忘却への扉

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にかしょから

2012-02-14 | 平和を
 珍しく1日中晴天だったその日は、家近くの山にある果樹園で木に登っていた。晴天でも微妙な位置となり、山陰や木陰に移動すれば急に寒さを感じる。
 見上げると真っ青な空なのに、太陽の照る場所でできる仕事は限られている。ただ家の屋根は母屋も隠居もずうっと暖かさをもらって、見ているだけで温そう。
 犬は建物に隠れ見えないが、日当たりの良い私道に布団を広げてもらって昼寝だろう。見知らぬ乗用車が下を通ってから、たぶんわが家の犬が吠え始めた。
 「こんにちは こんにちは」女性の声が家の方でする。ケガに注意しながら急いで家に帰るが、もう犬は静かになり庭に人の姿は見えず玄関や郵便受けにも何もない。
 もしかしてものみの塔(エホバの証人)の人だったら、震災や原発事故の会話ができたかも…と会えなかったのを残念に思う。
 倉庫を出た所にさっきの車が戻って来たので頭を下げると、車内のものみの塔の人たちも頭を下げ通り過ぎて行った。
 また山で木登りを始めると次にバイクがわが家で止まり誰かが降りたが犬は吠えない。後で郵便受けを見ると地元のキリスト教会から会報が入っていた。
 神も仏もみな心の私に信仰心はないが、この日のどちらにも関心は以前からあり話を聞いたり会話をするのは好き。お金や票を目当ての言葉を聞かずに、真面目な話ができるのがいい。

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