包丁の収納は、流しメーカー各社で色々考えられているようです。
刃渡り18センチで全長24センチの包丁を、どうやってキッチン内に収納しているのでしょうか・・・
包丁の大きさ
昔は、開き扉が主流だったため、扉の裏側に包丁差しがあり、これに包丁を差していたのですが、最近は「引き出し式」が主流となっているので、この引き出し扉の裏側に包丁を収納するには工夫が必要となってきました。
いち早く引き出しを導入したTOTOの場合は、包丁を寝せて置くタイプの「包丁置き」にこだわっています。
床の直情に引き出しを設けるフロアコンテナを採用した場合、シンク下とのスペースが狭くなって、包丁のような長い物は「寝せて置く」しか、収納することができません。
では、タカラ・スタンダードの場合はどうでしょうか?
シンク下の引き出し収納
タカラの場合は、シンク脇に食器洗い機を設置でき、そのスペースを確保するために最下部のフロアコンテナーは15センチにしています(通常は25センチ)。
そのため、最下段は写真のようにラップ等の背の低い物しか入りませんが、その分、中間の収納スペースがアップします。
また、シンク下からフロアーコンテナまでの高さのものが収納できる利点も出てきて、この間に包丁を「立てて」収納することが可能です。
引き出しの扉裏に立てかける
引出しを閉めるとぎりぎり当たらない
タカラの場合、扉裏もホーロで出来ているため、「包丁差し」はマグネットで取り付け可能です。この他に「まな板立て」もオプションで用意しているので、ここに包丁とまな板をセットで収納することができます。
ただし、この包丁差し等は、水仕舞までは計算されていないので、一度、カウンター上等で水を切って乾かしてから入れなければならないのが、片手落ちの部分でもあります。
直ぐに収納するには「水受け」の様な改善点が必要でしょう。
ナス・ステンレスはシンクの前面に収納
サンウェーブ「ぱたぱたくん」では、引き出し扉が手前にスウィングします
少し長い包丁(パン切)等は斜めに入れられます
トレーは外して、掃除ができる。
これは細部まで考えてます。
サンウェーブの場合、細かいところまで配慮がしてあると思いましたが、「ユニバーサルデザイン」ということで便利さを追求しているような感じがしました。
では、
「右側シンクにこだわるのは、ユニバーサルデザインだから?」
と聞いたところ、
「カタログ掲載が右側だから」
という答えが返ってきました。
う~ん・・使い勝手とかまでユニバーサルデザインじゃないのか・・・
食器洗い機の配置とかコンロ配置とか、細かいところまでユニバーサルデザインにこだわってほしい・・・
シンク前にある「ミニパタくん」はナス・ステンレスと同じ感じ
「ミニパタくん」の場合も、包丁を一度乾かしてから入れる必要があるとのことです。(では、その間は何処で乾かすのだろう?)
サンウェーブ長岡ショールームでは、奥のキッチンスペースで実際に料理教室が開けるということでした。
明日は「オーゴシ建設」さんが、借り切って料理教室を開くとの事で、その準備をしていました。(さすが、宣伝が上手い)
市販のまな板立てとセットの包丁立て
扉内部に収納しない場倍は、このような市販の「包丁立て」を使うことになります。収納する場合でも、ここで一度乾かしてから、収納することになります。
調理をして、包丁とまな板を水洗いしたままで、収納場所に入れた場合、そこに付着した水が垂れて、収納部分の耐久性をそこなってしまう。
よって、一度乾かす工程が必要となりますが、次の調理までの間に、果たして乾かしてから「収納する」動作ができるかどうかが、専用収納スペースを設けた場合の課題となります。
「食器洗い乾燥機」にて、乾燥させれば良いと、ショールームの娘が言っていましたが、食洗機に包丁を入れるには、中の湯のみや茶碗を掛けるかごを取らなければならず、まな板も40センチ以上のものは入らないので無理があります。
やはり、どこかで乾かしてから収納するのでしょう。
それでも、次に料理をするときに、取り出しやすい場所に収納されていないと、使いずらいものがあります。
カウンターに置いておくまな板立てが一番、使い勝手が良いのですが、「収納第一」と考えている人にとっては、一番の悩みでしょう。
そこは、使う人の判断に委ねることになりますが、収納位置に関しては、提案していく必要があります。
「包丁立て」をインテリア・グッズとして開発できないかと、加茂の「桐子モダン」に提案しに行きました。
直ぐに使える位置に、立てかけておいて、長さのある「パン切り」や「魚包丁」の3本くらいをメインに考えて提案したのが、下の図です。
桐子モダンにて、提案したメモ書き
包丁立ての他に、引き出しに収納可能な米びつとか
調味料棚のアイディアも入ってます。
「新築祝い」の粗品とか??
