毎回、お客さんと議論になるのが、「米びつ」の位置です。
我が家の場合は、イシモク(本社:加茂市)の桐製の米びつを使っています。
桐は、防虫性能に優れ、昔からタンスに使われ、衣類を害虫から守ってきました。
保温性にも優れ、耐水性にも優れる桐は、植えてから短期間で成長するので、温暖化防止にも役立つでしょう。昔は、女の子が生まれると、桐を植えて、嫁に出すときに、その桐で作ったタンスを持たせたと言います。
20年程で、タンスが作れるくらいに太りが早い木なのです。
桐子モダン(イシモク)の米びつ
イシモクの製品としては、米びつは種類が多く、計量器付きのものもあれば、蓋だけのシンプルなものもあります。
家の面積が広く、30kgの米袋を専用の納戸に置いてストックし、米ビツに移し変えて毎日の炊飯に使えればベターです。
我が家の場合は、10kg用の桐製米びつを夏は涼しいところ、冬は取り出しやすい場所へ位置を移動させています。季節によって、置く場所を変えて置ければ、納戸のような食料庫まで設けなくても良い。
通常の家庭の場合は、10kgの米袋を購入してくるのが多いのでしょう。
袋のまま、涼しいところへ保管しておいて、流しの何処かへ収納した米びつに移し変えるのが、主流だと思います。
流しまわりは火を使い、暖かくなるので、米の収納としては、あまり好ましくありませんが(虫が湧いたり、カビが生えたりする)、短期間で少量を消費する場合は、これでも良いと思います。
で、何処に米びつを置くかなのですが・・・
昔の流しは、開き扉が主流だったので、前出の米びつを、そのまま収納できたのですが、最近の引き出し式の場合は、収納できない難点があります。
計量器無しで、上蓋のみの米ビツしか使用できないか、わざと開き扉の部分を設けて、そこに収納するしかありません。(計量レバーが付いていたほうが、使いやすい)
あとは、流しと独立した後ろのスペースに収納するかです。
(電子レンジの下とか・・米びつ付きの電子レンジ・ラックもありますが・・)
タカラ・スタンダードで、そのように疑問を投げかけたところ、ショールームの娘が奥から米びつを探し出してきて、フロアコンテナー部分に米びつを入れてみせてくれました。
フロアコンテナーの45センチ部分の中身を出して・・
みごと、米びつ(10kg)を収納に成功!
ここならば、炊飯釜を横に持ってきて、計量できます。シンクも近いので、この位置が使いやすそうです。
その場合、写真のように缶詰が多数、収納できなくなります。どちらを優先するかはお客さんの選択にゆだねることになります。
ここまでくれば、米びつの材質を選定すれば良いだけです。
やはり「桐」が一番だと思い、イシモクへ相談してみました。
前の写真のとおり、イシモクの製品には縦長の箱状の米ビツは多種類置いてあるのですが、引き出し用の製品はありません。
特注で作ってもらうしかないようです。
中央右上のメモが引き出し用米びつ
イシモクの米びつは「枡」が付いてきますが、
角型だと横型の米びつでの使い勝手が悪そうなので、
通常の、円筒形の計量器のほうがよさそう・・
(という感じでメモしてある)
「新築祝い」に包丁差、米びつ、調味料棚の
どれが良いかと尋ねたら、「米びつ」がダントツ人気でした。
製品としても、引き出し用の米びつが可能性大のようです。
あとは、どんな大きさにするかが課題となります。
こんな感じで、収納や使い勝手を洗い出して、新たな製品を作り出していこうというのが、今回の「システム・キッチンを考える」のコンセプトです。
本当は、料理教室を開いて、実際に計量とか洗い物とかを体験して、
「ここは使いづらいな・・ここにあれば・・」
というところまで行ければいいのですが・・
開発とショールーム、使い手が一体となって、新たなキッチンを提案していくのが理想です。(ダイヤさんの会社内にそういう場所を設ける企画を持っていこうという矢先でしたが、自己破産により流れてしまいましたが・・)
現在のシステム・キッチンはメーカー主導で、出来合いのものに使い手が合わせる形となっています。
実際、ショールームに展示されたものを使ってみると、使い勝手が悪いものが多々あります。それを平気で売っているのも合点が行かないところです。
