べんりや日記

住まいのこと、情報発信!

土塗り壁の断熱性、気密性

2015-02-10 21:31:47 | 伝統構法について
土塗り壁は断熱性能に劣ります






土塗り壁は暖かい・・・



そんなフレーズがあります。見た目の温かみはありますが、実際には違います。




土塗り壁の熱の伝えやすさ(熱伝導率)は
天然木材の5.75倍、グラスウールの13.8倍


実際に壁で施工した場合の熱貫流率(U値)を計算すると、




 土塗り壁40ミリ       2.43 (W/m2・K)

 グラスウール16K 100ミリ  0.73 (W/m2・K)

と3分の1の断熱性能しかありません。

(土塗り壁の場合、熱抵抗Rを計算してみると、土壁と外側の石膏ボードがほぼ同じ値で皆無に等しく、大部分は室内外の表面抵抗と空気層でしか断熱効果がありませんでした。土塗り壁の代わりに石膏ボードを貼っても同じということです。)


U値について・・


更に・・


土塗り壁は気密に劣ります


腕のいい職人が土塗り壁を仕上げても、長年の構造材の収縮や割れによって隙間が生じてきます。

土塗り壁には低断熱・低気密という弱点があります。

これを補うには、断熱改修と同時に気密工事を合わせて行う必要があります。

天然素材、耐震性、リサイクル性、防火性能に優れた土塗り壁ですが、弱点もあります。断熱補強、気密補強を何らかの方法で補わない限りは単体では省エネルギー性に乏しい材料なのです。


土塗り壁を活かした断熱改修工事には大まかに2通りの方法があります。

 内貼り工法 (外観重視型)
 土塗り壁の美観を活かした断熱改修工事です

 外貼り工法 (室内環境型)
 自然素材をしての土塗り壁の特性を活かした断熱改修工事です









コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 土塗り壁の防火性能 | トップ | 土塗り壁のリフォーム方法1... »

コメントを投稿

伝統構法について」カテゴリの最新記事