「妻よ娘よ、きみと生きたい」 家西悟・著、小学館文庫、2001年7月1日
p.38 「(AIDSに)感染するというのはそんなものや。3000人に一人の確率や。いままでの治療をしていればいいんだ。心配せんでいい」
私啞然然とした。3000人に一人と言っても、その一人になったらどうするんというのだ!
「宝くじに当たるくらいや。何を恐れてんねん。君はノイローゼか」
患者の命をなんだと思っているのだろう。医者にしてみれば、「たかが患者の一人の命」に過ぎないのかもしれない。だが、患者本人にすれば、「たった一つの命」なのである。
p.43 与党は(エイズ予防法という)この悪法を成立させるにあたって、救済策も抱き合わせて成立させている。AIDSが発症したら、月二十数万円の手当を支給するというものだった。まさに口封じであろう。
p.53-4 「自分の病気を卑下してはいけない。血友病が何で悪いんだ。HIV感染者が何でわるいのだ。病者が病者として当たり前に生きていける社会が普通ではないか。われわれが自分の病気を卑下し、隠れるように生きていかなければならないような社会のほうがおかしいのだ。」
p.68 「医療従事者たちは危険性をわかっていながら、非加熱製剤の使用をやめようとしなかった。われわれを苦しめたのは、本当は医者なんだ!」
個々の医者の問題だけではない。医療従事者全体の体質の問題でもあり、医師の罪は多大であること、それを決して忘れないでほしい。
p.135 利益を追求するのは日本の経済構造上、企業として当たり前のことであり、それを否定するつもりはない。ただ、人間の尊い命を犠牲にしてまで、利権・利益を追求するのはモラルに欠けることとしか言いようがない。私はそれには断固として反対する。
p.162 「私は、あなたの『あのとき出ていれば・・・・・』という言葉は聞きたくない」
私は、(妻の)その言葉で出馬を決意した。
p.38 「(AIDSに)感染するというのはそんなものや。3000人に一人の確率や。いままでの治療をしていればいいんだ。心配せんでいい」
私啞然然とした。3000人に一人と言っても、その一人になったらどうするんというのだ!
「宝くじに当たるくらいや。何を恐れてんねん。君はノイローゼか」
患者の命をなんだと思っているのだろう。医者にしてみれば、「たかが患者の一人の命」に過ぎないのかもしれない。だが、患者本人にすれば、「たった一つの命」なのである。
p.43 与党は(エイズ予防法という)この悪法を成立させるにあたって、救済策も抱き合わせて成立させている。AIDSが発症したら、月二十数万円の手当を支給するというものだった。まさに口封じであろう。
p.53-4 「自分の病気を卑下してはいけない。血友病が何で悪いんだ。HIV感染者が何でわるいのだ。病者が病者として当たり前に生きていける社会が普通ではないか。われわれが自分の病気を卑下し、隠れるように生きていかなければならないような社会のほうがおかしいのだ。」
p.68 「医療従事者たちは危険性をわかっていながら、非加熱製剤の使用をやめようとしなかった。われわれを苦しめたのは、本当は医者なんだ!」
個々の医者の問題だけではない。医療従事者全体の体質の問題でもあり、医師の罪は多大であること、それを決して忘れないでほしい。
p.135 利益を追求するのは日本の経済構造上、企業として当たり前のことであり、それを否定するつもりはない。ただ、人間の尊い命を犠牲にしてまで、利権・利益を追求するのはモラルに欠けることとしか言いようがない。私はそれには断固として反対する。
p.162 「私は、あなたの『あのとき出ていれば・・・・・』という言葉は聞きたくない」
私は、(妻の)その言葉で出馬を決意した。