べんりや日記

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斗供(ときょう)

2010-02-10 18:59:08 | 伝統構法について
社寺建築に用いられる技法です。
軒下の代表格として小屋組みから柱へ荷重を伝える部分で、「肘木」(ひじき)と「枡」(ます)を無数に組み合わせることで、柱の外側、内側へと天秤のようにせり出していきます。





斗共の美しい五重塔の軒下。


柱から斗供組の「三手先」(みてさき)を経て、外側へせり出した軒桁に化粧垂木を並べています。隅木や跳木(はねぎ)が斜めに延びていくので、複雑に絡み合って小屋組みを形成するので、全体で丈夫な構造となります。
一番長い部材は軒桁で6mくらい、次に隅木、跳木(はねぎ)で、後は細かい部材を組み合わせているだけなので、高所への運搬は比較的容易に済みます。


斗共の組み方


柱の上に「大斗」(だいと)を乗せ、
その上に十字に組み合わせた肘木(ひじき)、
さらに「枡」(ます)を乗せていきます。


一個一個の部材が小さくても済むので、枝や端材を無駄なく使えます。
また、各パーツを他の職人に作らせ、単純作業にして人数を増やせば大規模な建物でも工期の短縮も狙えます。
高い場所へ上げるのも、小さく軽ければ楽です。
山奥の建物の場合、その場で木を切り倒して、麓へ運搬しなくても現地で加工、取り付けが出来るので、便利な方法でもあります。



斗供の組み手に跳木や桁を入れることで、
小屋組みが一体となります。
一見複雑に見えますが、基本は「枡」と「肘木」の
組み合わせの応用です。




山奥の五重塔の場合は、その場で切り倒した木を
その場で組んだほうが合理的です。



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