べんりや日記

住まいのこと、情報発信!

解体開始

2009-10-07 22:08:13 | 新築に近い宮本町M邸(越後杉)


強力な台風18号が南西諸島を通過し、本州に上陸しようとしています。
上陸すれば2年ぶり(一昨年の台風9号以来)ということですが、「強力」というのも大変なところで、中心気圧が940hPaに勢力が弱まったとはいうものの、中心付近の風速は40m/s、最大風速55m/sとのこと・・

このまま行けば、明日の午後には新潟県を直撃するとの情報もありますが、どうなるか・・
その後の台風17号の動きにも要注意です。
上陸する台風の数が減る一方、巨大な台風や局地的な豪雨が懸念されます。
この台風の影響で、日本列島沿いに停滞中の秋雨前線が活発化し、思わぬところで豪雨となり、水害が発生することも予想されます。
今までの経験は、ほとんど役に立たないくらい予想が難しい気象となっています。
実際、今週は雨や曇りの予報だったのですが、ほぼ曇りで雨が降りませんでした。

現在は、弱い雨が降っている程度で、風もおだやかです。
「嵐の前の静けさ」
というところでしょうか?

それでも、天候に恵まれて、宮本町M邸の二期工事が始まっています。



新しい住宅部分へ引越しが終了し、
サッシ、建具、ボード、瓦を解体した既存住宅部分。


天井や壁の石膏ボードが取れて、下地がむき出しになっています。


小屋裏も、丸梁が見えています


現在の解体は、分別が基本です。
石膏ボード、サッシ、ガラス、瓦、鉄板を剥がして、それぞれに分けてトラックでまず運び出すのは、手仕事で、時間がかかります。
先週の土曜日から準備をはじめ、昨日、ようやく重機が入りました。



切り離し作業
残す部分と、解体する部分に切り離します。


既存の住宅部分は、和室を残して2階や玄関、水周りを解体します。
そして残った部分と、新しい増築部分を玄関、ホールで継なぐ形になります。


重機を搬入


重機による解体がはじまりました。


前の玄関、下屋部分が壊れました


本屋、2階部分を壊しています


2階部分が半分壊れました。
奥の新しい部分を壊さないように慎重に進められます


横から見ると、薄っぺらい「壁」だけで立っています。
木造は意外と倒れません


ほぼ終了の状態です。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

対面キッチンの奥行寸法

2009-10-07 19:48:29 | システムキッチンを考える
最近、時間があれば流しのショールームめぐりをしております。
一度来場すると、30分から1時間は粘って拝見して、寸法や収まりを確認しています。

今回の犠牲者はクリナップです。

対面型キッチンが流行りなのですが、キッチンと背面収納の関係について考えてみたいと思います。



クリンレディの対面型プラン
カウンター越しにイスが設置してあります。
255㎝のI型キッチンを使った対面プランとしては、
この形がオーソドックスでしょうか?


この対面型流しの背面収納とのスペースは90㎝です。
全体の流しの奥行きは、
45㎝(背面収納奥行)+90㎝(通路空間)+65㎝(流し奥行)
=200㎝
です。


背面カウンターの幅は90㎝。高さは105㎝。
カウンターの上には電子レンジ+トースターがギリギリ並ぶ幅です。
一番下にキャスター付きのゴミ箱×3箱。


中間は引き出しで、ポット+炊飯器です。
収納しても蒸気を通路側に強制排気するファンが付いています。


最近は、背面収納へ配置する家電製品が増えて困っています。
幅が90㎝だと、電子レンジ、トースター、炊飯器、ポットを収納していっぱいになってしまう・・
更に、ロースター(魚焼き器)やジューサーミキサー(バーミックスとか・・)となると、もう少し幅が欲しいところです。
スチームオーブン(ヘルシオ)の場合は、電子レンジよりも大きくなるので、カウンター部分に1台入れるといっぱいです。
背面カウンターの奥行きも45㎝では収まらずに出てしまう機種もあり、家電メーカーも開発時には、そういった収納スペースも考えて機器の寸法を決めて欲しいところでもあります。
(スチームの場合、強制排気用に換気扇等が必要になります)


