけですが、その前に
      澤村宗之助の「歌舞伎の見方」という、分かりやすい解説があり、
      現代劇と歌舞伎の演じ方の違いを「お化け屋敷」の場面で
      比較して説明し、次に上演する「傾城反魂香」のあらすじの
      紹介がありました。

      見どころは、一人の男が、心魂を込め死を賭けた奇跡によって
      階級を越え、身体の障害を越えるドラマでした。
      その陰にはお徳という女房の愛があった。すなわち夫婦愛の
      物語でした。

      中村梅玉、魁春兄弟で、品のある夫婦愛を描いていたと見ました。

      私の歌舞伎との最初の出会いが、この国立の鑑賞教室でした。
      この日も、中高年よりも中高生の若い人たち、外国人の若い人たちで
      満席。大劇場が若いエネルギーで溢れていました。

      帰り道、中学生に聞いてみたら、「面白かったです!」と答えて
      くれたので 安心しました。

      日本の伝統文化にあらためて感心し、引き継いでいく若い人たちに
      希望を感じました。