首をかしげる桐子モダンのスタッフ達・・作ってくれるだろうか?
前の社長さんだったら、興味を持ってくれるのかも知れませんが、少し抵抗感があったようで、まだ見積もりも送られて来ない・・(他の所へ持ちかけるか?)
まずは、「新築祝い」みたいな感じで試作できればと思っています。それが好評だったら、製品にしてもらえばいい。
さて、流しメーカーを行脚していますが、新潟県産のキッチン、「ダイヤ」が先日自己破産をしてしまい、困ったことになったのでした。
価格の面でも有利だったのですが、細かい注文まで聞いてくれたメーカーだったので、そういうメーカーが無くなるのも我が社としては、からりのダメージなのです。
蓮潟町T邸に入ったシステムキッチンが最後の品になってしまいましたが、建具屋から流しメーカーとなった技術故に、扉に関しては他社より秀でていた存在で、価格もそこそこの値段でクレードは高かったのです。
18日に自己破産申請、19日には工場に管財人が立ち入り、役員から社員に若干の説明があり、その後は自宅で報告を待つ状態との事。
出荷直前の品も押さえられ、設置の決まっていた現場へも赴くことができなかったそうで、当然、これからの発注も受けられないということです。
新潟県内での販売は、横ばいだったようですが、大都市圏での建築確認の遅れやマンションの販売不振のあおりを受けて、止む無く破産。
負債総額は22億円とも言います。
ピーク時は32億円の売り上げがあたのですが、昨年は12億円まで売り上げが下がり、さらなる世界的株価下落と、ここ数ヶ月の不況によって、会社存続を断念したというところでしょうか・・
これから、流しの改革をしていこうという矢先に、こういう展開になったのも、なんとも言えないところですが、「チャンス」ととらえています。
何処が、私の投げかけに答えてくれるのか、また研究熱心なメーカーから学ぶことができる。
いずれは、自社ブランドを立ち上げるのが夢でもあります。
「システムキッチンを考える」目次へ・・
刃渡り18センチで全長24センチの包丁を、どうやってキッチン内に収納しているのでしょうか・・・
包丁の大きさ
昔は、開き扉が主流だったため、扉の裏側に包丁差しがあり、これに包丁を差していたのですが、最近は「引き出し式」が主流となっているので、この引き出し扉の裏側に包丁を収納するには工夫が必要となってきました。
いち早く引き出しを導入したTOTOの場合は、包丁を寝せて置くタイプの「包丁置き」にこだわっています。
床の直情に引き出しを設けるフロアコンテナを採用した場合、シンク下とのスペースが狭くなって、包丁のような長い物は「寝せて置く」しか、収納することができません。
では、タカラ・スタンダードの場合はどうでしょうか?
シンク下の引き出し収納
タカラの場合は、シンク脇に食器洗い機を設置でき、そのスペースを確保するために最下部のフロアコンテナーは15センチにしています(通常は25センチ)。
そのため、最下段は写真のようにラップ等の背の低い物しか入りませんが、その分、中間の収納スペースがアップします。
また、シンク下からフロアーコンテナまでの高さのものが収納できる利点も出てきて、この間に包丁を「立てて」収納することが可能です。
引き出しの扉裏に立てかける
引出しを閉めるとぎりぎり当たらない
タカラの場合、扉裏もホーロで出来ているため、「包丁差し」はマグネットで取り付け可能です。この他に「まな板立て」もオプションで用意しているので、ここに包丁とまな板をセットで収納することができます。
ただし、この包丁差し等は、水仕舞までは計算されていないので、一度、カウンター上等で水を切って乾かしてから入れなければならないのが、片手落ちの部分でもあります。
直ぐに収納するには「水受け」の様な改善点が必要でしょう。
ナス・ステンレスはシンクの前面に収納
サンウェーブ「ぱたぱたくん」では、引き出し扉が手前にスウィングします
少し長い包丁(パン切)等は斜めに入れられます
トレーは外して、掃除ができる。
これは細部まで考えてます。
サンウェーブの場合、細かいところまで配慮がしてあると思いましたが、「ユニバーサルデザイン」ということで便利さを追求しているような感じがしました。
では、
「右側シンクにこだわるのは、ユニバーサルデザインだから?」
と聞いたところ、
「カタログ掲載が右側だから」
という答えが返ってきました。
う~ん・・使い勝手とかまでユニバーサルデザインじゃないのか・・・
食器洗い機の配置とかコンロ配置とか、細かいところまでユニバーサルデザインにこだわってほしい・・・
シンク前にある「ミニパタくん」はナス・ステンレスと同じ感じ
「ミニパタくん」の場合も、包丁を一度乾かしてから入れる必要があるとのことです。(では、その間は何処で乾かすのだろう?)
