


現在、5月中旬の宮本町M邸の上棟に向けて工場にて加工を進めています。

受け材の加工。
PPバンドで縛っているのは、加工後の仕口部分が狂って開かないため。
(材料に差されば開かなくなる)
窓上の受け材は8寸(24センチ)以上の材料で、上部に掛かる力を両側の柱に流す構造材です。
同時に、地震時や暴風時の横からの荷重も両側の壁の耐力壁に伝えます。
差し鴨居はこの受け材が2本の通し柱を結ぶ形となります。
よって、今回の差し鴨居は1ヶ所のみで、他は全て「受け材」と呼びます。
(我が社の場合は、そう区別します。構造的に違うものと解釈しています)
後の、構造材は志田材木にてプレカットをしています。
おおまかな部分をプレカットで行い、機械加工できない部分を手加工で行うことでコストダウンを狙っています。
(・・ていうか、手加工してる時間が無いのね・・今回も)
「プレカット」と言えど、普通の在来木造とは全く違い、「渡りあご」が主体の特別なプレカットでオペレーターとの打ち合わせでかなり悩ませました。
(ウチの物件は、皆、悩むのね・・その分、強くていいものができる!)
これは前回の蓮潟町T邸にて実験済みで、少しは慣れたとは思いますが、
「これならば、金物が要らない」とプレカット屋さんに言わしめた方法です。

乾燥窯から出された直後の梁材
少し焼けた感じなのは「渋」が出ているため。
この後、4面プレーナーを掛けて仕上げます。

4面プレーナーを掛け終わった通し柱。(5寸柱)
プレカットに出す前に「方向」を確かめてから送りました。
梁に関しても「上下の方向」を指定。(逆に使われるとダレる)
当然、金物を殆ど使わず、込み栓にて固定する方法となります。
通常は、このプレカットの構造だけで十分もつのでしょうが、更に「受け材」や「差し鴨居」を入れることで、更に丈夫にすることを狙っています。

現場では基礎の天端ならしを行っています。
木表、木裏、むくりや反りを理解されるのはまだまだ時間がかかりそうですね
入れる方向、上下を間違わなければ、強いものもできます。
材木屋さんサイトでやってもらえばいいのでしょうが、それだと大工の仕事も無くなってしまうし、つまらない。人任せだと技術もとどんどん衰退してしまいます。