今まで、熱の大半はサッシから逃げていると書いてきましたが、当社ではサッシの断熱性能を高める方法で省エネルギー性能を上げる方法を採用してきました。
まだまだ改良の余地はありますが、当社が普通に施工していると、いつのまにかZEHをクリアしていたのでした・・
当社の標準施工を「詳細計算ルート」にて計算してみます。
手順は今までと同じです
1.当社の外皮性能
2.当社の標準設備機器
3.一次エネルギー消費量を計算&評価
1.当社の外皮性能 |
今まで使ってきた「国交省のモデル」に当社の断熱性能を入れていきます。
部位 | 外皮面積A | U | 温度差係数H | 貫流熱損失q | 損失率% |
屋根・天井 | 67.91 | 0.21 | 1 | 14.26 | 7.87% |
外壁 | 140.04 | 0.41 | 1 | 57.42 | 31.67% |
ドア | 3.51 | 4.07※ | 1 | 11.36 | 6.27% |
窓 | 28.71 | 2.05 | 1 | 58.86 | 32.46% |
床 | 58.8 | 0.52 | 0.7 | 21.40 | 11.80% |
基礎(外) | 8.65m | 0.88 | 1 | 7.61 | 4.20% |
基礎(内) | 8.65m | 1.72 | 0.7 | 10.41 | 5.74% |
合計 | 308.07 | 181.32 | 100% |
※勝手口ドアは2.27
窓からの損失を全体の1/3に抑えています・・
天井や床の仕様は殆ど国交省モデルと同じです。床や基礎がやや劣っていますが、サッシで稼いでいるのです。
なので、あまり苦労して断熱を行っているわけではありません。フツーです。
上記の表から外皮性能を計算すると
UA=0.59 ≦ 0.6 (5地域ZEH水準)
MC=7.16
MH=12.56
ηAC=2.32 ≦ 3.0 (5地域ZEH水準)
ηAH=4.08
となります。
雪国住宅で、柱が4寸柱だと100㎜の断熱材を入れるスペースが確保できるのが利点でした。(関東は柱が105㎜なので90㎜の断熱材しか入れられません)
意外にZEH水準の外皮性能のハードルは高くはないのです。
しかも、まだ樹脂製サッシを導入していない・・(樹脂製サッシに仕様変更したら、ど~なるんだろう?)
なぜかと言えば、今まで3~4地域に属していて、「雪国住宅」を施工していたら、急に5地域まで省エネルギー水準が下がってしまったからです。
2.当社の標準設備機器 |
次に、当社の標準設備ですが、それほど高効率な設備ではありません。
設備 | 設備器具 |
冷暖房設備 | ルームエアコン(は) |
換気設備 | 壁掛け式第一種換気・熱交換でない |
給湯設備 | 高効率ガス給湯器(エコジョーズ) |
ユニットバス | 魔法瓶浴槽+節湯式シャワー |
水栓金具 | 節湯式水栓 |
照明器具 | 全室にLED |
最近の住宅設備は、標準で高断熱浴槽や節湯式水栓金具が付いてきます。
エアコンも高効率すぎると、色々な機能が付きすぎて壊れやすいという難点もあるので、標準モデルのエアコンをお薦めしています。
3.一次エネルギー消費量を計算&評価 |
一次エネルギー消費量計算プログラムに入力すると・・
ZEH水準をクリアしている事が確認されました。
外皮性能がZEHクラスだと、導入する設備機器が高水準でなくても、軽くZEH水準をクリアしてしまうのです。
「仕様基準」を使った場合は、こういった自由度が無いのでコスト高になってしまう傾向にあります。
【結論】設備機器は寿命が短いので、10年~15年後くらいに高効率の設備機器に交換すれば、さらに省エネルギーになります。
次回は、その話に行く前に、「ZEH水準」の話です。
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