この日曜日、中島H邸にて「完成見学会」が行われました。
あいにくの雨でしたが、多数の来場者があり、地元の木のぬくもりと伝統木組みの落ち着いた空間を堪能していかれたようです。
特に、この建物はバリアフリーの見本となるような建物で、色々と参考になった点があったかと思います。
現在は、引越しの荷物が搬入され、新しい生活の準備がすすめられています。
日中は、施主さんが荷物の整理をし、夜は別宅へ寝に帰る日々ですが、
おばあちゃんも、
「ここがいい」
と、ついつい長居してしまうというそうです。
見学に来られた方々も、平均30分以上。長い人は1時間くらい見学され、
口々に
「落ち着く」
とか
「居心地がいい」
とか言われていました。
どうやら、私の造る家は、そういう特徴があるようで、
「人が集う家」
になる要素をもっているようです。
どの家も、直ぐに料亭やうどん屋とかの店が開けるくらいの雰囲気を持っています。いつも冗談に、
「仕事やめたら店開いたら?」
とか、お客さんに薦めたりしていますが・・・
いつから、こんなつくりをするようになったんだろう?
原点は、やはり旧吉田町T邸でしょうか・・
柱磨きも、そのころだったような・・でも全部の部材ではなかったと思います。
柳原「塩乃谷 鮮魚店」では、一室古民家風の奥座敷をつくりましたが、あのときに「商売繁盛」「千客万来」の念を込めていたのが、今の造りに至ったかも・・
その部屋は殆ど予約でいっぱいだそうです。
塩乃谷さん自体も、新店舗で殆ど休みがないくらいに商売が繁盛しているそうで・・
「人が集う建物」
そういう特性は、なかなか出せない要素だと思います。
それは、設計者だけでも作り手だけでもできない。お客さんや地元の山の木が一つになったとき、「末々まで長持ちさせたい、未来永劫、子孫繁栄」という想い、願いが入ったときに、生み出されるものなのだと思います。
その願いが空間に詰まっていて、それに感応した人々が集まってくる・・
そういった空間づくりが私の願いであり、家作りのポリシーでもあります。