サンウェーブ長岡ショールームでは、奥のキッチンスペースで実際に料理教室が開けるということでした。
明日は「オーゴシ建設」さんが、借り切って料理教室を開くとの事で、その準備をしていました。(さすが、宣伝が上手い)
市販のまな板立てとセットの包丁立て
扉内部に収納しない場倍は、このような市販の「包丁立て」を使うことになります。収納する場合でも、ここで一度乾かしてから、収納することになります。
調理をして、包丁とまな板を水洗いしたままで、収納場所に入れた場合、そこに付着した水が垂れて、収納部分の耐久性をそこなってしまう。
よって、一度乾かす工程が必要となりますが、次の調理までの間に、果たして乾かしてから「収納する」動作ができるかどうかが、専用収納スペースを設けた場合の課題となります。
「食器洗い乾燥機」にて、乾燥させれば良いと、ショールームの娘が言っていましたが、食洗機に包丁を入れるには、中の湯のみや茶碗を掛けるかごを取らなければならず、まな板も40センチ以上のものは入らないので無理があります。
やはり、どこかで乾かしてから収納するのでしょう。
それでも、次に料理をするときに、取り出しやすい場所に収納されていないと、使いずらいものがあります。
カウンターに置いておくまな板立てが一番、使い勝手が良いのですが、「収納第一」と考えている人にとっては、一番の悩みでしょう。
そこは、使う人の判断に委ねることになりますが、収納位置に関しては、提案していく必要があります。
「包丁立て」をインテリア・グッズとして開発できないかと、加茂の「桐子モダン」に提案しに行きました。
直ぐに使える位置に、立てかけておいて、長さのある「パン切り」や「魚包丁」の3本くらいをメインに考えて提案したのが、下の図です。
桐子モダンにて、提案したメモ書き
包丁立ての他に、引き出しに収納可能な米びつとか
調味料棚のアイディアも入ってます。
「新築祝い」の粗品とか??
首をかしげる桐子モダンのスタッフ達・・作ってくれるだろうか?
前の社長さんだったら、興味を持ってくれるのかも知れませんが、少し抵抗感があったようで、まだ見積もりも送られて来ない・・(他の所へ持ちかけるか?)
まずは、「新築祝い」みたいな感じで試作できればと思っています。それが好評だったら、製品にしてもらえばいい。
さて、流しメーカーを行脚していますが、新潟県産のキッチン、「ダイヤ」が先日自己破産をしてしまい、困ったことになったのでした。
価格の面でも有利だったのですが、細かい注文まで聞いてくれたメーカーだったので、そういうメーカーが無くなるのも我が社としては、からりのダメージなのです。
蓮潟町T邸に入ったシステムキッチンが最後の品になってしまいましたが、建具屋から流しメーカーとなった技術故に、扉に関しては他社より秀でていた存在で、価格もそこそこの値段でクレードは高かったのです。
18日に自己破産申請、19日には工場に管財人が立ち入り、役員から社員に若干の説明があり、その後は自宅で報告を待つ状態との事。
出荷直前の品も押さえられ、設置の決まっていた現場へも赴くことができなかったそうで、当然、これからの発注も受けられないということです。
新潟県内での販売は、横ばいだったようですが、大都市圏での建築確認の遅れやマンションの販売不振のあおりを受けて、止む無く破産。
負債総額は22億円とも言います。
ピーク時は32億円の売り上げがあたのですが、昨年は12億円まで売り上げが下がり、さらなる世界的株価下落と、ここ数ヶ月の不況によって、会社存続を断念したというところでしょうか・・
これから、流しの改革をしていこうという矢先に、こういう展開になったのも、なんとも言えないところですが、「チャンス」ととらえています。
何処が、私の投げかけに答えてくれるのか、また研究熱心なメーカーから学ぶことができる。
いずれは、自社ブランドを立ち上げるのが夢でもあります。
「システムキッチンを考える」目次へ・・
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