そういった研究は、通信販売のほうが進んでいて、メーカーは少し対応が遅れ気味なところがあります。



通路幅が90センチで、シンクの後ろに冷蔵庫を置くとこうなります。
引き出し式の場合は流しとの間にやっと入れるくらいで、
中の物を取り出して、後ろの流し側へ持ってくるのが大変。


引き出し式の場合はこのように、脇に立って、
流しまで食材を移動する必要があります。


冷蔵庫の扉を開けた場合・・
やっぱり後ろスペースが狭い・・


この位置に冷蔵庫を持ってくる場合は、もう20㎝程度空間を広くとる必要があります。
全体の奥行きが200㎝だったので、通路は110㎝まで広げ、全体は220㎝以上必要ということです。
壁芯7尺(212㎝)ならば、キッチン全体の奥行きは200㎝が取れるのですが、220㎝以上となると、壁芯で8尺(240㎝)はとらないといけない計算になります。

ゆったりとした対面キッチンは6帖(壁芯で273㎝×364㎝、壁面寸法で260㎝×350㎝)が必要となります・・

広いに越したことはないのだが・・・




ゆったりとした対面キッチンの奥行



座って使えるキッチン




「システムキッチンを考える」目次へ・・







もくじへ・・



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

IHコンロとガスコンロ

2009-10-07 19:09:10 | システムキッチンを考える
最近はオール電化仕様希望のお客さんが増え、IHコンロを入れる機会が多くなりました。



IHコンロはカウンターと平らに設置できて、すっきりします。


IHコンロの場合は、カウンターとの段差が少なく、調理器具の移動も横にスライドすればいいだけで、力が要らないところが便利です。
フライパンや鍋は、そのまま横に滑らせるようにすれば、カウンターの調理スペースへ持ってくることができます。

ガラストップなので、手入れもサッと拭くだけで済みます。

温度設定も可能で、最近は、炊飯機能や湯沸し機能も付いているようです。
技術も日進月歩といったところ・・
ただし、揚げ物の場合、油は専用の天ぷら鍋に適量の油を入れないと、加熱しすぎて火災を起す危険があります。
最近は、エコブームで、油を少なめにしてカラッと上げる方法があるのですが、油が少ないと、以上加熱して、油が気化し、それに引火してしまいます。
「IHは安全・・」といって過信しすぎると大変なこともあります。

IHコンロの場合、付属の魚焼きが付いていますが、ガスコンロのものに比べると、電熱線が入っていて、手入れが大変なので、使わない人もいるそうです。



中の電熱線は取り外しが出来ないので、手入れが大変!


市販のロースター(魚焼き器:電気式)を導入するお客さんも多いとか・・
こちらは、蓋になっているので、手入れが楽な製品です。

そうすると、このスペースはもったいないのでは?
魚焼き無しで、その分調味料入れのスペースにするとか、そういった提案もあっていいと思います。



ガスコンロ


ガスコンロは、昨年に3口温度センサー付きの仕様を法的に強制したので、安全面は向上しました(が、価格はかなり上がりました)。IHコンロが安全性をうたっていたのに対抗した形となっています。

写真のように、ビルトインコンロの場合、両脇にスイッチ類が必要なため、魚焼き部分がやや狭いのが特徴です。
その点は、市販の据え置きコンロのほうが、魚焼き部分が広かったり、機能が多かったり、価格が低めだったりで、見た目さえ言わなければ、そちらのほうが圧倒的に機能性は上です。
ビルトインの形状が50㎝×45㎝のカウンターの開口部分で制約されているので、どうしてもこの形状になってしまう。
そういう面では、もう50㎝幅という寸法に限界が来ていると思います。



五徳の高さは4~5㎝


また、IHコンロと比較して、プレートから五徳が5センチくらい上がっています。
これは、IHと同様、プレートを拭き易くするために、こうなっています。
そのため、調理するときは、フライパンや鍋を少し持ち上げる必要があります。
降ろすときも、5センチの段がついています。
IHが横にスライドすればいいのに対して、ガスの場合はこの点で不利になっています。

これを解消するためには、コンロ部分を3~5㎝程度低くするか、五徳が平らなコンロを選ぶかです。
段落ちプランは、昔、クリナップのクリンレディで出来ましたが5年くらい間に廃止・・
五徳がフラットなのは、TOTOのレガセスにあったのですが、現在は廃盤・・

