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これだけはおさえておきたい!雪国の家づくり(4) 雪処理ついて・・

2015-03-09 13:22:50 | 雪国の家づくり講座
雪の処理の解説です


この記事のポイントは

 1.雪下ろしと下した雪の処理方法
  (1)敷地が崖沿い、若しくは水路が隣接している場合
  (2)水路からの水や地下水を張って雪を融かす場合
  (3)スプリンクラーによる消雪
  (4)土間融雪・ロードヒーティング
  (5)積み上げる(機械運搬)

 2.屋根雪処理の方法
  (1)雪下ろし屋根
  (2)屋根融雪
     ボイラー式と井戸水式
  (3)落雪式屋根
  (4)耐雪式屋根

です。

雪下 ろしをして、下ろした雪をそのままにしておくと、更に雪が積もって建物への出入りが困難になります。又、次の雪下ろし用の雪を下ろすスペースを確保するためにも、敷地内に下ろした雪を何とかして処理しなければなりません。

雪の処理方法は各地域に特色が表れます。

 1.雪下ろしと下した雪の処理方法


長岡よりも山間地・・特に魚沼地域では積雪が2mを超える豪雪地帯です。一晩に30センチ以上も積もる事は珍しくないので、ほぼ毎日のように屋根の雪下ろしをします。軽いうちに屋根から降ろしておくのが基本の様で、雪下ろし自体は比較的軽い労働で済みますが、問題は下ろした雪処理です。下ろした雪は、屋根から投げ下ろすため、圧雪になってしまいます。重くて硬い雪の塊となるのです。毎日のように雪下ろしをしていると、その下ろした雪の量はハンパな量ではありません。


(1)敷地が崖沿い、若しくは水路が隣接している場合

山古志地域では、屋根から降ろした雪は直ぐに崖に落せば良いので、建物の周りに下ろした雪をスノーダンプ等で崖まで運びます。敷地に隣接して水路がある場合も同様です。
小千谷市などでは「流雪溝」が張り巡らされていて、時間を決めて、この流雪溝に運び込んで雪を処理しています。

(2)水路からの水や地下水を張って雪を融かす場合

近くの水路からパイプを引いて敷地内に水を張り、プール状にした場所に雪を降ろす方法です。
水路が無い場合は地下水を汲み上げて、家の周りに流して雪を融かす方法もあります。
この方法は、後で説明する「屋根融雪(井戸水)」や「落雪式屋根」と併用で行う事が多いようです。
町場では、融雪道路の消雪パイプまで運んで少しずつ雪を融かして処理する場合もあります。


井戸水で雪を融かします




(3)スプリンクラーによる消雪

魚沼地域では普及しているようですが、屋根融雪用に井戸水をポンプアップする途中で、敷地の建物周囲にも散水する方法です。


高床のコンクリート壁に配管します

ノズルから散水して、積もった雪を融かします



この方法は、屋根融雪と落雪式の屋根の雪処理に有効です。


(4)土間融雪・ロードヒーティング

ボイラーで温めた水や地下水で温めた水を循環させるパイプを伏せた土間に雪を運んで融かして処理をする方法です。


(5)積み上げる(機械運搬)

上越市の商店街などでは、一斉に前面の道路に雪を下ろし、一気に機械(ユンボとダンプ)で運搬する方法があります。大昔は、雪を運搬する手だてが無かったため、道路に積み上げたままにして、雁木を歩行者用の通路にしていました。自動車の交通量が無かった時代は、これで良かったのでしょう・・・


敷地いっぱいに積み上げます


ダンプを横積みできる場所は良い方です


重機による廃雪作業



 2.屋根雪処理の方法

屋根の雪の処理方法としては「雪下ろし」が大半を占めますが、他にも方法があります。

(1)雪下ろし屋根

通常の雪下ろしをする屋根です。






(2)屋根融雪

ボイラーによる循環不凍液によって温めて雪を消す方式と井戸水を配管で上げて融かす方式の2種類あります。
灯油が安価だった時代は、ボイラー方式が普及したのですが、灯油が高騰したために、使用を控える方が多くなり、雪下ろしに戻しているようです。

ボイラー式融雪屋根の長岡市東地区N邸

市街地の狭い敷地いっぱいに建てられるのが融雪式屋根の長所です





井戸水による屋根融雪方式の浦佐町「雪国の家」(天然住宅仕様)

屋根上に設けた配管で屋根の雪を融かします



センサー付のポンプによって、降雪が始まると同時に送水し、屋根上の雪を融かします。
屋根の上に雪が残らない様に消す必要があります。
雪が多く積もった状態で送水すると、一気に屋根鼻に雪の塊が押し寄せて、屋根本体を破壊してしまう事があるので注意が必要です。

井戸水による融雪の場合、井戸水の水質に鉄分が含まれていると、屋根融雪で鉄板屋根に井戸水を流すとサビの原因となります。


(3)落雪式屋根

落雪式屋根の高床式住宅



一時期流行った落雪式屋根は高床住宅とセットで導入する必要があります。
落雪する場所は何時雪が落下してくるか分からないので、通行に支障のない計画をする必要があります。

屋根に昇る作業は無くなりますが、落ちてきた雪が固く締まってしまうので、雪下ろしをするよりも処理をする方が大変な作業となります。

また、敷地に余裕がないと、隣地へ落雪した雪が押し寄せて行くので、鉄製の塀で防がなければならなくなってしまいます。

前出の井戸水に寄る散水で処理するのが有効です。







(4)耐雪式屋根

番外としては、最大積雪量を計算して、一冬分雪が積もっても耐えるだけの強度を持たせた屋根の構造にする方法です。
屋根鼻から出る雪庇対策が必要となります。

雪庇対策としては、雪庇防止アングルが有効だと思われます。




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   株式会社 藤川建設は・・・

  長岡市で注文住宅を手掛けています

  越後杉で家づくりをしています。







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