また、それに付随した設備に関しても製造メーカーの独断的な形状によって使い勝手の非常に悪いものが付いてきます。
一度、商品を入れてしまうと、それに慣れてしまうのが通常なのでしょうが、入れる前にとことん使い勝手を考えておかないと、毎日の料理や洗い物が不便になってしまう。
設計でも悩まなければなりませんが、流しに関しても、そことん悩んでほしいところであります。
住まい手が千差万別なのに対して、毎日の食事、台所も、それぞれ価値観が違ってきています。収納第一と考える人もいれば、使い勝手第一の人もいる。
年齢層、家族構成によって料理の仕方や食材の選び方も違います。
調理器具にしても、ガスだったりIHコンロだったり・・最近は電子レンジもオーブン機能が充実してきて、ひょっとしたらコンロも必要なくなるかも知れない。
お湯だってコンロで沸かすこともあれば、電子レンジで沸かすこともある。
キッチンと独立した後ろの電子レンジスペースがどのように提案できるのか・・
動線から考えればコンロの位置にヘルシオをドーンと持ってくるのもアリではないか?(あれ、かなりの蒸気が出ます。それを考えると、レンジフードにそのまま吸い込める位置にあったほうがいい)
ビルトインコンロの形状にも限界がきているし・・(価格から言えば、据え置きタイプのほうが数段安いし機能も充実している)
いままで築いてきた、システムキッチンの形そのものが生活習慣の変化によって、変わろうとしています。
そういう多様なニーズに応えられなければならないと思います。デザインや材質にこだわるだけの形を売るだけになってしまう。
物事の本質を知る。
そういった作業がこれから必要になってくると思うのですが・・
「フル・オーダー・システム」
~個人に合わせた流しの提案~
そんなブランドをつくってみたいものです。
(ダイヤの諸君!やってみないかね?)
「システムキッチンを考える」目次へ・・
我が家の場合は、イシモク(本社:加茂市)の桐製の米びつを使っています。
桐は、防虫性能に優れ、昔からタンスに使われ、衣類を害虫から守ってきました。
保温性にも優れ、耐水性にも優れる桐は、植えてから短期間で成長するので、温暖化防止にも役立つでしょう。昔は、女の子が生まれると、桐を植えて、嫁に出すときに、その桐で作ったタンスを持たせたと言います。
20年程で、タンスが作れるくらいに太りが早い木なのです。
桐子モダン(イシモク)の米びつ
イシモクの製品としては、米びつは種類が多く、計量器付きのものもあれば、蓋だけのシンプルなものもあります。
家の面積が広く、30kgの米袋を専用の納戸に置いてストックし、米ビツに移し変えて毎日の炊飯に使えればベターです。
我が家の場合は、10kg用の桐製米びつを夏は涼しいところ、冬は取り出しやすい場所へ位置を移動させています。季節によって、置く場所を変えて置ければ、納戸のような食料庫まで設けなくても良い。
通常の家庭の場合は、10kgの米袋を購入してくるのが多いのでしょう。
袋のまま、涼しいところへ保管しておいて、流しの何処かへ収納した米びつに移し変えるのが、主流だと思います。
流しまわりは火を使い、暖かくなるので、米の収納としては、あまり好ましくありませんが(虫が湧いたり、カビが生えたりする)、短期間で少量を消費する場合は、これでも良いと思います。
で、何処に米びつを置くかなのですが・・・
昔の流しは、開き扉が主流だったので、前出の米びつを、そのまま収納できたのですが、最近の引き出し式の場合は、収納できない難点があります。
計量器無しで、上蓋のみの米ビツしか使用できないか、わざと開き扉の部分を設けて、そこに収納するしかありません。(計量レバーが付いていたほうが、使いやすい)
あとは、流しと独立した後ろのスペースに収納するかです。
(電子レンジの下とか・・米びつ付きの電子レンジ・ラックもありますが・・)
タカラ・スタンダードで、そのように疑問を投げかけたところ、ショールームの娘が奥から米びつを探し出してきて、フロアコンテナー部分に米びつを入れてみせてくれました。
フロアコンテナーの45センチ部分の中身を出して・・
みごと、米びつ(10kg)を収納に成功!