「すっきり、掃除がしやすい」


というコンセプトがあまりにも浸透した結果、機能面で弱くなっている部分があります。
特殊な要望があった場合、対応できるのはどのメーカーなのか?
流しメーカーの探検は続くのでした・・


「システムキッチンを考える」目次へ・・
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

I型 210㎝のこだわりキッチン

2009-10-07 00:39:48 | システムキッチンを考える
今回、ご紹介するのは乙吉町S邸のキッチンです。
I型の2100㎜というコンパクトな設計なのですが、実に個性的です。
私の好きなプランの一つでもあります。



コンパクトでも本格的なキッチン


左からガスコンロ75㎝、3段引き出し45㎝、シンク90㎝
シンクの下はオープンスペースとなっていて、ゴミ箱が置けます。
今は無きダイヤ製。こういう特殊な形にも応えてくれたのでした。



流し左側の扉から外へ出れます。
ゴミを出すとか、買い物から帰ってきて直ぐに冷蔵庫まで行けます。
庭から自家製ハーブとか採って直ぐに調理できるとか・・


キッチンルームは巾350㎝×奥行210㎝で、流しの直ぐ右には冷蔵庫を置き、
流しの反対側の(こちら側の)壁は、電子レンジ等の家電製品を置くスペースとなります。270㎝が利用できるので、たっぷりと置けます。



スウィング収納にて、吊戸棚の不自由さを解消しています。


対面型のキッチンが流行っていますが、個室型のキッチンだと、狭くても有効にスペースが利用できます。
対面型の場合は、カウンターごしに部屋に接しなければならず、対面カウンターの上に吊戸棚を置くと、圧迫されてしまうので、どうしても吊戸棚を取ってダイニングとキッチンを一つの部屋にしたいところです。
そうすると、カウンターの上のスペースが使えなくなる欠点が出てきます。
個室型だと、窓側に流しを持ってこれるので、窓上の吊戸棚が設置できます。

対面型の場合は流し後ろの家電収納や食器収納部分を「隠す」必要もあるため、この辺りで四苦八苦している人も多いはず・・・



そして、この家にも大事な思い出があります。
乙吉町S邸は1階部分に古民家の材料を使って、2階は地元の間伐材を使っています。更にその材料を伝統木組みによって確認申請を出した記念すべき建物です。
27坪というコンパクトな家ですが、薪ストーブやお客さんの意見を取り入れた本格的な家でもあります。

そして、引き渡した直後、新潟県中越地震が襲ったのでした・・
(引渡しは10月23日でした)



翌日の廻りの様子。
家は斜めに傾いています。


道路は崩れて、波打っています
この辺りは、長岡市内でも地震の被害が大きかった地域です


そんな中、S邸は何もなかったかのように平然と建っていたのでした


内部は、確かに揺れが激しかったらしく、お客さんの運んだ家具が倒れて散乱していました。
でも、木組みの栓や込み栓はヒビ一つ入らず、建物も傾斜していなかったのには驚きました。
伝統構法は地震に強いことを証明した家でもあります。



地震直後の流し・・


その後、お客さんは仮設住宅で過ごし、道路や下水道等のライフラインが復帰するのを待ってようやく引っ越すことができました。
その間、2回の冬を越さなければならず、道なき道を雪をかき分けながらたどり着き、更に屋根に上って2m近くある雪を屋根から下ろす作業をしなければなりませんでした。

地震の直後、私の会社は2件の新築をしていましたが、どちらも激震地区で、もう一箇所は小千谷市です。建物が壊れていれば、直して引渡しをしなければならず、もうだめかと思っていたのですが、どちらの建物も無傷だったのに、山の木と伝統構法に救われた経験をしました。

地震に絶えた山の木の家は、まさに今の山林や伝統構法を象徴しています。

まさに、崖っぷち。でも何とか耐えている。


途絶えようとしている、ぎりぎりのところで存続をかけながら頑張っている姿です。
そういう特別な家が乙吉町S邸なのです。



「システムキッチンを考える」目次へ・・
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする