「やればわかる やればできる 小倉昌男の経営と仕事についての120項」 小倉昌男・著、講談社+α文庫、2005年11月20日
p.5 だが、マニュアルを守っていれば良いサービスが維持できるかというと、そうではない。普通のサービスは維持できるだろう。優れたサービスが提供できるかというと問題がある。
では、優れたサービスを提供するにはどうするか。それはマニュアルを離れて臨機応変に対処することである。それが可能になるのは社員に気働きによえう。お客さまの立場に立ち、お客さまの気持ちになって考えることから始まり、必要な行動を起こすのである。
p.23 私どもの仕事はあくまで荷主さんが中心で、その荷物を代わって運ばせていただくのであるから、常に荷主さんの心になっていなければならない。それには相手に惚れるようでなければ、いつでも荷主さんのことを考え、どうすれば相手を喜ばせることができるだろうと努力を重ねることはなかなか難しいと思う。
p.27 ヤマトは常に良いサービスを提供する。そして運賃は、サービスに対するお客さまの満足の対価として頂戴していることを、はっきり打ち出す姿勢が、必要なのではないか。
p.29 宅急便を始めてみて、会社は営利を目的とするという言い分は間違っていたのではないかと思う。私たちはお客さまを喜ばすことを目的に仕事をする。お客さまはそれに感謝しその仕事が長続きするように会社を儲けさせてくださる。それが正しいのではなかろうか。
p.31 サービスがダントツなら、お客さまの信頼を得て取扱量もダントツ、収入がダントツなら利益もダントツになると、信じて疑わない。
p.33 「収支が先か、サービスが先か」。サービスが先であることを忘れてはいけない。
p.40 「私たちは、大都会の営業所より幸せですよ。なぜって努力をすれば他社とのサービスの違いがはっきり出て、目に見えて荷物が増えていきますからね。村の人たちに喜んでもらって、本当にやりがいがあります」
p.53 サービスの悪さに腹を立てても、わざわざ投書をする人はまれで、黙ってこらえている人が、大半なのだから、他社に対する投書でもヤマトに向かって言われたものと受け止め、自戒しなければいけない。
p.93-4 この管理という間接業務は、いくらでも精密にやることができるし、また簡単にすませることもできるものである。ではいったい管理業務の適否を判断する物差しは何であろうか、私はそれは“目的意識”だと思う。なぜなら、管理業務というのは営業目的を最も効率よく達成するための手段であるから、目的をはっきり認識してはじめて、それに適合した簡素で効果的な手段としての管理業務のあり方が決まってくるからである。ところが往々にして手段を目的と取り違え管理のための管理業務が発生したり、やたらに精密な統計をとり記録を残すことをもって善しとし、あるいは状況が変わっても昔ながらの業務をかたくなに守ることに汲々としたりしがちである。
p.115 宅急便だって、革新的な輸送技術があるわけではない。お客さまに百パーセントの完璧なサービスを提供することも、儲からないといわれている宅配の市場で利益を出すことも、固定観念を破った新しいアイデアを積み重ねることによってのみ、可能なのである。
p.130 「事業の目的は、人を育てることであり、人を育てるとは品性を良くすること」「企業の成長は、そこに働く人々の成長に正比例する」
p.149 当社はいわゆるサービス業であって、仕事がまったく人間的なのが特色であり、社員の働きそのものを売っているのであるから、第一線社員の仕事ぶりがただちに会社の評価となってはねかえってくる。
p.211 目標として掲げる(未達率という)数字は、その目安にすぎない。もし事故を隠して事故ゼロの記録を作っても、喜びではなく空しさを感じるだけではないか。荷物の玄関先放置がなくならないのは、未達率という数字に惑わされているからではないか。 #RM
p.214-5 嘘の報告をして記録を作ったとして、いったい何になるだろう。もし後の事故が発生しなくて事故ゼロ他一斉のお祝いをしていたらと思うと、ぞっとする思いである。目的は事故のない会社にすることであり、記録を作ることではない。 #RM
p.220 (トップの経営者が老齢だということに加えて)もうひとつ危ない会社になりやすい条件は、女性的な会社だということである。
女性的会社という表現は適切ではないが、言わんとするところは、つまらない形式に非常にこだわる会社だということである。
p.243 姑息なやり方は、目先の売り上げを伸ばすことには役に立つが、長い目でみると営業力が弱くなり、結果的にはマイナスになることは明白である。
なによりもイージーな商売に慣れて、営業力が弱くなるのが恐ろしい。
p.245 全員経営とはいったい何なのか。それは社員のひとりひとりが、日常の仕事を監督なしに、自分の考えでやるということである。社員が、仕事の目的を正しく理解し、目標を設定し、仕事のやり方を工夫し、目標以上の実績を上げるべく努力する。しかもそれを、上司の指示や命令、監督なしに、自主的に、自律的に実行する。というのが前任経営の姿なのである。
p.5 だが、マニュアルを守っていれば良いサービスが維持できるかというと、そうではない。普通のサービスは維持できるだろう。優れたサービスが提供できるかというと問題がある。
では、優れたサービスを提供するにはどうするか。それはマニュアルを離れて臨機応変に対処することである。それが可能になるのは社員に気働きによえう。お客さまの立場に立ち、お客さまの気持ちになって考えることから始まり、必要な行動を起こすのである。
p.23 私どもの仕事はあくまで荷主さんが中心で、その荷物を代わって運ばせていただくのであるから、常に荷主さんの心になっていなければならない。それには相手に惚れるようでなければ、いつでも荷主さんのことを考え、どうすれば相手を喜ばせることができるだろうと努力を重ねることはなかなか難しいと思う。
p.27 ヤマトは常に良いサービスを提供する。そして運賃は、サービスに対するお客さまの満足の対価として頂戴していることを、はっきり打ち出す姿勢が、必要なのではないか。
p.29 宅急便を始めてみて、会社は営利を目的とするという言い分は間違っていたのではないかと思う。私たちはお客さまを喜ばすことを目的に仕事をする。お客さまはそれに感謝しその仕事が長続きするように会社を儲けさせてくださる。それが正しいのではなかろうか。
p.31 サービスがダントツなら、お客さまの信頼を得て取扱量もダントツ、収入がダントツなら利益もダントツになると、信じて疑わない。
p.33 「収支が先か、サービスが先か」。サービスが先であることを忘れてはいけない。
p.40 「私たちは、大都会の営業所より幸せですよ。なぜって努力をすれば他社とのサービスの違いがはっきり出て、目に見えて荷物が増えていきますからね。村の人たちに喜んでもらって、本当にやりがいがあります」
p.53 サービスの悪さに腹を立てても、わざわざ投書をする人はまれで、黙ってこらえている人が、大半なのだから、他社に対する投書でもヤマトに向かって言われたものと受け止め、自戒しなければいけない。
p.93-4 この管理という間接業務は、いくらでも精密にやることができるし、また簡単にすませることもできるものである。ではいったい管理業務の適否を判断する物差しは何であろうか、私はそれは“目的意識”だと思う。なぜなら、管理業務というのは営業目的を最も効率よく達成するための手段であるから、目的をはっきり認識してはじめて、それに適合した簡素で効果的な手段としての管理業務のあり方が決まってくるからである。ところが往々にして手段を目的と取り違え管理のための管理業務が発生したり、やたらに精密な統計をとり記録を残すことをもって善しとし、あるいは状況が変わっても昔ながらの業務をかたくなに守ることに汲々としたりしがちである。
p.115 宅急便だって、革新的な輸送技術があるわけではない。お客さまに百パーセントの完璧なサービスを提供することも、儲からないといわれている宅配の市場で利益を出すことも、固定観念を破った新しいアイデアを積み重ねることによってのみ、可能なのである。
p.130 「事業の目的は、人を育てることであり、人を育てるとは品性を良くすること」「企業の成長は、そこに働く人々の成長に正比例する」
p.149 当社はいわゆるサービス業であって、仕事がまったく人間的なのが特色であり、社員の働きそのものを売っているのであるから、第一線社員の仕事ぶりがただちに会社の評価となってはねかえってくる。
p.211 目標として掲げる(未達率という)数字は、その目安にすぎない。もし事故を隠して事故ゼロの記録を作っても、喜びではなく空しさを感じるだけではないか。荷物の玄関先放置がなくならないのは、未達率という数字に惑わされているからではないか。 #RM
p.214-5 嘘の報告をして記録を作ったとして、いったい何になるだろう。もし後の事故が発生しなくて事故ゼロ他一斉のお祝いをしていたらと思うと、ぞっとする思いである。目的は事故のない会社にすることであり、記録を作ることではない。 #RM
p.220 (トップの経営者が老齢だということに加えて)もうひとつ危ない会社になりやすい条件は、女性的な会社だということである。
女性的会社という表現は適切ではないが、言わんとするところは、つまらない形式に非常にこだわる会社だということである。
p.243 姑息なやり方は、目先の売り上げを伸ばすことには役に立つが、長い目でみると営業力が弱くなり、結果的にはマイナスになることは明白である。
なによりもイージーな商売に慣れて、営業力が弱くなるのが恐ろしい。
p.245 全員経営とはいったい何なのか。それは社員のひとりひとりが、日常の仕事を監督なしに、自分の考えでやるということである。社員が、仕事の目的を正しく理解し、目標を設定し、仕事のやり方を工夫し、目標以上の実績を上げるべく努力する。しかもそれを、上司の指示や命令、監督なしに、自主的に、自律的に実行する。というのが前任経営の姿なのである。
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