ここならば、炊飯釜を横に持ってきて、計量できます。シンクも近いので、この位置が使いやすそうです。
その場合、写真のように缶詰が多数、収納できなくなります。どちらを優先するかはお客さんの選択にゆだねることになります。
ここまでくれば、米びつの材質を選定すれば良いだけです。
やはり「桐」が一番だと思い、イシモクへ相談してみました。
前の写真のとおり、イシモクの製品には縦長の箱状の米ビツは多種類置いてあるのですが、引き出し用の製品はありません。
特注で作ってもらうしかないようです。
中央右上のメモが引き出し用米びつ
イシモクの米びつは「枡」が付いてきますが、
角型だと横型の米びつでの使い勝手が悪そうなので、
通常の、円筒形の計量器のほうがよさそう・・
(という感じでメモしてある)
「新築祝い」に包丁差、米びつ、調味料棚の
どれが良いかと尋ねたら、「米びつ」がダントツ人気でした。
製品としても、引き出し用の米びつが可能性大のようです。
あとは、どんな大きさにするかが課題となります。
こんな感じで、収納や使い勝手を洗い出して、新たな製品を作り出していこうというのが、今回の「システム・キッチンを考える」のコンセプトです。
本当は、料理教室を開いて、実際に計量とか洗い物とかを体験して、
「ここは使いづらいな・・ここにあれば・・」
というところまで行ければいいのですが・・
開発とショールーム、使い手が一体となって、新たなキッチンを提案していくのが理想です。(ダイヤさんの会社内にそういう場所を設ける企画を持っていこうという矢先でしたが、自己破産により流れてしまいましたが・・)
現在のシステム・キッチンはメーカー主導で、出来合いのものに使い手が合わせる形となっています。
実際、ショールームに展示されたものを使ってみると、使い勝手が悪いものが多々あります。それを平気で売っているのも合点が行かないところです。
また、それに付随した設備に関しても製造メーカーの独断的な形状によって使い勝手の非常に悪いものが付いてきます。
一度、商品を入れてしまうと、それに慣れてしまうのが通常なのでしょうが、入れる前にとことん使い勝手を考えておかないと、毎日の料理や洗い物が不便になってしまう。
設計でも悩まなければなりませんが、流しに関しても、そことん悩んでほしいところであります。
住まい手が千差万別なのに対して、毎日の食事、台所も、それぞれ価値観が違ってきています。収納第一と考える人もいれば、使い勝手第一の人もいる。
年齢層、家族構成によって料理の仕方や食材の選び方も違います。
調理器具にしても、ガスだったりIHコンロだったり・・最近は電子レンジもオーブン機能が充実してきて、ひょっとしたらコンロも必要なくなるかも知れない。
お湯だってコンロで沸かすこともあれば、電子レンジで沸かすこともある。
キッチンと独立した後ろの電子レンジスペースがどのように提案できるのか・・
動線から考えればコンロの位置にヘルシオをドーンと持ってくるのもアリではないか?(あれ、かなりの蒸気が出ます。それを考えると、レンジフードにそのまま吸い込める位置にあったほうがいい)
ビルトインコンロの形状にも限界がきているし・・(価格から言えば、据え置きタイプのほうが数段安いし機能も充実している)
いままで築いてきた、システムキッチンの形そのものが生活習慣の変化によって、変わろうとしています。
そういう多様なニーズに応えられなければならないと思います。デザインや材質にこだわるだけの形を売るだけになってしまう。
物事の本質を知る。
そういった作業がこれから必要になってくると思うのですが・・
「フル・オーダー・システム」
~個人に合わせた流しの提案~
そんなブランドをつくってみたいものです。
(ダイヤの諸君!やってみないかね?)
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